何だか久しぶりに筆が乗り、その結果先週出せずになってしまいましたorz
ま、まぁ、どうせonekouの事だから気まぐれを起こしたのだろうと皆さまは理解してくださっている筈・・・・・・(チラ
さておき、今回もどうぞ!
「納得がいきませんわ!!」
そう声を大きくして言ったのは、セシリア・オルコットという少女であった。
「その様な選出は認められません!!」
彼女が異議を唱えているのは、クラス代表の選出についてだ。
何をクラス代表程度でそれほど声を張り上げねばならないのかと思うだろう。
しかし、クラス代表という肩書はこの学園においては文字通りの意味だけにはとどまらない。
通常の学校であれば、クラス代表・・・・・・つまりは学級委員というものは代表とは名ばかりの雑用係であり、押し付け合うのが定例であろう。
名門校などになれば多少違うやもしれないが、生徒会長なら兎も角クラスの長程度では然程自慢できるものでもないだろう。
だが、IS学園での“クラス代表”というものは世界各国が目にする代表なのだ。
IS学園自体は日本にあるが、その各組には世界各国の様々な思惑の元に入学した生徒たちが居る。
その“長”となるのだ。
当然クラス代表ともなれば卒業後の進路は安泰、それどころか活躍如何によっては将来が約束されたも同じであろう。
それだけ世界各国から注目される立場なのだ。
だというのに、皆が担ぎ上げるのは“男”であるというただそれだけの織斑一夏だ。
実際には何かしら隠しているものが有るのかもしれない。
だが、先程セシリアが話した印象では“うだつの上がらないそこらに居る様な男”であった。
学がある訳ではなく、身体は多少鍛えているだろうが部活動の範疇であろうと見て取れた。
そんな人間をクラス代表にするのはリスクが高すぎる。
確かに注目は集められよう。
世界で
しかしそれだけだ。
現状出ているこの程度の情報では彼をクラス代表へと押し上げる理由にはなりはしない。
それ以前に、セシリア・オルコットには自分こそが相応しいという自負もあった。
自惚れではない。自信過剰なわけではない。
そう思うだけの理由が彼女にはあった。
“代表候補生”、それが彼女の立場だ。
イギリスにおける代表候補生たる彼女は、文字通りイギリス国家代表の候補生である。
しかし、候補とついてはいても十把一絡げに居るような存在ではない。
現状存在するISコア、実に468。
その内、開発企業や国家機関に所有され研究用や専用機に使われている145機を除けば、実戦配備されているコアの数は更に限られてくる。
そんな数限りある中の一機を、セシリアは所持していた。
それこそが彼女の自負を支える証。
否、選ばれし者であるという証左に他ならない。
故に彼女は異議を唱えた。
他薦でも構わないと担任が言ったとはいえ、物珍しさから男を選ぶなど言語道断だと。
しかし、それを言われる側に立っている少年もまたセシリアの言葉に異を唱えた。
「さっきから黙って聞いてれば好き放題言ってくれるじゃないか。確かに俺はど素人も良い所だけど、そこまで言われても黙っているのは男が廃る!」
小さい方の姉にISに関する知識を教えられているとはいえ、織斑一夏は素人に毛が生えた程度でしかない。
彼自身それをよく分かっている。
けれど彼は、言外に役に立たないと言われて黙っていられるような性格でも無かった。
そんな一夏を見て、セシリアは少しばかりの笑みを浮かべる。
嘲るようなものではなく、少しばかりの関心を含めて。
「あら、少しは気骨があるようですわね。けれど気合でどうこうなるものでもなくってよ」
「それは分かってる。代表候補生ってのも何となくだけど凄いのも分かった。だけどここで黙ってたら自分が情けなくて仕方がない」
「なら、どうしますの? 決闘でも致しますか?」
「ああ良いな分かりやすい。四の五の言っているよりは前向きだ」
余裕を保ったまま笑むセシリアに、一夏は鋭い視線を向ける。
一夏はISに乗れると分かってから比べられてきた。
世界初の男性操縦者と。
世界1位を取った織斑千冬―――自身の姉に次ぐ実力者とされている1人目の男性操縦者。そんな彼の素性はほぼほぼ知られていない。
だがその狂戦士のごとき戦いぶりは皆の目に焼き付いている。
それは一夏とて同じだ。
そんな人と、一夏はどうしても比べられた。
世間的に女尊男卑の風潮がどこかにはあるこの世界に於いて、男の代表となり得るかどうかを。
「はぁ、分かった分かった。ならばアリーナの使用を許可する。1週間後、ISでの模擬戦を行え。それ如何でクラス代表は決めろ」
