勿論怒らせるのはあの人
後半ウィラが暴君と化します
それと今回地の文がナレーション形式と
ウィラ視点で結構入れ替わります
読みにくいかもしれませんが
どうかご容赦ください
去年と同じように黄金の獣を引き連れ『ダイアゴン横丁』を歩く
ちなみにこの私に箒や『煙突飛行粉』等の移動手段の選択肢は無い。箒よりも乗り心地の良いものに普段乗っているし『煙突飛行粉』は髪に着いたりするから嫌いなのだ
てかまたみんなエルドラドの国旗持って待ってたよ・・・今回はいつ行くとか誰にも言ってないのに・・・
声が上がる度一応手を振る、すると何人か気絶していたが・・・大丈夫か?え、何、今回はちゃんと最初から指輪付けてるよ?
囲まれて歩けなくなりそうになる度、獣に空を跳んでもらう
獣しか連れてこないのは理由がある。だいたい人外連中は少しでも不敬だと思うとすぐ殺そうとするし・・・ウォーカーに関しては魔法界において悪い意味で有名過ぎる
シャドウは逆に良い意味で有名だ(これは私にとっても凄く誇らしい!)
ニールは何故か女性が群がり、トグサは「とりあえず斬っていいですか?」と煩いのだ
(こう見るとコイツ等某骸骨魔王様の守護者レベルでメンドクセェ・・・そのうち「流石陛下!!」とか言い出しそうだな)
「黄金の君、毎回こうでは御身に負担がかかります。どうでしょうか?私が全員喰い殺しましょうか?」
「阿呆、お前は私の名を後世において最悪にしたいのか。この程度王として当然の責務だ」
「申し訳ありません・・・」
「よい、許す。頼むから「さす陛」とか言い出すなよ?今更魔導国なんて国、建国したくないからな」
「__?分かりました。どこへ向かえば?」
「本屋だ、教科書を買わないと」
チラリとリストに目を通すとそこには
泣き妖怪バンジーとのナウな休日
ギルデロイ・ロックハート著
グールお化けとのクールな散策
ギルデロイ・ロックハート著
バンパイアとバッチリ船旅
ギルデロイ・ロックハート著
エトセトラエトセトラ_____
(完全にコイツの事忘れてた・・・映画で見た時はおもしろいキャラだな~くらいにしか思わなかったけど・・・どうしようか・・・コイツがいるとコチョウを連れて行けないし・・・今回アイツ選ばなくて正解だったな、絶対会った瞬間殺すもん。裏切りや嘘にうるさいし・・・そもそもロックハートいたらルーピン来ないじゃん。私あの人の授業結構楽しみなんだけど)
そんな事を考えているとどうやら着いたらしい。すぐさま辺りが騒がしくなりザワザワしだす
「陛下―!!」 「あれが黄金の君・・・」 「ウィラ様―!!サインください!!」
「あーすまんが通してくれ!てかさっきサインくれって言ったな?おっしゃ!喜んで書くぞ!この日の為に何度『黄☆金』の練習をしたことか!」
「なりません、申し訳ありませんがレディ、どうか私で我慢していただけませんか?」
「はっはい///!!」カァっ!
何と私の間に入り込みそのまま流れるようにサインしやがった!
「おまっ!?私がどれだけこの日を楽しみにしていたと!!」
「黄金の君、以前も言ったように御身のサイン等あまりにも価値が重すぎます」
「だから「黄☆金」なんじゃないか!少しくらい茶目っ気出してもいいだろう」
「駄目です。いくら貴女様が我が主とはいえ、それをなだめるのも臣下の役目」
「くぅ!?お前・・・私がそう言われると強く出れないと分かって言ってるだろ・・・」
「全ては黄金の君の為、それに良き主君は臣下の助言を聞き届ける者と私は思っておりますよ?」ニコ
「・・・良い性格になりやがって・・・分かったよ、今回は我慢してやる。さっさと教科書買って帰るぞ」
「御意」
周りの者を下がらせ店に入る___へぇ、やっぱり本の数がスゴイな。ラノベとか売ってないかな?
