短編です、今後ともよろしくお願いします。

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短編の予定です。もしかしたら続編あるかもです。
後、近況報告します。ピクシブにも書きましたが。さて、昨年の秋頃から自分の体の調子が悪いのが気になり、病院の方で精密検査を受けました。自分は一昨年頃から若年性鬱症を発症してから、精神的に不安定になりましたが、何とか仕事(アルバイトからですけど)をしながら精神科の先生方と面接したり抗鬱薬等を処方したりしてもらいました。その結果何とかやっていけました。ただ、今回の精密検査の結果は「乳頭腺癌」と判明しました。しかしながら、転移等の心配はないが、早期手術をした方が良いと判断された為に10月頃に入院しました。入院一週間後に手術し、胃の一部(全体の10%位)を切除しました。結果として胃癌の完全切除は成功しましたが、精神的に多大なダメージを受け、ずっとアルバイト時間以外は引きこもってしまいました。ただ、今年の2月頃からまた、1週間ほどまた経過調査入院します。しなしながら、ピクシブやハーメルンとかの創作小説等を読んだりして何とか鋭気を養っていました。ただ、現在自分が執筆している小説については何とか書き始めようとしてましたが、若年性鬱症に罹った原因の一つの可能性がある。自身の小説に対する誹謗中傷が発生するかと思うと手が震えたり、憂鬱になってしまいました。結果として余り執筆が進めませんでした。本当に申し訳ありません。
今後もこんなダメダメな私ですがよろしくお願いします。


三ノ輪銀の新たな出発

 其処は、不思議の空間であった。地面には無数の木の根の様なものが無数に蔦っており、その根の色は不思議な色とりどりの色が混ざり合った不思議な根が張り巡らされた空間。別名『樹海』と呼ばれる空間であった。

 西暦2015年頃に突如として人類の前にその姿を現し、瞬く間に人類の天敵種となった未確認生命体群通称『バーテックス』と呼称されるそれは、人類が持つ一部の武器以外は全く効果が無く瞬く間に世界人口の半数以上を死に至らしめ、南アフリカ・北アメリカ・ユーラシア大陸の中央大半等を消滅された。後に此れを『第一次バーテックス侵攻(通称第一次侵攻戦)』と名付けられた。このバーテックスにも唯一のダメージを与えられるものが存在していた。其れは各宗教信仰内で使われていたモノであった。特にヨーロッパに戦線における対バーテックス戦としてヘルシング機関(大英帝国王立国教騎士団)とイスカリオテ機関(ヴァチカン法王庁特務局第13課)、ミレニアム、「クールランテ剣の友修道騎士会」「カラトラバ・ラ・ヌエバ騎士団」「聖ステパノ騎士団トスカナ軍団」「マルタ騎士団」等々の欧州内のキリスト教宗教及びその敵対関係機関は、過去のいざこざ等を棚上げし、結集した『エターナル・フリーダム・リジェネス(通称E.F.R)』を結成し、対抗していった。また中東や南アジア、東南アジア、オセアニア、太平洋諸島等でも第一次侵攻戦後にイスラム教や、ヒンドゥー教、仏教、シク教、ユダヤ教、その他多種多様の伝統宗教を使用した防備、攻撃兵装に転用した物を開発配備していったが、敵であるバーテックスの圧倒的物量差に押されていった。また、遠距離通信機器もバーテックスの出現後に次々と使用できなくなった為その後の安否は不明になった。

 一方日本でも第一次侵攻戦によって北海道、長野県諏訪湖周辺、富士山周辺地域、京都とその周辺、九州五島列島とその周辺地域、沖縄諸島、そして四国以外はほぼ壊滅してしまったが、それでも日本国内での相互通信等は無事であった為にすぐさま、日本の伝統宗教や地域信仰等を基として対バーテックス用兵器開発を開発していった。しかしながら、その途中である過激派宗教団体が力を持ち始めていき、日本の政治や経済まで牛耳り始めていった。その宗教団体名は、『大赦』と呼ばれ、後に四国全域までその勢力を広げていった。数の伝統ある家系と神官が中心となって構成されており、その中でも乃木家と上里家がツートップを成しているが、その実態は、現実の過激派テロ国家集団の代表となった『ISIS』何ら変わりなく其処に居る国民の大半を洗脳し、教育育成すると言う恐ろしい組織であり、対バーテックス戦でも最前線に幼い少年少女のみを容赦なく投入し、上層部は全くこれらの行いに対し反省、謝罪等を一切行わず、ただただ静観するだけと言う組織であった。後にこの大赦はさらに過激な方法で無理矢理対バーテックス戦を幼い少年少女達に押し付けるシステム『勇者システム』とその対象者の自害自殺等を禁止する『精霊』更にそれらを上回る強制型強化システム『満開及び散華』を投入するという手段の無い方法で適合者を縛り上げ、強制させていった。結果としてこの大赦による被害者は多数に及ぶがその殆どは無縁仏もしくは事故死や不審死の様に同じ様に葬られるか、本当に一部の大赦関係者の少年少女のみが『英雄の碑』に名が刻まれ厚く奉られるかの二つだけであった。

