吸魂鬼「!?」
イギリス魔法省「止めてぇぇええ!!」
アズカバン始まります
ホグワーツ特急に乗り込んで適当なコンパートメントに座る、ハリー達やドラコを探そうとも思ったのだが・・・
「おう、何だこの狭い部屋は!余が使ってやると言うのに何たる怠惰!黄金の君も良く我慢できるものだ」
「そりゃ旦那がデカすぎんスよ、どうすか?俺が軽く胴体斬って縮ませて・・・」
「だぁもう!煩い!!アランは我慢しろ!そしてトグサはどんだけ斬りたいんだよ!?てか死ぬわ!!」
こんな連中、生徒と一緒にできるか!!(マジ人選ミスったな、これだから馬鹿コンビは)
特にアランは声がデカい、コンパートメントに『防音呪文』をかけ、私自身にも『耳栓呪文』(アランの声のみ)をかけても普通に聴こえやがる・・・
「まぁアラン殿ですから」
「当たり前に私の心を読むな、まったく・・・おい獣、尻尾出せ。少し寝る」
獣が尻尾を私に差し出し、ついでに『拡張呪文』をコンパートメントにかけてやる。これで少しは静かになるだろ
「おぉ!ありがたい黄金の君!よし、では子守歌代わりに余のこれまでの略奪の限りをお聞かせ・・・」
「いるか馬鹿!!少し黙ってろ!『シレンシオ(黙れ)!!』」ヒュオ!
モガモガと口を動かすアランを見て、トグサが爆笑した。なのでこの馬鹿にも『シレンシオ』をかける
今日の私は寝不足なのだ。ホグワーツに行くのは楽しいが、それまでが色々やることが増えるから困る
仕方ないから黙ってやるとでも言わんばかりの仕草をする二人にイラっとしながら私は瞼を閉じ、眠りについた
◇
__ハリー達が談笑していると、急に汽車の速度が落ち始めた。ハーマイオニーが時計を確認するも到着まではまだ早い
それに続くように雨足も更に激しくなる。汽車が停止する頃には外が完全に見えなくなっていた
「どうして止まったんだろう?何かあったのかな・・・先頭車両行ってみる?」
「うーん、止めときましょ?きっと上級生が見に行ってると思うわ」
「てかこの人こんな状況でも起きないや、こんなのが今年の『防衛術』の教師?絶対ウィラの方がいいのに」
「そんな事言っちゃ駄目よロン。ダンブルドア先生がウィラの代わりに連れて来た人よ?きっと凄い先生だわ!」
「この前聞くの忘れてたけど、何でウィラ続けなかったんだろ?人気あったのに」
「手紙で聞いたら学生生活を楽しみたいそうよ?先生だと偉そうにしてるのが普段から変わらないから面白味がないらしいわ」
「うへぇ、ウィラらしいや!・・・まだ動かないのかな?」
ロンの言う通り汽車は動く気配すらない。それどころか至る所から悲鳴が聞こえ出し、窓に付いた水滴がパキパキと凍り出した
ただ事では無いとハリー達が身構えると__それは現れた
その姿は影のように揺らめき、身体はボロボロのローブのようなものをすっぽりと頭まで被り、顔は一切見えない。だがソレの姿は間違いなく人間ではなかった
見ているだけで体温が急激に下がるのをハリー達は感じた、カチカチと歯が音を立てるのを止められない
するとガラガラと不快な音をソレは出し始めた。その音を聞いた瞬間ハリーが突如、痙攣と共に床に倒れ伏した
ハリーに声をかけようにも目の前の謎の生き物からロンとハーマイオニーは目を離せなかった、すると今まで寝ていた男性が跳び起きるようにソレに杖を差し出し
