むろん、白銀たるターニャ・フォン・デグレチェフ少佐も参加することとなるのだが、それは狂気のイベントの幕開けでもあった。
申し訳ありません。作品を傷つけないかと危惧して一度削除してしまったのですが。 興味を持っていただいた方もいらっしゃったようですので再投稿させていただきます。
ご迷惑おかけしました。
幼女戦記の再放送が始まり、とても素晴らしい作品ですのでぜひアニメや漫画に原作を見ていただくと嬉しいです。
「第二〇三回!!チキチキ乳首当てげぇぇぇぇむ!!」
ルーデンドルフ閣下の野太いワイルドな声が会場に響き渡った。新年が明け停戦となった帝国では各国の要人や軍人を集めて催しを開催していた。そして何を思ったのか男性の軍人たちの服を脱がせて乳首当てゲームなる珍妙なゲームの開始を宣言していた。
おっと、挨拶がまだであったな。明けましておめでとうございます。ターニャ・フォン・デグレチェフであります。 今の私は色々な意味で危険な状態であります。 目隠しによて視界は遮られてこの訳の分からなぬ催しによりヒートアップしている会場のど真ん中にいるのだから。時代が時代ならここにいる連中は全員御用となっているはずだ、どうやらこのゲームは選ばれた佐官が目隠しをして部下の乳首を掴みその反応や乳首の感触や大きさで当て佐官がどれだけ部下たちを把握出来ているのかを確認する意図もある帝国が起源の遊戯であるらしい。本来であれば帝国のみであったのだが休戦となり各国の軍人たちも招待されたため交流と親睦を兼ねて行われるらしい。
アホらしい。
少なくともターニャの前世からの常識からは考えられない催しであるのだがこの世界では否定的な声も多いが、多少なりとも変わった文化でも受け入れる多様性が必要だとの寛容な方々の働きにより残っているらしい。
こんな文化は闇に葬るべきだろう。
そして何故私が選ばれたかというと自国や他国の魔導師たちの強い希望があったと言うことである。
この世界の連中変態しかいない…。…うわ。
しかしながら仕事は仕事であり、ここで投げ出す訳にはいかず嫌で嫌で仕方がないのだがこのゲームに参加することになった。
「さて!我ら帝国軍のアイドルぅぅぅーデルドルフ!!であるぅぅぅデルドルフ!! 白銀のターニャ・フォン・デグレチェフちゃんが目隠しをしながら男性たちの乳首を摘まんでいくぞおおおおお! 当たるか外れるか! 賭けも行われてるので是非参加してくれぇぇぇい!」
謎の奇声を発したルーデルドルフ閣下の言葉を合図に私は前に出た。
どうやら合図ごとに代わる代わる私の前に乳首を差し出し掴ませるようだ、工場のレーンで仕事をしている気分である。ため息を吐きながらターニャは両手を前に出し目の前の男の胸板に触れた。 かなり鍛えられているらしいその男の胸元はなんとなく知っている気がする。 さわさわと指を這わせながらようやく指が乳首に触れた。 うっ…男の乳首をなんで触れないといけないのだ…微妙に硬くなってるのが気持ち悪い。
「んっ」
触れるとその男が軽く声を上げた。 ふむ、簡単だな。 さすがに毎日隣にいる男は間違えようがない。
「…ヴァイス中射だな?」
私が答えると会場が静まり司会者の答えを待つ。
そしてマイクを持ったルーデンドルフ閣下が大きな声で叫んだ。
「せいかぁぁぁぁぁぁあああい!!!!!!」
答えを聞くと会場が大きく盛り上がった。うるさい。
「少佐殿に間違えられたら自分はどうすればいいのか分からなくなります。 気づいていただいて本来に良かったです。」
目隠しのため見えないが聞きなれた男の声が聞こえていた。若干泣き声で本当に勘弁してほしかった。 どうせならセレヴリャコーフ少尉の方がよかった。
ターニャがげんなりとしていると解説が始まった。
「さすが白銀だ部下の身体を知りつくしているとは簡単な問題であったかな?」
とフランソワの某軍略家が。
「それはもちろんであるだろう。 デグレチェフ少佐が肝いりで作り上げた部隊だ、彼女は鍛え上げるために部下たちを雪山で裸にして訓練をしていたらしい、彼女なら正解したと信じていた。」
と自分の直属の上官が解説をしていた。 …死にたい。
「さて、次にいこう!!」
いかなくていいです。
「さて次の軍人は…「ぐあっ!胃がっ、胃がァァ!!」」
「だ、誰か担架を!レルゲン中佐殿が吐血して倒れたぞ!!」
どうやら常識人の レルゲン中佐殿には耐えられなかったようである。いたいけな幼女に卑猥なイベントに参加させることに心を痛めての体調不良であろう。なんという高潔なお方だ。今度お食事にでも誘って愚痴を聞いてあげなくては。とターニャは心に決めた憐れルゲン。
