ジャパリ・フラグメンツ   作:くにむらせいじ

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 まえがき

 サーバルちゃんの名前をいじっているだけのおはなしです。



〈 なまえ 〉

 

 夕方の砂浜。

 

 かばんとサーバルが隣り合わせに座っていた。サーバルが、かばんの方を見た。

サーバル 「かばんちゃん、かばんちゃんは、かばんちゃんだよね?」

 かばんがサーバルの方を見た。

かばん  「え? うん、そうだよ。あたりまえじゃない」

サーバル 「かばんちゃんは、ヒト、なんだよね?」

かばん  「そうだよ」

サーバル 「わたしはサーバル。サーバルキャットっていう動物 ※1。 でも、かばんちゃんは、ヒトっていう動物で、かばんっていう名前は、わたしが、なんの動物かわかるまで、なんてよべばいいかな、ってつけた名前だよね?」

かばん  「そうだね。ありがとうサーバルちゃん、ぼくに名前をくれて。サーバルちゃんのおかげで、ぼくは、ぼくになれたんだ」

サーバル 「わたし、わたしそんなすごいことしてないよ! ……かばんちゃんのほんとうの名前は、ヒト、なんじゃないの?」

かばん  「それは違うよ。ものすごくへんなかんじ。ぼくの名前は 、かばんだよ。ヒトっていうのは動物の種類の名前だよ」

 かばんは、砂浜に指で、『かばん』と書いた。サーバルがその文字を見た。

サーバル 「これ、かばん、ってかいてあるの? ……かばんちゃんは、かばんちゃん。それは、わかってるよ……。でもそれだと、わたしは、名前がないみたい……。サーバルっていうのは動物の種類の名前だから」

サーバル 「サーバルちゃんは、サーバルちゃん。それが名前だよ。動物の種類の名前と、名前がおなじ、っていうだけだよ」

 かばんは、『かばん』の文字の隣に、『サーバル』と書いた。

サーバル 「これがサーバルなんだね。……そうだよね。あたりまえだよね。でも、あの子みたいに、わたしとおなじ種類のフレンズがいるかもしれないし」

かばん  「それでも、サーバルちゃんは、サーバルちゃんだよ」

サーバル 「うーん……そうだ! かばんちゃん、わたしにあたらしい名前をつけてよ!」

かばん  「ええ! ……あたらしい名前って言われても……。じゃあ、ぼくみたいに、もっているもの、とか、服から……」

 かばんが、サーバルを上から下へ眺めた。

かばん  「なにもないね……」

サーバル 「ひどいよー。色とか、もようとか、なにかあるよ」

かばん  「おなじもようの子がいそうだからね……」

 かばんが、サーバルの前髪を見た。

かばん  「えむ、ちゃん?」

サーバル 「なにそれ? わたしのあたまになにかあるの?」

かばん  「まえがみに、それっぽいのが……」

 サーバルが、目線を上に向けて、自分の前髪をつまんで引っ張った。

サーバル 「見えないよー」

かばん  「……えむちゃんはやめておこうね」

 かばんは苦笑いした。

かばん  「見た目で思いだしたけど、サーバルちゃん “サバンナのスーパーモデル” とかよばれてたよね」

サーバル 「すーぱーもでる、ってなに?」

かばん  「きれいでかっこいい、ってことかな?サーバルちゃん、手足が細長くて小顔だから」

 サーバルは自分の手足を見た。

サーバル 「それは、フレンズになるまえのときだよ。いまはそんなでもないよ」

かばん  「いまでも十分きれいでかっこいいと思うよ」

サーバル 「やめてやめて、なんかはずかしいよ」

 サーバルは少し焦った様子だった。

かばん  「あとは、 “さばんなちほーのトラブルメーカー” っていうのもあったよね」

サーバル 「そんなひどいよびかた思い出さないでよー」

 サーバルは眉をよせた。

かばん  「でも、これは名前じゃないね。つうしょう、かな?」※2

サーバル 「見た目じゃなくて、性格とか、特技はどうかな? 名前にならない?」

かばん  「げんきで、いつも前向きで、すっごく友だち想いで、一生けんめいで、やさしくて、むじゃきで、いっしょにいるとたのしくて……。あとは、ひとを助けることが、あたりまえにできて、いろんなこと、おしえてくれて、ひとのいいところ、ちゃんと見ていて、実はまじめで、うそがつけなくて、うみゃーって言うのがかわいくて……。それに、走るのがはやくて、すっごいジャンプができて、力も強くて、耳もびっくりするくらい良くて、つめがすごくて……」

