次回で閑話終了・・・となればいいなぁ
(・・・ヒマだ、あぁヒマだ)
春の日差しが暖かな頃、私はヒマを持て余していた
勿論それなりに忙しい、公務を行い、父上に任せている仕事の勉強。更には私にお近づきになりたい各国の政治家やセレブとの食事会(まぁほとんどは断るが。だってどうせ食事会と言う名のお見合いだし)
だがこんなのはいつもやっている事なので、当たり前の話なのだ。言い方を変えれば目新しさがない
(学校の宿題・・・はとうの昔に終わらせたしなぁ、何アレ?私のこと舐めてんの?)
言いたくはないがこれでも国王、てんてーを驚愕させたように私のレベルはすでに大人ですら敵わないのだ
(そう言えばロンから手紙が来てたな、「いくら休みが多いからってこの宿題の量は異常だよ!!ウィラの権限で減らしてくれない!?」だったか。悪いなロン、努力は重ねてこそ意味があるのだよ)
それにしてもヒマだなぁ・・・
(ハリーなんかいいよなぁ、ロンの家にずっと泊まってすごく楽しいって一緒に手紙送ってくるし。私なんか外遊するだけで供回りが着くってのに・・・そうだ!!)ピコーン!
「どうされました黄金の君、何やらお顔が楽しそうですが」
「ん?あぁいたのかお前、ちょうどいい、文を持て。手紙を書く」
「どちらへ?」
「なぁに、たまには
◇
__「失礼ながら招待状を、ここは殿上人が住まう至高の城。そうおいそれと入れるワケに・・・ハァ!?し、失礼しましたぁ!!」ガバっ!!
「あはは・・・、いや、気にしないでください。お願いだからホントに・・・」
ギィ__と重々しく重厚な城門が徐々に開きだす
「おいおいまたかよ」ヒソヒソ
「俺達、大丈夫だよな?騙されたりしてないよな?」
ウィーズリー家withハリーは何故かイギリスを離れ、エルドラド王国に来ていた
と言うのもある日突然ウィラから「遊びに来ない?」と手紙が来たのだ
これにロンやフレッジョは多いに喜んだ、海外旅行など行ったことがないしエルドラド王国といえば観光地として大変有名だったからだ。事実「魔法遺産100選」「魔法界_至高の景色10選」などの殆どがエルドラド王国に集中している
初めはウィラに迷惑がかかるのではとアーサーとモリーは渋ったが、可愛い息子達のお願いには勝てず結局こうして来てしまった。何より移動費や滞在費、更には食事代や衣服代も全て向こうが持ってくれると言うのだ、この誘惑に勝てるわけが無かった
「貴方・・・私達、何かすごいことになっているのではないかしら」
「あぁ、私も少し怖くなってきたよ・・・」ゴクリ
先程の門番のように、アーサーが招待状を見せる度に誰もが凄い表情をした後に、とてつもなく腰を低くしてくるのだ
だがそれはしょうがない、何故ならその招待状にはエル・ドラド家の蝋印が押されており、招待主が国王陛下・・・ウィラになっているのだ。彼女を主君と崇拝する者から見れば彼等は陛下の大切な客人・・・うかつな対応はできないのだ
「うわぁ、見なよハリー!僕達、あのクレーリア城に今から入るんだぜ!?」
「うん!僕も興奮しっぱなしだよロン!!」
門の前で待っていると、明らかに先程の門番より上の階級であろう者が急いで走って来た
「はぁ、はぁ、お待たせしました!念の為確認したところ至急連れて来るようにと陛下からお達しがありましたので私に着いて来てください」
本当は名高きクレーリア城の大庭園を見たかったのだが、彼があまりにも必死の形相でお願いしてくるので全員が黙って頷き、着いて行く
「__ではお呼びするまでこちらでお待ちください」
通されたそこは来客用の部屋だった、だが誰一人として座らず、部屋の扉の前で唖然となっていた