 

 その後、幾つかの対バーテックス戦後に西暦から神世紀に名称が変更になったのも上記の『大赦』の意向による可能性が高い。

 

 そして、神世紀298年には大赦は恐ろしく強大な権力と影響力と地位を手に入れていた。

 

 そして、今日も半強制的に選ばれた僅か12歳の3人の少女達が対バーテックス戦に駆り出されていった。

 

 戦況は前半は3人の連携により有利に進んでいったが、奇襲となった3体目の出現と同時に3体の知性ある連携攻撃で3人のうち2人が負傷し、戦闘不能になってしまった。

 

 物語は此処から始まる。

 

 地面に満身創痍で倒れている2人を介抱しつつも覚悟を決めた比較的軽症を負った少女が、

 「園子と須美は、此処に居て、私ちょっと頑張ってくるから、じゃあね」

と言った少女 三ノ輪 銀は、得物である二丁の巨大な斧を両手に持ちながら、バーテックスの進行方向に駆けだしていった。

 

 幾つもの巨大な根が張り巡らされている特殊空間『樹海』内を跳躍しながら移動していると目標である巨大バーテックスが3体ゆっくりと此方の方向って来るのが確認できた。

銀は得物を強く握りしめ覚悟を決め、バーテックスに攻撃を仕掛けようとした瞬間、それらは突然銀の目の前に姿を現した。

 「うわっ、なんだ敵か?」

と、銀は戦闘態勢を整え急に現れた『それ』を警戒した。

 

 

 それは、全体が黒と金のメカニカルな外見をした巨大なクワガタムシの姿をしており。羽の付け根に巨大な緑色の鉱石が淡く輝いていた。また、赤い眼が可愛らしかった。そのクワガタムシは、口と思われる部分から何らかの言語を発していた。そして、その言語は何故か銀には理解できた。

 「『全てを助け。自分の全てを捨てる覚悟が在る者は私に触れよ。さすれば、力を与えよう』ってそんなこと決まっている!私は二人を守るだけじゃない!みんなを救いたい!それが例え、手が届かなくても、私は少しでも伸ばせる手でその人の手を掴みたい!」

 『そなたの願い届けたり!往け!これがソナタの新しい力だ!』

とソレが答えると淡く輝いていた巨大な鉱石から掌サイズの青いクワガタムシ型のメカが現れると、銀の手のひらに収まる様に向って来ると、銀は両手に持つ斧を地面に突き刺し、開いた手に其れを掴んだ。掴んだ瞬間何時の間にか、銀の腰にベルトが巻かれていた。それに手に収まったクワガタムシ型のメカを装着した瞬間、銀の意識は、飛んだ。

 

 

 其処は、今まで居た樹海と呼ばれる空間とは全く違う空間であった。上下左右延々と白で覆われていた。そして、其処に三ノ輪銀だけぽつりと居ただけであった。

 「えっと。此処は何処?皆は、それにバーテックスは!」

と周囲を見渡すと、

 「そうか君がこの力を掴んだな」

と声が聴こえた。銀は声のする方向に振り向くと、いつの間にかそこには二つの人影が見えた。其処には、何処となくカブトムシを連想させる角と青く輝く複眼を持ち、何処か歴戦の戦士を彷彿とする佇まいを醸し出す人影と何処か優しさを内包しつつ持ちつつも力強く感じる金色のクワガタの鋏の様なものをもつ戦士がいた。すると、