「ここにはシリウス・ブラックをマントの下に匿っている者などいない、去れ」
男性、リーマス・ルーピンがそう言うも謎の生き物・・・
「『エクスペクト・パトローナム』」
ルーピンがそれより早く『守護霊の呪文』を唱え吹き飛ばす____かのように見えた
いや、実際吹き飛んだのだ。だが飛ばされた先が悪かった
突如、吸魂鬼の先にあるコンパートメントから、ぶっとい腕が伸び、吸魂鬼を掴んだのだ
あまりの光景にリーマスさえもポカーンと見ていると、バキバキとコンパートメントの壁が破壊され__
「ふぁ~、まぁまぁ寝たな・・・」
茶褐色の肌を持つ大男の後ろからウィラが寝ぼけ眼で出て来た
◇
__気温が急激に下がり出し、パキパキと窓が凍り始める
すると寒いのだろうか、ウィラが獣の尻尾に
「・・・アラン、トグサ」
「分かっておる獣殿・・・ふんぬッ!!」
席に座ったまま壁を睨み、アランがその剛腕を振るう。すると菓子でできているかのように頑丈な壁が突き破られ、ナニかを掴んだ
「__ん・・・何だ、煩いぞ・・・」
ウィラが寝ぼけ眼をこすりながら身を起こす。目が痛まぬよう、そっと獣がその手を優しく掴む
「失礼ながら陛下、起きられてください。御身に危険が迫っております」
普段のひょうひょうとした態度がナリを潜め、渡草が真剣な顔で刀の柄に手を伸ばし、いつでも抜けるよう構える
だがウィラは欠伸をしながら渡草の言っていることなど知らんというようにコンパートメントから出て
「ふぁ~、まぁまぁ寝たな___ん?ロンとハーマイオニー?何だ、近かったのか」
まるで何も起こっていないかのようにロン達に手を振る。その間もアランはその手に吸魂鬼を掴み、吸魂鬼はジタバタと暴れている
ようやくソレに気づいたかのように、チラリと視線に入れるやいなや__
「いつまでそんな汚物を掴んでいるつもりだアラン?さっさと
ロン達、とくにルーピンは彼女は何を言ってるんだと耳を疑う。吸魂鬼は殺せない、これは魔法界の常識であり吸魂鬼に対しできることと言えば『守護霊呪文』で追い払うことだけ
「御意」
だがその常識はたった今、覆された。グシャリ__と何かが潰れる音と共に吸魂鬼の首と見られる箇所が握り潰され、ドサリとその場で崩れ落ちる
「(スンスン)黄金の君、2時の方向からもう1匹」
「トグサ」
「御意」
ウィラの言葉に渡草が前へ出る。と共にガラガラと音を立てながら吸魂鬼がまるで仲間の死に怒るかのように渡草の魂を、深層意識の恐怖を呼び起こそうとする
だが相手が悪かった、ソレに恐怖など無い。あるのはただひたすらに斬ると言う常人では理解できない程の渇望
ゆえに嗤う。嬉しそうに、まるで生まれて初めてその感情を知ったかのように
「ひゃ・・・ヒャハハハハ!!あぁそうか、これが恐怖か!!良いなお前・・・なぁ・・・」
ズイっと鼻先が付きそうな程まで距離を詰め__
「お前はどんな切れ味がするんだ?」__チャキ
舌なめずりをしながら渡草が問いを投げかけた瞬間にはすでに吸魂鬼は塵と化していた。まるで初めからそこにはズタボロの布きれしかなかったかのように
「あぁ・・・ヤベェ・・・超気持ちいぃ」
「相変わらず変態だなお前。獣、他には?」
「いますがこの汽車から離れて行っております。全て殺して来ましょうか?」
「いや、いい」ヒュオ!
