陽乃さんを素直にすると、かなり、強敵かもしれない件 作:A i
毎日投稿できるよう頑張ります笑
楽しんでください。
服装の確認を姿見でしていると、きっかり、6時半にチャイムが鳴った。
「はーい」
小町がスキップでもするかのように玄関へと向かう。
「あ、これはこれは陽乃さんどうも。いつも兄がお世話になっています!」
「あ、小町ちゃん。こちらこそ、ご丁寧にどうもありがとね。比企谷くんはどお?準備できてそう?」
「はい〜バッチリですよ。ちょっと、待ってくださいね?お兄ちゃ〜ん!!早く来て〜!」
そんな声が聞こえてくるので、俺は嫌々ながら玄関へと向かう。
玄関のドアを開けると、そこには満面の笑みを浮かべた陽乃さんがいる。
「お、比企谷くん。スーツ似合ってるね〜」
「それは、どうもありがとうございます」
「特に、その目が疲れ切った社畜みたいで、スーツにベストマッチしてるよ」
「それは喜ぶべきなんでしょうか?」
「うん、かっこいいよ。比企谷くん!」
「そ、そうですか……」
なんか、毒気のない感想が意外すぎて言葉が出ない。
落ち着け、落ち着け。
惑わされるな、相手は魔王。
いくら可愛くても、中身は最恐なんだぞ!!
と、自分に言い聞かせるも、なかなか自分の心臓が言うことを聞いてくれない。
顔もなんだか火照っている気がする。
つーか、今の陽乃さん、可愛いすぎるんだよ!
黒っぽい服装で清楚な感じが出てるんだけど、その逆に首元や、スラリと伸びた生脚は白くてスベスベだから、それが強調されていつもの数倍魅力的に見える上、更に耳元に光るイヤリングとか、首回りのふわふわのファーもめちゃくちゃ似合ってる。
そして、ザックリ開いた胸元からは、威力抜群の果実が眩しい輝きを放っていて、見た瞬間、眩しすぎて目が焼けるかと思った。
まあ、色々と言ってきたんだけど、要は、今の陽乃さんマジで可愛い、最強すぎるってことだ。
そんな美少女の彼女にカッコいいと言われて仕舞えば、例え葉山であろうと照れるだろうし、ましてや、万年ぼっちの恋愛耐性ゼロの俺であれば、照れない道理はないだろう。
何も言えない俺に、優しく微笑みを浮かべたはるのさん。
「ふふ、じゃ、そろそろ行こっか。比企谷くん」
「あ……そうっすね」
ようやく、フリーズから回復した俺は靴を履く。
「じゃあね〜お兄ちゃん。楽しんで来てね」
「おう。んじゃ」
楽しそうに手を振る小町に、俺は短く答え陽乃さんの車へと向かう。
「あれ?今日は運転手さんいないんですか?」
「うん、邪魔だから置いて来た。あ、心配しなくても、私運転うまいからね?」
「はあ…。まあそれは、心配してないです」
まあ、この人なら運転ぐらい、そつなくこなすだろうし。
「あら、比企谷くんにしては、案外すんなり、認めるのね」
「雪ノ下さんの中で、どんだけ、捻くれてんすか俺」
「え、捻くれてないの、比企谷くん?」
運転席から助手席の俺に意地悪そうに笑う陽乃さん。
「いや、まあ捻くれてますけど、あなたがすごいことは認めてますから」
「ありゃ。そうなの?嬉しいなー」
鼻歌でも、歌いそうなぐらい陽気に、エンジンをかける陽乃さん。
なんか、すごい楽しそうに見える。
なんか、いつもの強化外骨格があまり無いような……。
少し、不思議に思った俺だったが、ドツボにハマりそうだ、と思い直し、考えないようにする。
「じゃ、出発進行〜!!」
そんな、掛け声とともに、陽乃さんはアクセルを踏み込んだのだった。
では、また次のお話で会いましょう!!