二人の興奮が冷めやらないとみて溜息を吐くのは織斑千冬、このクラスの担任だ。
苗字からも分かるように一夏の姉でもある彼女は、かつて世界のトップにも立ったことがある。
故に、一夏とセシリアは今からでもやるぞと言わんばかりの表情をしてはいるが、ブリュンヒルデと称賛されるそんな彼女に言われては、静かに頷くしかない。
だが、次の言葉で驚きの声を上げる。
「ただし
誰だ? と誰もが疑問を持つ。
しかし千冬が目を向けているからその正体はすぐにわかった。
それは、つい先程一夏が話していた隣の少女であった。
一夏は海外の留学生だと考えていたが、苗字らしき名前は完全に日本人のものだ。
感性はすこしばかりずれている様に感じたが、きっと帰国子女なお嬢様か何かだろう、そう考えたところで―――、
「千冬、私は・・・・・・」
「織斑先生と呼べ」
バシバシンっと音が響いた。
「燕返しは卑怯です」
「2閃程度の擬きでは卑怯も何もない。それで何だ?」
突如行われた凶行。
自身も良く味わったことのある出席簿アタックだ。
何故か一夏には手で防いだのにすりぬけて少女の頭へと出席簿が振り下ろされたかに見えたが、見間違いかと目をこすっているうちにも、そんなやり取りなぞ無かったかのように隣の少女、白銀は続けた。
「織斑先生。私には参加する資格が無い。そもそも私は・・・・・・」
「黙れ、担任命令だ。お前のそれは専用機だ。それ以外の何ものでもない」
「しかし・・・・・・」
「しかしもかかしもない。やれ、その為に入学したのだろう?」
千冬の言葉に逡巡する白銀。
一夏が先程も見た無表情のままではあるが、明らかに戸惑っているのは見て取れた。
なので一夏は参加できない理由でもあるのかと白銀へと聞こうとする。
が、それを遮るようにセシリアが口を開いた。
「白銀さん・・・・・・と仰いましたね? あなたも専用機を持っているんですの?」
「所有しているかと聞かれれば確かに所有はしている。でも戦闘に向いてはいない」
白銀の言葉にセシリアは怪訝な目を向ける。
それは不思議な言い回しだったからだ。
現在稼働しているISは、その殆どがIS戦闘を主としたスポーツを主軸に置いている。
それでなくとも、各国に配備されているISは防衛戦力としての側面が強い。
そうでないならば企業代表ということになるが、その場合IS学園へと態々持ち込む理由が薄い。
ISとの同調率を上げるためならば学園に通う間も訓練に励めばいい。IS同士の戦闘経験を得たいのならばIS学園に来るのが手っ取り早いのかもしれないが、戦闘向けではないと言う。
ならば、専用機を持ってこの場に居る理由とは?
セシリアの疑問の答えをどうやら千冬は知っているようだが、易々と聞ける様子ではない。
兎も角、セシリアは一夏に続いて白銀という少女にも興味が沸いてきた。
目にするだけでもただ者ならぬ雰囲気を醸し出している。
所作は丁寧であり、どこか気品がある。
しかし、貴族位を持つ者独特の空気は無い。
不思議な違和感、それがセシリアに付き纏う。
とはいえそれは今関係ない。
セシリアがすべきことは自身の有用性を示し続けること。
オルコット家当主たる己の有り様を貫き続けること。
「専用機を持っていることに変わりは無いのでしたら、あなたも壇上に上がるべきですわ。当然負けるつもりはありませんが」
「・・・・・・了承。私もやると決まったなら負ける気はありません」
セシリアの挑発とも取れる言葉に、白銀は少しの逡巡後、何も映さない瞳をセシリアへと向けながらそう返した。
そんな二人を見て千冬が静かに頷くと、授業を始めるために続けた。
「よし決まりだな。各自1週間後までに準備を怠るなよ」
『はい!』
◆◆◆
「いやぁ参った。運よく引き分けに持って行けたけど、向こうが完全に油断してくれていたからだし、ホントIS戦闘ってのを舐めてたよ」
「そうですか。私は見ていないのでわかりませんが」
「あ、そういえば公平を期すために
「そういうことです」
虎子・E・白銀、それが彼女の名前だと聞いたのは、あの騒動から間もなくの事だった。
お隣さんの好で始まった交友ではあったが、今では互いに友人だと言えるくらいにはなった。
・・・・・・なったと思う。
いや何せ虎子は殆ど感情を表に出さない。
面白いですと言いながら無表情、悲しいですと言いながら無表情。
幼なじみの箒が何故かすごい剣幕で虎子を見たが、あまりの無表情さに箒が根負けしてオドオドしたくらいだ。
そのあと二人でどこかに話しに行き、戻ってきた時には箒が心なしか嬉しそうにしていたがどういうことだろうか? 味方がどうとか箒は言っていたが・・・・・・。