黄金の獣に断りをいれながらウィラが杖を振るい、『黄金の領域』を汽車の周り、更に上からもう一つ『黄金の領域』を展開する。汽車から離れようとしていた吸魂鬼は結界の狭間に閉じ込められた形となった
「私の眠りを妨げたんだ・・・手ずから殺してやろう」
杖の照準を吸魂鬼の群れに合わせ、放つは魔法界最強にしてウィラ個人最大の消滅呪文
だがそれは放たれることはなかった
「死ね、Dies ir・・・「待った!待ってくれ!!」・・・何だ一体」
杖先に込められた尋常ではない魔力の量に気圧されながらもルーピンがウィラを止めに入る
「もう充分だろう?それ以上は魔法省が黙っていないよウィラトリア陛下」
「それは私が決める、そんなことより・・・」
ヒュっと黄金の獣と渡草が互いに剣と刀をルーピンの首元に突きつけていた
「黄金の君に意見など・・・」
「あぁ、死にてぇのかお前?じゃあ死ねや」
「待て、卿等の怒りはもっとも。しかし彼は今年から教師なのだ、だろ?」
「っ・・・!あぁ、リーマス・ルーピンだ。頼むから彼等を下げてくれないかい?」
「それはキサマ次第だな、先程言った通りお前は教師で私は生徒。だが・・・まだであろう?ならば礼儀を弁えろ」
「・・・拝謁の栄感謝いたします陛下、御身の怒りごもっとも・・・しかしアレ等はアズカバンにて必要な存在なのです。どうか怒りを静めていただきたい」
「まぁよかろう、下がれ」
「「はっ!」」__チャキ
「だが抗議はさせてもらうぞ?この私に穢らわしい者を近づけたのだからな」
「分かりました・・・」
◇
結界を解くと汽車が動き始めた
取りあえずハリー達の様子を見ると、ロンとハー子の顔は青褪め、ハリーは今ようやく起きたようで私の顔を見るや驚いていた(失礼な)
ハリーが席に着いたので私も相席させてもらう。するとルーピンがカバンから板チョコを取り出し、配りだした
「ウィラトリア陛下には・・・必要ですか?」
「敬語はいい、先程は寝起きで機嫌が悪かったんですよ
受け取りながらそう返す・・・うん、偶には安いチョコも美味しいな
ハリー達もチョコを食べ、少し顔色が戻って来た
「アレは何だったんですか?」
額を押さえながらハリーがルーピンに問う
「ディメンター、吸魂鬼だ。あれはアズカバンの看守のものだろう」
続けてルーピンが吸魂鬼の説明をする。アレ等は“アズカバン”の看守であり、人の幸福感や生命力を吸い取る事もある非常に恐ろしい存在だとか。心底どうでもいい、所詮はクソに集るハエと変わらん存在など
「あれが・・・吸魂鬼・・・」
「あぁそうさ、アレ等は滅ぼすことなど不可能・・・のハズなんだけどね」
ルーピンがそこで区切ると私を見て来た、それにつられハリー達も私に視線を向ける
「教えてほしいウィラトリア陛下、何故彼等は吸魂鬼を殺せるんだい?それともこれも貴女の力かな?」
「私は何もしてないよ、剣や刀もただ特殊な錬成で精製された黄金で出来ているだけ」
「では何故・・・」
口元に手をやるルーピンは、ごく普通に知りたいだけのようだ。臨機応変に私への態度を変える所といい中々優秀だな
答え合わせの為、アランとトグサをコンパートメントに入れてやる。彼ならアランの正体も分かることだろう
「大柄な体格に茶褐色の肌・・・まさか!?鬼人か!?」
「ほう、余の正体を見破るとは・・・
「ちょっと待って!ウィラ!?それ本当なの!?」
ハー子が驚いて聞いて来る。ロンとルーピンも同じな所を見るとアレは知れ渡っているのか
「ハーマイオニー、何驚いてるの?」
「ハリー!君知らないのかい!?“エルドラド王国に唯一土を付けた種族”!!40年前エルドラド王国に滅ぼされた種族だよ!!」
「それだけじゃないわ!“鬼人は亜人の中でも最も力が強く、中でも王と言われる存在は山をも動かせる”って本に書いてあったわ!」
「よく知ってるね、でもハリー、彼女達の言う通りだ。・・・もう存在しないものとばかり」
「失敬な奴等だなぁ、こうして余も兵も生きておるわ!たわけが!!」
「そして私達に戦いを挑んだ張本人がコイツだ。ハーマイオニーが言った伝説の鬼人の王がアランだ」
「・・・なるほど、アラン殿は納得した。だが・・・彼は人間だろう?」
「俺かい?自己紹介が遅れたな、渡草だ」
「アジア系?響きからしてジャパン・・・妖怪?」
思わず私もトグサもズッコケた、その考えはなかったな~
「失礼な奴だ、俺は人間だぞ!?」
「だが君は吸魂鬼の影響を受けていなかったろう?ウィラトリア陛下ならまだ納得できる、だが・・・」
「はっ!くだらねぇ。人間に限界なんてねぇのさ、本気を出せよ本気を。そうすりゃ魔法使いだろうが化けモンだろうがドラゴンだろうが簡単に殺せる」
(いや、それで通用するのお前だけだから。マグルが魔法を・・・それもナマクラで普通に斬った時はマジ焦ったぞ!?)