サーバル 「ちょっとちょっと、ほめすぎだよー」

 サーバルは、少し恥ずかしそうに笑った。

かばん「あとは、ちょっとおっちょこちょいで、ドジなところも、かわいくて、ぼくは好きだよ」

サーバル 「うわー! そんなこと言ってくれたの、かばんちゃんだけだよ!」

 サーバルは嬉しそうに、かばんに抱き着いた。

かばん  「わっ!」

かばん  「……サーバルちゃん、いいところ、たくさんあるんだけど、名前にはしにくいね。 ……いまあげた中からだと、みゃーちゃん、くらいかな……。でもそれだと、ほかの子とかさなっちゃうかも」

 サーバルが、かばんから離れた。

サーバル 「べつの名前……ペパプのみんなは、動物の名前とはべつの名前があるよね」

かばん  「コウテイさんは、動物の名前からペンギンを取って、みじかくしたんだね」

 かばんは、PPPのメンバーの名前を砂浜に書いていった。

かばん  「イワビーさんは、みじかくして、ちょっと変えて、かわいくて、親しみやすい名前にしたのかな? ……ジェーンさんと……フルルさんもおなじかんじだね。……プリンセスさんは ……ロイヤルペンギン? ぜんぜんちがうね。なんでかな?」

サーバル 「プリンセスはプリンセスっぽいから、プリンセスなんだよ」

かばん  「……合ってるようなちがうような……。あとで本人にきいてみよう。ほかに、べつの名前がある子ってだれがいたっけ?」

サーバル 「はかせとじょしゅ!」

かばん  「それは名前じゃないよ。しょうごう? かな?」

サーバル 「なんかあのふたり、ちがう名前でよばれてたんだよ。えっと……。コノハはかせ、とミミちゃんじょしゅ、だったかな?」

かばん  「そんなのはじめてきいたよ。かわいい名前だね」

 かばんが微笑んだ。

サーバル 「そういえば、アライグマって、なんでアライさんなんだろう?」

かばん  「みじかくしたのはわかるけど、ちょっとふしぎなかんじがするね。じぶんでアライさん、って言ってるから、ついそう呼んじゃうんだよ。アライちゃん、とはよべないね」

サーバル 「フェネックはフェネックだね。ためしにみじかくしてみたらどうかな?」

かばん  「えっと、フェネちゃん? フェネさん?」

サーバル 「かわいいけど、ちょっとへんなかんじだね。やっぱりフェネックがいいよ」

かばん  「もとの動物の名前をみじかくしたものが多いんだね。でもこれは、べつの名前、というよりは、あだな、かな」

サーバル 「あだなってなに?」

かばん  「親しみやすいように、とか、よびやすくするため、とかでつける名前だよ」

サーバル 「じゃあ、わたしもあだながほしい!おなじように、サーバルをみじかくしようよ!」

 かばんが、さっき書いた『サーバル』の文字を見た。

かばん  「これ以上みじかくしなくてもいいんじゃないかな……」

サーバル 「いいからいいから」

かばん  「……えっと……。うしろを取って、サーバちゃん……いまいちだね。もっとみじかくして、サーちゃん……これはかわいいかも」

 かばんは、考えたあだ名を砂浜に書いていった。

サーバル 「いいね! ほかには?」

かばん  「サバちゃん、とか?」

サーバル 「それ、なんか灰色のしましまみたいだよ……」

 サーバルの表情が少し暗くなった。

かばん  「灰色のしましま? よくわからないけど、サーバルちゃんの色とはちがうから、やめておこうか。……あとは、さいしょを取って、バルちゃん。……これは、どこかできいたことがあるような……」