「さて、ちょっとしたハプニングがあったが再開しようと思う!!!良いなみんなぁぁぁぁ!!」
「「「いいともおおおおお!」」」
良くないです。
「さて、次の者前に出るがよい!!」
足音とともに気配が目の前に現れた。香水の良い香りがしてきた。 どうやら次の男は身だしなみに気を使う軍人のようだ。 業腹ながら手を伸ばし胸元に触れた。
「…あっ」
固い胸板から男性であるのは見違えないが妙に艶やかな声を発していた。
ターニャは嫌な予感をしつつ胸の中央、所謂乳首に手を伸ばした。 「あぁぁん!」喘ぎ声が聞こえそしてめちゃくちゃビンビンにたってる。 気持ち悪いと思いつつこりこりと指を動かすとさらに「あぁぁぁぁぁあぁん!!」 艶やかな矯声を上げた。なんとなく分かった気がする。魔導師で妙に身だしなみに気を使い、さらにこの反応とこの声。 様々なネームドの戦闘記録に目を通しているターニャだからこそ分かった。ターニャは突起物から手を放すと答えを出した。
「…フランソワ共和国のセブラン・ビアント中佐殿。」
…てれてーーーん♪
前世で聞きなれた気がする。すでに終了しているクイズ番組のBGMが聞こえてきた。 この間本当に止めてほしい。
「せいかぁぁぁぁぁぁい!」
「「おおおおお!」」
ルーデンドルフ閣下とともに会場からは驚きの声が聞こえていた。 どうやら他国の人間を正解したことにかなりの驚きを感じられたようだ。
「まさか、ビアント中佐のこのを知っているとは…ラインの悪魔恐るべし。」
「ふっ、当然であろう。彼女ならばできると信じていた。」
と解説の声が聞こえ。
「ふっ、帝国の仔猫ちゃんに知られているとは嬉しいな。 もう少し大きくなったらデートをしてほしいものだ。」
と今しがた乳首に触れた男が声をかけてきた。…嫌です。
「さて、盛り上がってきたところで次の問題だぁぁあ!!」
その後は少し楽であった主に部下や顔見知りが多かったせいか声で正解することが出来たからである。
もう帰りたい。と心の中で涙を流しながら次の男がやってきた。どうやらこれが最後であるらしい。
慣れた手つきで胸板ではなく直接、乳首と言うべきではないが敢えて言わせて貰うと乳首に手が伸びた。 見えなくとも心眼で乳首の位置を把握できるそれは熟練の乳首セラーを思い浮かべる。
「んっ…?」
ターニャは初めて詰まった。今回の乳首の持ち主は乳首に触れられても反応をしない強い心を持っているらしい。くりくりと動かすも全く反応がない。 なんということである、これでは分からないではないか。
「くそっ、どうなっている」
つい毒づいてしまうが仕方がない、早く終わらせたいのに終わらないからだ。
…こうなったら仕方がない。
「主よ、この乳首の持ち主を教えたまえ!」
エレニウム95式を起動し神経干渉術式を起動したこれにより乳首に走る性感を刺激したそれは恐らく感度300倍と言っても良いだろう。そして身体がびくんびくんと震えるとともにその主は絶叫をあげた。
「おほぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
絶叫と共に快感に耐えきれずばたんと倒れる音を聞いた。ふむ、チョロいものよ。 そして声で正解にたどり着くことができた。
「…連合王国のドレイク中佐殿。」
「せいかぁぁぁぁぁぁい!!!!」
全問正解のせいか万雷の拍手が会場内に響き渡った!
そんな中「悪魔め!!私だって同じ事をできるんだ!!主よ私にも機会を与えたまえ!」
と聞きたくもない少女の声が聞こえていたが無視である。ようやく終わる。それだけでも幸せだ。
「さて、全問正解を見事に果たしたデグレチェフ少佐には、昇給と共に三日間の休暇が与えられる!!」
うわぁぁぁぁぁ!と会場から歓喜の声が聞こえてきた。それは素直に嬉しいなとターニャは思った。
ターニャは目隠しを外しようやく解放されると安堵の息を吐いた。
そんな時にどっどっどっ!!地面が揺れる!物凄いスピードでターニャになにかが近づいてくることを感じた。
「妖精さんに乳首を掴んで貰うプレイが行われてると聞いて。」
でっぷりした身体のおっさんが息を荒らげながら私に話しかけてきた。
「消えてくれ」
嫌悪感が最大限に高まり、愛用のライフルをターニャは構えた。バン!!と会場内に銃声が鳴り響き来客者をターニャは射殺するのであった。
終わり。