深夜のコンビニバイトは割と暇です。   作:秋涼

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夜明け

奥がまったく見えないトンネルの前にたどり着いた。

トンネルに入る前に再度こともちゃんに本当についてくるのかと確認する。

 

こともちゃんの意思も堅いようでここまで来たのに家で待っているのは嫌だとついてくるらしい。昔のことねちゃんといい、この町の女の子はとても強いらしい。

 

トンネルに入る前に家に寄り、取ってきたものをこともちゃんに渡す。

首から下げるライトととある石を使った懐中電灯、いわゆる霊石灯だ。

一通り使い方をトンネルに入る前に教えておいたので大丈夫だと思うが、万が一があるため、自力で戻れる力は持っていたほうがいいだろう。使う機会は俺が作らせないが。

霊石灯はあげてもいいが、婆様から貰ったものだしな、貸すだけにしとこう。

婆様だったら言えば俺が持っているのより良いのをこともちゃんに渡すだろう、俺とは比べ物にならないくらい猫可愛がりしてるしな。

 

ポロが早く行こうと吠え始めたので、まるで一切の光を拒絶するかのようなトンネルの中へと2人と一匹で足を踏み入れた。

 

 

中に入った時に感じたのは、見られているという気配、しかし襲ってくる気配はしないため

そのまま進む。こともちゃんもなにかしらの気配を感じるらしく、顔色が悪い。

しかし、ポロが一鳴きすると、見られている気配が消える。

 

犬の鳴き声には魔を払う効果があるっていうが、本当だったんだなと感じた。

 

そのままトンネルを進むと奥から目玉のついた大きな手が迫ってくるのが見える。

迎撃しようとした瞬間、後ろからものすごい勢いで夜廻りさんが走ってきて。

袋に石でもたくさん詰めてきたのかジャラジャラと音がなっている袋を大きな手に叩きつけまくっていた。大きな手も最初は抵抗していたが、音とは裏腹に威力が物凄いらしく抵抗が弱くなっていく。夜廻りさんは大きな手の動きが鈍くなった時を狙って袋の中に放り込みそのうえに座ってしまった。

座りながら手のような触手で顔を拭い、こちらに早く行けと言わんばかりに手を振っていた。下に敷いている袋はごそごそいってるが、夜廻りさんは知らんぷりである。

 

手伝ってくれるならありがたいとそのままトンネルの奥へと歩を進めた。

 

トンネルを抜けると鬱蒼としげった草原とその先に石段の上に神社が見える。

ほたるでも飛んでたら幻想的ないい景色だろうに、それを禍々しい気配が台無しにしていた。気配的にあまり悠長にするのはよくないと思い、こともちゃんを脇に持ち、ポロに付いてこいといい駆けだす。

近づいてくる小さな手が刀と鞘の加護と道の途中にある祠のおかげで近づいて来ない為、

スムーズに孤独な神社までたどり着くことができた。

 

見回すと社を囲むように道中休憩に使っていた小さな祠が立っているのが見える。

いよいよか

鞘から刀を抜き、鞘をそのままこともちゃんに渡してからこれから出てくる奴は俺が倒すから、やつの周囲にある小さな祠に鞘を掲げて光の線をつなげてくれとお願いする。

 

こともちゃんは顔色が悪いながらも頷き、ポロもこともちゃんを守るといわんばかりにしっぽを振りながら元気に吠える。

 

彫られていた境界を超えると辺りから聞こえていた、草を揺らす風の音も、穏やかな虫の声も一切聞こえなくなる。

社の前には倒れていることねちゃんの姿が見える。

こともちゃんがお姉ちゃん!と声をかけるが、返事がない。

ことねちゃんに近づこうとしたとき、人でできた肉団子の顔が出てきて叫び声をあげた。

あぁ、ついにこの糞野郎を倒すことができる。

こともちゃんとポロに頼んだぞ!声をかけて大きな手を2つ出した山の神へ駆け出した。

 

 

 

 

お兄さんが珍しく目を開けて走っていく。大きな手がお兄さんに飛びかかった。

お兄さんが大きな手に刀を振るうと大きな手が赤い霧になってしまった。

消えたと同時に気持ちが悪い人でできた顔が叫び声をあげる。

その様子をみていたらポロが後ろから押して一鳴きした。

 

お兄さんにお願いされたことを思い出し、小さな祠にお兄さんから受け取った鞘を翳す。

鞘と祠が光り、祠から走っている線が光りだす。

全部繋げるようにわたしは次の祠へ駆け出す。

途中で黒い小さな手が邪魔してくるが、ポロが一鳴きすると消えてしまう。

ポロが守ってくれるうちに祠に鞘を翳していく。

残り一つになったころ、ひと際大きな叫び声が聞こえる。

思わず振り返るとお兄さんが顔に取り付いて、人でできた顔にある沢山の目をひとつひとつ潰しているのが見えた。大きな手がなくなった為、顔を成型してる人型もお兄さんを振り払おうとしているがちかくの人型の手足は刀で切られており、抵抗ができないまま目を潰されていた。

最後の祠に鞘を翳して、線を全て繋ぎ終え、お兄さんに声をかける。

声をかけるとお兄さんは人型でできた顔から離れ、早口に呪文?のようなものを唱えると、急に辺りが百足様に会った時のような、赤い世界に変わった。

急に地面に影が差したので上を見るとすごく大きな百足様が大きな顔を見下ろしていた。

 

 

 

この夜、町中になにかの叫び声が響いたが、聞いていたものはごく一部だったという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めると自分のベッドで寝ていた。

起き上がろうとすると私に抱きついてこともが寝ており、その横にポロが寝ていて動けなかった。

 

 

「あぁ、起きたのか」

 

横をみるといつもは胡散臭い笑顔を浮かべている先輩がまじめな顔して頭をなでてくれた。

 

「先輩無事だったんですね」

 

「まぁあれぐらいじゃ死なんよ。」

 

「ありがとうございました。」

 

「どういたしまして、お礼はポロとこともちゃんにも言うといいよ。もう何も心配いらないから、また寝るといい」

 

先輩はまた私が寝るまで頭を撫でてくれていたのを覚えている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あのあと病院にいったら入院している先輩を見つけた。

車に轢かれた際に肋骨を折っていたらしく、終わって家に帰ったら痛くて帰ってきた婆様に病院に連れていかれたらしい。

 

 

 

 

 

 




一応これで終わりです。
短編などはこっちであげるかもしれませんが
続編をやるなら、違う枠でやります。
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