やはり俺の相棒が劣等生なのはまちがっている。   作:読多裏闇

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「エタる」とは「永久に鋭意制作中」という言葉の略語である。

 そう、永久とはいえ“鋭意制作中”なのだ。進捗の差はあれ、あくまでも“制作中”を冠する言葉である以上、制作に対してピリオドは打たれていないのだ。
 よってこの「エタる」という言葉は、巷で揶揄されるような“未完”を意味する使用法は誤用であると言え、むしろ未完となっている作品をそう呼ぶのは“まだ続きが出る”ということを暗に主張しているといっても過言ではないのではないだろうか?

ここまでの論理の積み上げ、及び、定義から加味して、私のIQ53万の脳内CPUからはじき出した結論から言えることをまとめると・・・。


エタっておりました。大変申し訳ございません。


かろうじて永久化は回避しようと思い、筆を執った次第です。この流れで更新も再開していきたいと考えていますので、生暖かい目でお見守りいただけると幸いでございます。








九校戦編31

 

 

 

~沓子Side~

 

 

 今、九校戦で最も注目を集めているのは、昨日大会最速記録を叩き出さした一校の比企谷選手、フラッシュ戦術で場を沸かせた光井ほのか選手、そして、その容姿と圧倒的魔法力で話題をかっさらった司波深雪選手。

 全体的に一校が話題の中心なのは言うまでもないけれど、強すぎる刺激に他校は対応対策にてんてこ舞い。諸々の大事件が連日続きすぎて対応する事そのものが当たり前になることでなんとかパニック事態は起きていないのは幸いと言える・・・のじゃろうか?

 それでも主題は”一校対策”で染まっている状況だから、状況の改善は一向に進んではいないしの。

 とはいえ、わしは一つ、文句がつけたい。

 

「目立つところを対策したい気持ちはわかるんじゃが、ちょっとくらいは私の対戦相手の対策も考えてくれてもいいと思わんか?」

 

 ”一校対策”そのほとんどはピラーズブレイクや今後のモノリスコードやミラージバッドとバトルーボードのフラッシュ対策。ざっくり言えばそれ以外に構っている余裕は微塵もないとばかりにそれ以外の対策はおざなりになっている。実際私の対戦相手の事も、個々人で頑張れといった状態。普段ならそれでも良いものの、今回の相手も大概奇怪が極まる。

 一応わしの相手、一校なんじゃが?フラッシュしない方の、ではあるけども。

 

「あれ、見覚えあるんじゃけどなんじゃったかの?魔法競技じゃなくて・・・」

 

「ボブスレー・・・に似てるわね。一人でやると別の名前になるだったかしら?」

  

 唯一様子見に来てくれた愛梨に言われて、そんな名前のスポーツだった気がする・・・というふわっと感で試合映像の録画を眺めている現在は準決勝当日の早朝。何かしら攻略の糸口見つけられるとありがたいな、程度に”名目上は”対応策を考えるという体で映像を見ているものの対策しようが無さ過ぎて途方に暮れている、といった方が正確かの?

 

「”水面などをすべて凍らせる”などは危険行為にあたるけど、自分のボードを氷で覆うのは反則じゃない。氷でボードの前面に外壁を作るもの、禁止されてはいない。

 その状態でボードコントロールも舵取りも無視して魔法力を速度に一点集中。コースにボード・・・いえ、車体をぶつけながら方向転換して摩擦で減速しようがお構いなし。氷の強度と速度でごり押しして進む突撃戦術。

 ルール上は危険運転にはなってないけど、かなりギリギリね。」

 

「ほとんどロケットみたいなもんじゃからのう。

 

「とはいえ、車体の氷を作る段階で相当術者の技量が要求されるし、車体も氷の分重くなるからメリットとデメリットが本来釣り合うようなものじゃないわ。車体の氷を作る段階がかなり”才能ありき”だから、ほぼほぼ固有魔法みたいなものだけど。」

 

 開始と同時に水でボードの前方部分を覆いきり、凍らせて氷のボディを作り上げる。それも他校選手に出遅れない状態で。それは相当に水に対して親和性がないと出来ない芸当。

 少なくともおいそれとマネできる芸当じゃない。

 

「となると、やっぱりそうなのね。雪ノ下雪乃は水のエレメンツ・・・」

 

「・・・の血は引いてるんじゃろな。どうやら氷に特化している様じゃから、少し傍流の様じゃが。」

 

 現在の魔法体系が成立するよりも前に生まれた属性を扱う魔法家系。水尾先輩に聞けば詳しく聞けるかもしれんが、現在はあんまり家同士の交流は薄いと聞く。望み薄じゃな。

 

「とはいえ、勝たねば決勝に行けぬわけだし、何とかするしかあるまいて。」

 

 試合開始までになにかしら小細工を思いつくしか無いのう。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

~あずさSide~

 

 

 雪ノ下さんの調整担当となり、彼女のスキルや出来ることを一通り調べてどういう戦略で進めるか話あった際に、色々な手段やできる魔法を考えても、どうしても無視できない大きな課題がありました。それが・・・。

 

 致命的なほどに、スタミナがない・・・ですね。あらゆる分野で。

 

 実際、魔法の扱い、技術、扱い方や器用さ含めて高水準。干渉力も高くてキャストスピードも文句がなく扱えますが、魔法を維持する点においても、物理的なスタミナ面でも、とにもかくにも体力が足りず、1日2レースを戦い抜けるのかがとてもとても心配な体力量でした。

