ちょっと?変わったコードギアス   作:はないちもんめ

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レイラ「私たちが何故結婚したのかですか」

彰「愛かな」

レイラ「死にたいんですか?」

彰「あ、はい、すいません」


38 どんな1日でも乙女にとっては大事な1日

「今日こそ…今日こそはこれをルルに渡さないと…!」

 

2枚分のチケットを手にとって、鬼気迫る迫力でルルーシュがいるゲストハウスの周りをウロウロするシャーリー。ぶっちゃけ、周りから見ると不審者である。

(大丈夫…大丈夫!偶然チケットが手に入って、偶然それが2枚しかなくて、偶然一緒に行くはずだった人が来れなくなって、偶然ルル以外の人の予定が合わなくなったから誘うだけだよ。だから別にデートじゃないから、カレンに気兼ねしなくていいし、ルルも浮気とかにはならない!完璧!よし、後は誘うだけ!)

 

そんなことを思いながら一週間以上前からルルーシュにチケットを渡せていないのが現状だったりする。良い加減渡さないとルルーシュにも別の予定ができてしまう可能性が高いので渡さないといけないのだが

 

「…いや、うん!やっぱり、明日の方が良いかも!」

 

なかなか踏ん切りがつかない女なのである。そんなシャーリーに

 

「何がだ?」

 

後ろから声がかかり、ギャァアと女の子から聞こえたくない声があがる。ビックリして振り向くと、そこにはシャーリーの良く知る男がいた。

 

「な、何だ彰か…あー、ビックリした」

 

「俺の方がビックリしたわ。何やってんのお前?」

 

「えーと…あー、うん。別の場所で話しても良い?」

 

何と言われると説明するのが恥ずかしいのだが、何でもないと言うには自分の行動に無理があることを重々承知していたシャーリーは、場所を移動してからかいつまんだ理由を彰に話す。

 

「なるほどな。要するにアレだろ?逆NTRしたいんだろ?」

 

「違うから!そんなんじゃないから!」

 

「別に良いと思うぞ」

 

「しかも肯定されちゃった!彰はカレンと仲が良いんだから止めるべきじゃないの!?」

 

「それは関係ないだろ。恋愛の世界は弱肉強食。奪われた方が負けだと思ってる」

 

「やっぱり最低だよこの人!」

 

応援してやろうと言うのにうるさい奴だ。というか、ルルーシュとカレンはそう言う関係じゃない。本当にこんな高校生があり得るのかと思うくらいに、アイツらは一緒に居ても全く甘い空気を発さない。

 

カレンは分かるよ?兄の命の恩人としてしか見ないように知らないうちにフィルターをかけてるのかもしれない。

 

でもルルーシュ、お前はおかしいだろ。何であんな可愛くてスタイルも良い娘が側にいるのにアイツ何もしないんだよ。どうなってんだよアイツの童貞力。ヘタレにも程があるわ。

 

その現実を思い出した彰はため息を吐いて言う。

 

「落ち着け。とりあえずは…だ。俺には何もできんがせめてこれをやろう」

 

「何これ?」

 

彰から差し出された液体が入った瓶を見てシャーリーは疑問符を浮かべる。

 

「媚薬だ。これをアイツに呑ませて襲わせろ。その既成事実があれば、アイツは根が真面目だから責任は取ってくれる」

 

「いらないよ!思いっきり犯罪じゃない!」

 

手にあった瓶を思いっきり地面に投げつけて、顔を真っ赤にしたシャーリーは怒鳴り散らす。良い案だと思うのだが。

 

「しかしな。こうでもしないとお前がアイツを落とすのは難しいぞ」

 

「どんだけ私って魅力ないの!?え!?そんなに私ってダメなの!?」

 

「違うな。問題はアイツだ。お前、アイツの童貞力なめんなよ。若干痴女入ってたり、男との距離感がおかしい女がメッチャ近づいてきても反応しないんだぞ」

 

「誰よその女の人!?」

 

「女が目の前で裸ワイシャツしてたり、風呂上がりの下着状態でウロついてても邪な感情を浮かべず、冷静に注意する男だぞ。お前、こんなの正攻法だと、どうしようもないだろ」

 

「だから誰なの、その女の人!?」

 

本当に考えてみるとアイツの男としての機能って終わってる気がする。マジでイケメンの無駄遣いだな、アイツ。

 

そんなことを考えていると、シャーリーが顔を赤くしたまま移動しだした。

 

ついていく必要もないのだが、彰は何となくついていく。

 

「おい、どこ行くんだ?」

 

「銀行!もう、彰なんかに話するんじゃなかった!何の参考にもならないんだから!」

 

「的確な助言だと思うがな。んじゃ、お前はどうしたいんだよ?」

 

「責任とか取ってもらいたいんじゃなくて、私は一緒にいたいだけなの!」

 

「既に結構一緒にいるじゃないか」

 

「そ、それはそうなんだけど、何というかロマンチックな雰囲気になりたいというか…」

 

「アイツにそれを求めるのは難しいと思うがな。ちなみに、どんなロケーションがベストなんだよ」

 

「色々あるけど…例えば私がピンチになった時に、サッとルルが現れて助けてくれる…とか」

 

「お前ドラマの見過ぎだぞ」

 

「別に良いの!夢なんだから!そもそもピンチになるなんて日常生活を送ってればそうそうないんだから、夢だってことくらいわかって…」

 

そう言いながらシャーリーと彰が銀行のドアを開けると、そこには

 

「てめえら、手を上げろ!抵抗すると撃つ!」

 

日本人の銀行強盗が銃を向けて立っていた。

 

突然の展開にシャーリーの思考が停止する中、彰は呟いた。

 

