幼いころから夢を見ると現実でも夢と似たことが起こってしまう少女。
楽しい夢では良いことが、悲しい夢では悪いことが、怖い夢では同じことが起きる。
幼いころは祖母が護ってくれたが、高校に入ってからその祖母が亡くなってしまう。

その日から同じ怖い夢を見る少女。


黒い人や黒猫。怖い夢から覚めるのか……




また、この小説は小説家になろうと重複投稿しています。

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五分で読める学園ホラー短編。


夢見の少女

人は誰しも楽しい夢や悲しい夢、面白い夢などの夢を見る。これはある少女が夢で体験した時の話。

 

 

 幼き頃から色んな夢を見てきた少女、未来。楽しい夢や悲しい夢、時には怖い夢も見た。普通、夢というものははっきりと覚えていることがない。しかし、未来は見た夢の内容を正確に、全て覚えている。そして、その夢を見たあと未来の身の回りに必ず何か起こるのだ。

 楽しい夢を見た次の日は、良いことがあり、悲しい夢を見たときは、不幸がある。怖い夢を見たときは、夢と似たようなことが起こったこともあった。

 

 幼い頃怖い夢を一度だけ見たことがあったが、その時は祖母が助けてくれ未来自身軽い怪我で済んだ。しかし、高校に上がり、新たな友人ができ、クラスにも馴染めだした頃、未来に不幸が訪れた。

 未来が幼い頃から大好きだった祖母が亡くなったのだ。寿命だったのか、前日まで元気だった祖母が亡くなって未来は酷く落ち込んだ。しかし、未来は落ち込む半面恐怖心をひそかに抱いていた。祖母が亡くなる前日、未来は怖い夢を見ていたのだった。

 

 未来が通う高校にも見えるが、暗くてはっきりとしない。教室がありいつも通っている風景と似ている。さらに、未来自身は制服を着ている。ただ誰かが居るわけでもなく未来一人だ。一人ということに恐怖を感じた未来は、外に出ようと階段へと移動した。その時、上の階から何か落ちる物音がした。それも小さい音ではない。何かが動き回っているような音だ。怖いながらも不思議に思った未来は、階段に近づき音のする、上の階を見上げた。そこには黒い人影があった。未来は恐る恐る声をかけた。

 

 

「あの……すみません」

 

 

 その影は未来の声に反応し、こちらを振り返りニヤリと笑った。そこは暗闇のはずなのに、ニヤリと笑ったその歯だけがとても白かった。怖くなった未来は声にならない悲鳴を上げ、階段を駆け下りた。

 

 しかし、いくら階段を降りても一番下の階に着かない。その間も影は追ってくる。本来ならば、既に一番下の階についているはずなのに、いつまでたっても一番下の階につかない。とても高い建物に居る感覚になる。ふと後ろを振り返り影が居ないことを願うが、未来の思いは叶わなかった。階段だとキリがないので途中で廊下へと逃げ込んだ。

 逃げたはいいが、その先は教室しかなかった。教室に入ってしまえば、その先の逃げ場はない。しかし、見えてはいないが影はこちらに向かっている音がする。未来は迷ったが教室に入った。未来としては影がそのまま下の階へ行くだろうと思っていた。だが、未来の思い通りにはならなかった。影は未来が逃げ込んだ教室まで来たのだ。しかも、未来が逃げ込んだ教室の前に止まった。どこか隠れる場所はないかと教室を見渡すとロッカーがあり未来はその中に入った。その直後、影が教室の扉を開けた。影は教室中の机や椅子をかき分けながら探していたが、見つかるはずもなく教室をあとにした。

 

 未来はそれをロッカーの中で震えながら見ていた。通り過ぎていったことはいいが、このまま出るのも怖い。夢である以上、早く目が覚めて欲しいところだが、いつまでたっても目が覚めない。

 

 

「……ここから出なきゃ……いつまでもここに居ることはできないし」

 

 

 教室の外を確認するために恐る恐るロッカーから出て扉の方へと移動した。扉を少し開けて廊下を確認するが、薄暗い廊下が続いているだけだ。未来は意を決して廊下に出る。特に何もなく、先程の通り過ぎた影も戻ってくる気配はない。影が向かって行った方向とは逆方向に向かった。

 

 しばらく廊下を歩いていたが、先程まであった階段がない。ずっと長い廊下が続いているため更に恐怖心が高まってゆく。廊下を突き進んでいくと、今度は後ろから何かの音がした。耳を澄ませて聞くと、誰かの足音のように聞こえる。未来は自分以外に人がいるのかと思い、嬉しい気分で後ろを振り向いた。変わらず薄暗い廊下が続くだけだが、確かに未来に近づく足音が聞こえる。嬉しい気分で居た未来だが、足音が近づくにつれ少し怖くなってきた。

 

 

「……誰か居るの?」

 

 

