提督をみつけたら   作:源治

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元々この話数には『電波男』と『軽空母:飛鷹』が投稿されていたのですが、諸事情で『無職男と陽炎姉妹の日常』に差し替えさせていただきます。
※再掲載するかは未定です。
 

差し替えた話の内容はタイトルどおり。

時系列不明の整合性ガバあり、オチもヤマもない無職の日常回です。

 登場人物紹介
(無職以外の補足情報は仮)

・無職男 無職

・陽炎  霧島組本部長若頭
・黒潮  料亭黒潮の五代目
・親潮  霧島組付きの会計士
・磯風  著名な古物商
・浜風  艦連軍エリート(少佐)
・萩風  市職員(艦娘科)
・秋雲  漫画家(年収八桁)
 


『無職男と陽炎姉妹の日常』

 

 

 

 09:00

 

 今日は面接も陽炎姉妹との予定も入っていないので、ノー目覚まし。

 つまり好きなときに寝て、好きなときに起きれる日。

 

 最近多いけどな、こういうの。

 

 だが正直この自由さに慣れると、毎日決まった時間に起きるとか無理だな。

 なんて思考になってるあたり、どんどん無職であることに適応している実感がある。

 

 はいはい、この話しは終わりだ。(自己逃避)

 目覚めの一本をベランダで吸って、部屋に戻る。

 

 うーむ、小腹が空いた。

 

 なにかあったかなと、冷蔵庫を空ける。

 牛乳くらいしか無いと思ってたが、中にはカレーの入ったタッパーがあった。

 

 ああ、そういや昨日の夕方に萩風が来たんだったか。

 

 陽炎姉妹の一人である萩風は、クラスのカースト上位にいそうな美少女だ。

 だが、不健康な食生活が許せない、健康オタクでもある。

 

 昨日部屋でごろごろしてたら、突然やって来て晩飯を作ってくれたのを思い出す。

 どうやらついでに朝飯も作ってくれていたらしい。

 

 ありがたいやら情けないやらだが、まぁ、ありがたくもらっとこう。

 

 米を炊くモチベーションは無いので、ルーだけ直で食おうとしたら

『お米、炊いてあります。萩風』のメモがタッパーに張ってあった。

 なんか至れり尽くせりだな、女子力高すぎだろ、ほんと。

 

 皿を洗うのが面倒なので、釜を炊飯ジャーから取りだし、直接カレーをかける。

 

 実は温かい米に、冷たいカレーをかけて食うのが地味に好きである。

 逆でもよくて、冷たい飯に温かいカレーも結構好きだわ。

 

 そんなこんなで、朝から野菜が多い健康志向のカレーを食べて一日が始まった。

 

 

 

 10:00

 

 家でごろごろしてるのもあれなので、外に出る。

 

 特に行く当てもなくぶらぶらと散歩。

 ごろごろとぶらぶら、果たして上等なのはどちらなのか。

 

 いや、ぶらぶらの方が気持ちランクが上な気がしなくもない。

 

 そんなクソどうでも良い事を考えながら歩いていると、スモークガラスの黒い乗用車がすすっと目の前の道路脇に停車。

 ヤケに厳つい車だな、スジモンでも乗ってるんだろうか。

 

 あまり関わりになりたくないので、散歩のルートを変える判断を下す。

 こういうのは判断がはやいほど良い。

 

 そんなこんなで車に背を向けた瞬間、背中に衝撃が走る。

 

 メチャなさけない悲鳴がでた。

 

 なんとか踏ん張って衝撃に耐えたが、気がつけば陽炎が肩の上に乗っていた。

 衝撃の正体はコイツか。つかおい、いつの間にのぼったんだ。

 

 重いので降りろといったら、時津風はいいんだからいいじゃないという謎理論で返される。

 アイツはちっこい組だからいいんだよと反論したら、あの子はまだ上の方よと返される。

 

 聞けば時津風は十女らしい。

 上といえば上だが、まあ真ん中くらいか。

 

 というか十女ってすごいよな、しかもまだいるし。

 ちなみに秋雲が一番下で十九女らしい。

 

 改めて考えると多すぎだろ、陽炎姉妹。

 

 そして十九女というパワーワードに気をとられたせいで、なし崩し的に陽炎を肩車しながら散歩をする流れになってしまった。

 まぁ、長女といっても所詮女子供、大した重さじゃない。

 

 長時間はさすがに腰には来るけど。 

 

 しかしながら、黒スーツ姿の女学生を肩車して歩く無職の俺。

 控えめに見ても絵面がすごい、あとなんで黒スーツなんだよ。

 

 ブツブツと文句を口にしていたら、なんなら私に乗る? と、提案される。

 それは色々問題があるが、今より絵面がヤバくなるのでNG。

 

 通報されるわ。

 

 そんな綺麗な就活者無職号に乗り込んだ陽炎艦長(笑)とダラダラと散歩を続けていたら、どこからともなく黒スーツ(お前もか)の親潮が現われて、陽炎に戻るようにと口にした。

 なんでも用事がつまっていたとの事、なるほど。

 

 どこに戻るのだろうか、学校かな?