てか店に入った瞬間から杖が煩い・・・というかメチャウザい
何だよ、「ヴァカめ!!その程度でこの私とやり合おう等1000年早いわぁ!!」って、意味分かんねぇよ・・・というか聖剣や聖槍ってウザいのがデフォルトなのか?それとも救世主がこんな性格だったのか?立川辺りでジョニー・デップと間違えられて喜んでたし
店内を見渡していると・・・何とルシウスが見慣れない男と殴り合いをしているではないか!
ということはまさか彼はアーサー・ウィーズリーか?じゃあハリー達もここにいる?
(取りあえず止めさせよう、確かこの後ハグリッドが来るハズだけど、それまで殴り合いさせるのは店の迷惑にもなるだろうし)
ルシウスとアーサーが互いの胸倉を掴み合い力の限り相手を殴る、周りにいるハリーやハーマイオニーは目をパチクリさせ動けないでいるが
家族であるドラコやロン、フレッドにジョージなど「そこだ!いけ!」と更に油を注ぐ
辺りに本が散乱し何度も踏みつけられ店員などは必至になって止めようとするがその度に両者から脅すような目付きで睨まれ止めようがない____だが・・・
「そこまで」
決して張り上げるような声量ではないのに不思議と耳に良く通る声が響く
瞬間ルシウスの動きが止まった、それもそうだろう、彼は何度もその声を聞いているのだから
アーサーも同時に止まる、幼い子供の声と分かっていても絶対的君臨者であると魂が悟ってしまったのだ
その場の者が声のした方を見ると・・・そこには『黄金』がいた
「双方拳を納めよ、この場はこの私、エルドラド王国国王ウィラトリアが治める。しからば両人とも我が声を聴くが良い」
両方・・・とくにウィーズリー家やハリー達はとくに驚いた
ホグワーツにいた時とは全然雰囲気が違う、ただ立っているだけで失礼だと身体が勝手に膝をつきそうになる
これが王・・・これが魔法界で闇の帝王以上に有名な『黄金の君』
「ウィラ・・・様、何故・・・」
「何だルシウス、私はこれでも学生だぞ?教科書を買いに来て何が悪い」
「いえ、そのような・・・」
「ふむ、更にハンサムになったな。嫌いじゃないがこの場には二人共ふさわしくない。『エピスキー(癒えよ)』」
ウィラが杖を振ると瞬く間に二人のキズが治っていく
「これでいいな?本に関してはルシウス、卿が弁償しろ。貴族の務めを果たせ」
「ッ!御意」
突然の命令にも関わらず口が何時の間にか返事をし頭を下げていた
お金を払い、この場にはいられないとマルフォイ家はウィラにもう一度頭を下げフローリシュ・アンド・ブロッツ書店を出ていく
そしてその場には先程と打って変わりポカーンと事の成り行きを見ていたアーサー達ウィーズリー家が残された
「・・・っ!!おっお初にお目にかかります陛下、私はロン達の父でアーサー・ウィーズリーと言う者です」
「わっ私はその妻のモリー・ウィーズリーです!普段は息子達が大変ご迷惑を・・・」ペコペコ
「よい、こちらこそ初めまして。私は第79代エルドラド王国国王ウィラトリア・エル・ドラド・ゴルドーン・クレーリアだ、どうかウィラと呼んでほしい。それに普段から卿等の御子息達に世話になっているのはこちらの方だ」
「いえいえ!そんな!陛下を名で呼ぶなど・・・」