「おい、良かったな。お待ちかねの展開だぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう…久しぶりの外か」

 

濡れ衣が晴れ、久しぶりの日光を眩しく感じているスザクに声がかかる。

 

「よう、晴れて無罪放免となって外に出た気分はどうだ?枢木スザク」

 

「君は…誰だい?」

 

声をかけたのはリョウだった。その男のそばにいるアヤノとユキヤは、その男を呆れたように見ていた。

 

しかし、リョウを知らないスザクからすれば知らない男からいきなり声をかけられたのだから自然と警戒心は起こる。それを知りながら、リョウはニヤついた顔のまま話をする。

 

「名乗るほどの者じゃねえさ。お前ほど有名人でもないしな」

 

「そうか…僕に何の用だい?」

 

「別に用はねえさ。ただ、母国を裏切ってまで働いたのに、殺されかけた馬鹿な野郎の面を見てみたいと思ってな」

 

リョウの言葉に流石のスザクも顔を顰める。

 

そんな状況に隣のアヤノはため息を吐いた。

 

「全く…こんなことして何か意味があるのか?私たちは買い出しに来ただけだぞ?」

 

「いいじゃねぇか。買い出しに来たら、こんな有名人と遭遇したんだ。興味が湧くのは当然だろ?なあ、ユキヤ」

 

「まあ、否定はしないね」

 

妙な三人組だなとスザクは思った。普通、自分のような悪目立ちをした人物と関わろうという日本人は滅多にいない。他のブリタニア人の反発が怖いからだ。

 

そんなことをスザクが考えていると、四人に走って息を切らした桃色の髪の女の子が話しかけてきた。

 

「あの、すいません。た、助けてください!」

 

「え、やだよ、面倒くさい」

 

話しかけられたユキヤは面倒なので普通に断る。動きたくない精神の塊のような男である。

 

「そ、そこをなんとか!私、追われてるんです!お金なら払いますから!」

 

「い、いや、お金なんて別に良いですけど一体誰に「お前は黙ってろ!おい、幾らだ?」」

 

助けを求める女の子に事情を聞こうとするスザクに割り込んで金の匂いを嗅ぎつけたリョウが話し出す。金儲けには目がない彼には、桃色の女の子は最早金にしか見えない。

 

「助けてくれたら言い値で払います!」

 

「よっしゃ、乗った!おい、アヤノ!バイクの後ろに乗せてやれ!」

 

「おい、リョウ!本気か?確かに金は持ってそうな感じではあるが」

 

「たりめーだろ。こんな儲け話はそうそうねぇ」

 

そう言ったリョウは笑いながら移動しようとしたので、ある程度納得したユキヤとアヤノもそれぞれのバイクを準備するが、それを見た桃色の髪の女の子はスザクを指差して言う。

 

「あ、あの、すいませんが、彼も連れて行っても良いですか?」

 

「あん?まあ、客の要望だからな。アイツが良いって言えば俺は構わねえが、お前どーすんだ?」

 

「僕!?ま、まあ、構わないけど」

 

「決まりだな。俺の後ろに乗れ。良し、行くぜ!しっかり掴まってな!」

 

そうして全速力でその場から、離れた一同は離れた場所で少し休憩する。

 

「皆さんありがとうございます!中々一人で行動させてくれなくて困ってたんです」

 

「良いってことよ!金のためだからな!」

 

ガハハと笑って言うリョウを見てスザクはため息を吐く。

 

そんなスザクを無視して、リョウは顔をニヤつかせながらアヤノとユキヤの肩を掴み小声で会話を開始する。

 

「なあ、おい、もうコレこのまま誘拐でもすればもっと金が入るんじゃねぇか?」

 

「私もそう思った」

 

「だろ?くくく…こりゃあ、ボロ儲けできるぜ」

 

予想外の収入になりそうな気配にリョウとアヤノの頬が緩む。しかし、ユキヤは自身のスマホを見ながら冷静に告げる。

 

「誘拐はリスクが高いと思うけどね。ハイリスクハイリターンだよ」

 

「何でだよユキヤ?」

 

「ほら、これ」

 

ユキヤが差し出したスマホの画面には、桃色の髪の女の子が写り、ユーフェミア・リ・ブリタニアと書かれていた。

 

その事実にリョウとアヤノは大量に冷や汗を出し、小声で会話を開始する。

 

(リョ、リョウ?あの女の子は、この写真の皇女様に似ていないか?)

 

(馬鹿言うんじゃねぇよ!だって、お前これ皇女様だぞ!皇女様がこんな所にいるわけがねぇよ!)

 

そんなリョウとアヤノの逃避も虚しく、現実は淡々と進んでいく。

 

桃色の髪の女の子は、ニコッと笑いながら自己紹介をする。

 

「そういえば、自己紹介がまだでしたね。私はユーフェミアです。ユフィと呼んでください」

 

「へぇ、きれいな名前なんですね」

 

桃色の髪の女の子、もといユフィの口から放たれた衝撃の言葉にスザクは返事を返したが、リョウとアヤノは言葉を無くす。同時に思った。

 

((だ、第3皇女かよーーーーーーーーーーー!!!!))




どう考えても、この流れだとゼロレクイエムならなそうだから彰とこっちのカレンを入れてifでやろうと思ったんですけど…ダメなんだよなぁ…どう考えても、彰がいる段階でシュナイゼルに騙されないし、こっちのカレンがルルーシュの嘘に騙されるわけないんだよなぁ…むしろ

カレン「ずっと側にいるって言ったでしょうが!嫌だって言うならあんたがここで私を撃て!ルルーシュ!」

くらい言いそうなんだよなぁ…

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