意識が戻る。
精神世界から帰ってきたナルトは、すぐさまこちらを心配そうな瞳で眺めていたフカサクに視線を送り、
「じいちゃん仙人、今すぐオレを戦場に戻してくれ」
開口一番、そう告げた。
すると、ナルトが戻ってきたことに気がついたフカサクが、何やら慌てた形相で近寄ってきて、
「ナルトちゃん! 九尾の奴はどうなったんじゃ!?」
と、乱れた声音で訊いてきた。
しかし、それにナルトは笑みを浮かべる。
余裕のある、どこか吹っ切れた笑みを浮かべて、
「問題ねーってばよ。鍵はちゃんと開けさせてもらった」
そう応えた。
だが、それを聞いたフカサクは、何故か不安の色をより一層濃くさせて、
「封印を解いたのか! 身体を乗っ取られりゃーせなんだか!?」
などと尋ねてきた。
その反応に、思わず首を傾げかけたナルトだったが……
すぐに、これは仕方のないことだと思い直す。
何故なら、九喇嘛のことは今まで誰にも話してこなかったから。
いきなり封印を解けば、そりゃあ心配するなという方が無茶な話であった。
けれど、それを長々と説明をしている時間はない。
戦争中だから。
こうしている今にも、誰かが死んでいるかもしれないから。
だからナルトは、
「大丈夫だってばよ、じいちゃん仙人。オレと九喇嘛……あー、九喇嘛ってぇのは九尾の名前ね。そんで九喇嘛はオレの相棒で、友達だ! だから、なんも心配いらねーってばよ」
淀みない口調でそう言った。
みんなを安心させるように。
内側では、『勝手にワシの名前を話すんじゃねェ』と、九喇嘛が不満を漏らしていたが、取りあえず聞こえないふりをする。
相棒の愚痴を華麗にスルーして、
「色々と心配なのはわかっけど、オレを信じてくれ!」
再度、自身の返還を要求する。
しかし、相も変わらずフカサクは不審げな顔を向けてきて、
「……九尾のことは一先ず置いておくとして……ナルトちゃんや。戦場に戻ったとして、その後どないするつもりじゃ」
という尻込みした言葉に、今度はナルトが眉を寄せる。
怪訝そうに眉をひそめ、
「どうするって、そりゃ……」
「また、木の葉の忍と殺り合うつもりか?」
険しい問い詰め。
敵意こそ感じないが、その問いは明らかにナルトを詰問するものであった。
その証拠に……
「…………」
ピリピリとした嫌な空気が周囲を覆う。
息の詰まる緊張感が、フカサクを中心に辺りへと広がり始め……
が、そこで。
ナルトが言った。
「オレは、忍だ」
重々しい威圧を払うような、力の込もった揺るぎない声で、
「オレは霧の忍で、いまオレの里に木の葉の連中が攻め込んできてる」
「…………」
「だからオレは戦うってばよ。里をを守るために。オレの仲間を殺させねぇために」
きっぱりとした声で、そう言い切った。
すると……
「…………」
フカサクが顔を歪める。
額の眉間に皺を寄せ、瞬きほどの刹那の時間、苦悶の表情を浮かべた……直後。
「…………」
目を吊り上げる。
刃物のような鋭い眼差し。
細く研ぎ澄まされた眼光が、ナルトを射抜くように睨みつけた。
そして、その眼光を携えたままフカサクが言う。
「それを聞いたワシが、ナルトちゃんを素直に霧に戻すと思うとるのか?」
怒気を孕んだ口調。
腰を低く落とした、あからさまな対立姿勢。
必要とあらば強硬手段も辞さないフカサクの対応に、ナルトは僅かな切なさを感じながら……
「…………」
周囲を見渡す。
いつの間にか周りに集まっていた蝦蟇たちを眺めつつ、自身の状況を客観的に把握する。
緑あふれる蝦蟇たちの楽園、妙木山。
そこに住まう彼らの中には、自来也やミナトをはじめ、木の葉との繋がりが深いものも数多く安住している。