 「きみは、たとえ世界を敵に回しても守るべきものがあるか?」

と銀に聞くと、すぐさま銀は「ある」と答えた。すると戦士の一人が少しだけ考えたような仕草をすると、

 「ではお前は、もうみんなに会えなくなるそれでもいいか?」

と聞くと銀は、少しだけ考えると、震えた声で

 「同じ道を往くのはただの仲間にすぎない。けど、別々の道を共に立って往けるのは友達だから、私は一人じゃない!」

と答えた瞬間、戦士が右手を天に突き上げ、

 「ではお前の道を進め!天の道を往き、総てを司れ、君が望みさえすれば、運命は絶えず君に味方する!そして、絆とは決して断ち切る事の出来ない深いつながり。例え離れていても心と心が繋がっている」

 「はい!解りました!」

 「俺からも一言言って良いか。ゴウラム、君が出会った大きなクワガタみたいな物を頼む。彼のお陰で俺も助けられた。君に託そう未来に進む道をあの何処までも蒼い空の様に皆の笑顔を守ってくれ!」

 「しかしこれを使えば、暫くは此処には居られなくなる。暫く、あるお節介破壊者と一緒に旅に出てくれ、俺たちはそろそろ此処から留まる事が出来なくなってきているからな」

 と言うと銀は力強く、

「私、誰よりも笑顔の大切さ、儚さを知り、それを守るため自分の感情を押し殺し弱音を吐かず明るく振る舞っている。だけど、人を守るためとはいえ、拳を振るうことに、いい気持ちはしないけど、これ以上誰かの涙は見たくない! 皆に笑顔でいてほしいんです! だから見ててください! 私の、変身!!」 

 

 

と言うと『HENSHIN』と合成音が聞こえ、装着していたクワガタムシ型の機械から蒼く輝く六角形型の粒子が放出され銀の身体に密着するとその姿を現した。

 

 

 三ノ輪銀の全身を覆う様に重厚な装甲に包まれ、両肩側面には二連装大口径火器・ガタックバルカンが2門装備され、基本カラーは濃い青、複眼の色は赤で構成されていた。ある世界では『戦いの神』と言うコードネームで呼ばれていた者。そして幾つもの世界で時に悩み、傷つき、葛藤しながらも仲間や協力者の力を借り、脅威に立ち向かった者達、人は彼らをこう呼ぶ。

 『仮面ライダー』と。そして今この世界で誕生した『仮面ライダー ガタック マスクドフォーム』

 

 「これが私…カッコいいじゃん。これならもっと戦える。皆を守れる!」

 

 

 と叫ぶように天を見上げると何時の間にか元の樹海と呼ばれる空間に銀は佇んでいた。

そして向こうから多数の尖兵型バーテックス通称『星屑』と呼称される敵が多数接近してくるのが、ガタックに内蔵されていたセンサーが感知した。其れを確認した三ノ輪銀は戦闘を開始し、『ゴウラム』と呼ばれたクワガタムシ型の大型メカも三ノ輪銀の横に並ぶように滞空していた。

 

 此処から先はわたしが通さねえ¡死にたい奴は掛かってきやがれ!」

と言うのと同時にバイザー越しから幾つものバーテックスを同時ロックオンした瞬間、両肩に装備された二連装大口径火器・ガタックバルカンが射撃を開始した。この火器は、ジョウントを応用した「無限弾装」により転送・チャージされるイオンビーム光弾を毎分5000発連射可能であり、高エネルギーを圧縮させプラズマ火球弾として放てば、1km圏内のあらゆる物質を高温と超高圧で消滅させることも可能である。その射撃により攻撃によって、第一波の尖兵型バーテックス群は、三ノ輪銀に辿り着く前に文字通り殲滅された。

然しバーテックス側のすぐさま第二波として尖兵型と共に複数の尖兵体が融合した群体型通称『進化体』と呼ばれる物が同時侵攻してきた。この『進化体』と呼ばれるそれは、尖兵型通称『星屑』と呼ばれる物よりも進化体は鋭い槍のような物を飛ばすもの、蛇のようなもの、複数の関節を持つムカデのようなものと多種多様な武器を持つ個体が多く、耐久力等も尖兵型に比べ格段に強化されていた。