「父さん気にし過ぎだって!だから年々髪の毛が薄くなるんだぜ?」
「てか今日のウィラいつも以上に凄い豪華だな!元気にしてたか?」
「フレッド!ジョージ!陛下になんて失礼な事を!?」
「くはは!よい!卿等はやはりそうでないと!皆久しいな、そちらこそ元気だったか?というか全然手紙くれなかったな、正直寂しかったぞ」
「あーいやその・・・パパとママが恐れ多いって普通の手紙じゃなくてもっと高級なので送ろうとしたんだけど・・・」
「ウチにはそんなお金はない!」
「だから送れなかったんだ悪い」
「別にそんなの気にしないのに・・・手紙欲しかったなぁ」
「ウチも似たようなものね、ホラ、この前家族でエルドラド王国に行ったじゃない?それ以来手紙なんか恐れ多いって」
「え、ハーマイオニーエルドラド王国に行ったの!?いいなぁ・・・僕テレビでしか見たことないや。あと僕は手紙出したんだけど・・・途中で屋敷僕、シャドウさんじゃないよ?ドビーって子が邪魔してきたんだ」
(__?何故ドビーが・・・まさか私が日記を壊したことを知らなかった?でもまぁもう気づいてるだろうしこれ以上何もしてこないだろう、たぶん)
一応話しを合わせる為ドビーの事を聞こうとした瞬間・・・
「ハハハ!これはこれは!彼の名高きエルドラド王国国王ウィラ陛下ではありませんか!まさか貴女もこのギルデロイ・ロックハートのサインを貰いに?なんたる光栄!ハリーに続きこのような著名人が私を含め3人もこの場に集まるとは!ハハハ!」
やっぱいるよなぁ・・・てかコイツの所為か!杖がやけに煩いのは!?おいおいおいロックハートが近づくたびコイツ私を汚染する量が増えてやがる!?変に対抗しようとするな!!ヤベ、軽く吐きそう・・・前に三倍は持って来いと言ったが誰が10倍近い量で汚染しろと言った!?
「やっやぁロックハート殿・・・サイン会については正直知らなかったんだ。私はただ教科書を買いにきただけで・・・」
「ハハハ!ご謙遜を!いいでしょう!この私が陛下にサインを献上しようではありあせんか!」
(ウゼェェエエエエエ!!!!!無い!!マジで無い!!色んな政治家や野心を持った人間と会ってきたがコイツがダントツで無い!!エルドラドの国民だったらマジ処刑を命ずるレベルだ!!)
「いえ、黄金の君は本当にただ教科書を買いに来ただけです。どうかこれ以上黄金の君に近づかないでいただきたい、不敬ですよ?」
(おぉ!流石我が獣!頼むからそのまま遠ざけてくれ!本気で苦手なタイプだ)
だが私の願いも虚しく・・・
「ん~?中々のイケメンですねぇ、貴方が噂の黄金の獣殿ですか!いや噂はかねがね!ですが女性人気は渡しませんよぉ~?そう!この世の全ての女性は私のファンですからね!」パチン☆
瞬間黄色い声援が一斉に上がる
おい嘘だろ!?別にそういう目で見た事ないが獣の方が遥かにイケメンだぞ!?だってヴァンシエル陛下とそっくりにしたんだし!!てか獣にまで声援上がってるじゃねぇか!?もう超音波兵器だよ!鼓膜破れるって!
「そんなもの私にはどうでもいい、貴方が近づいた瞬間黄金の君の顔色が悪くなりました。もう一度言います、今すぐ黄金の君の目の前から消えなさい」ザワっ!!