サーバル 「バルコアラ! シーサーバル!」

 サーバルの声は明るかった。

かばん  「わるくないと思うけど、やめたほうがいいかな……。それじゃ、まんなかをなくして、サバルちゃん」

サーバル 「いいかんじだね。でもあんまりかわってないような……」

かばん  「じゃあ、サルちゃん」

サーバル 「ちがう動物になってるよー」

 サーバルは眉をよせた。

かばん  「あとは…………セルヴァルちゃん」

 サーバルが少し驚いた顔になった。

サーバル 「なにそれ? もとの名前とぜんぜんちがうよ? 音が似てるけど、みじかくなってないよ?」

 砂浜には、『SERVAL』 ※3 と書かれていた。

かばん  「なんだろう? 突然うかんだ……ぼくはけっこう好きなんだけど、やめておこうか。あとは…………レプタイルルスちゃん」※4

サーバル 「どこから出てきたの! それ! しかも長くなってるよ!」

 サーバルは驚いて、困惑していた。

かばん  「これも突然うかんだ……レプタイルルス、を、みじかくするなら、レプタちゃん、ルルスちゃん、がいいかな」

サーバル 「みじかくするまえに、もとがよくわからないよー」

かばん  「もとがわからないのはいやだよね。これも、やめておこうね」

サーバル 「なんかちょっと気になるけど、まあいいや」

かばん  「まただ……。ぽろぽろうかんでくるよ。ふしぎなかんじ……」

 かばんは、少し困惑して、驚いていた。

サーバル 「かばんちゃん、やっぱりすごいよ! いろんなこと知ってるし、思いつくね」

 かばんは、砂浜に漢字を書いていった。

かばん  「むずかしい字だね……。やぶ、ねこ、って読むのかな?」

 砂浜には、『藪猫』 ※5 と書かれていた。

サーバル 「ネコはわかるけど、やぶってなに?」

かばん  「草がたくさん生えているところだよ。さばんなのことだね。やぶねこ、ちゃん?」

サーバル 「あってるけど……びみょう」

かばん  「あんまりかわいくないし、かっこよくもないかな」

サーバル 「逆に、長くするっていうのはどうかな?」

かばん  「えっと……サーバールちゃん……ササーバルちゃん……サーバルーちゃん……サーバルルちゃん…………」

サーバル&かばん「だめだね……」

 ふたりは顔を見合わせて苦笑いした。

かばん  「みじかくして、音をかさねる、というのもあるね。たとえば、フルルさんみたいに ……サルルちゃん……バルルちゃん、とか」

サーバル 「それ、けっこう好きかも。サルルちゃんがかわいいね」

かばん  「あとは、そうだ! 逆から読んでみたらどうかな?」

サーバル 「ぎゃく? どんな感じ?」

かばん  「ルバーサちゃん……ちょっとみじかくして、ルバサちゃん……バーサちゃん……順番をいれかえて、バーサルちゃん」

サーバル 「反対にするだけで、ずいぶんかわるんだね」

かばん  「反対……えっと、ちょっとまってね。……サーバル…………」

 かばんが、砂浜に指でアルファベットを書いていった。

かばん  「ウラバース?」

 砂浜には、『URABAAS』と書かれていた。

かばん  「そうじゃなくて……えっと…………ラヴレスちゃん!」 ※6

 砂浜には、『LAVRES』と書かれていた。

サーバル 「それ、なんかかっこいいけど、どうやったの?」

かばん  「さっきの、セルヴァル、を、逆から読んでみたよ」

 サーバルがちょっと困った顔になった。

サーバル 「よくわかんないよ。むずかしいことしないで、かんたんなのにしようよ」

かばん 「そうすると、いちばんよさそうなのは……かんたんでみじかいの……サーちゃんだね」

 かばんは、砂浜に書かれた、『サー』の文字に、『ちゃん』を足して、丸で囲んだ。

 

サーバル 「決まりだね。……じゃあ、わたしはきょうからサーちゃんだよ!」

 明るい声で、「サーちゃん」宣言をしたサーバルが、突然ビクっとなって目を見開いた。

サーバル 「うみゃあ!」

 

かばん  「なに!? どうしたの!?」

サーバル 「なんかいま、せなかがぞくってした……。くすぐったい……。へんなかんじ……」

かばん  「そんなにへんかな? サーちゃん」

サーバル 「みゃっ! やめて、なんかしっぽをつかまれたみたいでいやだよ……」

 サーバルは、驚いたような困ったような顔になった。

かばん  「……うーん、合わないっていうか、おちつかないかんじだね……」

 