あ、箒というのは本名を篠ノ之箒という幼なじみで、小学校のころからの付き合いだ。
中学校に上がる頃には家の事情とかで引っ越してしまいしばらく交流が途絶えていたのだが、小さい方の姉が何とかすると言い出して、その次の日に何故か家に居た。それからはちょくちょくとあったりしていて、中学校の友人たちと含めてでよく遊びにいったものだ。
そんな箒は進学先を教えてくれなかったのだが、実は同じくIS学園へと入学していた。
それもクラスメイトとしてだ。
なんの偶然かと思ったが、まぁ知り合いが多いに越したことはない。
まぁさておき、そんな虎子と箒とでここ一週間ほど訓練をして、ついには今日となった。
クラス代表を決める為にISで戦う日だ。
とはいっても俺の専用機『白式』が届いたのは今日のことで、習熟ができたとは言えない。
この一週間は箒と剣道をしたり、虎子が予約してくれてあったISの練習機『
そして、その一週間の成果が出たかどうかだが、簡潔に言えばボロボロだ。
相性が良かったというのもあるが、セシリアは手を抜いてくれていた。
俺の搭乗時間を聞いて油断をしてくれたというのもあるが、引き分けることができたのは完全に運でしかない。
あとは、虎子が機密情報ですがと教えてくれたセシリアの専用機『ブルー・ティアーズ』の特性を事前に知っていたのも大きい。
なぜ虎子がそんなことを知っていたのかは謎だが、今回はそれに助けられたので何とも言えない。
ああくそ、悔しいな。
アレだけ大口を叩いたってのに運良く掠め取ったのが引き分けだ。
そりゃISというものにどれだけ慣れているかというのも大いに関係あるだろうが、だからといって簡単に納得できるものではない。
勝負は勝負だ。
どれだけ不利な状況であろうと俺は当然勝ちに行った。
無茶無謀は分かっている。
でもここまでの差があるとは思わなかった。
周りの人間からすれば負けて当然の試合かもしれない。
けれど、やっぱり悔しいものは悔しいのだ。
「しかし、初戦闘で引き分けることが出来たというのは中々に優秀な成果ではないでしょうか。相手が油断をしていたとはいえ、代表候補生ですし」
何とか明るく振る舞おうとしていた俺だが、やはり悔しさに途中から言葉がでなかった。
そんな俺へと、突如虎子から声が掛かった。
いつものごとく抑揚のない声だ。
だが確かに、微かにだが温かい感情を感じた。
「何ですかジッと見て」
「えっと、慰めてくれたのかなって思ってさ」
「事実を述べたまでです。試合は直接見ていませんがこれは快挙と言えるでしょう。彼女の隙を突いたとはいえあなたは確かに必殺の剣を当てることが出来た」
先程感じたものが気のせいだったのかと思うほどに淡々とそう告げる彼女。
その姿はここ一週間程で慣れてしまったいつもの彼女だ。
思わず俺は笑みを浮かべる。
「何ですか突然笑って」
「いや、何だか突然饒舌になったのが照れ隠しみたいに見えてさ」
「照れ隠しなどではありません。勘違いです」
「そっか、なら勘違いしておく」
「・・・・・・勝手にしてください」
虎子はそう言いながらプイと顔を背け、そのままカタパルトへと向かった。
「次は私の番ですので、お早く退出を」
「え、でもお前・・・・・・」
今の今まで気づいていなかったが、彼女は制服だった。
IS搭乗時にはISスーツを着るのが基本だが、特に彼女はその準備をしていた様子は無い。
それ以前に、よくよく考えてみれば先程までこのカタパルトデッキには数人姿が見えていたのだが、今は居ない。
千冬姉や山田先生、それに箒の姿も無かった。
何故だろうか・・・・・・と疑問に思っていると、コツコツと誰かが近づいてくるのが聞こえてきた。
俺はそちらへと反射的に振り向く。
「何で虎子がISスーツを着ていないのか、何でここから人が居なくなったのか、それが疑問なんだろうイッチーは」
「コウ姉!?」
振り向いた先に居たのは、まさかの人物であった。
うちの小さい方の姉、コウジュ姉だ。
姉、と言っても血のつながりは無い。
だが、俺が小さい頃からずっと家に居るので、大きくなるまでは本当の姉だと思っていた。
その姉が何故か作業着を着てそこに居た。
「どうかな虎子、行けそう?」
「起動自体に支障はありません。しかし、やはり私が戦闘というのは・・・・・・」
「前に言ったでしょ? 世の中には主武装がソレの女の子も居るんだって。それに何度も練習したじゃないか」
「母上がそう仰るのであれば、私に異論はありません」
え?
ちょっと待って、え、今の聞き間違いじゃないよなっ!?
