2100年9月23日
四葉十六夜失踪及び死亡事件から、丁度3年が経ってしまった。
上記の事件は、カルト教団による犯行と、公表された。
首謀者として
人類を再設計するという馬鹿げた計画。社会から孤立した古式魔法師を集めたカルト宗教。
周囲から鼻で笑われたその自供であるが故に、責任はそんな事を仕出かした首謀者・
ただし、信者たちの信仰心は抜けず、カルト宗教の教義を叫び続けたため、社会からは爪弾きにされたまま。扱いに困った大亜連政府も周辺国家も、カルト教団の拠点であるあの隠れ里に押し込め続け、徹底して監視する事を決定したのだった。
また、その事件は四葉十六夜が独断かつ単独で解決した事になっている。大亜連国土で戦術級魔法が使われたのも、四葉十六夜によるモノとされている。日本と大亜連の二者間では達也によるモノと共有され、また、達也が非公式戦略級魔法師である事が共有された。
同時に、USNAはそんな見え見えの嘘に騙されていないし、諸外国もまた、懐疑の念を持ち、その公表を鵜呑みにしてはいない。
そんな、不明瞭な部分が多い公表より、世界に衝撃を与えたのは2つの事。
1つは、ある種当然。
四葉十六夜の死、である。
四葉十六夜が日本護国に貢献していたのは周知であり、また、日本を最優先にしながらも、国際協調を大事にしてきた姿も周知されている。
そんな、日本護国の勇士にして、日本と国際の協調を目指した若き先導者の死である。
各国の有力者が、その死を悼んだ。
USNAのアンジー・シリウス、新ソ連のアンドレエヴナたち、イギリスのウィリアム・マクロードまで弔意を示し、葬式への参加希望を発信したのだ。
三国の戦略級魔法師に日本国土を踏ませるというのは、日本政府高官としては危機感を覚えてしまう。
でも、千載一遇にして二度とない機会だとも認識していた。
魔法先進国3国が、日本の勇士を悼む姿。平和協調にこれ程インパクトのある絵はない。
結果として、日本本土から離れていて、かつ、上記三国からの移動で本土を横断しない島、択捉島にて、四葉十六夜の葬式が行われた。
その規模は国葬もかくやというモノとなり、日本の政治高官や国防軍少将も参列。国籍もワールド・ワイド。上記三国以外の国からも、代表者として政府高官が参加していたし、参加しなくても弔文を送る国もあった。もちろん、単純に四葉十六夜の死を悼む思いだけではなく、各国との友好を得るためという打算を含まれていたが。ただ、本当に純粋に四葉十六夜の死に涙する政府高官も居た。護国に文字どおり命を捧げた人間という存在が羨ましく、その物語性に感動せずにはいられなかった、という話だ。
世界に衝撃を与えたもう1つ。
国際魔法師協会で拘留されていた
端的に事の裏側を明かすなら、擁護の声は、国際魔法師協会にまで潜り込んだ、『英雄派』残党の声だ。
『英雄派』残党は、
カルト教団が、その教義はさておいて、あまりに無害すぎた事と、情状酌量の余地がある事を擁護の材料にし、そしてまさかの観察処分を勝ち取ったのである。
擁護した者たち以外も、彼が持つ技術の有用性を嗅ぎ付けた末の、様々な策謀が合致した上での奇跡と言える。
実際、公開された生物兵器、『ロンリネスト』、『ナンセン・ガッケル』、『サーカムポーラー・カーレント』、『キリマンジャロ』の技術を開示させようと、躍起になっている国もいくつかある。
強かなのが
日本も誘惑された一国であり、また、一歩間違えば開戦となる『四葉』の不法入国を不問にする取引も持ち掛けられ、
その際、真夜や達也による糾弾も、日本政府によって封殺された。
これが、世界に衝撃を与えたもう1つ、ではない。
本題は、観察対象として保釈された
ある日パタリと、監視員に偽の記憶を植え付けて、いつの間にか行方を