そこには豪華の極みを尽くした調度品で溢れていた。ウィーズリー家が見たこともないような高そうな壺、壁に飾られた絵画は見る目が無い者でも素晴らしいと言う他ない
「何このソファー、ねぇママ、これっていくらくらい・・・?」
「ロン、お願いだからママに聞かないで・・・ホントに座っていいのかしら・・・汚したりしたら・・・」
「ねぇ、多分みんなは分からないと思うけど・・・あの絵画、確か・・・」
「止めろハリー!!」
「そうだ!俺達の胃に穴を空ける気か!?」
「お姉様・・・凄すぎ」
「は、はは・・・まっまぁみんな、折角だし座らせてもらおう」
「でも貴方、もし汚して弁償しなきゃならなくなったら・・・」
「その時は私が立替え・・・やっぱり立ったまま待とうか」
この光景は侍女が紅茶を持ってくるまで続いた__
__カチャ「皆様お待たせしました。我が君、ウィラトリア様の準備が出来ましたので皆様をこれからお連れします」
「シャドウさん、お久しぶりです!」
「久しいですなポッター様、ロン様、フレッド様ジョージ様、ジニー様もお久しゅうございます。おや?パーシー様は」
「パーシーなら就職直前で忙しくて、初めましてアーサー・ウィーズリーと言います。最古の屋敷僕であるシャドウ殿にこうしてお会いできて光栄です」
「モリー・ウィーズリーと申します、シャドウさんに会えるなんて素晴らしいわ!」
「いえいえ、私風情など。では皆様、私の後に着いて来てください」
__コツコツコツ
「うわぁ・・・スゲェ、俺達本当にクレーリア城の中歩いてんだぜ?」
「あぁ・・・なぁ兄弟、もしこの中で『糞爆弾』を爆発させてみたりしたら・・・」ゴクっ
「これ!お前達!!馬鹿な事を考えるものじゃありません!!」
チラリとモリーがシャドウの様子を伺うが特に気にしてないようだ
シャドウからしてみれば彼等は子供。更にはウィラがまだ幼い頃、イタズラとして城中を黄金のペンキで塗りたくった事があるのだ
シャドウが廊下を歩き、常駐する兵やメイド、執事が出くわす度にシャドウに目礼を送る。その光景を見て、屋敷僕の扱われ方を知っているウィーズリー家は誰もがビックリしていた
ハリーもまた、マルフォイ家のドビーの扱いを知っていたため驚いていた
「そう言えばシャドウ殿、『預言者新聞』で記事になっていましたが・・・屋敷僕に
その記事はイギリスのみならず、ヨーロッパを駆け巡った
魔法界において一般では最高勲章は『マーリン勲章』となっている。と言うのも著名人(ダンブルドア等)の多くがこの勲章を授与されているためだ
だが本来の最高勲章は『黄金勲章』。ヨーロッパ魔法界の王である『黄金の君』2名の連名が無ければ決して与えられることのない、歴史においても名前しか誰も知らなかったのだ。その勲章が日の目を見、そしてそれは屋敷僕に与えられた・・・誰もが驚くしかなかった
「事実でございます、彼の者・・・ドビーと言いましたか、我が君が父君であらせられるジブニール様と連名で授けました」
「待って、ドビー?ドビーだって!?」
「嘘だろ!?」
「__?ハリー、ロンも知ってるの?」
ジニーの問いかけにハリーとロンは興奮気味に答え、それを聞いていた他の者も驚いていた
「___でさ、ドビーをマルフォイの家から解放して・・・」
「申し訳ありませんが話はそこまで、この扉の先にクレーリア城の主、我が君ウィラトリア様がお待ちです」
「へ?あのシャドウさん、ここって・・・」
「『玉座の間』でございます。前国王陛下ジブニール様、お妃様のオレンシア様も皆様方を歓迎したいとウィラトリア様とお待ちです」
「お、王族と!?いえいえいえ!!こんな恰好では会えませんって!!」
