てか感想欄が岩心に対してエライことに・・・
岩心さんって二次創作だと結構優遇されるイメージがあるので
このような扱いにしましたが正解だったようですね
そこには黄金が住まうクレーリア城において決してあり得ない光景が広がっていた
ここはウィラの私室の一つ、通称「オタクの間」だ
ウィラが古今東西ありとあらゆる漫画やラノベを集め、もはや見ることすら不可能とされているグッズ関係が綺麗に整理整頓されている。漫画など「観賞用」「保存用」「布教用」に全てに透明なカバーがかけられ、ウィラ自身が丹念に『防護呪文』をかけていた
そう・・・過去形だ。何故なら部屋の中は本がバラバラに散らかり足の踏み場等一切無い、昨日あれからも怒りが収まらなかったウィラが八つ当たりしたのだ
そんな物で散乱した部屋をメイド達が嫌な顔一つせずあくせく片付けている
「陛下・・・これなんか手に入った時あんなに喜んでいたのに・・・」
「何があったんでしょうか?心配です」
「獣様にも当たられたらしいわ」
「そんな!?私の獣様が!?」
「こら!不敬ですよ?あの方は陛下の所有物、私達程度の存在がそのような考え許されません!!」
「そうですねぇ・・・みんなはここに来てどれくらいですか?私は6年前陛下に拾われてきたんですけど」
「私はまだ2年です。あの日・・・陛下に拾われた恩を忘れたことはありません」
そう、このクレーリア城でウィラの世話等をするメイドの殆どは元孤児だ
雨水で喉を潤し時には鼠等を食べ飢えをしのいでいた。そんなある日黄金色に輝く子供に拾われてここにいるのだ。「宛てが無いなら私の下へ来い、仕える喜びと栄誉を与えよう」と
「陛下ってホントに可愛いくてカリスマに溢れてるのよね~、ジャパニーズマンガを語る時なんか目をキラキラさせて公務の時はガラリと雰囲気変えるんだもの!最高のご主人様よね!」
「分かる!そういえば以前ジャパンで陛下の特集が組まれたらしいわよ?確かタイトルは『アニメを愛する国王』だっけ?」
「ウソ!?何で教えてくれなかったの!?私録画してない!!」
「でもその番組陛下は以前撮られた映像だけで本人喋ってないし後から外務大臣が抗議したらしいわよ?何でもこちらに確認も無く勝手に番組作ったんだって。で!あそこにジャパンが謝罪に送ってきたデラドンボールの作者が描いた陛下の似顔絵があったんだけど・・・」
「・・・陛下・・・本当に大丈夫でしょうか・・・」
「あとは円卓の皆様に任せましょう、どちらにしろ私達メイドの仕事は陛下やジブニール様にオレンシア様が快適に過ごせる空間を作ること。この部屋以外にも仕事は沢山あるのです!シャドウ様に怒られたくなかったら手を動かしなさい!」
「「「はい!」」」
あの詐欺師に不快な思いをさせられて二日たった
城のみんなには迷惑をかけた・・・とくに私のあの部屋はメイド達の憩いの場でもあったのに(薄い本とか)
父と母も心配してくれて思わず久しぶりに甘えてしまった
ただ事情を聞かれて話してしまい、もう少しでイギリスと戦争になるところだった・・・
__カツ___カツ___
「・・・コチョウ達のお仕置きはもう治ったか?」
「はい、久々に死ぬかと思いました・・・冥府の劫火でもあそこまで酷いことになりません」
私の事情を聞いた円卓・・・とくにコチョウとシャドウだ。獣を地下牢に入れ拷もn・・・お仕置きしたのだ
「まさか・・・コチョウの奴
「そのまさかです。流石は極東で時折神と同列視されるだけはあります」
「まぁアイツは色々お前以上に特殊だからな、神から生み出されたお前でもそうなるか・・・」
目当ての場所に着いたので顔を上げる
そこには『偉大なる黄金』『始まりの黄金』そして私が唯一敬愛するヴァンシエル・エル・ドラド・ゴルドーン・クレーリア陛下の肖像画があった
「やはり私とよく似てますね」
「たわけ、陛下がお前に似てるんじゃない。お前を陛下に似せたのだ、勘違いするな」
「申し訳ありません・・・」
獣が私に頭を下げるが・・・私の心はそれどころじゃなかった
部屋に八つ当たりしても気が収まらなかったのでコチョウのモフモフの尻尾に癒してもらおうと彼女を呼んだのだ・・・そこでこう言われた____
__御身はわらわが出会った中でも最上の君・・・覇王では無く王でございます。ならば歩むべきは覇道ではなく王道・・・どうか・・・わらわ達を置いてそちらに行かないでくださいまし・・・
コチョウ以上に様々な王を見定めてきた者を私は知らない・・・だからかなりショックだった・・・
私は自他共に認める王だ、覇王では無い、覇道など興味もないし歩みたくもない。私が目指す最高の君主とは常に民と歩み続ける王だ
だが・・・獣に魔法を放った時の私はどうだった?まさに血と暴力に塗れた覇王だったのではないか?
