Fate Apocrypha学園   作:ただの名のないジャンプファン

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更新です。
今回は完全なギャグとして作りました。


4ページ目

 

 

〜side休み時間〜

 

だいぶ賑わっている休み時間。

何時もクラスメイトの皆はしゃいでいるのだが今日は何故かいつもと何かが違う。

何が違うかって?

それは何故かクラスの皆はソワソワして何か待ちきれない気持ちが抑えられないようだ。

抑えきれない衝動を理性で抑えているが抑えきれないモヤモヤが教室内に浮かび上がっていた。

 

「ジーク!」

 

「アストルフォ。どうしたんだ?」

 

「持ってきたぁ?」

 

とアストルフォは自分が手に持っている手提げを掲げジークに見せる。

ジークはそれを見て1度頷き自分の机の横に引っ掛けていた手提げ袋を持つ。

 

「あぁ、早く移動しよう教室が違うからな。」

 

手提げバッグを肩にかけてアストルフォとそして横にいるジャンヌに声をかける。

 

「ジャンヌ、一緒に行こう。」

 

「えぇ」

 

ジャンヌもまたカバンから取り出して2人を先導する様に廊下に出る。

 

「楽しみだなぁ〜今日は調理実習だからね!」

 

 

 

 

〜side調理室〜

 

そう今日は調理実習、家庭科の担当である六導玲霞の講義の下、今日の授業はクラスで料理を行う。

今日のお題は夏本番にとれる旬の食材を豊富に使った料理『夏野菜のカレー』だ。

夏にカレー!?と思う人も多かったが、暑い時にこそカレーは活きることもある。

それにカボチャやリンゴなどの野菜類を混ぜてほのかに甘くなったカレーは辛い人が苦手な人でも食べられる優しいカレーだ。

しかもカレーは単純で多くの仕事なために1つ作るのにも中々のコミュニケーション力がいる。

これも学校でできる楽しみの1つだ。

皆でワイワイと盛り上がりながら作るのなんて学校を卒業してからじゃもうやれる機会は少ないだろう。

ジークもあまり表情に出さないが、これはこれで中々楽しみにしていた。

料理はした事がない上に最近できた友達と楽しく料理するなんて心が踊らない方が可笑しいだろう。

 

「ジークー!!」

 

「ジーク君。」

 

アストルフォとジャンヌは真逆の反応でジークに自分達のエプロン姿を見せた。

アストルフォは髪より濃い桃色にくまのアップリケが付いた可愛らしいエプロンでアストルフォにあっていてとても似合っていた。

三角巾は光沢のある赤みが見ているだけで口の中に甘みを運んでくれる。

ジャンヌの方は全体的に白を基調としたフリルがついたエプロンだ。

それに純白のドレスに合うティアラに錯覚される三角巾がジャンヌの気品正しいオーラがより強調されている。

 

「どうですか?(どーおー!?)」

 

そんな両者がジークに感想を求めてきた。

ジャンヌは恥ずかしいのか一歩引いて感想を聞き、

アストルフォは逆に一歩出てこちらに感想を聞いてくる。

 

「2人ともよく似合っている。」

 

因みにジークは茶色い使い古されたエプロンを着ていた。

多分セルジュのお下がりなのだろう。

 

因みに学校でよくある、エプロンを作ってそれを用いて調理実習というではない。

この学校は一学期は完全に調理実習として時間を使い、二学期三学期と裁縫などに入る。

 

「ジークもよく似合っているよ。なんかお爺さんぽくって」

 

「‥‥アストルフォ、それは褒めているのか?」

 

アストルフォは笑顔でジークを賞賛するがジークは苦い顔でアストルフォを見返す。

彼としては何か釈然としない褒め方だからだ。

 

「よく似合っていますよ。お爺さんぽいと言うより何か家庭的?みたいな雰囲気がよく出ています。ジーク君」

 

「そうか?ありがとう、ジャンヌ。」

 

ジャンヌの褒め言葉が頬をくすぐるようでこそばゆい。

でも、その素直な感想が嬉しくジャンヌの褒め言葉は素直に受け取った。

 