サーバル 「やっぱり、わたしはわたし。サーバルだよ!」

 サーバルの声は明るかった。

 

かばん  「さいしょにそう言ったじゃない。サーバルちゃんは、サーバルちゃんだよ」

サーバル 「ごめんねかばんちゃん。いろいろ考えてくれたのに、もとにもどっちゃったね」

かばん  「いいんだよ。ぼくもサーバルちゃんの名前がかわってほしくないって思ってたから」

サーバル 「かばんちゃんも、かばんちゃん。かわってほしくないよ」

 砂浜にはたくさんの名前が書かれていた。中でも大きく書かれていた『サーバル』と『かばん』の文字が、いっしょに二重線で丸く囲んであった。

 

 

 かばんとサーバルが座っている砂浜の、近くにあるベンチに、アライグマとフェネックが隣り合わせに座っていた。

フェネック「アライさん、なんでアライさんはアライさんなの?」

アライグマ「フェネック、急になに言いだすのだ。……アライさんは、アライさんだから、アライさんなのだ。なんで、なんてないのだ!」

 アライグマの声は明るかった。

フェネック「へー、いい答えだなー。なぞは残るけどねー」

アライグマ「フェネックはなんでフェネックなのだ?」

フェネック「んー、そうだなー……。それはひみつだよー」

アライグマ「えー!」

 

 

 

 おわり

 

 

 

 

 

 

 

 

※0 以下は、付け焼き刃の知識が入っているので、間違っているかもしれません。

 

※1「サーバルキャット」とも呼ばれますが「サーバル」が一般的(正式?)な種名のようです。

 

※2 「通称」だと、「本名・正式名称とは別の、広く使われている呼び方」のような意味になるので、「サバンナのスーパーモデル」のようなものよりもちょっと広い意味のような気がします。「ふたつ名」「通り名」「異名」などと言う場合もありますが、これらも「通称」に近い意味(少し違いますが)のようです。狭義の、とつければいいのかもしれません。

 

※3 「Serval」を、英語風に読むと「サーバル(サーヴァル)」、フランス語風に読むと「セルヴァル」になります。スペルは多分同じです。

 

※4 「突然うかんだ」のはミライさんの知識の影響です。

 「レプタイルルス(Leptailurus)」はサーバルの属名ですが、けものフレンズのアニメでは、わかりやすく「ネコ属」となっています(ネコ科の分類は複雑で、結構変わることもあり、ややこしいようです)。

 サーバルの学名は「Leptailurus serval(レプタイルルス・セルヴァル)」なので、「レプタイルルスちゃん」と呼ぶのもありだと思います。私は、上でかばんちゃんが挙げた、「ルルスちゃん」が結構好きです。爬虫類のことを「レプタイルズ」と呼ぶようなので、「レプタちゃん」はやめたほうがいいかな、と思います。

 

※5 「藪猫(薮猫)」はサーバルの中国語名で、「やぶねこ」や、「そうびょう」ではなく、「ソウマー」と読みます。かばんちゃんは、なぜか字だけ思い出して、読みが出ませんでした。

 私は「やぶねこ」という名前が結構好きなんですが、「藪(薮)」は、悪い意味で使われることがあるので、あんまり良くない名前かもしれません。

 

※6 「ラヴレス(Lavres)」は、「愛のない」みたいでちょっと嫌な感じもします。でも、上でかばんちゃんが挙げた、サーバルちゃんのあだ名の中では、私は一番好きです。

 




 あとがき

 読んでいただきありがとうございます。

 サーバルちゃんのあだ名(ニックネーム、愛称、通称、略称、異名、通り名、ふたつ名)をたくさん考えてみよう、と思って書きました。でも大半が、元の名前をいじっただけになってしまいました。