「アーサー様、我が君はそのような事気になさりますまい。そのままの恰好で結構」
では確認してまいります__とシャドウが先に扉の中に入り、再びウィーズリー家は待つことになった
「・・・よく考えなくてもウィラのパパって前国王なんだよね・・・」
「頭から抜けてたよ・・・どうしよう!?前にテレビで見たけどウィラのママって凄い美人だったよ!?」
「おい兄弟、俺の恰好おかしくないか?」
「安心しろ兄弟、俺達がおかしいのはいつもの事さ」
「もう!馬鹿言ってないで私を確かめてよ!!お姉様の前で恥なんかかいたら死ねる自信があるわ!!」
「アーサー、私、王族と会ったことないからどうすれば・・・!?」
「私もさモリー、王族との謁見なんてあり得ないと思ってた・・・」
そうこうしているとシャドウが戻ってき、扉が仰々しく開く
開いた先でハリー達はただポカーンとするしかなかった
天井はホグワーツと比べものにならない程高く、照明がまるで天から降り注ぐかのように見えた
一目で最高級と分かる赤絨毯、壁には細部にまで細かい装飾が成されこの場が特別で神聖な場所であると分かる
最奥には8人の金色の剣を腰に差した者達が左右に別れ、こちらを見て来る。シャドウやアルヴィーがいることから彼等がウィラの『黄金円卓』なのだとハリー達には分かった
そしてそこから階段があり、数段高い所にある玉座に彼女はいた
ホグワーツで着るようなローブではなく、深紅に彩られた見たこともない最上級のローブを羽織り、いつものように傲慢不遜に足を組み、頬杖をついてこちらを見下ろしている。そんな彼女の左右には父と母であるジブニールとオレンシアがニコニコとこちらを見ていた
彼等こそが全魔法族の頂点にして、エルドラド王国の象徴。1500年以上続くヨーロッパ最古の血筋を持つ王族__エル・ドラド家
ハリー達が国王としてのウィラを見るのはこれで二度目だ。一度目はフローリシュ・アンド・ブロッツ書店、だがあの時とは覇気が比べものにならない。事実ハリー達は次の瞬間ウィラが話しかけるまで呼吸することすら忘れ、ただウィラ達黄金の一族に見惚れていたのだから
「・・・くは、くはは!父上!母上!ドッキリ大成功です!」
「フハハ!うむ、初めは何故玉座の間かと思ったが・・・彼等には悪いがこれは面白い」
「もういいでしょうウィラ?彼等を何度も待たせるのは悪いわ」
「・・・へ?ドッキリ・・・?」
「うむ!その前に久しいな卿等、息災か?アーサー殿もモリー殿もお元気そうで何より。あ、クリスマスはありがとう。手編みのセーターなど大変だったのでは?」
「いや、だからドッキリ・・・」
「お前等ももういいぞー。解散しろ解散、お疲れ~」
「うぃーす」
「おうトグサ、今からちと飲みに」
「我々も行きますか」
「ですね」
「いやぁぁ!陛下ァァア!!」ズルズル
「いいから行くよ駄女狐!じゃあ犬っコロー、あとヨロシクー」ズルズル
「えぇ、では黄金の君、私とシャドウ殿は引き続き御身に」
「うむ、任せた」
「いやだからウィラ!?ドッキリって何のこと!?」
「まぁまぁ落ち着けハリー。まずは場所を移そうか、ここでは卿等とゆっくり話せんからな」
__どこまでもマイペースなウィラに引き連られ、先程とは別の客間に通される
ウィラ達が対面に座り、ハリー達はコの字状のソファーに座り、シャドウがそれぞれに紅茶を淹れていく
「いやぁ、いきなり玉座の間に通したらどんな反応するかな?って思ったんだ!そこに私の父上と母上までいたらどういう風になるんだろうって!」
「止めてよウィラ・・・どれだけ緊張したか分かってるの!?」
「ちょ、ロン!ウィラのパp・・・国王様とお妃様がいるから!!」ヒソヒソ
「っ!す、すみません!!」ガバっ!!