「さてさて、お互いのエプロン姿に会話の花を咲かせるのもいいけど、今日は調理実習。てきぱき動かないと時間は幾ら足りないし、一歩間違えれば大きな怪我にも繋がるのよ。」

 

六導は黒板に簡単にレシピを書いている。

 

「それでは、前に私が言った班に別れてね〜。」

 

のんびりと話し終えた六導はジークの元に歩いて行きジークの頭にポンと手を置いてジークの班を伝えた。

ジークは転校生の為、まだ伝えられてなかったのだ。

 

「貴方はそこのアストルフォちゃんと一緒の班ね。」

 

そう言われるとジークはアストルフォの方に顔を向けた。アストルフォもそれは嬉しそうにジークに抱きつき首に手を回してきた。

こうしてみると男女のように見えるのだが、アストルフォは男‥ジークと同姓なのだ。

 

先生ですらもうアストルフォはちゃん付けで呼んではいるが...

 

「やったー!!ジーク!!同じ班だね!!よろしく!!」

 

「あぁ、アストルフォと同じ班というのは心強い。余り料理慣れしてない俺としても助かる。」

 

楽しそうに話す2人。それを遠目で面白くなさそうに見ているジャンヌ。

 

「では、ジーク君、料理頑張ってください。」

 

ジャンヌは立ち上がり自分の調理台へと移動した。

しかし、何故不機嫌なのかわからないジークとアストルフォは不思議そうに目でジャンヌを追っていた。

 

「彼女は何故不機嫌なんだ?」

 

「う~ん、わかんない。案外カレーが嫌いなのかもしれないね」

 

「そうなのか?」

 

アストルフォも離れて首を振る。

でもすぐにアストルフォは『やるぞー』と意気込んだ。

彼の一番の長所はこれだろう。

誰彼構わず分け隔てなく話しかけて引っ張っていく、目的意識がハッキリしていて自分をしっかり知っている。

それを恥ずかしげなく皆にオープンで見せて助けが必要な時は躊躇いのない所。

ただ、考え無しな所が紙1枚分の距離にあるのが玉に瑕である。

 

「さて、ではまず何から始めようか?」

 

ジークがまず、何から始めるのかを問う。

それをフォローするように他のメンバーが指示をてきぱきと行った。

 

「んじゃあ、ジーク君は野菜を洗って、アストルくんはそうだなぁ〜あぁ〜お米をお願い。他の男子は包丁とか取ってきて。」

 

明らかに料理慣れしている人は他にもいた。

これが女子力というものか、侮れないな。

 

「わかった。」

 

自分の手を消毒してからジークは数多く積まれている野菜を1つ1つ洗っていく。

ただジークは、物凄く丁寧に隅の隅まで洗っていた。

こんなふうに洗っていると物凄い時間がかかる。

これではいくら時間があっても足りはしない。

 

「ああぁ、ジークそこまでしっかり洗わないでいいんだよ。こうやって...」

 

と言ってアストルフォはジャガイモを撫で洗う。

アドバイスはいいのだが、担当したお米はどうなのだろうか?と思ったジークはチラッと見ると、既にお米は炊飯器にセットされて炊飯されている状態となっていた。

 

(アストルフォ‥ちゃんと研いだのだろうか?)

 

用意されたお米は無洗米ではなく、アストルフォがお米を担当してからあまり時間が経っていない‥‥

お米をちゃんと研いだのか少し不安になるジークだった。

 

「そんなのでいいのか?」

 

皮にはまだ土がほんのり残っている。

そんな状態で良いのかとお米同様心配になるジーク。

 

「うん。皮はどうせ剥くしね。」

 

お米は兎も角、野菜の方はどうせ皮は剥いて廃棄するので問題ないと言うアストルフォだった。

そんな仲睦まじいジークとアストルフォの2人。

その姿はもう新婚生活をスタートした夫婦の初めての休日に行う共同料理を見ているみたいだ。

ただ1つアストルフォは男の為にそうはならないのだがやはり見た目が...