 というかサボりはいかんだろ、サボりは。

 

 抵抗する陽炎を地面に下ろす。

 

 その様子を親潮がなんだか物欲しそうな目つきで見ていたので、とりあえず親潮も肩車。

 ほーれ、高い高ーい。

 

 とりあえず途中まで親潮を肩に乗せて移動した後、二人と別れる。

 

 チラチラとこちらを振り返りながら去って行く二人に軽く手を振る。

 学校はちゃんと行けよ、じゃないと俺や前島みたいにアホになるからな。

 

 しかしなんだな、無駄に重いもの持って歩いたせいでとある事を思いだしてしまった。

 

 磯風んとこに、米買って持って行ってやらんと。

 確かそろそろ切れそうだとかぼやいてたはずだ。

 

 なんだかんだでアイツも仕事が忙しくて、店を空けるタイミングも難しそうだし。

 

 

 

 12:00

 

 汗をかきながら米を担いで歩くこと幾星霜。

 磯風の家にようやく到着する。

 

 裏から入ろうとしたら、ちょうど店の方にいた磯風の姿が目に入る。

 そして陽炎姉妹の三女である黒潮もいた、なぜか着物姿で。

 

 二人は高そうな壺を、穴でも空きそうな感じでじっと見つめている。

 若い身空の女の子が二人して壺を見てるって、なんか変な絵面だな。

 

 あれか、古物商のうんぬんかんぬんか?

 

 表のガラス扉を開いて声をかけると、二人同時にすごい勢いで振り向かれた。

 な、なんやのん君ら。

 

 磯風が黒潮とアイコンタクトしたあと、今日は店じまいだと言って店のカーテンを閉めだす。

 なんだんなんだ、仕事は真面目にした方がいいぞ。

 

 とりあえず米を台所に運ぶ。

 と、黒潮がうしろから付いてきた。

 

 なに、昼飯を作ってくれる?

 

 別に腹減ってないけど、まぁ磯風の分も一緒に作ってやってくれ。

 どこから取りだしたのか、着物の上からエプロンを着けた黒潮が料理を始める。

 

 邪魔になるから居間の方に行っとくか。

 

 居間に行くと、店じまいを終えた磯風がスキップしながら入ってきた。

 そしてこの磯風に任せておけと言い、キメ顔して台所に――

 

 入った数秒後、黒潮に台所から放り出された。

 

 あんまり料理うまくないからな、磯風。

 まあ元気出せ。

 

 磯風の家の居間にはテレビがないので、ラジオを流す。

 なんでも近々、那珂ちゃんのライブがあるらしい。

 

 チケット手に入るかな……

 

 磯風が淹れてくれたお茶を飲みながら、そんなことをボケッと考える。

 相変わらずこの部屋は窓から見える庭が綺麗で落ち着くわ、ほんと。

 

 にゃーん。

 

 猫もいるからな、磯風猫だが。

 膝の上に頭を乗せてじゃれてくる磯風の相手を適当にしながら、時間を潰す。

 

 と、磯風が黒潮に呼ばれた。

 なんか下ごしらえや、食器ならべるの手伝って欲しいとかなんとか。

 

 じゃあ俺もと立ち上がろうとしたら、磯風に押しとどめられる。

 

 お礼にならないからということらしい。

 あと、まだしばらくかかると思うから、風呂に入ってくれとのこと。

 

 いつの間に準備したんだ、え、店じまいの作業しながら。

 手際いいな。

 

 だが、確かに今日はめっちゃ動いたからな、汗臭かったか。

 お言葉に甘えて風呂を借りることになった。

 

 

 

 14:00

 

 勝手知ったる人んちの風呂、極楽極楽。

 

 寝そうになったが、待たせるのも悪いのでゆっくり風呂につかった後は、ささっと身体を洗う。

 風呂の栓どうするか、抜いといた方がいいよな。

 

 居間に戻ると、食事の準備ができていた。

 

 白飯に白だしの味噌汁、大根おろしを添えた焼き魚に、ほうれん草のおひたし、ひじきの佃煮、冷や奴、きんぴらごぼう、漬け物。

 

 一汁三菜っていうけど、六菜くらいあるな。

 簡単なもんでほんまごめんやでー、とは黒潮の談。

 

 いや、そこまで自炊に詳しくないが、結構時間かかるだろこれ。

 風呂入ってたとはいえ、この短時間でよくできたな。

 

 ありがたく頂く。

 

 久々にちゃんとした和食を食った気がするが、なんか身体に染み渡る美味さ。

 萩風の飯もうまいが、黒潮の方はなんというか、職人よりのレベルだな。

 

 別に腹減ってなかったけど、普通に完食。

 自然に身体に入ってしまう感じだった、恐るべし黒潮。

 

 後片付けは磯風がやるらしい、分業ってやつだな。

 

 はー、汗かいたわー。と、黒潮が手をパタパタさせて自分を扇ぐ。

 そして磯風にお風呂を借りるでーといって、風呂場に行った。

 

 台所からドタンバタンと音がして、磯風がすごい勢いで黒潮の後を追って風呂場に。

 

 なんだんなんだ、忙しいなオイ。

 というか、俺が後片付けやった方がいいか。

 

 チマチマ皿洗いをしていたら、黒潮と磯風の二人が、身体にバスタオル巻いて台所にカチ込んできた。

 

 なんじゃい、君ら。

 というか、はしたない。

 

 え、風呂場の栓抜いたの不味かった?

