うちの魔法科高校の劣等生にはオリ主転生が多すぎる   作:madamu
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あとがきに簡単なキャラクター設定があります


彼女を抱きしめ少し泣いた

「はあ、解散ですか」

村井大佐は表情を変えずに「情報部支援課第二班」の解散を俺に告げた。

俺もいきなりの話で珍しく呆けた声が出た。

 

11月4日。

村井大佐の執務室に出頭した。

 

大島少将が軍内政治に敗北した噂を確認しに。

そこで解散の話である。

 

大島少将は将官教育を担う国防指揮幕僚大学に教官として任官するそうだ。

だから、あんな無茶な作戦を承諾したのだ。置き土産か、やけっぱちか。

 

モーリー、須田ちゃんとも無事だった。一校防衛に尽力したらしい。

戦闘後二人と会い、経緯を国防軍に報告する態をとりつつ別れた。

 

呂剛虎との戦いを野田大尉に「偶発戦闘」だったと言い訳をしたが、陸軍本部から情報部の横やりとして文句が出た。

村井大佐は「では、この作戦を即時行います。結果は差し上げますのでそれでご勘弁を」と30日の夜には大島少将承認の作戦を提出した。

 

日本の南、海上型資源採掘用プラントに偽装した大亜連の特殊作戦部隊の待機所の襲撃だ。

「よろしく」の一言で送り出された俺は目的地点へ進む沖縄海上の船の上で、鎮海軍港の艦隊終結を聞いた。

 

軍神の加護を持ち、武神の化身で、ヘルメスの子、そして超人的肉体を持つ俺は村井大佐の計画通りに、一人でプラント内の特殊部隊を排除した。

 

日本に戻る航空機内でマテリアルバースト使用を聞き、横浜騒乱が終わったと思った。

あのおっさんはこの局面を読み切って、陸軍本部へのフォローまで考えていたのだろうか。

 

改めて村井大佐の読みの鋭さにはうならされる。

村井大佐は魔法師嫌いだ。大島少将より、もう少し根が深い。

俺は魔法師だが、あの人は魔法師としての俺など一切評価しない。兵士としか見ていない。

 

村井大佐との付き合いは15年になる。大越戦争の終わりごろだ。俺の『疫病』としての悪名を作り上げたのはこの人だ。

任務面で色々と好き勝手出来たのも、この人が俺の能力を評価し、利用したからでもある。

 

「村井大佐は今後どうされるので」

「私は北海道だ。防諜に従事するだろうな。それよりもお前だ」

声が少し弾んでいる。希望に近い立ち位置になったのだろう。

村井大佐は執務椅子から立ち上がり背筋を伸ばす。

 

「関重蔵少佐。貴官は101旅団魔装大隊への異動が決まった。明日11月5日10:00に魔装大隊へ出頭せよ」

「はっ」

俺は辞令を聞き、敬礼をする。村井さんもゆっくりと返礼。

 

「お前を取られるのは癪だが、まあ胃痛が減ると思うとありがたいね」

「この15年でうだつの上がらない少尉から情報部敏腕大佐まで駆け足で来ましたからね。胃の一つも犠牲にしないと」

お互い笑いを浮かべる。

 

44歳で大佐。将官に上がるにはちょうどいい歳だ。日本の防諜も少しは良くなるだろう。

 

村井さんは執務机から二つのグラスと、酒瓶を取り出す。

あ、ウィスキーだ。

「別れの祝いだ。飲んでくだろう?」

「勿論」

 

 

11月6日まで休校だった。校舎の一部が壊れ、正門もガタガタ。数日間の工事で生徒が登校できるまでは修復された。

そして明日7日は登校日だ。

 

俺は新たな住処への異動を済ませた。

風間少佐からは「当面は一校にいてくれ」と指示を受けた。

「ただし情報を探る必要はないぞ」という言葉と一緒に。

 

昨日の夜にカナデが官舎に顔を出した。

その日は彼女を抱きしめ少し泣いた。

 