 

「......」

 

ジャンヌも横目でじっと2人の様子を見ている。

やはり彼女は2人の様子が何か気になるのかジッと2人を横目で見つめている。

 

「次は皮剥きだけど、できる?」

 

尋ねるように聞くアストルフォ。

ジークは『出来る』と断言できないが一生懸命やるとは言い切った。

でもやはり見た事の無い道具を持つジークはどうすればと言ってピーラーの全体を見る。

でもその意気込みを買うアストルフォは『よっしゃ』と後ろに回りしっかりとジークの両手を握りしめ、

 

「ピーラーとジャガイモをしっかりもってね!」

 

そう言ってジークの手を動かす。今のアストルフォはまるでこうやるのと教える母の様見えてくる。

流石一人暮らしをしているだけはある。

だが、何度も言う様であるが、アストルフォは男である。

神はアストルフォの性別を間違えたのではないだろうか?

しかし、その間違いがあったからこそ、ジークとアストルフォの間に恋愛感情が生まれなかったのかもしれない。

 

「じゃ、ジャンヌさん‥ジャガイモが粉々なんだけど‥‥」

 

ジャンヌと同じ班の人が恐る恐るジャンヌの手の中のジャガイモの事を伝える。

 

「えっ?あっ、すいません。ボロボロにしてしまいました。」

 

ジャンヌによって無惨にビー玉サイズにまで切り刻まれたジャガイモ。

こんな大きさならカレーのルーに入れた瞬間一瞬で溶けなくなってしまうだろう。

 

「だ、大丈夫。まだあるから気にしないで。」

 

あたふたするジャンヌにフォローを入れている生徒は『それはそれで使う』と言ってくれる。

 

「あぅぅ‥すいません。」

 

頭を下げるジャンヌ。

そしてジャンヌは思わず大きくため息をついしてしまう。

 

「あぁ、これも青春というものですね。」

 

六導もまたその光景を見ながら呟く。

これが高校生活の醍醐味であり調理実習における家庭科の教師の楽しみの1つでもある。

青い熟成しきっていない果実。今は酸っぱさが際立っているがここからほんのりと甘みを引き出していく。

それを見るのが教師の楽しみの一つである。

 

「アストルフォ、これでいいのか?」

 

「うん。それでいいよ。ジーク、野菜が剥き終わったら今度は野菜を切ってね。」

 

「わかった。」

 

ジークはアストルフォの指示に従い今度は人参の皮を剥く。

この光景は回りの女子達は何やら変な話題が膨れ上がる。

 

「ねぇ、前まではジク×ジャンが王道だと思っていたけど...」

 

「そうね、ジク×アスも...」

 

しかも女子だけにはとどまらずに男子でも

 

「不落の城のルーラー様だけでなく春の桜まで自分に咲かせるのか!?」

 

「あぁおれの女神がぁ〜」

 

「転校生、許さまじ‥あの泥棒野郎に罰を与えよ!」

 

カレーを作らずに恨みを炊いていく男共、手を動かさずに口を動かす男子達に

 

「さて、早くやらないと時間なくなるわよ〜」

 

恨みの募った空気を吹き飛ばす黒い風、六導の逆鱗に触れた生徒達はビビり有無を言わさずに手を動かし始める。

 

「いいわねぇ〜若いって。」

 

僻む余裕のあるならよし、僻まずに溜め込んでばかりいてはいつか爆発してしまう。

この様な息抜き行事を見れば生徒がどのようなものなのか素が覗ける。羽目を外す時はネジ半分位ついでに緩むものなのだ。

 

 

 

 

「ジーク君。野菜の皮剥きが終わったのなら私が切ってあげる。」

 

「ありがとう。助かる。」

 

やはりジークとアストルフォ達の班がこのクラスの中では1番纏まりが見てとれる。少し進行は遅れているけれど見ているこっちも楽しめる。

 

「.....皮剥き終わった。」

 

「りよ〜かい。じゃあ次は肉の下拵えだね‥‥」

 

「肉を?このまま鍋に入れて煮込むのではないのか?」

 

ジークは肉に何かするのかと問う。

 

「料理ってヤツは下拵えで全てが決まるんだよ。ようは一手間加える。それで全てが決まるんだよ」

 