それらの混合第二波も銀は落ち着いてバルカン砲で牽制しながら数を削っていったが、群体型も多数の弾幕を受けながら、一部は殲滅されていったが、まだ数が多く残っており其の全てが真っ直ぐに銀の方に向かってきた。然し銀は全く動じずにゴウラムの方に向き頷いた。すると、ゴウラムは、銀の真上まで飛翔すると、銀は脚部の一部を掴むと、ゴウラムは飛翔を再開された。暫くするとゴウラムの全脚部が銀を包む様に抱き込むと一気にバーテックスの方に突き進んでいった。銀は飛翔しながら、ゴウラムと一体化する様な感覚になった。ゴウラムは銀が進みたい方向や機動を忠実に実行してくれた為にバーテックスに対し更に一方的で安定した射撃が可能になり、星屑型や進化体を次々に殲滅していった。しかしながら、一部の進化体も自身の身体の突起部分を矢の様に変化されると、弾幕射撃を開始した。其れは、豪雨と呼んでも良い程の弾幕量であり、銀もすぐさま両肩のバルカン砲で迎撃射撃を開始した。幾つもの矢が銀の射撃によって迎撃されたが、それでも迎撃網を搔い潜った矢がゴウラムに取り付いていた銀に命中した。然しこの矢が銀の身体を貫く事は無く、マスクドフォーム形態時の特徴である。重装甲と未知の超金属・ヒヒイロノカネによって全て弾かれていった。そして、返礼とばかりに銀は矢を射出したバーテックス群に向けてゴウラムに取り付いたまま急下降していき、ゴウラムから投下された。

 

投下された銀は、投下速度と落下速度を加算されバーテックス群に向かって行った。バーテックス群も第二射とばかりに猛烈な対空射撃の要領で矢を射出したが、前回と同じ様銀が纏う装甲の前に弾かれていった。然しこの攻撃により落下速度が弱まり、銀は、両手両足を広げ更に落下速度の緩和をしていき、眼前のバーテックスに向かい、射撃を開始した。バーテックス進化体群は、一方的に駆逐されていった。また星屑型もゴウラムによって次々と真っ二つになり駆逐されていった。

 

銀は進化体を駆除した後も落下し続けていたが、

 「ゴウラム。来て!」

と呼ぶとゴウラムがすぐさま銀の真下の位置に付き、背中で銀をゆっくりと乗せた

 

 銀を乗せたゴウラムが暫く旋回しながら休息と警戒をしていると、樹海の奥から超巨大な物体が三体がゆっくりと此方の方に向かってきたのが判った。三体の内二体はつい先程須美と園子が一時的に戦闘不能状態になり、現在気絶し、銀も軽度の傷を負った敵であった。それが今回新たな敵を引き連れやって来ていた。其れを見た銀は、

 「へっ、また一体追加で御到着か!でもな。此処を通す訳には行かねえんだよ!化け物共が¡手前らは其のまま黄泉の国行きだ!その前にお前らにはお礼をたっぷりして逝かせてやるよ!ゴウラム行くぞ!」

と啖呵を切り、突撃して行った。

 「まずは此れでも食らいやがれ!」

と言うと、バルカン砲から無数の光弾が3分間連続射出されて後、チャージモードに移行し、両肩に装備された銃口計4門の各銃口内部から高エネルギー超圧縮されていった。銀は、マスク越しで敵バーテックスを睨みながら,重心を足の方に集中し、反動を抑えるように努力した。そして、超圧縮エネルギーが限界点まで来ると銀が、

 「こういう時多分須美ならこう言うだろうね。だけど、今日は借りさせて貰うよ。敵目標捕捉。全砲一斉射。目標敵超大型バーテックス。数3。撃てぇ!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 限界点ぎりぎりまで超圧縮された光球状に形成されたエネルギー弾は、初速はゆっくりとしていたが、徐々に速度をあげながら、敵大型バーテックス三体に激突する前には、相当なスピードを上げていた。敵大型バーテックスも迎撃の為、無数の矢を射出したり、星屑型や進化体を無数に繰り出し壁替わりにしたりしたが、銀の放ったエネルギー弾には全く効果が無く、逆に殲滅されていき、そのまま、一番近くにいた超大型バーテックスに着弾すると同時に超圧縮されていた莫大なエネルギーが解放された。その莫大なエネルギーは、半径1km球状圏内のあらゆる物質を超高圧と高温で消滅させた。そしてそれはバーテックスも例外ではなく、命中した1個体を完全に跡形もなく消滅され、残りの2個体も重度なダメージを負った。それが1発の光弾の威力だった。それが残り3発連続して着弾した結果。残りの個体の内1体も完全に消滅させ、最後の一体も体の大部分が消滅させると、バーテックスから小型のバーテックスが飛び出すのと同時に抜け殻になったバーテックスが砂上の城の様に崩れ落ちていった。飛び出した小型バーテックスは、圧倒的な敏捷性と小型の為に回避性等も他の星屑型や進化体と言った個体よりも一回り以上厄介な存在になった。

