この小説を書くに至った経緯をちょっと説明しますね。
4,5年前に私が二次創作小説をこのサイトで読むきっかけになったのが、東方project×仮面ライダーオーズの小説でしてね。今ではありませんが、その小説がとても面白く今でも印象に残っていました。その小説を俺がリスペクトして書きたいと思ったのですが、私の執筆速度じゃ全部書ききれず、今書いているものまで行き詰りそうだったので短編という形にしました。
名前は出しませんが、心当たりのある小説がある方は、駄文で申し訳ありませんが、これを読んで懐かしんでいってください。心当たりのない方は純粋に楽しんでいっていただけると幸いです。
「…あなたは死にました。」
「…なんで。」
「私が剣投げて遊んでたら、掴み損ねて下界に落ちていって、…そのままあなたにグサッと…」
「ふざけんじゃねええええ!」
白い空間で唐突に告げられた死。それもギャグセンス満載な(実際に起こったらたまったもんではないが)。頭の中が混乱する。現実を脳内から吐き出そうとする。
「安心してください。あなたのことは転生させて差し上げます。」
「おお、テンプレじみてる。」
「行くのは東方projectの世界です。特典は何にしますか?」
「仮面ライダーオーズで。あと不老不死もつけてくれ。すぐに死んでしまったら何も楽しめない。」
「分かりました。それでは行ってらっしゃい。」
「は?」
足元に現れる穴。自由落下を始める俺の身体。下を見ると雲だけが見え、地面が全く見えない。俺の身体が絶望を覚えるのが感じるがありありとわかる。ここで特典の存在を思い出す。今回俺が要求したのは仮面ライダーオーズ。ということは飛行可能なクジャクがある。この事実に気付いた俺から絶望がだいぶ消え、ある程度希望が溢れてくる。残りの絶望?地面がだんだん近づいてるんだよ。希望と絶望がせめぎあっている中、死から逃れるために、地面とのキスを起こさないために特典を使おうとする。
「……どうやって使うんだ?」
地面まで十メートル。最後のあの言葉がまさか死の宣告になるとは思わなかった。
特典の、能力の使い方もわからずに狂暴な妖怪と邂逅。抵抗することもできず、ただただ逃げ回るのみ。そのうち体力、気力もなくなり始め、とうとう追いつめられる。
「やっと逃げるのをやめたか、やっとこいつを食える。」
不老不死をつけてもらいはしたが、特典のことから、それも怪しい。それに俺はついさっきまで平和極まりない日本の学生。食われるのには多大な抵抗がある。また逃げようと走り出そうとする。
「おっと逃げるんじゃねえぞ。もう追いかけるのはごめんだからな。」
脚が持っていた棍棒で折られる。足に響く痛みが声にならない声を絞り出す。今まで二足歩行で歩いていた人間がいきなり一足歩行になると、バランスが取れなくなる。それによって地面とのキスをしてしまう。地面とのキスを果たした俺を妖怪が仰向けにする。
「俺は顔がつぶれるのを見るのが好きなんだよぉ…。しっかりと怖がってくれよ。」
妖怪が棍棒を振り上げ、俺の頭に狙いをつける。
(くそが…、死にたくねえ……。)
こんなに早く俺は死ぬのか。まだ何も、それこそ原作キャラとの遭遇もまだ一人としてしていない。これじゃあ死んでも死にきれない。一度死んではいるが。
(………生きてえ。)
反射的に顔を腕でガードしようとする。最もあの妖怪の筋骨隆々の身体から放たれる一撃にとっては俺の腕などつまようじが間に入った程度のものだろうが。
棍棒が振り下ろされる。狙いは俺の顔。恐怖でとっさに目をつぶる。
チャリン ゴリラ一枚
俺の腕から金属音が鳴り響いた。その時から俺の第二の人生が始まった。
「大丈夫。まったく…薬草集めに来たら、丸腰の人間が歩いているなんて…」
月の頭脳。白髪の赤青少女。
「何故お前のような存在がここにいる!この洩矢の国は私が守る!」
土着神の頂点。ケロちゃん帽子の祟り幼女。
「大和の国のこの私にここまで言わしめたのはお前が初めてだ。その度胸に敬意を表そう!」
山坂と池の権化。しめ縄御柱のガンキャノン。
「私の花畑のかわいい子たちに何をしようとしているのかしら…。」
四季のフラワーマスター。チェックベストのスーパーフラワー人。
「私は、妖怪と人間が手を取り合って生きていける場所が作り出したいの…、協力してくれるかしら?」
境界の妖怪。幻想を保護する賢者。
「私はね、もう誰も死んでほしくないのよ…。」
幽冥楼閣の亡霊少女。ピンク髪の亡霊大食い少女。
「これで…何人になったかな…」