そう言ってアストルフォはバッグの中から自前の調味料等を調理台の上に置く。(何かあっては遅い為に前もって六導が下見をして許可をもらったものを持ち込んでいる。)

そしてスライスし、トレイの中に入れた牛肉に胡椒をふりかけ、擦り下ろしたニンクとショウガ、粉末状のターメリック、ヨーグルトを入れてよく揉むようにして肉に染み込ませる。

 

「おーい、トマト茹で上がったぞ」

 

「じゃあ、皮と種をとってからそれをスライスして」

 

「了解」

 

他のメンバーも黙々と料理を進める。

 

「うぅ~」

 

玉ねぎを切っているメンバーが泣いていたので、

 

「どうした?」

 

ジークは心配そうに声をかける。

 

「いや、玉ねぎの汁が目に‥‥」

 

「変わろう」

 

「あ、ありがとう」

違う生徒から包丁を受け取りジークが玉ねぎを刻んでいく。

ジークは代わりに玉ねぎを刻む。

すると、先程のメンバーの様に玉ねぎの汁が目に入る。

 

「これは‥確かにきついな‥‥」

 

ジークはあふれ出る涙を堪えながら玉ねぎを刻んだ。

 

「これで下拵えは終了」

 

調理台の上には刻まれた野菜と下拵えされた肉が並ぶ。

そして、いよいよ調理が始まる。

 

「まずは玉ねぎを炒めないと」

 

「火加減に注意してね」

 

「ああ」

 

玉ねぎはまず、強火で炒める。

焦がさないように手を休めずに炒める。

玉ねぎがしんなりとしてきたら火を弱火にする。

飴色になるまでじっくり丁寧に弱火でトロトロと炒める。

その横でアストルフォは肉を炒める。

 

「うーん‥‥本当は赤ワインがあった方がいいんだけどな‥‥」

 

流石に学園の家庭科室に赤ワインはないので料理酒で代用する。

 

「炒めてほしいんだけどいきなりジークに火を使わすのは危ない気がするしなぁ〜ちょっとそこの君!僕の代わりに鍋お願い。僕が肉を炒めるよ!ジークは隣で見ていてね!」

 

油を敷いて一気にフライパンに肉を突っ込むアストルフォ。

更に強火でガガァと一気に炒める。

炒飯のように一気に炒め、料理酒を入れてフランベをするアストルフォにジークはこれでいいのか心配する。

 

「えっ?いいんだよ。これで!僕いつもこうしているからね」

 

そう言う。

思いっきりのよさと褒めればいいのかただ無謀なだけなのか..やはり何かやらかしたアストルフォ。

 

「しゃー!完成まで一気に..てぇ」

 

だがそのテンションが最高潮まで上がったアストルフォを後ろから叩いて止めたジャンヌ。

 

「危ないでしょう!!周りの迷惑を考えなさい!!幾らやって慣れていると言っても皆なれてる訳では無いのですから!!もし、それで他の人が火傷してしまったらどうするんですか!?」

 

「えっ?あぁ‥‥」

 

アストルフォはジャンヌの言い分に目を逸らす。

だけど逸らせない。

ガシッと顔を抑えて無理やりにでも目を合わさせる。

 

「わ・か・り・ま・し・た・か!?ジーク君もしっかりと注意しないといけません!!1番危ないのは貴方だったんですから!」

 

「「す、すいません」」

 

オカンパワーをフルに使っているジャンヌ。

もうこれは謝るしか彼女の怒りを鎮める方法は無い。

ジャンヌの怒りの嵐が過ぎ去ると、

 

「んじゃ、野菜を鍋に入れるね。」

 

「あ、あぁ」

 

やがて、各素材は1つの鍋へと入れる。

野菜がグツグツと煮える鍋にカレー粉、香りを引き立てるガラムマサラ、ブイヨンスープ、トマト、玉ねぎ、肉のマリネを入れる。

そして隠し味として擦り下ろしたリンゴを入れる。

アストルフォは鍋の中をグツグツとカレーの鍋をゆっくりと煮ている。

どこか一歩手前でためらう2人。

先程の元気はジャンヌという嵐に吹き飛ばされ鎮火されていたアストルフォ。

 