 

 このバーテックスに対し、銀はゴウラムに腹這の態勢になって追跡したが、ゴウラムの速度よりもこのバーテックスは幾つもの曲がりくねった険しい樹木の根を快足を以てしてその障害を無視するかのごとく速かった。其れを見た銀は、

 「あのバーテックス速すぎでしょ。羨ま‥いやいや、のんきに言ってる場合じゃないな。このままだと、須美と園子がやばい。でもどうしたら…」

とマスク越しに思いを漏らすと、なぜかこの時突然この対処法について何処からか語り掛けてくる感じがした。銀は、ゴウラムから立ち上がるとクワガタムシ型の機械の鋏部分を操作しながら、「なんだか良く解らないけど、私やってみます。Cast Off」と叫び、鋏部分を折り畳んだ。すると、全身を包んでいた装甲や両肩側面のバルカン砲と浮き上がる様に飛散し、中から頭部左右に倒れていたガタックホーンが起立して側頭部の定位置に収まり、バルカン砲の位置には一対の曲剣・ガタックダブルカリバーと呼ばれる剣が装着されていた。クワガタムシ型の機械から『Change Stag Beetle』と電子音声が流れ、暫くすると、

『Personalize』と言うと今まで基本カラーが青のみだったが、更に赤色がストライプが加わり両肩の一対の曲剣の他に後腰に2対の大型ナイフが装着され、背中には柄が比較的短く刃先が幅広い斧槍(ハルバート)とバルディッシュ(戦斧でありまさかりの刃を上下に引き伸ばしたような物)(*注バルディッシュとハルバートは良く混同して使われていますが、構造・特性的に類似するものは少ないそうです。)が背中に並んで装備されていた。また、ガタックホーンも一回り太く短くなっていた。その姿は仮に『仮面ライダーガタック ムーティフォーム』となった銀は、その瞬間、自分の頭の中にこのフォームについての情報を始めとしたあらゆる情報が頭の中に入ってくることを感じ、一瞬鋭い痛みが走ったか様な感覚になったが、すぐにその痛みが治まり頭の中がスッキリとなり、あらゆる事柄について理解できるようになった感覚を覚えるようになった。銀は、軽く頭を振るうと自分が今すべきことを思い出し、小型バーテックスが通り過ぎた道を睨むと、「クロックアップ」と呟き、クワガタムシ型の機械(以下ゼクターと呼称します。カラーリングは基本青。縁柄は赤)を再度操作した。

 クロックアップの最大の特徴である。クロックアップは厳密には高速移動ではなく、行動や思考なども加速した時間に応じて全て引き伸ばされ、それによって、自分達以外の時間がほぼ止まっているに等しくなり、銀はその空間をゆっくりと進みながら両手には、両肩に装着されていた曲剣通称『ガタックカリバー』を握り、生き残りのバーテックスを見つけ次第切り裂いて行きながら、本命の超大型バーテックスから分離した超小型高機動型バーテックスを探していた。

 「どこに居るんだろうな。逃げたバーテックスは何処だ?そろそろ、元いた所に戻ってきたなあ」

と言いながら、残敵索敵と残敵駆逐処理を行いながら、幾重にも張り巡らされた巨大な根の上を一定の速度で走りながら暫く進むと、動きが怠慢になっていたがゆっくりと前の方進んでいく目標のバーテックスを視認した。其れを見た銀は、表情を一層険しくなり、その目は狩人と同じ目になり、両手の曲剣を一度両肩に戻した後背中に装着されていた斧槍と戦斧に手を伸ばし其れを掴み構えた。そして、銀はマスク越しに笑っていた。しかしその笑みはどこか狂気を彷彿とさせる笑みだった。

 「遂に見つけたぞ!バーテックス!覚悟しろ!人間様いや、本物のヒーローってやつの底力を!」

と言うとゼクターを操作すると『クロック オーバー』と合成音声が流れると、今までの緩慢となった空間時間が通常に戻るのと同時に、今まで駆逐した残敵バーテックスがほぼ同時に消滅していった。そして、残ったバーテックスは、銀の方に向って来るバーテックス(本体)のみであった。そのバーテックスは突然自身の目の前に現れた正体不明の何かに警戒するように動きを停めたが、すぐにその正体不明の何者かが両手に持っていた巨大な武器を確認するとすぐさま逃げるように動こうとした時にはすでに手遅れであった。