原作キャラとの邂逅。原作と混ざり合う俺。夢のようだった。
「私は鬼神。お前のような強いやつは大歓迎じゃ!わしのことを孕ませることを許そう!」「なにを?」
「私は天狗の長、天魔を名乗るものだ。一族の長としてこの妖怪の山は私が守る!」
原作にはない登場人物。新鮮で楽しかった。
「その程度なのね。だったら活かす価値はないわね。もともとその気はないけれど。」
「なにが楽しいんだよ…、こんなにたくさん殺して!」
「次はあれかしらね…。あの程度じゃ遊び相手にもならないでしょうけど。」
「てめえええええ!」
現れた絶対的な壁。恐怖が身体を包み込むほどの絶対的な力。俺は逃げてしまいそうだった。ヒーローとして戦っていたつもりだったのに。
「グ、アアァ、コ…、ロ……、 ス」
「アアアアアアアアアアアア!!!!」
顕現する力。鳴り響く絶叫。はるかに強い力だった。それこそ世界が崩壊するような。
「こんばんわー。今日もお野菜持ってきましたよー!」
「ああ、いつもありがとうな。」
「気にしないでください!私たちがしたくてしてることですから。それに私たちの仲じゃないですか。」、
「この紅茶旨いな。さすがの一言に尽きるな。」「当たり前じゃない。もっと褒めなさい。」
「さっすが、ゆうかりん!大好きだぶぇ!?」「「………」」
「た、助けてくれ、もう私は…」「何だ?この程度で潰れるでないぞ!どうだお前たちも飲め!」「断る。」「丁重にお断りします。」「母さんの頼みでもお断りします。」「いやだ。」「………もういい。そんなに言うなら一人で飲んでやる!」
「私を楽しませられるほどには強くなったのよね?」「当たり前じゃ。わしを誰だと思っている。」「もうこれ以上山を破壊しないでくれ…」
戦いのさなかの平和。俺たちを取り巻く日常。何も考えず俺は楽しんでいた。
「やっと、やっと完成したわ。私たちの楽園が…。」「名前はどうすんだ?」
「そうね…、一番の立役者であるあなたが決めてちょうだい。」「幻想郷なんてどうだ?」
完成した妖怪たちの天国。一人の少女の夢を手伝った。ただの義務感だった。
「わ、私の娘がいなくなってしまったんだ!一緒に探してはいただけないか!」
日常にひびが入る。すぐに全力を注いで行動に移さなかったのが問題だったのかもしれない。
「お前の娘を返してほしければ、どちらか一人、自害しろ。」
崩れ去る日常。突きつけられる要求。ここで俺がとった選択は間違っていなかったはずである。
「貴様らあ!よくも私の娘をおお!」
「ははははは!弱者が私に逆らおうとするのが間違いなのだ!」
友人であった少女の惨たらしい姿。激昂する父親を貫く無慈悲な槍。高らかに笑うすべての元凶。この時俺の何かが砕け散った。
少年は地獄に落ちた。顕現した六つ目の力。すべてを終わらせた。
「なあ…俺は間違ってたのか。」「さあ?少なくとも私の決めることじゃないわね。」「少し付き合ってくれるか…。」
泣きつかれ、俺は涙も枯れた。自分の存在価値すら分からなくなった。俺じゃ何も守れない。ただただ壊しただけ。俺は何をした。原作キャラを守った?物語の主格であった幻想郷を作るのを協力した?そんなことは俺がいなくてもできた。俺は手に届く人すら救えなかった。人ひとり守れなかったクズだ。クズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだクズだ。自分が憎い。憎い、にくい、ニクイ、にくいニくいにくイニクイにくいにクイにくいにくニクイ二くいにくイニクいニクイにくい
俺は自分の箱の中に閉じこもった。
少年が自分の中に閉じこもってから時間が経ち、とうとう始まる原作。交わる原作にはない人物たち。変わってしまった少年。変化した環境。味方だった者の恨み。身を挺して動く少年。異常性に気付き始める周りの人物。それをあざ笑うかのように近づく最悪の異変。死なない人間を解放しようと死。犠牲となっていく者。
最後に少年が得る物とは。少年の願いとは。欲したものは。人生二回目で少年がつかみ取ったものとは?
東方欲王録、20XX年公開!
いかがでしたでしょうか。
これの続きが書きたいと思っているのですが、それをやってしまうと今書いてる他のまで行き詰ってしまいそうで…。そんなわけでビビりの作者は書けないのでありました。
そもそもこの小説は俺の好きだった小説がなくなった悲しみを和らげるためのものですから…。(いまだに未練たらたらな作者)
あと感想お待ちしてます。でも作者を守るために強い口調での批判はおやめください。(注文の多い作者)批判自体は全然いいです。