特にフカサクは、その蝦蟇たちの中でも頭一つ飛び抜けた存在だ。
当然、木の葉への思い入れも人一倍大きいはずで……
仲間想いのフカサクが、木の葉と敵対するナルトにいい思いをするわけもなく……
が、だからこそ。
「……木の葉にいた頃、オレは毎日が苦痛だった」
だからこそ、ナルトは語る。
「周りの奴らはみんな冷たくて、それでも別にいいやって強がっても、やっぱ寂しくて……」
心の内を。
悲痛の叫びを言葉に変えて。
「でも、ハクや再不斬たちに出会ってからは毎日がすげぇ楽しかった。オレはここにいていいんだって、心からそう思えた」
「…………」
「霧の里は、オレが初めて見つけた自分の居場所なんだ。だから、それを壊させたりなんかさせねェ。絶対に! どうしてもそれ以外に道がねーってんなら、オレは木の葉の里を滅ぼしてでも、自分の里を守る」
そう言った。
二つの里を天秤にかけ、もしもの時は迷いながらも霧の里を選ぶ、と。
すると、それを聞いたフカサクは……
「っ……」
やはり複雑そうな顔をしていて。
悲しさとやるせなさをない混ぜにした、やり切れない表情を浮かべていて、
「……ナルトちゃんの気持ちは痛いほどわかる。じゃがの……」
が、それを遮って、
「でも……」
ナルトが続けて言った。
まだ大事なことを伝えていなかったから。
「でも本当は、木の葉の里とも争いたくなんかねーんだ。オレってば……」
喉を絞るような声で、そんな本音を漏らした。
そうすると、目の前にいるフカサクが、
「……っ」
泣きそうな顔をしていて。
それを見て、きっと自分も似たような顔をしているのだろうなと、ナルトは思った。
何故なら、今にも涙がこぼれ落ちそうだったから。
でも、耐える。
ここでみっともなく泣き喚くぐらいなら、最初から戦場に戻ろうなんて思わない。
そんなことは今やるべきことではない。
いま自分のやるべきことは……
「だからオレは探そうと思う。できるだけ多くの人を救える、そんな道を」
それがナルトの選んだ答え。
一秒ごとに、意味もなく、当たり前のように人が死ぬのが戦争で、誰かを救うには誰かを殺さなければならない。
そんな忍の戦場で、敵も殺したくないし、味方も死なせたくないなどという子どもの我がまま。
けれど、それがナルトのウソ偽りのない本心であった。
誰かに言われたからじゃない。
自分の心と向き合って、自分で決めた答え。
それを聞いたフカサクは僅かに驚いた表情を見せた後、顔をほころばせて……
そして、
「ナルトちゃん……」
その表情を曇らせる。
悔しそうに唇を噛みしめ、
「さっきまで意地の悪い質問をしとったワシがこんなことを言うのもなんじゃが……そりゃ、無理じゃ。木の葉と霧。その両方を救うなんて、そんな都合のいい道ありゃせん」
という、もっともな意見に、ナルトは「ああ」と頷き、
「確かに、その通りかもしんねェ。オレの言ってることはやっぱただの綺麗事で、じいちゃん仙人の言う通り霧と木の葉に和解の道なんてなくて、全部が手遅れなのかもしんねェ」
だけど、拳を握る。
強く、強く拳を握りしめ、
「だけどまだ、誰も試してねぇじゃねーか! 少なくともオレはまだ、何もやり尽くしちゃいねェ!」
続けざま、叫ぶようにナルトが言った。
「死んだ仲間は生き返らねーし、背負った命の重みも消えてなくなったりなんかしねェけど。でも、未来なら変えられる」
敵を殺したことに悔いているわけではない。
あの場で木の葉の忍を殺さなければ、より多くの仲間が敵の忍に殺されていただろう。
戦争だ、決して綺麗事だけでは済まされない。
けれど、ガイやサイのように、話し合いに応じようとしていた相手にまで問答無用で刃を突きつけたのは間違いだったのではないのか?
