陽乃さんを素直にすると、かなり、強敵かもしれない件   作:A i

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第三話です。
毎日投稿できるよう頑張ります笑
楽しんでください。


出発進行!

服装の確認を姿見でしていると、きっかり、6時半にチャイムが鳴った。

 

「はーい」

 

小町がスキップでもするかのように玄関へと向かう。

 

「あ、これはこれは陽乃さんどうも。いつも兄がお世話になっています!」

「あ、小町ちゃん。こちらこそ、ご丁寧にどうもありがとね。比企谷くんはどお?準備できてそう?」

「はい〜バッチリですよ。ちょっと、待ってくださいね?お兄ちゃ〜ん!!早く来て〜!」

 

そんな声が聞こえてくるので、俺は嫌々ながら玄関へと向かう。

玄関のドアを開けると、そこには満面の笑みを浮かべた陽乃さんがいる。

 

「お、比企谷くん。スーツ似合ってるね〜」

「それは、どうもありがとうございます」

「特に、その目が疲れ切った社畜みたいで、スーツにベストマッチしてるよ」

「それは喜ぶべきなんでしょうか?」

「うん、かっこいいよ。比企谷くん!」

「そ、そうですか……」

 

なんか、毒気のない感想が意外すぎて言葉が出ない。

 

落ち着け、落ち着け。

惑わされるな、相手は魔王。

いくら可愛くても、中身は最恐なんだぞ!!

 

と、自分に言い聞かせるも、なかなか自分の心臓が言うことを聞いてくれない。

顔もなんだか火照っている気がする。

 

つーか、今の陽乃さん、可愛いすぎるんだよ!

 

黒っぽい服装で清楚な感じが出てるんだけど、その逆に首元や、スラリと伸びた生脚は白くてスベスベだから、それが強調されていつもの数倍魅力的に見える上、更に耳元に光るイヤリングとか、首回りのふわふわのファーもめちゃくちゃ似合ってる。

そして、ザックリ開いた胸元からは、威力抜群の果実が眩しい輝きを放っていて、見た瞬間、眩しすぎて目が焼けるかと思った。

 

まあ、色々と言ってきたんだけど、要は、今の陽乃さんマジで可愛い、最強すぎるってことだ。

 

そんな美少女の彼女にカッコいいと言われて仕舞えば、例え葉山であろうと照れるだろうし、ましてや、万年ぼっちの恋愛耐性ゼロの俺であれば、照れない道理はないだろう。

 

何も言えない俺に、優しく微笑みを浮かべたはるのさん。

 

「ふふ、じゃ、そろそろ行こっか。比企谷くん」

「あ……そうっすね」

 

ようやく、フリーズから回復した俺は靴を履く。

 

「じゃあね〜お兄ちゃん。楽しんで来てね」

「おう。んじゃ」

 

楽しそうに手を振る小町に、俺は短く答え陽乃さんの車へと向かう。

 

「あれ?今日は運転手さんいないんですか?」

「うん、邪魔だから置いて来た。あ、心配しなくても、私運転うまいからね?」

「はあ…。まあそれは、心配してないです」

 

まあ、この人なら運転ぐらい、そつなくこなすだろうし。

 

「あら、比企谷くんにしては、案外すんなり、認めるのね」

「雪ノ下さんの中で、どんだけ、捻くれてんすか俺」

「え、捻くれてないの、比企谷くん?」

 

運転席から助手席の俺に意地悪そうに笑う陽乃さん。

 

「いや、まあ捻くれてますけど、あなたがすごいことは認めてますから」

「ありゃ。そうなの?嬉しいなー」

 

鼻歌でも、歌いそうなぐらい陽気に、エンジンをかける陽乃さん。

なんか、すごい楽しそうに見える。

 

なんか、いつもの強化外骨格があまり無いような……。

 

少し、不思議に思った俺だったが、ドツボにハマりそうだ、と思い直し、考えないようにする。

 

「じゃ、出発進行〜!!」

 

そんな、掛け声とともに、陽乃さんはアクセルを踏み込んだのだった。

 




では、また次のお話で会いましょう!!

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