これは、世紀の大逃亡として、歴史に刻まれる事となる。
以上2つ。当時はそれこそ様々な意見が加熱し、盛り上がっていた。
だが、3年という月日が、その爪痕だけを残して、風化させていったのであった。
当事者、四葉十六夜という大事な人を失った達也たちを除いて。
達也たちも、懸命に生きている。
事件の後に
人類再設計計画。世界各国はカルト宗教の妄言として、鼻で笑って流したが。その真実は、実現の一歩手前まで行って、十六夜の手で阻止された、というモノだった。
達也たちは、十六夜が世界を守ったという事実を胸に刻む。故に、その世界で前を向いて生きる選択をした。
これは、大切な人がくれた未来なのだと。
達也たちは皆それぞれ、前を向いて懸命に生き、それぞれの場所で活躍している。
特に、達也の活躍は著しいだろう。
魔法資質を持つ者の為の国際的な互助組織『メイジアン・ソサエティ』の設立。
その組織が持つ理念の実現を目指す法人『メイジアン・カンパニー』の設立。
恒星炉プラントを建設・運営する事業体『ステラジェネレーター』の起業。
改めてその足跡を明記すると、国立魔法大学に在籍する現役学生(もう色々な功績を認められて卒業資格を持っていて、本人も大学が保有する資料を閲覧しやすくするためだけに、ほぼ籍を置いているだけ状態だが)がやる事じゃない。
それでもふと、振り返るのだ。
隣に十六夜が居たら、どんな風に笑ってくれただろう、と。
それこそ、現役学生のする事じゃないと、呆れ笑いをしていたかもしれない。
達也が、幻視する。
深雪が、水波が、幹比古が、美月が、レオが、エリカが。
リーナが、真由美が、雫が、真夜が。
幻視する。
普段向けてくれただろう、暖かい微笑みを。
何気ない時に見せてくれただろう、破顔を。
だから、突如聞こえてしまったのだ。
(その、俺が絶対笑ってるだろうって確信ナニ?俺そんな笑ってなかっただろ?)
恥ずかしそうに、苦々しいように、呆れるように、笑っている十六夜の声を。
皆、その声に弾かれるかの如く吸い寄せられたのだ。
とあるニュースを報じる画面に。
〈ここにっ、
達也たち、世界各国の多くが、寝耳に水を受けた。
まだ20に届かないだろう少女の、ニュース番組で大々的に宣言する姿。
その少女に、達也や真夜などは目を見開く。
ニュースは続く。
実際、映し出せれた地図は新旧で国境を比較し、それぞれから土地を分け与えられた事を図示している。
その土地の中心に、
〈この度に建国と相成りました新国家、『
美しい容姿に、美しい所作。少し扇情的なチャイナ・ドレスに身を包んでいるが、逆にそれが彼女へ神秘性を付与している。
ニュースを眺める幾人かに、こう印象を与えた事だろう。
まるで天使、あるいは女神のようだ、と。
〈理想には力が要ります。力なき理想は虚言でしかありません。だから、お見せしましょう。『
そして見せ付ける。
背後に木が生え、そして、巨木へと成長し、まだ止まらない。
引いていくカメラも間に合わず、最終的に見上げる事となって、その青々とした樹葉と頑強な樹体を拝む事となった。
〈この大樹の名を、『
聖樹と称された大樹が急に現れたのにも、ニュースの視聴者だけでなく、その場にいた4国の代表も息を呑むしかなかった。
しかし、『愛国者が捧げたエネルギー』というのが、とても不穏に響く。『
〈この大樹と同じく
そうすれば、晴天はたちどころに曇天となり、雷雨を伴うようになり、そして、雷を1つ、目前に降ろした。
雷を操る、となれば大亜連の戦略級魔法『霹靂塔』も似たようなものだが。識者は、断然今の光景を危険視する。
展開速度が早すぎる。しかも雨まで降らせている。