 すでに語りつくされてしまっていて、答えが出ている問題なのかもしれないのですが、このおはなしを書くにあたって、考えたことを書いておきます。


 情報を絞り、けものフレンズのアニメ版1期本編から得られる情報を中心にして考えてみます。

 多くのフレンズは「種名」がそのまま「名前」になっています。上のように、ニックネームみたいなものがあるフレンズも多いですが、それも種名からきているものが多いです。そうすると、フレンズには、「かばん」「ミライ」のような「個体の名前」がないことになります。上のサーバルちゃんのように、「種名」=「個体の名前」と考えればいいのですが、「おなじ種類のフレンズが生まれることもある」らしいので、同じ名前のフレンズが複数存在してしまい、同名になってしまうことも考えられます。ただ、多くの場合は、同じ種のフレンズでも世代交代していて、同じ場所、同じ時間に、同じ種のフレンズが存在することは少ないようです。



 上と関連することで、気になったのが、けものフレンズの世界では、一部の例外を除き、「一種ひとり」ということです。これは不思議なことで、例えば、オグロプレーリードッグの場合は、群れでいたはずなのに、フレンズとして登場するのはひとりだけです。他の仲間たちはどこへ行ったのでしょう?

 「フレンズ化(して作品に登場)するのはひとりだけ」の理由は、

(1)動物にサンドスターが当たってフレンズ化する確率が、非常に低いため。
  単に確率が低いだけでは、かぶりが生じることもあるので、理由としては弱いです。

(2)ジャパリパークでは元々、一種一匹(一羽・一頭)しか飼育されていないため。
  あれだけ広大なパークで、これは考えにくいです。

(3)サンドスターに意思のようなものがあり、フレンズ化する個体を選んでいるため。

(4)種の中の一匹(一羽・一頭)がフレンズ化すると、同種の動物はフレンズ化しないように、
自動的にロックがかかり、サンドスターの影響を受けなくなるため。

 (3)(4)は、先ほどのプレーリーの例のように、フレンズ化しなかった同種の仲間がいない理由が説明できません。ですが、フレンズ化していない同種は、作中に登場していないだけで、実際にはどこかにいる、と考えれば、説得力がある説です。(4)はちょっと無理があるし、不自然なので、(3)が、一番正解に近いんじゃないか、と考えています。

(5)種の中の一匹(一羽・一頭)がフレンズ化すると、パーク内の同種の動物は消滅するため。

(6)種の中の一匹(一羽・一頭)がフレンズ化すると、パーク内の同種の動物は、パークのシステム(ラッキービースト?)によって隔離されるため。

 (5)(6)は、なんか怖くて嫌ですし、けものフレンズのゆるい世界には合わないため、こんな設定ではないと思います。

(7)単なる偶然。
  これは結構可能性が高いですが、理由としては軽い気がします。

(8)作り手の都合。
  これは夢がないので嫌です。

 などが考えられます。

 いずれにせよ、プレーリーのような、本来なら群れで暮らす生き物が、ひとりぼっちになってしまっていて、ちょっとかわいそうかな、と思います。ひとりぼっち、といっても、フレンズの仲間たち(異種)がいますから、楽しく暮らしていけるのでしょうけど、やはり同種の仲間もいてほしいんじゃないか、と思うのです。「同種の仲間がいない」、だけでなく、生き物にとって最も重要なことである、「子孫を残す」こともできなくなってしまっています(これには別の問題がありそうです)。

 登場していないだけで、各個体の縄張りの近くに、フレンズ化していない同種がたくさんいるかもしれません。
 また、同種のフレンズもどこかにいるかもしれません。でも、いたとしても同種同士は離れた場所にいて、出会うことは滅多にないのでしょう。
 遺物からフレンズ化した、絶滅種のフレンズは、同種が(おそらくは)どこにもいないので、かわいそうです。

 だからといって、同種のフレンズを多数登場させたりしたら、けものフレンズの世界を壊してしまいます。(私は、〈 あらいふる 〉 で、やらかしていますが、あれは違う意味で世界が壊れています)

 ……いや? それはそれで面白いのかも?

 このあたりも〈 しょくざい 〉で書いたことと同じく、フレンズの抱える、問題や矛盾の一つだと思います。萌え擬人化の副作用みたいなものかもしれません。(私は、擬人化と、萌え擬人化と、フレンズ化は、似て非なるもの、と考えています)繰り返しになりますが、私はそれを批判したいわけではなく、それはけものフレンズの魅力だと考えています。



 [ 初投稿日時 2018/06/29 23:00 ]
 

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