ちょっと?変わったコードギアス   作:はないちもんめ

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今回の話は…うん、まあこんな感じです


56 予想外のところで知り合いに会うと気付いてないフリをたまにしちゃう

(ジェレミア卿は未だ発見できないか…やはり死んでしまっているのか?)

 

ある人物を尾行しながらヴィレッタは、ここ最近ずっと同じ問題に対して考察している。

 

事件はコーネリア総督が到着する日に起きた。浅はかなキューエル達は、総督が到着される前にオレンジ疑惑で疑われているジェレミア卿を秘密裏に暗殺しようとした。(なお、完全に独断専行であり、勝手にそんなことをしたキューエル達は全員謹慎が言い渡されている。本来なら死刑だが、ユーフェミアの懇願でギリギリ免れた)

 

そこで粛清されたジェレミアだが、死体を確認してはいないことが分かったので、ヴィレッタは部下に命じて探させていた。

 

とはいえ、これは形式上だけの確認作業であり、本来であればヴィレッタが出てくるようなことではない。

 

しかし、何と驚いたことに、その日の同時刻に粛清が行われた場所のほど近くに、ブリタニア人らしき傷だらけの男が車で連れて行かれた所が目撃されていた。

 

ならばと人海戦術で付近の病院を全て当たって調べたが、全く発見できない。

 

もしテロリストに発見されて連れて行かれたのなら、もう殺されてしまっているだろうし、病院に運ばれたのなら見つかっていないのはおかしい。

 

となると殺されているという結論に至るしかない。なので、ヴィレッタはジェレミアのことを探してはいるのだが、半分は諦めていた。

 

しかしこの案件について調べていると、一人興味深い人物が捜査線上に浮かんだ。

 

(シャーリー・フェネット…この間のテロ事件に巻き込まれた少女か)

 

ジェレミア卿が車で運ばれた現場の近くに、オレンジ髪のブリタニアの学生がいたと言うのだ。

 

調べてみると、この少女がシャーリー・フェネットという少女だと判明した。

 

当然更に調べてみたが、調べれば調べるほどタダの学生という情報しか上がってこない。こんな状況で上に訴えても相手にされないに決まっている。

 

普通に考えれば、無関係なのだと判断するところだが、ヴィレッタの勘が警鐘を鳴らしていた。この少女には何かがあると。

 

そう考えたヴィレッタは、ここ数日ずっとシャーリーを尾行していたのだ。今の所、何の成果も上がっていないが。

 

(あの少女には何かある…ん?今日は何時もと帰り道が違うが…何処に行くんだ?)

 

しかし今日は違った。何時もと違う帰り道を選んだシャーリーは、何と病院に向かったのだ。

 

(この病院はまだチェックしていないが…まさか、ここにジェレミア卿が!?いや、まさか…)

 

そんな風に思考の海に沈んでいくヴィレッタとは違う方向から、シャーリーを尾行していた者も同じようなことを考えていた。

 

(シャーリーを尾行して何がしたいのよあの女の…)

 

もう一人のシャーリーの(正確に言えばヴィレッタの)尾行者であるカレンは、そんなことを思っていた。

 

帰り道に偶然シャーリーを見つけたカレンは、シャーリーがブリタニアの女に尾行されているのを発見した。

 

別にブリタニア人のシャーリーがどうなろうと知ったこっちゃないカレンは、本来であれば無視したいのだが、それはできない。シャーリーがルルーシュにとって大切な存在であることを知っているからである。

 

シャーリーが居なくなればルルーシュは悲しむ。そうであるならば、シャーリーはカレンにとっても守るべき対象になる。

 

そう考えて二人の後をつけているのだが、女の目的が分からない。シャーリーを尾行して何の得があるのだろうか。

 

周りは少々…いや、大分…いや、かなりヤバイ連中が多いがシャーリー自身は普通の女の子である。

 

考えても無駄だと判断したカレンは大人しく二人の後をつけることにする。

 

しかし幾ら後をつけても、シャーリーが普通に病院での検診を受けているようにしか見えない。

 