もっと別のやり方があったんじゃないのか?
そう思えたからこそ……
「オレはもう、後悔する道なんか選ばねェ。反省の言葉を口にするのは、全部をやり終えた後だァ!」
それが今のナルトに思いつく、精一杯の答えだった。
理屈なんて関係ない。
どっちも救いたいから、どっちも救う。
そんなナルトの想いを聞いたフカサクは……しかし、その顔色が晴れることはなく、むしろ先程より深く、昏い影を落とした表情を張りつかせ……
膨れ上がった絶望を吐き出すような、ため息混じりの声とともに、ぽつりと呟いた。
「……自来也ちゃんは、この戦争が始まる前から既に動いておった」
その言葉にナルトは首を傾げ、
「自来也先生が?」
フカサクが頷く。
「そうじゃ。普段の言動からは想像もできんが、自来也ちゃんはあれで聡い子での。誰よりも逸早く木の葉の問題を解決しようと動いとった」
「…………」
「じゃが、その自来也ちゃんですら戦争を止めることはできんかった。こうして戦が始まった以上、自来也ちゃんにも立場があるけんの。もう、ナルトちゃんに協力するのは難しいじゃろう」
「…………」
「忍の戦いとは、人と人の戦いやのぅて、国と国との戦いなんじゃ。結論だけ言えば、その大きな流れには自来也ちゃんでも逆らうことはできんかった……それを知った上で、もう一度訊く」
有無を言わせぬ眼光が、ナルトの身体を刺し貫き……
「ナルトちゃん一人でどないするつもりじゃ?」
途方もなく重い現実が、その両肩にのしかかった。
師匠である自来也ですら成し遂げられなかった、そんな現実を目の当たりにして、お前のような子どもに何ができるのか、と。
しかし……
「…………」
目蓋を閉じる。
ゆったりとした動作で右手を身体の中心へとあてがい、その温もりを確かめながら、ナルトはある人物の顔を頭の中に思い浮かべていた。
今この瞬間も、自分のことを見守ってくれているであろうクシナの顔を胸の奥深くに刻み込み、臆した心を奮い立たせる。
「オレは一人じゃねーって、母ちゃんが教えてくれたんだ」
「母ちゃん?」
首を捻るフカサクに、ナルトは抑えきれない笑みをこぼして、
「うずまきクシナだ! じいちゃん仙人も知ってんだろ?」
「そりゃ知っちょるが……なしてここでクシナちゃんの名前が出てくるんじゃ?」
疑問の言葉を口に、フカサクが困惑の面持ちをあらわにする。
するとそこで、今まで様子を伺っていた一匹のカエルが……
九喇嘛の鍵をナルトに託した他ならぬ張本人であるゲロ寅が、横からぬるっと割り込んできて……
「お? もしかして、鍵を開けた時にクシナとおうたのか?」
なんてことを言ってきた。
声のした方へフカサクが振り返る。
訝しむ視線をゲロ寅に向けて、
「どういうことじゃ、ゲロちゃん?」
「あ、ワシは四代目が九尾を封印する場面に立ちおうたんですが、そん時にクシナの姿も見かけたんで……」
「なんじゃて? そがーな大事な話、ワシは聞いとりゃーせんぞ!」
と一喝した後、またこちらに視線を戻す。
フカサクの瞳がナルトを捉える。
「クシナちゃんにおうたんかいの?」
「ああ!」
「何か言うとりゃーせんかったか?」
その言葉にナルトは笑みを浮かべる。
希望に満ちた、満面の笑みを浮かべて、
「オレを信じてるって、父ちゃんを越える忍はオレ以外にいないって、そう言ってくれた」
さらに続けて、ナルトが言った。