「んん〜。さてどんなものかな〜」

 

糸目の状態でどんな感じかルーを確かめる為に一啜りした。

そしたら自分の口の中で旨みの爆弾が爆発したい。玉ねぎの甘みとルー特有の絡みがコクを与えアストルフォの口の門をするりと流れていく。

さっきまで糸目だったアストルフォの細目は一気に見開き元気の源は一気に燃え上がる。

 

「ジーク!君も舐めてみなよ!!美味しいよ!!!」

 

と先程自分が舐めたお玉にカレールーを乗せてジークの口元まで持ってくる。

 

「わ、わかった。」

 

ジークも躊躇いを見せるがすぐにいただく事にする。

ジークが1舐めしようと口元を近づけるだが、

 

「味見はそこまででいいでしょう!!」

 

今度は怒りの雷が鳴る。

ジャンヌはまだ近くにいて反省しなさいと怒鳴りつける。

それはもうガルルと今にも噛みつきそうな狂犬の様なジャンヌにジークも気圧される。

 

「全く!授業中の風紀を乱すようなことあまりしないで下さい。」

 

かつかつと少し大きめな足音を立てながら去っていく。それを驚き見開いた目でジャンヌの後を見ていたアストルフォ。

 

「あぁ~びっくりした。」

 

「アストルフォ、カレーを混ぜなくていいのか?」

 

「あぁ、そうだね。んじゃジークは皿出しといて、食器も軽く水で流しといてね。」

 

「了解。」

 

それに他の人も手伝いだす。

 

 

 

 

最後に水で洗った食器にカレーとご飯を入れて完了。

ちゃんと研がれていたのか心配であったが、お米はちゃんと研がれていた。

そして、出来上がった班からカレーを先に食べ始める。

時間は一杯一杯な為に食べ終わったらすぐに片付けに入らないといけない、その為にジーク達もすぐによそって食べ始める。

 

「あぁ、美味しいね。ジークもどう?美味しい?」

 

「あぁ。」

 

アストルフォは満面の笑みでカレーを食べるのだが。ジークは1つ気がかりな事があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先生、少しお願いがあるのだが」

 

 

 

 

 

 

 

〜saidジャンヌ〜

 

食べ終わり片付けて腹が満ちた昼休み、いつもならこの時すいた腹を満たすために皆はエネルギーの摂取のために一つの場所に集まり腹を満たすか、クラスに残りクラスメイトと団欒を囲んで和気あいあいを楽しみながら昼食をすますか...

ジャンヌはどちらとも当てはまらない。

彼女は穴場を見つけ一人で日光浴と小さいながらの森林浴を楽しみながら昼食を終わらせる。今回もいつものように買い込んだサンドウィッチとコーヒーをセットで持ってきている。

ただ最近はいつも一緒にいる男子がいるのだが今日はいないようだ。

 

「はぁ~なんか、どっと疲れました。」

 

ジャンヌは苦笑いをしながら暴走したアストルフォを思い出していた。やっぱり何が問題を起こした彼、彼のブレーキを踏める人間などこの世にいないと言っても過言ではない気がする。

それに引っ張られる少年ジーク‥傍から見たらただ微笑ましい光景‥‥この中に自分もいて‥‥

 

「いやいや、先生が決めた班文句を言うなど。でも私も教えたかっ「何をだ」」

心中にしまいかけたその思いを聞かれたことに驚いてしまいつい過激に反応してしまう。

 

「え!?ジーク君来ていたのですか?」

 

「あぁ、アストルフォは違うメンバーとどこかに行ったし、教室にいても何も無いからな。ここに来ればジャンヌがいると思ってな。」

 

横に座るジーク。ジャンヌはもの悪そうに目を逸らしてしまった。

 

「それに、気になって‥さっきの時間、ジャンヌのスプーンがあまり動いてなかった。」

 

「え?そうでしたか?」

 

「あぁ。だからもしかしたらジャンヌはカレーが嫌いなのかと思って‥アストルフォもそう言っていたし‥‥」

 