・・・マズイな、かなりキレてる・・・てか神獣怒らせるレベルのウザさって凄いな、見ろよ・・・
「ハハハ!きっと私の笑顔に流石の黄金の君も参ったのでしょう!いやぁこれだから私のような者は罪深い!」
「キサマっ!!」
「止めろ獣よ!」
「っ!?ですが黄金の君!!この者は・・・っ!!」
「・・・私なら平気だ、それにそんな命令は出していない」
「・・・申し訳ありません・・・この罰はいかようにも・・・」
何とか獣を落ち着かせ私の前に跪かせる
いつものように「許す」と言おうとすると・・・
「ハハハ!流石騎士様!カッコイイですね~!では私も」スっ
まるで呼吸するくらい当たり前のように、ごく自然すぎる動きに私はおろか獣ですらその場から動けなかった・・・世界がスローモーションのように遅くなり、そのままロックハートが私の手を取りそして・・・
チュっ
___数瞬遅れて・・・フローリシュ・アンド・ブロッツ書店が
いや、書店だけではない。この書店があるダイアゴン横丁そのものが確かに揺れたのだ
ペットショップの生き物達は一切動かなくなりただ震えているだけしかできない。それどころか何匹かは気絶、またはその心臓を止め死んでいた
その元凶は自然災害でも無ければ黄金の獣ですらない。たった一人の少女_____ウィラが本気で殺気を放ったのだ
揺れはした、だがウィラの殺気に気づいた者は黄金の獣だけだ。何故なら全てこの目の前の詐欺師に中てていたのだから
だが殺気を中てられ更には揺れにすら気付けなかった超マイペース野郎ことギルデロイ・ロックハートはというと・・・
「ハハハ!どうです?私も中々様になっているでしょう?」
「____殺す!!!」
黄金の獣が牙を剥き出し噛み殺そうとする___がウィラが獣に指先で暗号を出したのを見てかろうじて動きを止める
___私が処す、コレは私の獲物だ手を出すな____
ロックハートは気づけない、何故なら彼にとってはこの書店にいる者全てが自分のファンであり、その顔には絶対喜びの笑顔が浮かんでいると信じて疑わないからだ
ゆえに彼はウィラが帰る瞬間まで気付けなかった
普段黄金色に輝くその表情が一切の輝きも、燻りも無い
そのまま成り行きを見ていたウィーズリー家とハリー達と共に書店を出る。だが誰もウィラに話しかけることが出来ない、それは獣であっても同じだ
そしてようやくウィラが口を開くが・・・相変わらずその表情は何も写していない
「・・・ハーマイオニー・・・キサマあの男をどう見る」
「(ビクっ)え・・・えぇと・・・多分獣さんを知らなかったらロックハート先生に憧れたかも知れないけど・・・今はとくに何も」
「そうか・・・悪いがウィーズリー夫妻、私は帰る。できればそこの御息女の紹介や卿等とゆっくり話しをしたかったが・・・あいにく今の私は機嫌が悪い」
「(ゴクリ)わっ分かりました・・・どうかお気をつけて」
「うむ、あぁそれとモリー殿、これだけは伝えたかった」
「な・・・なんでしょうか?」
「去年のマフラーはすごく嬉しかった・・・今年も是非卿の手作りプレゼントが欲しい」
「っ!あっありがとうございます!」
「じゃあな皆の衆、あぁそれと・・・あれはただの詐欺師だ。まともな授業等期待するな」
「・・・え、どういう意味?」
「自分で考えろ、じゃあな。これ以上話していると思わずキサマ等を殺しそうなんでな」
そう言いながらハリー達を一瞥する。その瞳は相も変わらず黄金色を讃えてはいるが・・・それ以上に憎悪が見てとれた_____
カツ・・・カツ・・・___
普段喧噪に包まれているダイアゴン横丁がそこにだけ足音が響く。その足音の主は豪華の極みを尽くしたローブに身を包みその髪の毛と瞳は黄金色に輝いている
だが彼女を視界に入れた者はその瞬間誰も動けず呼吸すら忘れてしまいそうになる
そこには彼女のあり得ない美しさに目がいってしまうのもあるが・・・それ以上に本能が訴えるのだ・・・「今動けば死ぬ」・・・と
物音一つ立てずに彼女に道を空け、そのまま一言も口を開かずウィラは郊外へと歩いていく。いや、歩きながらも呟いてはいた
延々と呪詛を唱えるかの如く『スコージファイ(清めよ)』と
そのまま人っ子一人もいない場所へつき、ようやく自身の最側近へと話しかける
「・・・我が獣よ、私は爪先へのキスは許しても誰にも今まで手の甲に許したことはない・・・」
「・・・存じております」
「あの詐欺師の本を出せ」