 それについては本人も弱点として理解していてどうにか早期決着できないかで苦心していました。

 ですが、現在のままだと一周でスタミナ切れの状態になってしまう状態です。魔法の方はインターバルもあるのでなんとかならなくはない・・・と言えなくはないものの、それよりももっと深刻なのはフィジカル面。物理的な体力は本当に足りていません。

 実際に体づくりとして走ったり、フィジカルトレーニングは他の選手と同様以上にしっかりとこなしていましたが・・・いえ、こなそうと努力していましたが、成長幅があまりにも狭いです。雪ノ下さん本人も過去に体力のなさを問題と感じてトレーニング等々はしたことがあるようなのですが、致命的に素養が無く、技術こそ身につきはしても体力や筋力は向上が見込めず、技術と持てるフィジカルを総動員して高い運動神経を再現するのがかろうじてできることだったそうです。・・・かなりの時間制限付きで。困りましたね。

 つまるところ、無い体力をどうにかこうにかつないで戦うことを強いられるわけですか、そう考えると他選手からの妨害も加味して行われる競技においてはどうしてもスタミナ切れは避けられないでしょう。と、なれば正攻法での勝負は難しいでしょうか・・・・・・と、比企谷君につい愚痴ってしまったのが結果的に良かったのか悪かったのか、お二人の関係性を見ると分からないところですね。

 

 

 

 

<あずさ Recollection>

 

 

「雪ノ下って氷とか水とか扱うのに適性が高いんですよね?どうにかしてそれ使えないんですか?」

 

 作業室で一人うなっていた私にたまたま作業の為に来た比企谷君が見かねて助言を出てくれた・・・というより、うなっていた私を見かねて力になってくれたという感じでしょうね。

 正直、直接頼るつもりはなかったのですが、煮詰まり切っていたのもあって色々と雑談気味に話していたらついポロっと。

そのポロっとこぼれてしまった愚痴に、ものすごく真面目に答えてくれています。・・・不甲斐ない話です。

でも、実際のところ、この競技で氷ってどう使えばいいんでしょうか?

 

「氷とは言いますが、直接相手に魔法を当てるのはルール違反ですし、難しいのですよね・・・。」

 

「自分より後ろの水面を凍らせる・・・はさすがにレギュレーション違反か。てか、体力無いんだからボードの上に座ってればよくね?そっちのが安定するしスピード出せる説あるか?」

 

 あれよあれよと勝手にどんどん思考が進んでアイディアが乱立されて行ってますね・・・って呆然と眺めている場合じゃありませんでした。

 

「ごめんなさいつい口に出してしまいましたが、本来比企谷君の仕事じゃないですよね。気にしないでください。」

 

「はい?別に誰が考えたアイディアでも別に問題ないでしょ。あーーでも俺が考えたっていうのは伏せといたほうがいいですね。言ったらあいつ意地でも使わなくなりそうだし。」

 

 すごく乗り気ですね・・・。仲が悪いと聞いていたのですが違うのでしょうか・・・?

 

「いえ、そうではなくて・・・いいのでしょうか?雪ノ下さんとは・・・。」

 

「あー・・・なら達也に頼った方が良いか・・・。思いついたこと色々達也に送っとくんで相談に行ってみてください。起動式とかも含めて相談に乗ってくれると思いますよ。

 てかそもそも、俺とあんまり一緒にいると仕事に響くじゃねえか・・・消えます。早急に。」

 

「ふぉえ!??いえ、そういう意味で言ったのでは・・・いえその、あ、ありがとうございました!??」

 

 指摘したかったのはそこではなかったのですが、本人はまったく気にした様子もないですし、なぜ自虐に話が行ってしまったのですが!??そそくさと退散してしまう比企谷君にどう声をかけていいやら・・・。

 雪ノ下さんとの関係性への謎が深まるばかりでしたが、そそくさと逃げるように去っていく比企谷君を止めるに止めれず、とりあえずアドバイスを頂いた通りに司波君にお会いして、色々と相談をさせてもらってなんとか起動式完成には漕ぎ着けました。

 相談した次の日に起動式の試作品を持ってきてくれた時には流石に驚きを通り越して空を仰ぎました。人間って驚きすぎるとかえって冷静になれるんですね。この夏一番の発見かもしれません。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 結果だけ見れば、雪ノ下さんは2レース分の体力を(なんとか)残せる起動式と戦術を得られてなんとか競技に問題が出ない状態になりました。実際1日目は問題なく勝利。練習の時も競技中は座るか寝そべるかの体制で進める為、疲れにくいらしく、1日目を終えた後も後日に響くような特に大きな疲れを見せない状態で競技を終えることが出来ているのは安心しました。

 この調子でこの後のレースも頑張ってくれれば決勝リーグ進出ということになりますし、レースも一昨日同様2レースですべてが終わります。光井さんもこの調子でいけば決勝ラウンド進出は確実でしょうし、私も頑張らないとですね。

 

・・・あとはもう少し、比企谷君と仲良くしてくれたら何も言うことはないんですが、難しいのでしょうね。

 

 

 

 

 

 




大変長らくお待たせしました。

私生活も少しばかり落ち着きが見えたのでなんとかかんとかクリエイティブな行動をとれるメンタル的余裕が出てきたので投稿を再開できたら、と考えています。

久々の投稿ではありますが、感想、批判、ツッコミ、指摘お待ちしております。作者が泣いて喜びます。

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