最後の手段として尾行している女を問い詰めようとしたカレンが動き出す直前に、受付の順番が来たシャーリーの名前が呼ばれたせいで、シャーリーが動き出してしまったのでできなくなってしまった。

 

「すいませーん、失礼しまーす」

 

そんなことを全く知らないシャーリーが医者がいる扉を開ける。すると、そこには顔に施術痕を付けた男性の日本人が座っていた。

 

「あの…ここで合ってますか?聞いていた先生と違うんですけど」

 

「ああ。彼は少し用事でね。俺はその代わりだ。安心しろ。どんな病でも治してやるさ。この…」

 

医者は突然立ち上がり、自らの白衣をバサッと広げながら告げた。

 

「ホワイト・ジャックがな!」

 

((いや、絶対違うだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!))

 

有り得ない名前に尾行していたヴィレッタとカレンは内心でツッコミを入れる。

 

一体何故こんな展開になっているのだろうか。

 

 

 

〜今から1時間前〜

 

「悪いな爺さん、無理言ってよ。ある程度の治療はできたから、見つかる前に病院を変えるってさ。全く心配性な野郎だ」

 

「なあに構わねぇよ。あんな重要人物を置いとく方が危険だからな。バレたら俺が殺されるし」

 

「それが分かってて良く引き受けたな…」

 

「そりゃ、彰は上客だからな。金をくれれば基本的に全て請け負うさ」

 

今日もキャバクラで呑みまくるぞーと言ってる糞医者に、リョウは懲りねぇなーと笑ってるが、アヤノは白い眼を向けている。しかし、良くもまあ、彰の奴は良くもここまで個性的な人物と知り合いになれるなと、アヤノは溜息を吐く。

 

自身もその一人なのだが、本人は気付いていないらしい。

 

リョウとアヤノは彰からの依頼でここに入院していたジェレミアを別の場所に移してほしいと言われたので、ここに来たのだ。バレたら事だが、バレなければ別に難しい仕事でもないので二つ返事で引き受けた。

 

その任務は全く問題なく終了し、今は完了の連絡がてら話に来ている。表向きには普通の病院なので、患者を装いながらだが。

 

「んじゃ、俺らは帰るわ爺さん。また今度な」

 

「待たんかい」

 

しかし、帰ろうとするリョウの首根っこが爺さんに掴まれる。何だよ?と聞くと、青筋を浮かべた爺さんは怒鳴りつけるように話し出す。

 

「馬鹿野郎!金だよ、金!テメェ、こないだの酒代まだ返してねぇだろうが!」

 

「あ…あー、あれか。ま、また今度金が溜まったら返すからよ!」

 

「待てるか馬鹿野郎!今すぐ返せ!彰から報酬貰ってるだろうが!それで返せ!無理だってんなら、テメェの内臓貰ってくぞ!」

 

「それが命を救う医者のセリフか!分かったよ、払えば良いんだろ払えば!おい、アヤノ!金貸してくれ」

 

「駄目だ」

 

予想外のアヤノのセリフにえ?と呟きながらリョウはアヤノの顔を見るが、アヤノは無表情で淡々と告げる。

 

「今月は出費が多かったからな。アイツからの依頼は全て生活費に充てる」

 

「あの…アヤノさん…金渡さないと俺の内臓取られちゃうんですけど…」

 

その言葉にアヤノはニコリと満面の笑顔になる。

 

「ここが病院で良かったじゃないか。一石二鳥だな」

 

「一石二鳥の使い方を間違ってねぇか!?」

 

そんな二人の会話に医者はため息を吐く。

 

「そんなこったろうと思ったよ。しゃあねぇなぁ…条件を飲むなら借金を返すのは延期しても良い」

 

「無しにするんじゃねぇのかよ…」

 

「文句あるんなら今すぐ払え!」

 

「嘘だよ、嘘!で?どんなことをしろって?」

 

「実はこの後も俺は仕事なんだが…どうしても抜けなきゃいけない用があったな。代わりに診察をしててくれねぇか?」

 

(どうせ女あそびだろうな…)

 

「アホか。医者の仕事なんてできるか」

 

「大丈夫だ。今日は基本的に暇で決まった人しか来ないからな。ここに置いてある薬を渡して適当に喋れば良い。薬には名前も書いてあるしな」

 