黄金の獣がローブからロックハート著の本を出したのを確認し、指輪を外し半径5㎞に渡り『認識不可能呪文』と『プロテゴ・マキシマ』を10層も重ねる
そのまま膨大な量の魔力を杖に込め、杖先を本に向け・・・
「____『アバダ・ケダブラ』!!『アバダ・ケダブラ』!!『アバダ・ケダブラ』!!『アバダケダバラ』!!アァァアアアアア゛『アバダ・ケダブラァァァアアアアアアアアア』!!!!!!」
まず本が散りじりに消え、その場の半径500m程の草花が枯れ不毛の大地が形成されていく。だがこの程度では怒りが収まらず
「命令だ、動くな、躱すな・・・できれば死ね」
獣の返事すら待たず『黄金の火』が空まで届く火炎旋風を形成する、その間も『黄金の命』でひたすら「死ね」と繰り返し更には『Dies irae』を何度も放つ
そのたびに『プロテゴ・マキシマ』が悲鳴を上げるが・・・そこはウィラ本人の魔法、何とか残り3層まで耐えた
空から見れば何と酷い有様だろうか・・・半径5㎞以内に大きなクレーターが何個もでき、場所によっては表面がガラス化してしまっている
とくに中心部・・・黄金の獣がいたであろう場所など30mほど陥没している
何とか気が収まったのだろう、荒い息を上げクレーターを降りていく。そこには辛うじて人の形を残した黄金の獣が横たわっていた
だがウィラが謝ることはない、むしろ思い切り蹴り上げ
「何故死んでいない、私はキサマに死ねと命令したハズだが」
「ゴフっ!・・・も゛っ申し訳ありまs『グラヴィタス・マキシマ(超重力呪文)』__ガッ!?」
更に陥没させながらも黄金の怒りが収まることはない
「・・・分かるか?私のこの気持ちが・・・この怒りが!?」
「ゴァっ!?」
「返事をしろ、この私が訪ねておるのだぞ?アァ゛!?」ヒュっ
__ズン!! ズン!! ズンンン____!!
「ガッ!!あ・・・貴女様の・・・怒りは・・・ごもっともです!!御身の・・・清らかなお体を・・・まことに申し訳ありません!!」ググっ
「当然だ、これは当然の報いだ。なぁ、お前は『黄金の獣』なんだろう?あの程度の詐欺師から私を守る事すらできないのか?」
「申し・・・わけ・・・ありませんっ!!」
「ふん、そればかりだな。・・・命令だ、私を守れ」
そう言い今度は自分自身に『グラヴィタス・マキシマ』を放つ
すると今だ超重力に苦しんでいる獣があり得ないスピードでウィラをかばうように自身の身体で覆う
「ふっ・・・!!ぐっが・・・っ!!」
「・・・キサマの血が私の顔についた・・・使えん駄犬だ。次、『黄金の火』」ヒュっ
黄金色に輝く劫火がウィラに迫る。すると今度は尻尾を出し主と自身のローブと剣だけは決して燃やさぬよう覆い隠す
このローブと剣は黄金の獣の唯一と言っていい宝物だ、何故ならこの二つはウィラ自身が獣に授けた物なのだから・・・だから絶対に汚せない
獣が今度こそ自らの血で大切な主を汚さぬよう必死の表情で耐えしのぶが・・・ウィラはそれを無表情で見つめ今だに魔法を一切解こうとしない
___暫くたち飽きたのだろう、自分に向けていた魔法だけを解き、倒れ込む黄金の獣を眺める。その間も皮膚が真っ赤になるまで手の甲を服に擦り付けていた
「・・・何と穢らわしい、舐めろ。詐欺師何かよりも使えない犬のほうがまだマシだ」
そう言いながらワザと高い位置に手を持ってき、今だ超重力のかかっている獣にもう一度無理やり立たせる
「・・・なぁ、お前に分かるか?この・・・っ・・・この私のっ!!初めてを・・・っ!!!あんな詐欺師が奪いやがった!!!」
そう、どんな事であろうと王の初めてとはそれだけで極上の意味を持つ
与えるのならばそれに見合った功績を携えた勇者でなければいけない、でなければこれまで褒美やウィラ自身が祝福を与えてきた者の名にキズがつく。ウィラが最も怒ったのはそこだ
初めて頬にキスしてくれたのは両親だった、今でも忘れない、どれほど嬉しかったか
初めて額にキスしてくれたのは母だった、私が熱を出し寝ずにずっと看病してくれて、治った時に「よく頑張ったね」とご褒美にしてくれたのだ
初めて爪先にキスを許したのは・・・今目の前で無様に這いつくばっている獣だ、シャドウではない、彼は元々は初代黄金の物。正真正銘私に初めて仕えてくれたのは目の前の獣だ
私にとってキスとはそれほどに重い意味を持つ、だからまだ口同士でなど両親にさえ許していない・・・なのにそれを・・・っ、この黄金に気軽に触りあまつさえ許していないのにキスだと!?万死に値する!!!!
