相模南が比企谷と同じ中学にいて、しかも八幡に一年の時から一目惚れしていると言う設定で書きました。

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無個性なウチと捻くれ者のアイツ

 上辺だけの関係、何もかもが退屈でつまらない。

 

 くだらない談笑に中身の無い会話。

 

 そして、何よりもそんなつまらない自分が、何よりも嫌いだ。

 

 そう、ウチ相模南には無個性だ。

 

 これといった趣味は無い、自慢出来るような特技も無い、目指したい夢も無いし、何かしたいと言う意欲も無いしこれといった熱意も無い、無い無い無いの無い尽くし⋯⋯だから無個性。

 

 その癖、プライドだけは高くて目立ちたがり屋。

 

 なのにヘタレでチキンな臆病者の小心者。

 

 自分がクズなのは自分が一番分かってる。

 

 だからウチはウチが一番大っ嫌い。

 

 だけど、今日は屋上で一人手すりに寄りかかってた。

 

 昼間とかは結構馬鹿みたいにはしゃげるウチでも、夕方は時々酷く憂鬱になる。

 

「⋯⋯ハァー⋯⋯」

 

 本日何度目か分からないため息をこぼす。

 

 何時もならもう家に帰ってるんだけど、今日はいつも以上にウチは落ち込んでいた。

 

 この三年間のストレスももちろんある。

 

 だけど一番の原因は⋯⋯。

 

「いや⋯⋯いちいちウジウジしてる、ウチもウチだけどさぁ⋯⋯」

 

 そうウチは未だにウジウジと何も出来ずに三年間を過ごしている。

 

 何が? と言えば、実はウチ、相模南は1年の時から絶賛片思い中なのだ。

 

 好きな相手とは別に特別な出会いとか接点とかは無い、ただ一年の時にたまたま同じ教室で、たまたまウチの視界に入って、たまたまウチが一目惚れした。ただそれだけ。

 

「でも仕方ないじゃん⋯⋯ウチもどうしたらいいのか分かんないんだしさぁ」

 

 ウチは三年間変わらず言い続けた言い訳を口にする。

 

 自分でも馬鹿らしい位の言い訳なのは分かっている。

 

 だけどヘタレなウチはどうしても現実逃避に縋ってしまう。

 

 こればかりはどうしても辞められないし止められない。

 

 自分が彼に気を引かせる努力もせずに、ズルズルと無駄な時間を過ごしてるのは分かっている。

 

 だけど、ヘタレなウチはどうしても一歩を踏み出すのが怖い。

 

 そもそも、ウチは何も無い無個性だ。

 

 趣味や特技とか熱意とかとは無縁な人生を贈って来たのがウチだ。

 

 不幸になるのがいやで、現実から目を逸らしながらつまらない退屈な人生に、目の前に手に入るかもしれない幸福を手放しながら逃げて生きて来たのがウチなのだ。

 

 今更変わろうにも変わり方すら分からない、ただ言い訳や何かしらの保険を求めてウジウジと過ごしている。

 

 どうしようもない弱虫で、どうしようもない臆病者。分かっている。全部分かっているけど⋯⋯やっぱりどうしても怖い。

 

「でも比企谷も比企谷だよ⋯⋯ウチはこんなに思ってるのにアイツはコリもせず⋯⋯」

 

 ウジウジと未だにアイツに何もしてこなかったウチが、アイツに文句を言うのは筋違いなのは分かってる。

 

 でもウチは心の広い聖人君子じゃない、小心者で臆病者だ。

 

 だから、どうしてもウチ以外の女に何度も繰り返し告白し、自爆したアイツにどうしても嫉妬してしまうし腹が立った。

 

 あ、この根に持つ所はウチの個性かな? いや⋯⋯あっても自慢出来るものじゃないし、逆に引かれて避けられるわ⋯⋯やっぱりウチは無個性だ。

 

 

 しかも数日前なんか折本の奴に告白して自爆したらしいし⋯⋯しかも偶然だけどその現場を見ちゃったし⋯⋯あ、思い出したらますます落ち込んできた。

 

「いっその事、このまま死んじゃおっかなぁ⋯⋯生きていてもどうしようもないし」

 

 ウチは1人出来るはずもない馬鹿な発言を1人呟く。

 

 何故ならウチに自殺する勇気なんてこれっぽっちも無いのだ。

 

「ハァー⋯⋯一変人生やり直したい⋯⋯」

 

 そして、ウチはウジウジとため息をこぼした。

 

 まぁ、気持ちとか切り替えて見ようと思って、入学場所は誰も行かないだろうそれなりに離れていて、家からそれなりに行ける総武高校を受験する予定だ。

 

 とはいえ、ウチが片思い中のアイツも、同じ高校を受けてた何てこの時のウチは知る由もなかった。


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