『霹靂塔』は、あくまで電磁波による電子機器の麻痺及び破壊をもたらすための魔法であり、落雷は強力な電磁波を生むための結果。落雷自体に左程威力はないし、操れもしない。
でも、先程の光景は、間違いなく雷を操っていた。天候を操っていた。
〈さらなる余興と行きましょう。―――天光満つる処に我は在り。黄泉の門開く処に汝在り。出でよ、神の雷〉
―『インディグネイション』
遠方。小高い丘。
それが、眩き雷光の後、平野となった。
その光景を拝んだ者はみな、震えた。
極一部が何故か感動するようであった事はともかく。
間違いのない、戦略級。
一発で都市を吹き飛ばせるだろう威力。
射程は何処までだ。まさか、この開けた空全てか。
脅威を推測する。
そして認める。認めざるを得なくなる。
『
〈力は示しました。しかし、わたくしは暴力による交渉など望みません。あくまで、武力を保有する存在であり、諸外国と対等であると認めてもらった上で、言葉による交渉を、そして協調を望みます〉
目を伏せ、恭しく頭を下げる
〈もちろん、一方的にモノを
皆、耳を疑った。
『魔物』技術。
これは、約3年ほど前にその存在が世界へ周知された技術だ。
前述した通り、その技術は各国が開示を求めていた技術でもある。
〈あ、ちなみに
さりげなく、
これで証明される。
そして衝撃発表。
〈我が国と友好関係を結んでいただける意志がございましたら、是非ともわたくし自身が訪問させていただきます。まずは、先約がある日本から〉
日本の上層部も実は、
そうして今日、2100年9月23日に、
日本政府及び国防軍高官、更には有力者との交流のために。
達也たちは、日本の有力者として、その交流会への招待状が贈られていた。
深雪や真夜はもちろん、レオや美月に至るまで、である。
その招待状に、あの3年前についてお話がしたい、と、文章を添えながら。
四葉十六夜奪還のために大亜連国土を踏んだ者たちは一人残らず、その招待に応じる。
塞がりかけた瘡蓋を、引っぺがされたような面持ちで。
久しく幻覚の中だけとなった、四葉十六夜の残滓に誘われて。
対馬で開かれた、日本・
ちなみに、
『天皇』が積み重ねた歴史で国の象徴として、君臨すれども統治せずというスタンスなのに対し、『
とかく。両国の政府高官同士が、軍部高官同士が、そしてそこに日本の有力者が交ざって、談笑している。
日本語が通じるという事で、日本側は無意識に親近感を抱いている。それははてさて、
四葉十六夜奪還のメンバーは、一か所に集まり、各々の意志を込めて
この交流会にその身を現わしている
彼女は戦略級魔法師として忌避されるのを恐れ、自身に魔法を制限する呪印、古式魔法のそれをその身に刻み、この場に望んでいた。
背中が開けたチャイナ・ドレスで、その背中に刻まれた呪印を参加者に披露もしていた。
実際効果があるものかと、日本側の参加者たちが、さりげなく居るその手の有識者である幹比古と達也に意見を求め、2人は魔法制限に効果がある物と太鼓判を押した一幕があった。
何故か一瞬、本当にほんの一瞬、達也が表情を歪ませたが。
交流会は恙なく、昼食を挿んで終了。
ちなみに献立は日本側からの歩み寄りと、
そして、交流会終了後。四葉十六夜奪還のメンバーと、五輪澪だけが残留し、別会場へと案内される。
メンバーは、率先して前を歩く達也を先頭に、会場の扉を開く。
会議室程度の広さであるその部屋で、長机を四辺に並べたその上座。
ちなみに
ただやはり、いつの間にか消息不明となっていた周妃がそこの居る事に対する衝撃が、十六夜奪還メンバーにとっては大きい。
皆固まる。
その中、達也だけがその存在を意に介さず進み出て、そして、
今度は驚愕で皆が固まるが、達也を意に介さず、いや、意に介す事が出来ず、その激情を叫ぶ。
「その体でっ、良くも俺の目の前に出られたな!