「い、今母上って言った!?」
「言いましたが」
「言ったねぇ」
「ウェイト、ちょっと待って、え、コウ姉の子ども!?」
いやホント待ってくれ、子ども? コウ姉の子ども?
あれでも結婚してたっけ?
いやいやそれ以前に見た目が成人している様にすら見えないのに子ども!?
確かにカラーリングは似ているなって思った。
容姿が整っているのも一緒だ。
だけど性格やら何やらが違い過ぎるんだけど!?
というか母って呼ばれてるあんたの方が小さいけど!?
「あっはっは!! めっちゃ混乱してるよイッチー!!!」
俺が混乱しているというのに、爆笑してるチビ姉。
そんな姉へと、虎子が声を掛ける。
「母上、まだお話しされていなかったのですか?」
「アッハハハっ! ・・・・・・え? あ、うん。だってその方が面白いでしょ?」
「なるほど、母上が楽しむ為なら仕方がありませんね」
「その理屈はおかしい」
コウ姉が言うことにすかさず頷く虎子。
それに対して物申したいがそれ以前に、コウ姉に子どもが居たってことの方の驚きが増している。
俺と虎子は同級生なわけだし、俺の家にずっと居たのにコウ姉には俺と同じ年の子どもが居たってことか?
というか俺が小さなころからコウ姉は小さかったのに、そんな姉に子ども?
「まぁまぁイッチー、今は其れより虎子の準備をしないとなんだ。落ち着いたらまた話すって」
「ッ・・・・・・、分かった。絶対だからな」
笑っていたのを止めてそう言うコウ姉の顔は、少し困り顔だった。
さっきは面白いからなんて言っていたが、どうやら違うようだ。
よくよく考えれば隠し事が超苦手な姉の事だ。何か事情があるに違いない。
そう思い直し、俺は素直にコウ姉の言葉を了承した。
そんな俺に申し訳なさそうな顔をするコウ姉。
こうなっては深くは追及できまい。
それに後で言うって言っているのだから、コウ姉はきっと言ってくれるだろう。
嘘だけはつかない姉だからな。
うっかり約束そのものを忘れてしまうことはあったけど・・・・・・。
そして、自身の疑問が晴れるのか少しばかり心配になっているとどうやら時間になったようで、虎子がコウ姉へと声を掛けた。
「母上、そろそろ」
「あ、そうだね。準備しよっか」
「しかし一夏が」
「あー・・・・・・」
俺がどうかしただろうか?
「まあ良いか。イッチーは家族だし、虎子とは兄弟みたいなものさ」
「母上がそう仰るのであれば異論はありません」
ひょっとして、今この場に人が居ないのは人払いをしたからなのか?
そしてそれは勿論俺に見せるつもりも無かった?
一体そこまで隠すものって?
「それではシステムを起動します。“換装”」
俺の疑問もそこそこに、虎子が静かにそう告げる。
途端、虎子の身体が光に包まれた。
「システムオールグリーン。問題はありません」
虎子がそう告げた時には光が収まっていた。
そして現れたのは、まさしくISを纏った虎子の姿。
少しばかり俺が知るISに比べて細身な感じがするが、それを補って余りある2つの大きな盾が彼女の傍に浮遊していた。
そして何よりも目を引くのがその色合いだ。
白銀の装甲に、黒い縞模様。
それはとあるISを彷彿とさせた。
「おっけぃ。俺の方でも見てみるよ」
その虎子へと、今度はコウ姉が近づく。
「トレース・オン」
そしてコウ姉は虎子の背中へと手を当て、何かを呟き目を瞑った。
一体何をしているんだ?
そう疑問を持つ間もなく、コウ姉は再び目を開き手を放した。
「うん、問題なさそうだ。折角の晴れ舞台、楽しんでおいで」
「はい母上」
虎子は返事をするなり、カタパルトへと乗り飛びだした。
「さぁてイッチー。秘密の共有と行こうか」
その声に、少しばかり嫌な予感がした。
いかがだったでしょうか?
色々と詰め込みたいものを詰め込んでいますが、その結果化k気が薄くなってしまっているキャラたちが居るのはごめんなさい<(_ _)>
ファース党の方とかほんとごめんなさい。
その内活躍してくれるから!
さておき、謎の美少女の正体ですが、実はコウジュの娘だったんだよ!ΩΩΩ<ナ、ナンダッテー!?
というのもさておき、この虎子こそがこの短編の主人公となります。
コウジュはおまけなんです。
なので最後の方でやたらと濃い存在が出てきたかもしれませんがスルーしちゃってください。
さてさて、それでは今回はこの辺りで。
皆様また次回もお会い出来れば幸いです!
では!!
P.S.
アビーちゃん可愛いですねよね!これで実装してくれなかったら発狂していましたよ。皆さま戦績の方はいかがですか? それとも実装が決定したエレシュキガルちゃんに置いてますか?