 「此れでも食らいやがれ!」

と銀はそう叫ぶと同時に斧槍をバーテックスの胴体目掛けて勢いよく投擲し、寸分たがわず斧槍はバーテックスの胴体のど真ん中を貫通した。バーテックスは自身の身に何が起きたか分からないまま、急速接近した銀の手に握られていたもう一つの武器が眼前に見えたが、その後の思考は暗黒に落とされていった。

  銀は投擲した斧槍がバーテックスに貫通する瞬間を見届けないまますぐさま強化された瞬発能力でバーテックスの間に接近すると銀は間髪入れずに、手元に残った戦斧を両手に持ち上げ、瞬発力も利用しつつバーテックスの頭上に向け振り落としバーテックスを左右真っ二つに両断した。両断した瞬間が速すぎた為に振り落したまま樹海の根の一部を陥没させ、バーテックスも少し遅れて左右に割れた直後、両断したバーテックスから幾つもの帯状のエネルギー体が爆発的に放出され、そのエネルギー体が収縮していき、巨大なキューブ上の物体に姿を変えた。そのキューブ上の物体は通称『御魂』とよばれるものであった。

 其れは樹海空間上空に向かい、ゆっくりと浮遊しながら巨大化していった。其れを見た銀は、何かやばいと直感し、自身の持つ最大の必殺技を使用する事を選んだ。

 「此れが、私の最後の雄姿を刻む!見ていてくれよ、園子、須美!これが私の必殺技だぁ!来てゴウラム!」

と叫ぶと、今まで上空に滞空して居たゴウラムが銀の傍まで急行すると、そのまま銀を背中に乗せ、浮遊していった御魂を追尾していった。暫くゴウラムの背中に掴まっていた銀はゴウラムがゆっくりと上昇を止めて滑空体制に移行した事を感じると視線を下の方に向けると未だにゆっくりと上昇を続ける御魂を捉えると、立ち上がり、つい先程に使用し回収した槍斧と戦斧を再び両手に持ち、その二つの武器を一つに合体させ、巨大な得物に変え、片手で持ちながら、開いた片手でバックルに装着していたゼクターの鋏部分を再び操作すると、ゼクターから『RIDER KICK』と言う人工音声が流れ、ゼクターから膨大なエネルギーが一度ガタックホーンに蓄積していった。ゴウラムも其れと同時に銀を鋏部分で高く打ち上げた。そして、ある程度の高度を更に上げた銀は急角度をつけると、ゴウラムは銀の肩を自身の鋏で打ち下ろし、猛烈な速度と共にガタックホーンに蓄積したエネルギーを両足裏に移動させながら、片手に持っていた両刃槍を投擲した。猛烈な速度で着弾した槍のすぐ後に銀のキックが炸裂した瞬間爆発なエネルギーが一転に集中し解放された。

 

 そして、猛烈な爆発が空中に炸裂した。空中爆発の後には、何も残っていなかった。

 

 何時の間にか銀は、最初にゼクターに出会った空間に一人佇んでいた。銀はゼクターを外し、変身を解除した。傍にはゴウラムが寄り添いながら滞空し、銀の手から自ら離れたゼクターがゴウラムの鉱石部分に収納されていった。すると、気が付かなかったが、目の前から二つの影がゆっくりと向って来るのが判ると、銀は、

 「えっと、まずはこの新しい力を授けてくれてありがとうございます。おかげで、園子も須美も後この町の皆も無事だったよ。これでもうバーテックスから怖がらなくても良いし…」「悪いが、それは無理だ」「え...どういう事?」

と困惑する銀にカブトムシをモチーフとした仮面の人から説明があった。

 「済まないが、君には暫く長い旅に出て貰う。そして、色々な世界に行ってもらう。其処で様々な経験と一緒に旅に出て貰う仲間を助けて欲しい。おまえには、このゴウラムとガタックゼクターに選ばれた瞬間に君の運命は大きく変わった。本当の時間軸では君はもう死んでいる。しかし、お前は選ばれたゴウラムとガタックゼクターの二つに、その結果君にはもうこの時間軸には存在してはならない。もし、このまま居続けるなら、この世界にどんな悪影響を及ぼすか想像できない。もしかしたら、もう狂い始めて居るかも知れない。その影響を最低限にするにはこれしかない。それが君の歩む運命だ」