軍神の加護は俺の精神まで及ぶ。軍務での行為に対して心が病むことがない。命令とはいえ、作戦とはいえ、戦争とはいえ、将来ある若者を殺すことに感情は揺さぶられない。軍神は軍務遂行に難となるものから俺を庇護してくれるのだろう。俺自身の心からも。

 

だがそれが俺の人間性を押さえつけ、非人間的にしていると考えると少し悲しくなる。

そんな時に抱きしめ涙をぬぐってくれる女がいることで救われる。

「つらいなら一緒にいるわ」

ありがとう。

 

軍神、武神、ヘルメス、超人的肉体、それは人を傷つけ、欺くことに恩恵を与えてくれる。

俺を心身共に最強の兵士にしてくれる。完全無欠の殺人機械だ。

 

だが俺が殺人機械であることで守れる人たちもいる。

「誰かが牙にならんと誰かが泣く事になるんや」というセリフがあった。

今の俺は牙なのだ。ニコ兄・・・。

 

夕食の後、音楽を流した。曲名をカナデに聞かれ「Love and Happiness」と答えると

「少しだけど与えてあげる」

キスしてくれた。

 

やっぱり、いい女だ。

 

 

学校は変わらずだ。モーリーと須田ちゃんはいつも通りだ。女子に「僕も奮戦したんだ」と言ってキャーキャー騒がれる須田ちゃんはいつも通り。前世でも現世でもこれほどまで女子にモテることに主眼を置いた奴見たことないぞ。スゲーな須田ちゃん。

生徒会室で中条会長に改めて当日の状況を説明。ある程度は警備から聞いていたようなので、口頭で簡単だ。

 

皆がお互いの無事を祝う中、暗い顔をしているのは光夜だ。

なんでも戦略級魔法師への認定について風間さんが四葉に話をしたらしい。

ご苦労さん!頑張れ!ついに特尉様になっちゃうのね!

 

傍で業務をしていた深雪に「四葉君は優秀ですから」と励まされていた。

 

風紀に顔出したときに司波達也と会った。

「大変だったようだな」

「ああ、まあね」

 

こいつはどこまで知っているだろうか。まあ、そんな腹の探り合いからは解き放たれた。

 

ここから先は俺は知らない。アニメ放映の先だ。

つまりここからが本当の未来になるのだ。

魔法と戦争の世界で俺は自分の出来ることをしよう。

 

 

一つだけトラブルが。

下校時に、リムジンに乗った九島烈に「駅まで送ろう」と声を掛けられた。

 

リムジンで九島烈と向かい合わせ座る。

齢80を超え、細身の体。だが俺に与える印象は恐ろしいまでの威圧感だ。

人の感情に呼びかけるような恐ろしい瞳をしている。

「藤林奏と交際しているかね?」

「ええ、はい」

ひっそりとだがはっきりと、事実を口にする。

優しい声にも聞こえるが、抜き身の刀のような剣呑さも感じる。

俺の返事も、今ひとつ弱げだ。

 

「硬くならんでもいい。君は魔装大隊に移っても引き続き、学校に通うのかね?」

硬くなるな、というが口調は緊張感を崩すことを許可していない。

既に俺が何者かは把握しているようだ。退役少将。情報部に根を張る怪人。

「任務ですので黙秘いたします。閣下」

一度つばを飲み込み、黙秘の意思を伝えるのがやっとだ。

「そうか。私はね、奏の利発さが好きだ。孫娘としても大事にしている」

回り道など一切しない。本題を投げ込んできた。

「はい」

「それを国防軍の一軍人が私の手からかすめ取ろうとしている。許されることではない。そう思わんかね」

「別れろと」

「理解が早いね」

九島烈が口角をあげる。微笑んでいるか、それとも怒りを隠しているのか。

「・・・・」

俺は返事が出来ない。口を一文字に結び、俯く。

この意味をどう受け取っただろうか。「無言とは肯定」と言ったのは誰だ。

「駅だ。降りなさい」

九島烈がそう言うと、ドアが開いた。

「はい」

俺は促され車外に出る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は夢遊病者のごとく意思も持たずに歩き、電車に乗りセーフハウスに戻った。