「・・・陛下・・・貴方様が今の私を・・・御身の子孫をどう思われますか?貴方が使ったとされる聖槍を私は受け継ぎました・・・ヴァンシエル陛下・・・貴方様はどんな気持ちでエルドラドを建国成されたのですか?どんな気持ちで・・・クレーリア様や民の為に死んでいったのですか・・・?」
陛下の絵は何も語りかけてはくれない、静かに微笑んでいるだけだ
この『黄金の瞳』には何も映らない・・・この方ならこんな時どうするのだろうか・・・
だが・・・声だけは確かに聴こえた・・・
「恐れながら黄金の君、私はヴァンシエル陛下とお会いしたことはありません。ですがこれだけは言えます!私はヴァンシエルなる男に負けても仕えはしなかったでしょう、それは他の黄金円卓の者達にも言えること。我等が君はウィラトリア・エル・ドラド・ゴルドーン・クレーリア様、貴女様だからこそこうして集い忠誠を誓ったのです!!」
・・・背後で獣が声を張り上げる、きっと跪いていることだろう。その程度振り向かなくても分かる
「・・・誰がキサマ等の物だ、自惚れるな獣風情が」
「・・・」
「・・・そうだ・・・卿は黄金の獣・・・ただ一人黄金円卓においてその名を名乗ることが許される最強の座・・・この私の最側近」
「黄金の君・・・」
「もう大丈夫だ。・・・コチョウも言ってくれたじゃないか__我こそは最上の君、黄金の君である」
「っそのとおりでございます!我等の頭上に輝けるは黄金、貴女様のみです!」
「礼を言うぞ獣、そしてコチョウにもだ。おかげで私の目指す王道を今一度確認できた」
「その言葉、コチョウ殿が聞けばそれだけで朝廷を滅ぼしそうです」
「ふふっ、確かに!さぁて行こうか、ニール達を随分待たせている。獣、我に付き従え」
「永遠に共にあります、黄金の君」
今回連れて行くニールとウォーカーと合流し、私のクルーザーへと向かう。と言うのも今回は汽車でホグワーツに向かうためだ
「卿等にも心配かけたな、ニール、コレクションを買い直すから私の持つアメリカの○○株を1000程船の電話を使って売りに出せ。レートは確認していないが10万ドルくらいにはなってるだろ、余りは全て公共事業や福祉に回せ。金なんぞすぐに溜まる、少しでも民に還元しないと」カツカツ
「御意、・・・陛下、もう落ち着かれましたか?何ならウォーカーを使って憂さ晴らしでも」
「私は構いません、この命で陛下がいつまでも輝くのであれば」
「私は暴君ではあるが暗君ではないよ。・・・いや、でもどうせ死なないんだしそれもいいかも・・・?」
「そういえば黄金の君、
「アイツなら勝手について来てるだろ、確かに彼はペットではあるが同時に互いを認め合った友だ。彼を籠に閉じ込めるようなまねはしたくない」
「ではそのように」
船がイギリスにつき、まずはエルドラドの大使館へと向かい、労いとエリーへの忙しくて今回はいけないという謝辞の手紙を託す
リムジンに乗り世界一有名な駅、キングス・クロス駅を目指す。すると途中見知った顔が___
「ん?あれは・・・停めろ運転手」
___ザワっ! え、リムジン!? どこのセレブだ・・・? てかこのナンバーって外(交)車じゃ!?
「・・・えっ、何で?」
(ガチャ)「お久しぶりですハーマイオニー殿、覚えておられますか?」
「え、獣さん!?」
「そのとおりです、黄金の君が是非一緒にと。そちらは御両親方ですか?そちらもどうぞ、シャンパンも備えておりますので」
ハー子を拾いそのまま向かう、残念ながら御両親は乗ってこず、首をすごい勢いで横に振られハー子を乗せた瞬間どっかに行った(何でみんな私が提案すると横に振るんだろう・・・)
「何でだ・・・夏休み私の両親とも会ったじゃないか・・・」
「やりすぎよ!!外(交)車なんて人生で乗る機会なんてないわ!!貴女ホント何様よ!?」
「王様だが?何か飲むか?シャンパンとドンペリならある」
「飲まないわ!!というか何でお酒ばかりなの!?しかもどれも高すぎぃ!!」
「王族の社交界では普通だ、しょうがないなもう・・・ニール紅茶」パチン!
