うちの魔法科高校の劣等生にはオリ主転生が多すぎる   作:madamu
<< 前の話 次の話 >>

38 / 112
未成年による飲酒シーンがありますが、作品内の登場人物は実在しない架空のキャラクターです。
この作品は未成年による飲酒を推奨するものではありません。


アプローチ

「大丈夫、飲み慣れているから」

いつか?いつから飲みなれている?

5年前?10年前?それとも生まれる前に大人だった時?

 

言葉の意味を理解するには、その言葉を発する人物のバックボーンを知っていると深い理解が出来る。

 

不審人物から諜報員へと俺のバックボーンが判明し、三人は納得したと仮定している。

なぜなら、九校戦で起きる「その他のトラブル」について相談も、確認もしてこなかったからだ。

彼らの認識なら無頭竜の件は、達也が小野遥(巨乳カウンセラー、ちなみに俺の好みではない)と藤林響子

そして魔装大隊の面々だけが関わっている。

俺は軍人だが魔装大隊とは無関係だし、学内の諜報員に相談しなくてもこの件は解決する。

実際、無頭竜の強化人間?は柳・真田が確保していた。

 

既知未来の中で起こっていたことは起こったのだろう。

俺は介入することもできるが、介入すればいいというものではない。

 

転生者であることを伝えるのは難しい理由ともつながる。

俺の目的と、光夜と雪光の目的と一致するかわからない。

 

もし彼らが「原作知識を最大限に使う為、大幅な原作ブレイクを狙う人物を敵とみなす」なら俺の目的はそれに適応される。

俺が目標とするのは「原作ブレイク」に当たる行為かもしれん。

つまり未来知識を使った事件の阻止、および縮小だ。

 

そのためなら適切なタイミングで司波と四葉の関係を十師族にリークするとか

トーラス・シルバーの個人情報を公開し、資産の凍結とか策略をめぐらす。

司波達也に不利な例を挙げたが、光夜や雪光はこの行為を嫌うだろう。

 

彼らが四葉真夜との生存競争を目的とするなら

何かしらの「切り札」を確保する時間や、四葉から離れた資産というのは必須だ。

 

「この世界で生きる」のは同じだ。だが「どう生きる」かは別だ。

 

カナデはどうだ?彼女の出自、そして今までの行動。

達也と志は同じか、外部協力者か、光夜と雪光への協力意図は?

彼女にとって原作ブレイクをする転生者は敵か?

 

んで、実際カナデさんのこのアプローチだよな。

 

2本目も空けたのか許可も取らずに3本目に手を出すカナデ。

「飲みなれてるって、藤林はそんなにキッチンドランカーが多いのか」

「そんなわけないじゃない?あたしが特別なの~」

既に酔い始めたのか少しカナデの姿勢が崩れる。

「は~特別ね。お前のお姉さんに言いつけるよ?」

「ふふ~ん、それは困りますな、軍人殿。言いつけたらビール片手に迫られたとお姉ちゃんに泣きながら言ってみよう」

顔は赤くなっていないが、襟のボタンを一つ外す。なかなかカナデも色っぽい。

「既成事実を作らんでもよろしい!」

「ところで、呼び方アラタでいいの?ほらこういう時には「俺は達也より上の階級だからお酌しろ、げへへ」とかしないの?」

「お前俺をどんな風に思っているんだ?」

「若作りのお調子者」

「お調子者は同意だが、若作りじゃない。もともとこういう顔なの。あと呼び名はアラタでいい」

俺は手にしているビールの残り20%を一気に飲み、2本目に手を出す。

「ふ~ん、慣れたもんって感じ。なにアラタは長いの軍隊?」

「言えるかよ。答え聞いたら、速攻黒服のおじさんたちが来て連れて行かれるぞ」

カナデが足を組む。膝より上が少し見えた。嬉しい。いや、そうじゃない。

「そうしたら、九島が動くわよ~。おじい様、お姉ちゃんとあたしに甘いから」

少し前かがみになり、ワザと見下すような声を出して挑発してくる。

俺は俺で鼻で笑う。

「こちとら凄腕敏腕諜報員だぜ。九島の弱みならもう握ってる」

すぐに優位性が消えたのでカナデは子供のような不満声を出す。

「それ何よ」

「孫娘に甘い」

「そういうことじゃないでしょ」

最後は普通にツッコんだ。

この会話の連携は楽しい。

 

 

 

「もうね、小早川先輩とかフォローしたし、電子金蚕も潰したし九校戦は勘弁だわ」

「勘弁だわって、お前年寄りか」

今度は俺がつっこみをする。

カナデは空けた4本目の缶を床に置き、5本目を開ける。

「精神年齢はおばさんよ」

俺に向けていた視線を下に落とす。

「なに?50歳?」

「そこまでじゃないわよ」

まだ視線を戻さない。

1秒程度の間がありカナデはビールを煽る。

「今年で15だから41かな?」

 

お前は試しているのか?それとも共有して欲しいのか?

 

「41って俺より年上じゃねぇか。ねえカナデおばちゃん、おこづかい欲しいの僕」

「いやよ」

声が無機質だ。空気が変わる。いや変えてきた。カナデの本性か。

「何だよ。精神的年上でもさすがに小娘さんにせびるのは無しか」

「そうね。気持ちの上では十二分に大人でも、身体は小娘ね」

足を組み替える。誘っているのか?

「なあカナデ、年長者として聞くが、悩みことか?」

さあ話せ。お前の望みはセックスか別のことか?

「アラタ口固い?」

視線は下がったまま。カナデの頬には緊張の色がある。

「そりゃもう、国家のお墨付き」

 

「ねえ、生まれ変わった先が漫画の世界だったらどうする?」

 

カナデの手元の缶が少し凹み、傾く、口からビールがこぼれる、カナデは俯いて俺を見ない。

 

この人は悩んでいるんだ。

 








※この小説はログインせずに感想を書き込むことが可能です。ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。