ズゴッと滑るジャンヌ。何を的外れな事を言い出すのか...別に嫌いではない。

そんな大袈裟なリアクションに驚いたジーク。

 

「健啖家の君がカレーを余り食べないとは...やはり口が合わないとしか」

 

「ジーク君!!私はそこまで食いしん坊じゃありませんよ!!」

 

「えっ?そうなのか?」

 

ジーと見つめられたジャンヌはバツが悪そうに照れながら呟いた。

 

「まぁ、姉妹の中でもよく食べる方ですけど...」

 

「...」

 

「...」

 

「まぁ、そのだからこれを作ってみたんだ。」

 

そう言ってジークはジャンヌに少し歪な形をしたおにぎりを渡してくれた。

 

「え?」

 

「余ったもので何か作っていいかと先生にこれを作ればと言われた。」

 

ジャンヌはジークからおにぎりを受け取り口へと運ぶ。

 

「味はどうだ?」

 

「塩が効きすぎていますね。しょっぱいです。」

 

「そう...か」

 

「だから今度私が教えてあげます。」

 

ペロリと塩がほんのり付いた唇を舐めたジャンヌは人差し指を立てながら自分が教えると宣言する。

 

「あぁ、頼む。」

 

学園の人知れぬ場所で青春の風景を描く男女の姿がそこにあった。

 

 

 

 

〜saidウラバナ〜

 

調理実習が行われる前日‥‥

ジャンヌが住まわせてもらっている家のキッチンにて、

 

「明日は調理実習‥ジーク君に料理が出来る所を見せて女性らしさをアピールしないと‥‥」

 

キッチンに立つジャンヌは気合を入れて明日の調理実習の練習を使用としていた。

とはいってもまだジークと同じ班になれるのか分からないのに‥‥

 

「確か明日の調理実習のテーマはカレーでしたね‥‥この料理ナビを使えば簡単にできると聞きましたけど‥‥」

 

そう言ってジャンヌはタブレットを操作してその中の1つであるクッキングナビのアプリを起動させる。

 

『まず、最初に作りたい料理を選択してください』

 

タブレットの画面にはコック服を着たイタリアの有名な配管工の兄っぽいキャラクターが作りたい料理を選択してくださいと電子音声で言う。

 

「えっと‥‥カレーっと‥‥」

 

ジャンヌは色々ある料理の中からカレーを選択する。

 

『辛さを選んでください』

 

ジャンヌが購入したカレールーの辛さを見て、中辛を選択する。

 

『どちらのカレーを作りますか?』

 

画面には『本格派』と『庶民派』の2つの選択肢が現れる。

 

「此処は思い切って本格派でいきましょう」

 

ジャンヌが『本格派』を選択すると、画面にインド人らしき人物が映し出され、現地の言葉で話し始めた。

 

「えっ?えっ?」

 

ジャンヌは日本語、英語、フランス語は出来てもヒンディー語は出来ず困惑する。

結局画面のインド人が何を言っているのか分からなかったので、『庶民派』を選択した。

 

『中辛の庶民派カレーをつくりましょう』

 

庶民派は日本語でのナビだったのでジャンヌも理解できた。

 

『まず、玉ねぎを縦半分に切り、繊維に沿って薄切りにして下さい。』

 

画面では写真で分かりやすく切り方をナビしてくれた。

 

『次に、ニンニクを鼻○ソくらいの大きさに切ってください』

 

「‥‥」

 

料理の場にあまり似つかわしくない単語がいきなり出てきた事でちょっと唖然とするジャンヌ。

 

『皮を剥いたショウガを耳ク○くらいの大きさに切って下さい』

 

「‥‥」

 

やはり、料理の場にあまり似つかわしくない単語が出てきた。

それでも画面の写真の通りにニンニクとショウガを小さく切るジャンヌ。

 

『鼻ク○くらいの大きさに切ったニンニクと耳○ソくらいの大きさに切ったショウガをウ○コ色になるまで炒めてください』

 

「ちょっ、カレーを作っている時になんて単語を出すんですか!?」

 

思わず機械に向かって注意するジャンヌ。

 