「だから、オレは前に進むってばよ。まだまだ弱っちいけど、父ちゃんや自来也先生みたいな立派な忍者には程遠いけど、でも、オレは一人じゃねェ。みんなで探せば戦争を終わらせる方法だって見つかるかもしれねェ。だから……」
手を前に差し出し、
「力を貸してくれ、じいちゃん仙人」
「なっ……!?」
あんぐりと開いた口から漏れた、驚愕の声。
目を大きく見開いたフカサクが、呆然とした顔つきでこちらを見上げて、
「わ、ワシも、か?」
それにナルトは、
「当然じゃねーか」
と、首を縦に揺らした。
すると……
「…………」
場の空気が騒めく。
妙木山に住う無数の蝦蟇たちが固唾を飲んでこちらの様子を見守る中、フカサクの視点が右往左往へ彷徨うように揺らめいて……
差し出されたナルト手のひらと、自身の手のひらを交互に見つめて……
が、数瞬の後。
フカサクから返ってきた回答は、ナルトの想像から大きく外れたものであった。
「……すまん、ナルトちゃん」
苦虫を噛み潰したような、無念の情を全身から漂わせた懊悩とした声音で、
「それは無理なんじゃ……」
そう言って、フカサクは繋がりかけた手のひらを、前に差し出そうとしていた自らの手を、無情にも地面に向かってだらりと下ろした。
触れ合うことのできなかった互いの手のひら。
その予想外の顛末にナルトは目を見開き、慌てた仕草と口調で、
「なんで!? じいちゃん仙人だって、オレと同じ気持ちのはずだろ?」
そう尋ねると、フカサクが申し訳なさそうに顔をしかめる。
そして遺憾の意を隠そうともしないまま、止むにやまれぬ事情を説明し始めた。
「……ワシと母ちゃんが持っとる力は、多分ナルトちゃんが思うとるより強大なものなんじゃ」
「へ?」
「それこそ、戦局の全てを覆せるほどにの」
「……マジで?」
千を超える忍たちが互いの里の命運を懸け、殺戮と虐殺を繰り広げる忍の戦場。
その全てを覆す?
んな、バカなぁ!?
あまりにも荒唐無稽な話に、胡散臭い目をするナルトだったが、しかしフカサクの目におどけの色はなく、実直な眼差しで言葉を繋ぐ。
「じゃから、今回の戦ではどちらの味方もせんと、そう母ちゃんと決めたんじゃ」
なるほど……
ナルトは腕を組み、思考を巡らす。
確かにそれが本当の話なら、フカサクはおいそれと戦場へ赴くわけにはいかないだろう。
些か誇張しすぎでは? と思わないでもないが、しかしもし事実であれば、里間同士のバランスさえ崩壊させかねない。
そう判断したナルトは、しぶしぶながらも差し出した手を下に下ろすしかなかった。
が――
話はそこで終わりではなかった。
切迫した雰囲気から一転、フカサクが覚悟を決めた相貌でナルトを見据える。
「じゃが、ナルトちゃんの気持ちは……よぉわかった」
そう言いながら、視線を上へ。
ナルトの身長を追い越し、その遥か後方に佇む玉座を見上げて……
フカサクが言った。
「大じじ様。よろしいでしょうか?」
妙木山の主に向かって伺いを立てる。
するとそれに、大蝦蟇仙人がゆっくりと頷き、
「よかろう」
仰々しい立ち振る舞いで首を縦に動かし、了承の言葉を口にした。
すると、その一言を確認し終えたフカサクが、自身の視界を元の場所へと戻す。
明瞭な双眸に、再びナルトの姿を映し出し、それから……
「ナルトちゃん。最後にもう一つ、意地の悪い質問をさせてはくれんか?」
「なんだってばよ?」
そう気軽に聞き返したナルトに、フカサクが問いかける。
