うちの魔法科高校の劣等生にはオリ主転生が多すぎる   作:madamu
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三人称視点です。


余話:いいのよ、発言をして。許します

「おじい様、新年おめでとうございます」

「奏」

「はい、おじい様」

「お前は利発で、聡明で意志が強い。それは美徳だ。響子にも劣らぬ魔法の才。それを過度に誇ることもなく自然体で生きる姿は美しい」

「お褒めいただき、ありがとうございます」

「だが交際相手は選びなさい」

「何か?」

「あの関という男と会ったよ」

「おじい様は別れろと」

「あれは独立した一人の男だ。どこに行っても仕事を得、生きていくことが可能だろう」

「それはいいことだと思いますが」

「だがお前はまだ16歳だ。あれはもう30を超えている。お前が20歳になる頃には倍の年齢だ」

「そうですね」

「年の離れた男はいかん」

「いかんと言われましても」

「いかんのだよ。克己心もあるが反抗心もある。決して鎖に繋がれる男ではない」

「おじい様、年齢の話からずれました」

「反抗心のある男が九島で生きるのは厳しい。藤林は分家だ、肩身の狭い思いからその反抗心は」

「婿入りではなく嫁入りでいいかと思います」

「いかんのだ・・・いかん」

「高校在学中の避妊はお願いしてあります。結婚の際はおじい様のお力で後方勤務に調整いただければ、奏は嬉しく思います」

「お前まで、あの男と同じことを言う!」

「子供は3人ほど欲しいと思います。一人にはおじい様の烈の文字をいただければ嬉しいのですが・・・ダメですか」

「ぐぬぬぬぬ」

 

四葉の新年の挨拶は例年以上にピリピリしていた。

四葉真夜と深雪を筆頭とした四人が東京からモニター越しに会見したことが引き金だ。

 

四人が東京に住むことになり、もう数日で入学式となったある晩だ。

真夜が全員に入学の祝いの言葉を与えていた。

 

正しくは「深雪と雪光を褒め、達也と光夜を蔑んだ」のだ。

4人が見るモニターには真夜だけではなく、分家や執事たちの姿もあり、四葉家の「謁見」と同レベルであった。

「光夜さんは何か言いたいことはおあり?」

「いえ」

「いいのよ、発言をして。許します」

 

光夜は四葉では非常に特殊な立場だった。達也がその能力と経緯で異端視されるなら、光夜は出自で疎まれていた。

四葉元造の冷凍精子によって生まれた、いうなれば真夜の「弟」でもある。

調整体といった遺伝子調整が行われるようになったこの時代でも、光夜の出自は当主の後継問題の火種となりかけた。

光夜が成人後に分家を作りそこに押し込むことを真夜が宣言し、力業だが収束した。

当主の宣言を一族が履行する証明なのか、光夜の扱いは達也と大して変わらない。

母親と離されて、厳しい訓練へと落とされた。

使用人たちからは忌み子扱いだ。執事たちからは名前で呼ばれたことなど数えるほどしかない。

 

「あなたは、あの人と同じね。不満があると黙る。そっくりね」

まるで懐かしむように言う真夜に、光夜は内心で激怒の嵐を起こしていた。

(貴様が!母のことを言うな!)

「いいのよ、なにか望みがあれば言いなさい」

「いえ、今の状態で十二分です」

「欲がないわね。ほんと、そういうところも優衣さんそっくりね」

そう言って、口角をあげ真夜は微笑む。

周りの執事たちも、併せて笑う者もいる。

 

その姿を横目で見ていた達也、深雪、雪光は真夜の発言を恨んだ。

光夜の目が、一気に変わった。爆発する前の爆弾だ。

 

達也はモニターに映る執事たち、分家達の視線を鬱陶しいと思うとともに

母のことを侮辱されたと思う光夜の「感情」を羨んだ、ような気がした。

(俺には羨む感情がない。あるのは深雪を思う心だけだ。それで十分だ)

自分の心に深雪が占めていることの喜びをかみしめつつも

今の自分達の立場にはやはり脱出したい気持ちもある。つまりは自由だ。

 

「光夜さんも、こちらに戻ったら優衣さんのお墓参りに行きなさいね」

真夜としては、離れた肉親へ里帰りの際に墓参りを勧めただけであり、何気ない世間話の延長線上だった。

「発言を許していただけますか」

(やばい!)

(ダメです!光夜お兄様)

(何を言うんだ、光夜)

「どうぞ」

モニターの真夜は微笑む。

 

「若作りはみっともないので年相応の服装と化粧を」

 

そして新年の一族が集まる場に、光夜も来たのだ。

 




まあ余話なので。







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