チラリと薬を見れば確かに名前が書いてある。確かにそれならできそうだが、既にここまでやっているということは、この糞ジジイ最初から俺に頼むつもりだったなとリョウはイラっとするが、それなら金を返せと言われたら返せないので、ため息を吐いて了承の言葉を発する。

 

「分かったよ。やれば良いんだろ?やれば」

 

「おう、そうこなくちゃな。良いか?くれぐれも問題は起こすなよ」

 

じゃあ、テメェで仕事しろ!とリョウが怒鳴る前に糞医者はサッサと出て行った。突然降って湧いた面倒ごとに、アヤノは呆れたようにリョウを見る。

 

「まんまと使われたな」

 

「他の選択肢はねぇだろ…」

 

そんな風にリョウはブツブツ文句を言っているが、諦めたように白衣を着て準備を始める。

 

「まあ、頑張るんだな。私は帰る」

 

「いや、お前手伝えよ!」

 

「リョウの責任だろう。考えて呑まないから悪い」

 

「そ、そうかもしれないけどさー、アレだよお前?家族なんだからさー、やっぱり困った時は助け合うってのが大事だと思うんだよ俺は。ほら!ナース服もあるからさ!これ着て一緒に頑張ろうぜ!」

 

「カメラを持ってそんなことを言うな気持ち悪い!何故私がそんなもん着なきゃならないんだ!」

 

「親代わりとしては娘の成長記録を残すのは義務だろうが!」

 

「そんな義務など存在せんわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

そんな風に二人が騒いでいると、受付から新規の客が来ると連絡が入った。

 

「新規の客だぁ!?あのクソジジイ!いきなり常連以外の客が来てるじゃねぇか!対処できるわけねぇだろ!」

 

「とはいえやるしかないだろう。やらないと本当に内臓取られるぞ」

 

「糞がぁぁぁぁ!頼むアヤノ!手伝ってくれ!時間がねぇ」

 

「たく、しょうがないな…いいか!絶対に写真は撮るなよ!!お待たせしましたー。お待ちの患者様は、名前を言って入ってきてくださーい」

 

文句を言いつつアヤノは白衣を着用し、待っているお客様に声をかけた。

 

そのすぐ後に患者が入ってきたが、その顔を見てリョウとアヤノは顔をひきつらせる。何故なら

 

「ピエル・アノウだ。この私がこんな汚い病院に来てやったのだから感謝せよ、イレブンども!」

 

((お前かよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!))

 

思いっきり知り合いだったからだ。

 

EUで色々あって…本当に色々あって知り合いになり、しかも日本に一緒に来たのだが、アノウの方がこんな疫病神共と関わりたくないと言って何処かに行ってしまったのだ。(まあ、不思議な縁でその後も何度も会っているのだが)

 

そんな風にリョウたちが顔を引きつらせているのを見て、アノウは嫌な笑い方をする。

 

「何だ?この病院は患者にそんな態度を取るのか?私は患者だぞ?わかってるのか?」

 

軽い変装をしているため、目の前の二人がリョウとアヤノだとは気付いていないアノウは、ふんぞり返って座りながらそう言った。

 

その発言にリョウとアヤノは青筋を浮かべながら、何とか笑顔を取り繕い言葉を発する。

 

「失礼致しました。お名前は確か…マダオ様でよろしかったですか?」

 

「誰がマダオだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ピエル・アノウと言っているだろうが!!」

 

「いや、カルテだと確かそうなっていましたが?そうだよね?アーヤノ君」

 

「先生の仰る通りです。何をやらせてもまるでダメな男。略してマダオと記載されていますね」

 

「何を言うかぁぁぁ!このイレブンども!私を誰だと思っている!昔はEUで司令官まで務めた男だぞ!」

 

「あー、いますよねぇ、そういう過去の栄光にしがみついてる男って。何時まで経っても何大学卒業だとか俺は高校時代イケてたとか。嫌になるよなぁ、アーヤノ君」

 

「先生の仰る通りです。そういう男にロクな男はいません。やっぱりマダオですね」

 