 又もう一人の仮面ライダーが、

 「本当なら君にこんなことをさせたくない。しかし、もし君がここに居続けたらどんな悪影響が有るか分からない。もしかしたら君の身近な大切な人が傷つく事もあり得るんだ。だから君には、暫くもうすぐ来る僕達の仲間の一人の旅人が来るはずだ。その人たちと一緒に様々な世界に行って来て欲しい。でも、少しの間だけならまたこの世界に戻って来ても良いと思う。それ位の時間なら、この世界の干渉も最低限に抑える事が出来るはずだと思う。こんな事を云うのは苦しいが頼む旅に出てくれ。それがこの世界の鑑賞を抑える唯一の手段なんだ」

と言うと銀は、少し考える様にうなだれると、絞り出すように小声で、

 「じゃあ、少し待って貰っても「済まないがそれは出来ない」なぜですか!」

 「君が少しでもこの時間軸に居る時点で刻一刻と本来の時間軸から外れていく、それがどんな悪影響を及ぼすか分からないからだ」

と厳しい現実を突き付けられた銀は、目尻に涙を浮かべ、拳を握りながらもしっかりとした口調で

 「わかりにました。じゃあ、私旅に出ます。それが私の運命ならそれを受け入れます。それに永遠の別れと言う事でもないし、いつかまた此処に来れば家族や皆にも会えるし」

 

と言いながらも内心は不安に押し潰されそうな気持ちだった。それをくみ取っていた二人の仮面ライダーは、

 「そうか、ありがとう」

と再度礼を述べると銀色のカーテンの様なものの方へ吸い込まれる様に消えていく前に銀は、

 「あのう、貴方達のお名前は?」

と質問すると、銀色のカーテン状の前で立ち止まった2人の仮面ライダーは変身したまま、向きを銀の方に向くと、そのうちの一人が指で天を指す仕草をすると、

「俺は天の道を往き、総てを司る男。俺の名は…天道総司。又の名は仮面ライダーカブト」

と言うと、もう一人もサムズアップしながら

 「俺は夢を追う2018の技を持つ男 五代雄介。又の名は仮面ライダークウガ」

と言うと向きを変え銀色のカーテンの様なものの中に消えていった。

そして、この特殊な空間も同時に消失し、いつの間にか元いた樹海空間にもどっていた。そして、銀は最初に彼らに出会った場所に戻り、根に突き刺さっていた二丁の斧の傍によると,懐からスマホを取り出すと突き刺した二丁の斧の真ん中に無造作に置くと、背中の方から何かの気配を感じた銀が振り向くと、其処には先程の空間に現れた銀色のカーテンの様なものと同様の物が現れると、其処から二人の男性と一人の女性そして、金属機械の様なデフォルメの様な蝙蝠が揃ってカーテンの向こうからゆっくりと歩きながら現れた。

 「まったく、あいつら突然俺らの前に現れたと思ったら、『君達と一緒に連れて行って欲しい人がいる』と言ったと思ったら、こんなわけ解らない所に繋げやがって、俺たちは便利屋じゃないんだぞ」

 「まあまあ、それにしてもこんな変わった風景の世界もあるんだ。こんなところ来るのは初めてだ。それにしても何だか妙な雰囲気だ。まさかショッカーに騙されたのか」

 「それは大丈夫じゃない?今の所ショッカーの気配なんて感じないわよ。それにしても本当に変な所に出たわね。それに多分あの子がそうじゃないの。彼らが言ってた人に限りなく近いわよ」

 「ちょっと、まだあのコ子供じゃない。まさかあの子がここの世界の仮面ライダーなの?」

とトイカメラを首から掲げた2枚目の男性が不満そうな顔をしたまま愚痴を零すのをまだ少し幼さが抜けきらない顔立ちの男性が今自身の目の前の光景に驚きながらも警戒感を滲ませてながらも二枚目の男性を宥めていた。その中で唯一の女性の近くを羽ばたいていた金属製のデフォルメ化した蝙蝠を模したモノが銀の方を見て声を出すのに反応した女性が驚いた表情で銀を見ていた。そして銀の方にゆっくりと歩いて来る一行に銀をほんの少しの警戒をしながら待っていた。

 

 「おい、お前があいつらが言っていた。ここの世界の仮面ライダーか?」

 「仮面、ライダー?」

 「お前のしているベルトを巻いていると似ている物を持っている奴の事だ。態々、あいつらがお前をこの世界から連れ出してやってほしいと頼まれたから来てやったんだ。サッサと一緒に来い。俺は疲れてるんだ。早く休ませてくれ。全く俺らは便利屋じゃないんだぞ」