「ナルトちゃんの優しさは尊いものじゃとワシも思う。じゃがの、その選択はもしかすれば、救えた命すら取りこぼしてしまうかもしれん。最悪の場合、全てを失うこともある……厳しいことを言わせてもらえば、ひどく中途半端な道なんじゃ」
「…………」
「それでもナルトちゃんは、その不確かな道を選ぶんかいな?」
脅すような、しかしどこか確かめるような問い。
そんなフカサクの問いかけに、やはりナルトは迷うことなく、こう言い返した。
「ああ、これ以外にオレの歩く道はねェ」
「なしてか、聞いてもええか?」
眼前を見据える。
新たな決意と覚悟を宿した瞳で、まっすぐに前を見据えながら、ナルトはゆっくりと口を開いた。
「どうしても木の葉と争う以外に道がねーってんなら、オレだって覚悟を決める。けど、その道の先には、オレの望むものは何もねーんだ」
後ろのポーチに手を突っ込み、そこから一冊の本を取り出す。
表紙に「ド根性忍伝」と書かれた、赤く、真っ赤な血で染められた、何も守れなかった自分を戒める、敵の忍に殺された子どもの遺品。
「誰かを犠牲にして得た平和を、オレは平和とは呼ばねぇ」
木の葉への憎しみが、完全に消えたわけではない。
むしろ、心に潜む憎悪と怒りは膨れ上がる一方で。
どす黒い何かが、今にも溢れ出しそうで。
それでも……
それでもナルトは、その何かを自分の心の中で必死に抑え込んだ。
過剰な力で本の背表紙を歪ませながら、渦巻く激情を抑え込む。
「だって、その先にある結末に、誰も満足なんてできねぇから。再不斬も、ハクも、長十郎も、メイの姉ちゃんも、オレも、九喇嘛も……何かを犠牲にして得た平和に、オレたちは胸を張ることなんてできねぇから」
故に。
ポーチに手を入れ、「ド根性忍伝」を収める。
怒りと憎しみを耐え忍び、落とした視線を上に向けた。
「だから、オレは足掻いてみる。平和ってもんがあるなら、オレたちがそれを掴み取ってやる! 諦めの言葉なんか、ぜってぇ意地でも口にしてやらねェ!」
拳を前に突き出し、毅然とした口調でそう言い放つ。
碧眼に決して曲がることのない、強い意志を込めながら。
すると、そんなナルトの様子から何かを汲み取ったのか、フカサクは両手をパンッ! と叩くように重ね合わせて、
「よぉ言うた! なら、ワシからこれ以上言うことはありゃせん」
「オッス!」
「ワシと母ちゃんは力を貸すことはできんが、ここにはおらん他の蝦蟇たちにもナルトちゃんのことを伝えておくけんの……世界の命運をお主に託す」
それにナルトは頷く。
託された想いに負けないように、決意と覚悟を宿した瞳でしっかりと頷き、
「おう! どこまでやれっかわかんねーけど、やれるだけやってみるってばよ!」
そう言い終わると同時に、フカサクの術が発動する。
空間から空間へ移動する、時空間忍術の一つ。
「逆口寄せの術!」
ボンっ!
白い煙が立ち昇る。
その煙がナルトの身体を包むと同時に、その存在を一瞬にして妙木山の地から、彼の地へと消し去ったのであった……
気づけば、そこは見覚えのある森の中であった。
もっともガイとの戦闘による余波のせいで辺りの木々は崩れ倒れ、森と呼んでいいのかわからない惨状ではあったが……
が、しかし。
そんな光景など問題にもならない大きな気配に、ナルトはただならぬ異常を感知する。
原因の所在は探すまでもなかった。
「なんだってばよ、あれ……」
数キロ離れたこの場所からも、肉眼ではっきりと見えるほど大きな――否、巨大な亀のような生物が……
「ォォオオオオオオオ!!」
霧の戦場に、君臨していたからだ。