「何を言うかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!私はあの疫病神達にさえ会わなければ、今でもEUの司令官だったのだ!」

 

恐らくだが勝手に自分たちを疫病神扱いしていたことにリョウとアヤノの青筋は更に太くなる。

 

「そうなんですか。では、診断を始めますが…とりあえずオプジーボを打っときますか。アーヤノ君。オプジーボを一つ」

 

「待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!絶対にとりあえずで使用して良い薬じゃないだろ!?」」

 

「了解しましたー!オプジーボ一つ入りまーす!」

 

「話を聞けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

アノウの話を全く聞かずに、リョウとアヤノの治療という名の憂さ晴らしは続いていく。

 

「先生。オプジーボってどれですか?このドクロマークが付いてるやつですか?」

 

「いいよ、適当で。コイツが出来るだけ苦しみそうな薬なら別に何でも良い」

 

「色々ぶっちゃけ過ぎだろ貴様らぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!こんなもん打たせるかぁぁぁぁ!!」

 

そう言うとアノウはアヤノの手からオプジーボを奪おうとするが、その弾みでオプジーボは床に落ちてしまった。

 

「あーあ。壊しちゃったよ」

 

「これは弁償ですね先生」

 

「勿論だよアーヤノ君。責任は取ってもらわないとなぁ…大体3000万円になりまーす」

 

「貴様らのせいでもあるだろうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ふ、ふん。それに私にそんな金はない。あの疫病神のせいで文無しになってしまったからな。残念だったな」

 

そんな奴が病院に来るんじゃねぇという真っ当なツッコミはせずに、リョウとアヤノはニコリと笑う。

 

「患者様。大丈夫です。そんな心配は要りません」

 

「そうですよ、患者様。お客様は運が良い」

 

そう言うとリョウとアヤノは更に笑顔になりながら、何処から持ってきたのか知らないがチェーンソーを構えた。

 

「「ここが病院で良かったですねぇ」」

 

「何をする気だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!待て!!ヤメロォォォォォォ!!」

 

空いているベッドにアヤノがアノウを縛り付けている間に、リョウはネットで調べごとを始めた。

 

「大丈夫ですよー。患者様。このホワイト・ジャックに任せてください。おい、アーヤノ君。内臓ってどれくらいで売れるんだっけ?」

 

「丸ごと売れば3000万円くらいにはなると思いますよ先生。良かったですねぇ患者様。借金はしなくて済みますよ。ヤミ金に手を出さない人生を送れて幸せですね」

 

「ヤミ金よりヤバい医者に捕まってるんだが!!!???」

 

しかし二人がアノウの言葉などに耳を貸すはずもなく、正に解体ショーが行われようとした次の瞬間、ノックの音が響いた。

 

「あのー、先生?どうしたんですか?何か叫び声がしましたけど」

 

「ああ、気にするな。少し注射に患者がごねてな。困ったものだ」

 

「そうなんですか。あのー、患者の治療は終わりますか?次の患者さんが来ているんですけど」

 

「何?もう?しょうがないな。入れてやってくれ」

 

そんなリョウと受付の人との会話を尻目にアヤノは猿轡をアノウにかけ、バレないように布団をその上からかけた。悪いことをする時だけはチームワークが良い連中である。

 

「すいませーん、失礼しまーす」

 

すると、ブリタニアの学生らしき可愛らしいオレンジ髪の女の子が入ってきた。

 

リョウはカルテを確認するが、あのジジイの常連の客ではないらしい。

 

あのクソジジイ全然使えねぇじゃねぇか!とリョウは内心で声を荒げる。

 

そんなリョウの沈黙が不安だったのか、女の子は確認という感じで声をかける。

 

「あの…ここで合ってますか?聞いていた先生と違うんですけど」

 

まさか違うとは言えない。リョウはこうなれば勢いでやるしかないと、腹を括って立ち上がった。

 

「ああ。彼は少し用事でね。俺はその代わりだ。安心しろ。どんな病でも治してやるさ。この…ホワイト・ジャックがな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




こんな感じで彰のせいでキャラ変したEUの連中(それ以外もいる)は今後もちょくちょく出てきます。
…EU編やらなきゃまずいかなぁ…

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