 

ダメだ。本当の権力者が来た。彼女とも終わりだ。軍にも居場所はない。

 

身の破滅だ。彼女との甘い生活は一時の夢だと言い聞かせた。

 

これほどまでに彼女に心を支配されていたとは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みたいな事を期待したのか、この爺様は。

爺様に促され車を降りる時に、俺はこう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「閣下。カナデが高校卒業するまでは避妊しますのでご安心を。5年後にはひいおじいちゃんですよ」

ドアを閉めた。

 

 




本編終了!

あとは余暇話を幾つかで完結。

キャラ設定

関重蔵(相馬 新)
36歳 情報部少佐
チート:軍神の加護、武神の加護、ヘルメスの加護、超人的肉体。
担当の神様がサイコロ決定のためとんでもないチート野郎になってしまった。
前世は中堅社会人だった。前世と現世を足すと結構な精神年齢である。
ちなみに超人的肉体は身体の筋力や柔軟性、俊敏さ、五感、反射神経などにおいて人間の限界の上限まで上がる。それが維持される期間も長ければ、寿命は長命に傾く。
童顔はチートには含まれていない。

四葉光夜
15歳 四葉家(本家扱い)
チート:竜章鳳姿、万夫不当、多芸多才
実は「竜章鳳姿」が最高に凶悪。
強大なカリスマ性を与えるだけではなく、「カリスマ性を裏付ける圧倒的な実力」を与えていたので、万夫不当、多芸多才がなくとも十二分にチート主人公できる。

司波雪光
15歳 司波家
チート:反射神経強化、工学知識、カリスマ(女子)、魔法力強化、魔法技術の才能
「キリト!+深雪!」は意外と最適解になったのかも。
本人の性格で高速戦闘を主体としているが、普通の魔法師としても深雪に匹敵する。

藤林奏
15歳 藤林家
チート:電子の妖精、魔法才能、運動神経
チート選択時間が短く、ザックリと選択していた。魔法戦闘については北山雫や光井ほのかと同等。前世社会人は彼女と関重蔵のみ。実のところチートではなく、魔法という学問の理解が進んでいたので、入学の成績はチートが無くても出た成績だったりする。

黒城兵介
15歳 黒城家(一般家庭)三校
チート:健康、良縁
前世が健康面で多大な問題があり、本人は健康であればいいや~。と思ってチートリクエストしたが、担当神様が「不憫や・・・」と思って、健康=恵体と理解し頭脳、身体、魔法の基本的なスペックが高い。そして何より良縁が強い。友達いっぱい。
「三校の快男児」 として学校史に名を残す。

川村エカテリーナ
15歳 川村家(一般家庭)二校
チート:黄金律(富&体)、ステータスは魔力C++。クラス別能力(キャスター)。
最初のチート選択でFateで言う「ステータスはオールA」を宣言したが、黄金律が強力だったので神様調整が入る。ちなみに魔力C++は「第四次聖杯戦争キャスター」より上のステータスである(ただし魔法科高校の劣等生の世界でどのように表現されるかは不明)。黄金律(富&体)を持っているので彼女のカリスマ性は実は高い。

周公瑾
24歳(として新規戸籍を獲得)
チート:原作の周公瑾のスペックをそのまま引き継ぐ
国防軍保護された後は証人保護プログラムの適用で新たに戸籍を獲得し、日常生活に戻る。
日本人:ワタナベケンゴとして小さな喫茶店の店員になる。「美形すぎる喫茶店店員さん」として
女性向け雑誌に取り上げられたりもする。危機感がない!と軍と司法関係に怒られる。
女子大生と付き合い始める。しかし二股をしてしまい破局。







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