これは驚いた。まさか本当にこの屋敷に生きている人間に会えるとは。
イナミ「俺は
深紅「私は
しばし二人の間に気まずい沈黙が生まれた。
おそらく...お互いに聞きたいことは同じはずだ。俺は彼女が口を開く前に質問をした。
イナミ「深紅、君はどうしてこの屋敷に?やはり君も呪いのゲームのせいでここにやって来たのか?」
深紅「ゲーム?ごめんなさい、あなたが何を言ってるのか分からないわ。私は二週間前にここで行方不明になってしまった兄さんを探しに来たんです」
彼女の言っていたことをまとめるとこうだ。
二週間前彼女の唯一の肉親である兄、
やがてその真冬さんも行方不明になり、彼女は一人でこの屋敷まで探しに来たのということらしい。
こんな薄気味悪い屋敷に単身乗り込むなんて...おとなしそうに見えるだけで意外と肝の座った娘なのかもしれない。
深紅「あの...イナミさんはどうしてここに来たんですか?」
イナミ「...」
少し悩んだ末、別の世界からやってきたことを打ち明けた。ただしここが俺の見ている夢の世界であるということを話しても余計に彼女を混乱させてしまうだけだと思い、そこだけは伏せておくことにした。
深紅「...こことは違う世界からやってきた?」
なるべくやんわりとこちらの事情を伝えてみたが、まぁそういう反応になるのは仕方ないな。
イナミ「あぁ、まるでこの屋敷の怨霊に呼び寄せられるようにな」
深紅「....」
イナミ「もし君が良ければで構わないんだが、一緒に行動しないか?」
深紅「一緒に...ですか?」
イナミ「俺は元の世界に帰りたい。そして君は行方不明になってしまったお兄さんを連れ戻したい。そのためには氷室邸の秘密をもっと調べる必要がある」
深紅「確かにそうですね。この屋敷が怨霊の巣窟となっているのにもきっと何か理由があるのかもしれません。えっとその...よろしくお願いします...」
イナミ「ありがとう深紅。こちらこそよろしくな」
深紅は挨拶をそこそこにこの周辺に存在する石燈籠の中で灯りの付いていない桟橋付近の石燈籠にライターで火をつけた。
すると石燈籠の上部が回転し、内部が露わとなった。
内部に入っていたのは何かの文字が刻まれた石。深紅はその石を手に取ると
深紅「それでは...行きましょうか」
と言い、二人でその場を後にした。
深紅ってゲームでもお兄さん以外の男性と話してるところ見たことないから書いててコレジャナイ感じがすごい。
まだ深紅が主人公を信用しきれていない感じだけでも伝わっていれば幸いです。