『続いて、ナス科の多年草で、南米アンデス中南部山地原産の地下茎が分岐して、その先にデンプンが蓄えられて芋になると言われているジャガイモを用意してください』

 

「あっ、ジャガイモですか」

 

ナビの指示通りにジャガイモを用意するジャンヌ。

 

『次にジャガタライモの略で、ジャガタラとはインドネシアの首都、ジャカルタの事を指し、オランダ商船によりジャカルタから渡来したため、この名がつけられたと言われているジャガイモの皮を剥いてください』

 

「なんでジャガイモだけ、そんな詳しい説明なんですか!?」

 

ジャガイモだけやたらと細かい豆知識を披露して来るナビにまたもやツッコミを入れつつジャガイモの皮をピーラーで剥いていると、

 

『東北自動車道、川口JCTから浦和ICの間で約3キロの渋滞です』

 

突然クッキングナビが渋滞情報を伝えだした。

 

「そんなの知りません!!大体なんで家に居るのに渋滞情報を知る必要があるんですか!?」

 

クッキングナビにツッコんでいると、ナビはジャンヌのツッコミを無視して、

 

『人参をリズムに合わせて切っていくよ』

 

変な豆知識やいらない情報を伝えるが一応、料理のナビをしているので、それに従うジャンヌ。

タブレットの画面にテンポいいリズムが鳴り、ジャンヌはそれに合わせて人参を切って行く。

 

『次はちょっと難しいよ。ミュージック、スタート!!~♪~♪』

 

タブレットのスピーカーからは音楽が鳴り、ジャンヌはそれに合わせて人参を切って行く。

人参を切り終えると、

 

『次の曲を選んでね』

 

「ちょっと!!ナビはどうしたのですか!?ナビは!?」

 

趣旨が変わっていた。

そして、下拵えが終わり、いよいよカレーソースを作る所まで進んだ。

鍋に具材を入れると、

 

『此処で隠し味にリンゴをくわえて下さい』

 

「隠し味‥ですか‥‥リンゴはあったでしょうか?」

 

ジャンヌが冷蔵庫からリンゴを探しに行こうとしたら、

 

『やふぃいろがつくまでいひゃめてくらさい(焼き色がつくまで炒めて下さい)』

 

画面の中のイタリアの配管工っぽいキャラが口にリンゴを咥えていた。

 

「くわえるってそっちの意味!?」

 

『まぁ、なんやかんやありまして、カレーの出来上がりです』

 

「ちょっとあまりにも適当すぎませんか!?ちゃんとなんやかんやも説明してくださいよ!!」

 

思わずタブレット画面に向かって吠えるジャンヌ。

 

『人参とジャガイモをザー炒めて、水をビシャー入れて、灰汁をガー取って、ダー煮込んで、具バー入れたら出来るやろうがい!!』

 

画面の中のイタリアの配管工に似たキャラは顔を赤くして蟀谷にムカつきマークを表示してあまりにもぞんざいなナビをする。

 

「なんでそんなにキレる必要があるんですか!?キレたいのむしろこっちですよ!!『出来るやろうがい』じゃありませんよ!!ちゃんと説明してください!!」

 

あまりにもぞんざいなナビにジャンヌもキレる。

すると、画面には『本格派』の時のインド人が出てきてまたヒンディー語でカレーの説明を始める。

 

「インド人はもういいですってば!!」

 

ジャンヌはタブレットにむかってガァーと吠えた。

 

「ジャンヌ‥‥」

 

そんなジャンヌの姿をなんか可哀想に見る人物が居た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と言う下らない夢にうなされながら起きて学校に行ったというのは彼女の胸の内にしかない事実である。

 

 

 

・・・・続く

 




史実通りがお好きな方申し訳ありません。勝手に変な風にしてしまい...。

因みにアストルフォの料理は別に凄いと言う訳ではありません。
塩だろうが砂糖だろうが何だろうが全て適量で済ませますが、運がいいのかそれが本当に適量となっているために了解は全て上手くいっているという設定です。(流石幸運度A+)

今回色々あれでしたためにジャンヌの料理は全く出ませんでしたが近いうちにジャンヌの腕もしっかりと書きます!


設定とかって載せた方がいいのかな?
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