「達也様!?」
達也の激昂。深雪をして、所以を計り知るに至れなかった。
「いつだ……っ、いつ十六夜の遺伝子を盗んだ!その遺伝子でその体を作った!応えろっ、パラサイト!!」
達也のその怒声で、皆がようやく達也の激昂を読み取る。
達也は『エレメンタル・サイト』で見たのだ。
かつては四葉真夜の遺伝子を用いて作った肉体に、ある者のプシオン、意志を継承したパラサイトが乗っ取っているものと考えていた。
その時点で敵意を煽られるが、用いられた遺伝子が四葉十六夜であるという真実は、その敵意を飛び越える。
達也にとって、大切な弟の忘れ形見を悪用されているようなもの。
それに気付いた瞬間に殺していないだけで、達也はかなり大人になったと言える。かつてはキョウダイ愛を微塵も制御できていなかったのだから。
とかく。達也からしたら、正当な殺意を向けられて、当の
「……」
―――憂い顔を晒していた。
予想していたとおりの最悪をその目にしたような。わずかでも縋った希望に裏切られたような。
その顔を拝んで、真夜は、呟く。
「―――……十六夜?」
恩人にして想い人の名前。
メンバーの数名は勘違いする。彼女も十六夜の遺伝子が使われている真実に、唖然としてしまったのだと。
勘違いしなかった者は、雫、真由美、リーナは、目を見開いて、つぶさに観察し始める。
「く……くはは!あははははは!そう怒るなよ、司波達也。『四葉真夜の血縁』という言葉に、嘘はないだろう?『四葉十六夜』は『四葉真夜』にとって遺伝子上の息子なんだから。俺は四葉真夜の娘じゃなくて孫娘だった、というだけの話さ」
「貴様っ……!それが俺にとって何を意味するのかっ、分かっているのか!」
「いったい何を意味するんだい?伯父さm―――痛ぁぁい!!!?」
激昂する達也を
その音は、
「急に何すんだよ、周妃!乙女のお尻を引っぱたくなんて、世が世なら重罪だぞ!?」
「いえ、
「『尻を叩く』を比喩じゃなくて字面どおりにやる!?」
急に始まる美少女たちのコント。
これには達也も、そしてメンバーのほとんども目を白黒させるしかなくなっている。
ただ、いつの間にか雫だけは、
「な、何用かな?北山しz―――」
今度は、雫の口付けによって。
ついでにその瞬間にシャッター音が鳴っていた。
「ちょっ、まっ、おまっ!俺の正体を察したとして、まず確認しよう!?な、雫!?」
「3年も婚約者を放置してた奴の言い分なんて知らない」
「割かしご尤もだけどね!?というか周妃!何撮ってんだ!」
「見てください、
「あら^~キマシタワー。……、じゃないんだよ!」
勝手知ったるが如く、雫もコントに混じる。
雫は微笑んでいた。涙を一筋流しながら。
メンバーは皆、各々気付き始める。
真夜たちヒロインズは、もう
「十六夜!貴方は、何をどうして、私に黙っていたの!」
「十六夜くん!パラサイトで体乗り換えてるなら言いなさいよ!」
「サキー!このファッ〇ン・ガイ!」
「おい最後。ド直球罵倒は控えてくれよ。気持ちは分かるが」
真夜、真由美、リーナは溢れる思いを
その光景を見て、達也たちも気付く。
そうだ。十六夜はパラサイト憑依者で、パラサイト本体として体を乗り換える事も可能だったと。
詳細は少し違うのだが。
達也は、震える。
俄かには信じられない。だからこそ、信じたいと。
CADを取り落とした右手を、
「十六夜、なのか……?本当に……?」
「い、いや~、何と言えば良いんだろうね?とりあえず魂は十六夜本人だし、最初っから暗躍する用の端末だったこの体が周の手助けもあって本体になっていると言いますか……―――グエ」
もう達也まで抱き着く始末である。
それで皆、堰を切る。
「おっ、ちょっ、そんな大人数でハグは―――アッーーー!!」
皆の突撃により、
もはや皆に押し倒されている状態である。
『十六夜(さん)!』
そうして、皆からそれぞれ罵声を浴びせられる。
一様に、どうしてもっと早く明かしてくれなかったのかと、多種多様に言い換えて。
「み、みんな……ぐるじい……」
皆、慌てて十六夜の上から退く。
「し、死ぬかと思った……」
「実績のある人間がそう言うのは止めろ。冗談でも笑えない」
「冗談じゃないんですよこっちは!もう『超人』じゃないのよ俺!見た目通りな十代後半少女の身体能力なの!」
十六夜と達也も、コントし出す。
皆にとって久々の光景に、やはり、皆涙腺が緩む。
「あ、あ~……。コホン。皆様に、言わなければいけない事があります。聞いてくれる?」
気恥ずかしそうに、頬掻いて頭掻いて、ようやく切り出す十六夜に、皆頷く。
訊きたい言葉が、山程ある。
「とりあえず、まずは。黙っててゴメン。それと、ただいま」
『おかえり(なさい)』
返事は即座に。
皆の
「で、最後。―――みんな、俺と、その……。友達関係とかそういうの、やり直してくれますか?」
その言葉だけには、返答はない。
でも、皆、また十六夜を抱きしめる。
それが答えだ。
十六夜は、皆と一緒に涙を流しながら笑う。
(やり直すんだ。そして―――)
人生をやり直す。
罪の償いを終え、次は、周りに望まれて、自分も望んだ未来。
自分が大切な人たちと共に笑い合う未来。
不安はないか?