 未来が何度も呼び掛けても返事はない。ただ、足音が近づいてくるだけだ。恐怖になった未来に近づいていたのは先程の黒い影だった。肌の色など見えず顔も全てが真っ黒。人か人でないかも言えない影が未来から1メートルの距離にいる。止まったかと思えば口だけが動き歯が見えた。ニヤリと笑ったのだその黒い影が。一気に恐怖に陥った未来は悲鳴を上げながら廊下を走る。運動がそこまで得意ではない未来だが、恐怖に陥っている今は逃げるしか選択肢はない。逃げれば影との距離は離れるだろうと思って走っていたが、さらに未来に恐怖が襲う。未来は先程よりもスピードを上げるが、影もスピードが上がる。どこか別の場所に逃げたいと思っていた矢先、先程まで無かった階段が見えた。未来は階段から下へと降りようとしたが、上に続く階段しか無かった。迷っている暇もなく上へと駆け上がる。

 

 しかし、ただでさえずっと走っていた未来に体力の限度がきた。2階上がってから廊下の方へと移動する。先程と同じくどこかの教室に入ろうとしたが、また同じことの繰り返しになるのではと思った未来。そこで階段からトイレへと逃げ込んだ。個室に入ろうかと思ったが、すぐにバレてしまうのではと思い、一番奥の掃除用具入れに入った。少しすると扉が開く音がした。個室の扉を開けていきこちらへ迫ってくるのが分かる。最後の個室を開けたあと、未来の居る掃除用具入れの扉が開きかけたが、完全に開けて中を確認せず、影は去って行った。

 

 

 

 

 

 

 掃除用具入れから出た未来は、気持ちを一度落ち着かせるため鏡の前に立った。深呼吸をした後再び鏡を見ると、未来の背後で猫の鳴き声がした。振り返るとそこには黒猫の姿が。黒猫は未来の足にすり寄って来たため、未来も撫でようと手を伸ばしたが、黒猫はトイレから出ていってしまった。そのあとを追いかける未来。先程まで同じ廊下や階段しか続いていなかったのに、黒猫を追いかけると校庭へとついた。外に出られた安心感でふと建物を見ると黒い影がこちらを見ているような気がした。そしてまた白い歯が見えた。未来が悲鳴を上げたと同時に目が覚めた。全身から冷や汗をかくほどだった。

 

 この日を境に未来はこの夢を何回も見続けた。

 

 何回目かしてこの夢を変えようとしたそのとき、今までとは違うことが起こった。いつもなら黒猫が現れて校庭へと出ることができるのだが、黒猫が向かった先は黒い影の元だった。

 

 

「どうして……いつもなら校庭へ行くはずなのに……」

 

 

 急な変化に体がいうことを聞かず足がすくんで動けない。すると、影はニヤリと笑って未来へと近づいた。咄嗟に目を瞑った未来。しかし、影に何かされた感覚はない。恐る恐る目を開けるとそこはいつもの学校の風景だった。戸惑いを隠せない未来だが、友人からの呼びかけもあり夢ではなく現実だと気づいた。

 

 

「……さっきまで夢だったはずなのに」

 

 

 いつの間に夢から覚めたのか、感覚が鈍くなってきている未来。

 またも繰り返される夢での出来事。次第にどちらが夢で現実なのかが分からなくなってしまった。

 

 

 未来が話しかけても誰も返事をしない。さらには未来の机に花まで供えられていたのだった。

 




どうも、蛍葉です。「蛍」に「葉」と書いて「ほとは」と言います。よろしくお願いいたします。

さて、今回は今まで書いたことのないホラーに挑戦させていただきました。
私自身、ホラーが大の苦手なのですが……今回は苦手な事にも挑戦してみようと思い、書いてみました!

とはいえ、自身が苦手なものを長く書けるはずもなく……
読んで頂ける方に数分で読んでいただけるような長さにしました。


前書きにあるように、「五分で読める学園ホラー短編」となっております。
全員が五分で読めるというわけではないのですが、それぐらい短めの話にさせていただきました。
 この話はもちろん全てフィクションですが、読者の皆様には一度読むだけではわかりにくい内容とさせていただきました。
 理由としましては、話の流れが全てわかる作品は、読者が気持ちよく読み終えることができ、物書きとしては当たり前のことであると思います。しかし、今回は続きが曖昧の状態で終わりたいという思いと、読者の皆様が読んで自身で理解する。そこで恐怖を味わっていただく。いわゆる「意味が分かると怖い話」にし、理解して恐怖を体験していただきたいと思い、このような作品になりました。
 この話でも最後はどのように終わりにしようか迷いました。結果的にはバッドエンドとなっていますが、直接的にするのではなく、間接的に「読者に理解していただく」を前提に書かせていただきました。書いている私も恐怖になりながら書かせていただきました。


 毎回書いていて思うのですが、日本語って難しいなと思いつつ、読者の皆様に読んでいただけるように日々努力しております。

今回、私の初の試みということで、ホラーが好きな友人に協力してもらいながら流れを書かせていただきました。

最後に、二度目になりましたが、読んでいただき誠にありがとうございます。
また皆様に読んでいただけるよう、次の作品は良いものにできるよう頑張っていきますので、次も読んでいただければ嬉しい限りです。
    では、また良き青空の下で……              蛍葉

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