 す、すまん。

 

 

 17:00

 

 家の用事があるからと、なんか死ぬほど嫌そうな顔で帰って行った黒潮を見送り、だらだらと磯風の家で寝転んでいたが、気がついたら眠っていたらしい。

 

 起きるとなぜか、浜風が横で寝ていた。

 いや、反対の方に寝てる磯風が居るのはわかるんだが、なぜ浜風が居るのか。

 

 二人ともすやすやと気持ちよさそうに寝ていたので、起こさないように退散する。

 

 あれだな、ついでだし帰りに初風が働いてる喫茶店のコーヒーでも飲んでいくか。

 

 

 18:00

 

 晩飯時だが、初風の働いてる店はガラガラだった。

 まあいうて喫茶店だしな、そんなもんか。

 

 初風はいなかったがアイツ学生だからな、学業が本業。

 だがその代わりに、ワカメ頭の陰気くさい例の三文小説家が居た。

 

 かかわらんようにしようと思って声をかけなかったが、注文した後にトイレに行って戻ってきたら、俺の座ってたテーブル席の対面に陣取っていた。

 

 ギャー! 悪霊退散! 悪霊退散!

 

 が、こちらの事などお構いなしに早口で話し始める三文小説家。

 ええいもう、コイツの言うこと二割くらいしかわからんから、あんま関わりたくないんだが。

 

 金髪のやたら胸がでかい店員が、おどおどしながらコーヒーを持ってくる。

 初風が後輩が入ったって喜んでたヤツだな、確か。

 

 ダラダラと煙草を吸いながら、三文小説家の話を聞いたところ。

 なんでも新作の構想で頭を抱えてるとか。

 

 なるほど、ふぬ、ふぬ。

 うむ、わからん。

 

 適当に相づちを打って相手してたら、疲れた顔して秋雲が店に入ってきた。

 

 おーっと、片手をあげて挨拶する。

 と、その挨拶に反応した秋雲が俺を見た瞬間。

 

 まるで絶体絶命の状況で、赤の他人でモブだったキャラが、その状況を打破するスキルを持っていた人物だったと知ってしまい、驚きと安堵と救いを求める気持ちがごっちゃになった映画の主人公みたいな顔をした。

 

 長いわ、自分で言っといて。

 

 硬直している秋雲に、もう一度声をかけると、ハッとなって動き出した。

 そしてワンテンポで俺のところまで距離を詰め、涙目になりながら口を開く。

 

 げ ん こ う て つ だ っ て !

 

 

 19:00

 

 そんなわけで、今日も俺は×と書いてある場所を黒く塗ってゆく。

 

 ちなみに最近はトーンとよばれる、あらかじめ模様印刷されたものを原稿に貼り付ける作業も覚えてしまった。

 まだまだ秋雲や黒潮とか、その手のことを器用にこなす娘らには及ばんけどな。

 

 で、これ締め切りいつなんだ。

 

 は、明日の午後?

 おま、残りの作業量的にこれ、徹夜じゃねえか!!

 

 まあ俺は昼寝したから別につらくはないんだが。

 お前、何時間寝てないんだよ。

 

 ……二時間仮眠取れ、作業進めとくから。

 

 微妙に抵抗する秋雲を引きずって、寝室に放り込む。

 作業を進める前に煙草を一本吸おうとベランダに出たら、外はもうすっかり暗くなっていた。

 

 しかしなんだな、こんなんでいいのかね、俺の人生。

 

 なんて悩みが煙草の煙のようにフワッと浮かび、消える。

 まぁ、人生色々あるわな。

 

 つまりこんな日もあるって事だ。

 んじゃまあ、とにかくべた塗り進めるか。

 

 

 




別サイトになって恐縮ですが、この話の続きや他の物語を下記URL先に掲載しております。
よかったら覗いていってください。

https://genji.fanbox.cc/posts/1236980
 

三万文字を超える長編の投稿に関しては、分割した方が読みやすいですか?

  • 何文字になろうとも一話にまとめて欲しい
  • そこまで長くなるなら、二分割にして
  • 一万文字ずつくらいで、三分割にして
  • 実は七千文字くらいがいいので、四分割
  • 正直五千文字がベスト、五分割がいいな
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