だが・・・殺すワケにいかない・・・私は誓った・・・『黄金の名』において「イギリス国民」は殺さないと(流石に直接危害を加えてくる者は例外だが)
だから殺せない・・・この名をそんな安っぽい物にするわけにはいかないのだ
だから獣で憂さ晴らしをした、コレは私の物だ。それに何度も言った通り「私の為に死ね」るのだ、最上の栄誉だろう
「・・・いつまで舐める気だ、キサマの犬臭い匂いが私に移ったらどうする」
「・・・本当に申し訳ありませんでした・・・どうか私に「自害しろ」と命令を。喜んで御身に心臓を捧げます」
「いらん、汚い。そもそもキサマは私の物だ、それに『黄金の獣』は一代につき一人と決まっているのだぞ?務めを放棄する気か?」
「そんな!?滅相もございません!!御身が私を捨てるその日までどうか・・・っ!!」
「・・・もう一度だけこの私に忠誠を誓わせてやろう。ついでだ、首輪もつけてやる。それを見てしかと誰が主でキサマが誰の物か思い出すがよい」
その場で靴を脱いで片足を上げる。そうすればうやうやしく獣が両手で私の足を支えそのまま爪先にキスをする
それを見計らい
「『
細くも決して千切れることのない鎖をネックレス状に獣の首にかける
「おぉ・・・これは!」
「懐かしいだろ?お前を捕まえた時と同じ鎖だ。いや、この場合は北欧を思い出したかな?」
「いいえ!貴女様とお会いした日を思いだしておりました・・・あの日から貴女様の所有物となり、黄金の獣の名を与えられたことを忘れた日はございません!!」
「しからばこれをもって汝を再び『黄金の獣』に任命する、と同時に今回の失態も帳消しにしてやろう」
「感謝光栄の極み!再び仕える喜びを感じることにお許しを」
「よい、許す。・・・さっさと服を着直せ、ローブは守り通したんだろう」
今の獣は文字通りズタボロだ。だが後悔も反省もない、これは当然のことだ。だから獣も何も言わず服を着直している
「終わったな?では帰る」
「恐れながら黄金の君、あの男・・・どういたしますか」
「サインで伝えたハズだ、私が裁く、殺しはしない。・・・死んで終わらせてなるものか!!教えてやろう・・・天と地の狭間には『クルーシオ』以上の苦痛があるということを!!この侮辱は未来永劫払い続けてもらうぞ!!忌々しい詐欺師めがっ!!!」
___それはもはや死刑宣告以上の意味を持つ。1500年以上昔から黄金に纏わる伝説にこう言い伝えられている
____黄金の怒りに決して触れてはならない。もし触れたのならひたすら死ねる事だけを祈れ____と
ロックハート終了のお知らせ
理由___ウィラをマジギレさせた
今回は本気ではありますがまだ全力全壊ではございません(全壊はこれで合ってます)