微塵もない。だって―――
(―――今度は絶対、上手く行く)
―――自分の幸せを願ってくれた皆が、傍に居るのだから。
「残念です。皆様が気付かないようでしたら、独り勝ちでしたのに」
「澪さんオーラで俺って分かってたもんね」
「五輪澪さん?十六夜の母親として、お話があります」
「あら。真夜様は十六夜様のヒロイン・レースを降りるのですね」
「降りる訳ないでしょ!」
「そいえば真夜さん?ほぼ『四葉十六夜』な肉体作って、それを端末として日本に暮らさせたいんだけど」
「了解よ、十六夜。IDの偽装は任せて?あの事件の末、魔法師能力を失った事にしましょう」
「……この話、ワタシたちは聞いてダイジョーブ?」
「聞かなかった事にしましょう?リーナさん。私たちには都合が良いし」
「マユミ……。それもそうね」
「十六夜さん。拠点は私の実家でどう?死んでるのに四葉を出入りするのは、きっと良くない」
「待ちなさい、雫さん!人一人隠し通すくらい、四葉は問題なく行えます!」
「十六夜くん。私の家なら、あと1人くらいは住めるわよ?」
「サキー!今すぐワタシとアパートを借りましょう!」
「4人で方々に引っ張らないで!?千切れるからね!?みんなも見てないで助けて!?」
『いや、幸せそうなので』
「幸せじゃないと言えばウソになるけどさ!!でも助けて!?誰か!おいっ、周妃!助けろ!」
「申し訳ありません、
「撮っとる場合かーッ!チクショおー!誰か助けろォォぉおおおお!!」
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。
本作の筆を執ってから、約8年。その筆を折りそうになった事が、いったい何度あった事か。その度に、UA、しおり、お気に入り登録、感想、評価、捜索掲示板での推挙、推薦、それら読者様方の反応に、背中を押されました。
時として、その大きく積もった反応が、私を無理矢理引っ張る呪いにも思いました。
しかし、呪いだからこそ、私の躊躇、一銭の得にもならない二次創作を続ける疑問に、足を取られる事なく来れました。
そうして至った、約8年がけの完結。総話数179話、合計文字数150万越え、お気に入り数7000越え、評価数約500、調整平均8点越え。
私の手で、これが行えた。
『一銭の得もない』なんて事はありませんでした。
何より大きな価値がありました。
面白いモノが書けるという自信を、己の小説を完結させられたという誇りを、もっと面白いモノを書きたいという向上心を、得る事が出来ました。
書いて良かった。書けて良かった。
何より、読んでもらえて良かった。
ここまでお付き合いくださいました読者様方。改めて感謝申し上げます。
本当に、お読みいただき、ありがとうございました。
貴方様が居られなかったら、本作の完結はなかったでしょう。
名残惜しくはありますが、すでに長文、これ以上は蛇足にして駄文となりましょう。この辺りで、締めのあいさつとさせていただきたく思います。
本作に関わってくれた全ての人に、感謝を。
それでは、またどこかで。