と一方的にトイカメラを提げている男が用件だけ言うと足早に先程のカーテン状の風景の方に戻っていった。

 「おい、士。そんな単純な話じゃないんだぞ。この子の人生がもしかしたら変わる可能性すら孕んでいるんだぞ!」

 「そうよ、士君、そんな簡単に話じゃないのよ。確かにあの人達が言っていた子と似ているけど、まさか本当に一緒に連れて行く気なの。まだ子供なのよ」

 と銀の方を指さしながら、二人の男女がカーテン状の風景の所に戻っていく男に抗議していると、銀の方から二人の男女に近付き話しかけた。

 「あのう、すみません。貴方方が私と一緒に旅に出てくれる人たちですか?」

 「え、ええそうよ。私達が貴女をこの旅に連れて行って欲しいとある人達に頼まれたからここに来たのよ。でも本当に一緒に来ちゃって良いの?親御さんとか心配しないの?」

 「良いんです。私もちゃんと別れの挨拶がしたいけど、もし私がこの時間軸に居たら、どんな悪影響が出るか分からないし。それに私、此処とは違う世界って言うのも気になるし、少しワクワクしてて、どんな所でどんな人達に遭えるのかって」

 「でも、ほんとに一緒に来ても良いの?皆ともしかしてずっと会えないかもしれないんだよ?」

 「良いんです。それに今さっき会えた人達にも『「ではお前の道を進め!天の道を往き、総てを司れ、君が望みさえすれば、運命は絶えず君に味方する!そして、絆とは決して断ち切る事の出来ない深いつながり。例え離れていても心と心が繋がっている」』って言って貰えたから、私大丈夫です。だから一緒に連れてってください!」

 「分かったわ。じゃあ、私達と一緒に行きましょうか。良いわよねユウスケ君」

 「この頑な意思。まるで、昔の俺のようだなぁ。でも何だか嫌いじゃないな」

とぼやきながらユウスケは、やれやれといった態度の後に頭を掻きながらも了承するように首を縦に振った。すると、それを見た女性が、銀の方を向くと、

 「分かったよ。じゃあ、私達と一緒に旅に出ましょうか。あ、自己紹介が遅れたわね。私は光 夏海(ひかり なつみ)よろしくね。それから、彼は、小野寺 ユウスケ君、それからもうカーテンの方に歩いて行っちゃてる彼が門矢 士(かどや つかさ)君」

 「ありがとうございます。私三ノ輪銀って言います。これから宜しくお願いします。光さん」

 「じゃあ、早速行きましょうか。そうね。次の世界に着いたらまずは三ノ輪さんの服とか日用品とか買わないとね。あ、でも通信機器とかはもう使え無くなるから今の内にここに置いといてね。じゃあ行きましょうか。小野寺君、三ノ輪さん」

 「ああ、わかりました」

 「解かりました。光さん。でもちょっとだけ待っててください。置いて行く物が有るんで」

と言うと、二丁の斧の真ん中に置いてあったスマホの上に銀が着けていた髪留めを外しスマホの上に置いた後、もう一度須美や園子が居る方向に身体を向け、笑顔のまま

 「またね」

と言うと今度こそ振り返ることなくそのまま、銀色のカーテンの様なものの中に消えていった。

 

 

 

 そして、暫く銀色のカーテンが再び揺らめいていると、その中から緑色の体色を持つ二足歩行の怪物が1匹現れた。その姿形は地球の昆虫の蛹の様な風貌を持っていた。その生物は、前いた世界からある人物から依頼されこの世界にきた。ゆっくりとフラフラと歩きながら、銀が残したスマホと二丁の斧の前まで来ると、左腕を伸ばし手の形をしたものでスマホを手に取ると覚束ない手法でスマホを操作しながら、様々な情報を入手していくと同時に二丁の斧を新たに増やした腕で掴みながら、先程入手した情報を元に倒れ気を失っている須美と園子の元まで来ると、須美と園子の頭に触れ『三ノ輪銀』の抜本的な情報を入手すると同時にそのワームの姿が急速に変化していき、外見は完璧に『三ノ輪銀』擬態していたが、少しだけ記憶の方が曖昧だったが、現時点ではあまり心配なさそうだった。

 

 

 暫くすると、二人が目を覚まし、三人で喜び合ったが、三ノ輪銀だけはどこか薄笑いを内心浮かべていた。

 

 この次どの様な事が起こるかなど誰も知られずに。。。。。。。

 



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