「御意」
「あれ?シャドウさんとアルヴィーさんは?」
「今回はコイツ等だ・・・そういえば会うのは初めてだな、自己紹介しろ」
「初めまして素敵なレディ、私は黄金円卓第7席次ニーゲンベルグ・L・ロウと申します。此度は陛下の護衛を勤め上げるべく参上いたしました。よろしくお願いします」ニコ
「ひゃっ///はい・・・///!」
「私はウォーカー・ノエルバイン。ニール殿と同じように陛下に仕える黄金円卓第8席次でございます」
「はい・・・お願いします///」っぽぉ~
「・・・おい、私の友達を口説くな、見境無しかキサマ等」
「__?何のことですか?」
「いや、ニール殿はいつもじゃないですか。それに私には御身の輝きしか見えておりません」
「__はっ!そうよウィラ!あの後大丈夫だった?その・・・あの人にキスされたこと・・・」
「・・・」ニッコリ
「・・・これ以上は止めとくわ」
「ありがとうハーマイオニー、さ、駅につくまで時間はまだある。色々話しながら紅茶を楽しもう」
__駅につくと急いで9と4分の3番線をくぐり抜けた、というのも何故か私達が到着した瞬間私の身分がバレそうになったからだ!
「何でバレそうになった・・・ちゃんと車は遠くに停めたし・・・普通の服に眼を隠すサングラスまでしてるのに・・・」
「そりゃそうなるわよ!!言うの忘れてたけど貴女その服最高級ブランドでしょ!?」
「え、そうなの?プライベートはだいたいコレだしブランドなんか興味ない」
「セレブが載ってる雑誌以外で見たことないわそんなの・・・」
ハー子と話しながら汽車に乗ろうとすると生徒に何人かが近づいて来る・・・またか・・・
「あの・・・陛下私は・・・」
「下がれ、今の私はただのウィラだ。それともこの私を不快な気持ちにしたくて近づいてきたのかな?もう一度言う・・・下がれ」
そう言えば生徒達がすごすごと引き下がっていく
この光景は去年もあった、私に顔を覚えてもらおうと貴族の生まれや名家の者が部屋の前でひたすら出待ちしていた事もあった。それだけ黄金の・・・国王と親しいというブランドが欲しいのだろう(もしくは両親に言われてだろうな)
一連のやり取りを見られて他の生徒達も私に気づいたようだ、騒めきが大きくなるがいつもの事だ気にしない
そのままハー子と共に空いていたコンパートメントに座る
「毎回思うけど・・・ウィラって本当に大変ね」
「あぁ、勘弁してほしいよ。今の私はただの生徒なのに・・・」
「いや普通の生徒は得点を配分しないと思うわ」
「言い方を間違えた、今の私はただの王にして生徒だ。・・・お尻が痛いな、獣、クッションを出してくれ。ハーマイオニーのぶんもな」
「御意」
「わぁ!すごい!そのローブ『検知不可能・拡大呪文』がかけられているの?すごい難しい呪文なのに!」
「ニールがかけた、彼は魔法使いなんだ」
「きっと凄い魔法使いなんでしょうね、だって貴女の騎士様なんだもの」
「クスっ、ハーマイオニー殿、私は確かに魔法使いですが魔法の腕で選ばれたわけではありません」
「そういうことだ、そもそも魔法使いならこの私さえいればいい。他の魔法使い等邪魔なだけだ」
「じゃあウォーカーさんは魔法使いじゃないの?・・・そういえばどこかで見たことがあるような・・・」
「私は・・・確かに魔法は使えますが・・・」
「コイツについてはホグワーツに着いて説明しよう。どっちにしろ向こうで必ず聞かれるんだ」
「__?まぁ貴女がそういうなら」
その後も色々話した。普段こんな感じで女友達とおしゃべりしないから凄く楽しかった!
ただ・・・
「でね?バーパティとラベンダーなんか毎日獣さんのサインを眺めて!」
「コイツの何がいいんだか」
「もう!貴女は毎日見てるからそう言えるのよ・・・って・・・え!?なにアレ!?」
ハー子が窓の外を見て驚愕しているので私もつられて見るとそこには___
「・・・何で車が飛んでるんだ・・・?」
ウィラが獣をヴァンシエルに似せたのは
尊敬する人に近くにいてほしいという気持ちが
あったからです
(それでも本人と獣は違うとちゃんと割り切ってます)
活動報告に思い付きで初代黄金のダイジェスト書いてます
もしよろしければどうぞ