「申し訳ありません!私達の息子が陛下に何たる口を・・・」
アーサーが頭を下げていたロンの頭を更に低くし、自分もまたどこまでも低く頭を下げる
だがそれをジブニールは朗らかに笑い飛ばす
「フハハ!良い、汝等は我が娘の友。友の語らいに身分など何が関係あるか!」
ハリー達はその言葉にホっとすると共に改めてジブニールとオレンシアと見る
ジブニールはある意味ウィラ以上に国王らしかった
髭を生やし、その顔はとても60代に見えない程に若々しい。鋭い目つきは今は穏やかな色を讃えているが、その瞳と髪の毛はウィラと同じく金髪金眼・・・いや、黄金色だ
「うふふ、ウィラが友達を家族ごと連れて来るなんて!何て良い日かしら!」
オレンシアは本当に娘を産んでいるのかと聞きたいくらいに若かった
ウィラが芸術品のような美しさならば、オレンシアはまさに女性として最上級の美しさだ。現にこちらに笑いかけるオレンシアに男連中だけでなく、ジニーやモリーまでもが顔を赤らめ見惚れていた
「むぅ・・・母上は私と父上のものだぞ?誰にもやらんからな!」
「あら、ウィラったらヤキモチ?」
「フハハ!だが私もウィラに賛成だ、其方を離すなどこの身が滅びようが許せんよ」
「私もよジル、貴方達から離れるなんて・・・お願いだからずっと傍に置いてジル?」
「レシー・・・」
「ジル・・・」
((((え、何この空間・・・めっさ甘いんだけど・・・))))
__しばらく話していると徐々に緊張も解けたのか、様々な質問がウィーズリー家から浴びせられた
「__え!?じゃあウィラのマm・・・お妃様って19歳でウィラを産んだの!?」
「しかもその時、パp・・・国王様は50過ぎって・・・」
「もう!フレッド君、ジョージ君も私達のことは名前でいいわよ?」
「フハハ!然り!そして愛の前では年齢など何の意味も成さぬ!!若人達よ、覚えておくがいい」
「父と母がこんな感じだからな、だから以前『預言者新聞』の取材に応じた時に__死にかけのジジィだろうが赤子だろうが私を愛してくれればそれでいい__と言ったんだ」
「でもウィラの場合お見合いとか多いんじゃないの?」
「そうそう!ウチは別にないけど他の聖28一族とか婚約者がいるのが当たり前だぜ?」
「我がエル・ドラド家は恋愛結婚しか認めん、私もそうだしウィラもそうだ」
「父上の言う通り、それに王族にお見合いなど・・・下心が見え見えではないか。そのような男、この私に相応しいハズがなかろう?」
「凄い自信、でもウィラだと納得だね」
「お姉様!私、お姉様の部屋が見て見たいです!」
「おぉ汝が!ウィラが言っておったよ、可愛い妹ができたと。そうか、名はなんと?」
「はひっ!ジ、ジニーです」
「そう、良い名ね!これからもウィラのことよろしくね?」ニコ
「は、はひ///!」
「しかし部屋か・・・別に構わんが・・・どれがいい?」
「__?お姉様、それはどういう・・・」
「いや、だってなぁ・・・私の部屋の数なんて数えたことがないし。シャドウ、私の部屋は全部で何部屋だ?」
「全部で14部屋でございます。ジブニール様が8、オレンシア様はジブニール様と全て同室なので8部屋ですな」
「そうだったのか、でどの部屋が・・・どうした?皆項垂れて?」
「だって・・・だって!!」 「おかしいだろう!?俺達なんか二人で一部屋だぜ!?」
「お姉様・・・やっぱりいいです」
「そうか?」
「__黄金の君、そろそろ夕食の時間です」
「うん?もうそんな時間か」
「フハハ!これほどまでに楽しい時間は久々だ!」
「えぇ、皆さんもご一緒にどうですか?我が家のシェフが今宵はいつも以上に腕を振るうと言っていましたわ」
「いえ・・・ですが」
アーサーは流石にそこまで世話になるワケにいかないと思った
現に今もまだ緊張し、折角に最高級の茶葉を使った紅茶の味が一切分からず、それは隣で何とか音を立てぬよう飲んでいるモリーも同じだ。だが__
「フハハ!アーサー殿、ここまでくれば最後まで付き合われよ。何より私は汝ともっと話したくなった。どうかね?夕餉の後に」クイっ
「是非!!」
ジブニールの酒を煽る仕草につい反応してしまった。王族の飲む酒?飲まずにはいられないッ!!
「貴方!!」
「・・・あ」
「うふふ、ならモリーさん。私達は母親同士で盛り上がりましょう!」
「へ?・・・わ、私なんかが!!こんなおばちゃんがお妃様となんて・・・」
それでも流石にこれ以上は・・・と言葉を濁していると机越しにコソッとモリーにオレンシアが耳打ちする
「もっと貴女とお話しがしたいの、私はあまりこの子に母親らしいことができなかったから・・・もっと母親らしいことをしてあげたいの。だから経験豊富な方の話をずっと聞きたいと思っていたのよ?」ポソっ
スっと、横に座るウィラの髪を撫で、ウィラを優しく見つめながら語るオレンシアを見てモリーはこの人もまた、子供を誰よりも愛する一人の母親なのだと思った
「分かりました!私もこのような賢い陛下がどう育ったのかすごく興味がありましたから!」
「ありがとう、では行きましょうか!」
「えぇ、ではシャドウ、我が獣よ、皆を案内しろ」
「「御意」」
本当は今回で終わらせたかったのですが
長くなりそうなので次回に続きます