車掌と少し話してくると言い、ルーピンが出て行った。私も着替える為いったん元のコンパートメントに戻った
(アレがリーマス・ルーピンか、『守護霊呪文』といい、結構優秀だし今年は本当に楽しみだ!)
ホグズミート駅に到着し、ホグワーツの敷地に入ろうとした瞬間
「__?何だコレ?陛下ぁ、何か俺、入れねぇですけど」
「“マグル避けの呪文”だトグサ、そういえば卿はマグルであったな__斬れ」
「あいあーい」
ズパァ!__と何かが切り裂かれた音が聴こえ、ホグワーツ周辺を覆っていた
「おまっ!誰が全部斬れと言った!?普通“マグル避け”だけだろう!?」
「俺が悪いわけじゃないッスよ?脆弱な結界が悪いです」
(~っ!これだから
今のままでは衛星からでもホグワーツが見えてしまうので、代わりに私が“マグル避け”を張ろうとすると__自己防衛機能だろうか、再び結界が作動するのが見て取れた
「・・・チッ、人が折角気持ち良く斬ったってのに、無粋な」
「馬鹿言ってないでさっさと敷地に入らんか!!」
幾人かが結界が消えたことに驚き騒いでいたが、ハグリッドが迎えに来て急々とホグワーツに向かっていったので私も着いて行く
途中、ホグワーツに着いたとたん、ハリー達がマクゴガナルに保健室に連れて行かれた。私の方を見てきたが・・・まぁさっきの事だろうな
一応目礼を送り、私は大広間に入る。すると大勢の生徒が私に視線を向けるのだが・・・いい加減慣れてくれても良いじゃないか、私も生徒なのだぞ?
するとツカツカと、てんてー(今日も素晴らしいワカメっぷりです!!)が早歩きで私の下へ来た
「お久しぶりです先生(てんてー)、私に何か用ですか?」
「・・・ありすぎて何から言ったら良いものやら・・・始業式が終わったら校長室へ行けミス・エル・ドラド」
それだけ言い残し、再び来た道を戻っていく。もう少してんてーとお話ししたかったのに・・・
取りあえず私も去年と同じように教職員席に座り、おとなしく組み分けが始まるのを待つことにした
組み分け帽子が去年とは少し違う歌を歌い、『組み分け』が始まった。それにしても10代目黄金も面白い物を作ったものだ、我々エル・ドラド家に伝わる彼の文献とはだいぶ人物像が違うように感じるな
10代目黄金、二人目の偉大なる黄金、カール・エル・ドラド・ゴルドーン・クレーリア。魔法界では父だのなんだの言われているが・・・私達エル・ドラド家から言わせれば彼は・・・
ぼぅっと考え事をしていると組み分けが終わり、ダンブルドアが立ち上がり前へ出た
「新学期おめでとう! 皆にいくつかお知らせがある。1つはとても深刻な問題じゃから、皆がご馳走でぼぅっとなる前に片付けてしまうほうがよかろう」
内容はホグワーツ特急でのこと、ホグワーツが一時的に吸魂鬼を受け入れていること、そしてそれは魔法省からの要望だと私を見ながら言ってきやがった(分かってるっての)
「吸魂鬼たちは学校への入り口という入り口を固めておる。あの者たちがここにいる限り、はっきり言っておくが誰も許可なしに学校を離れてはならんぞ。吸魂鬼は悪戯や変装に引っかかるような代物ではない。透明マントでさえ無駄じゃ。姿現しでもしたら外に出ることは可能じゃろう。だが、ホグワーツでは姿現しは出来んようわしが呪文をかけておる」
ダンブルドアがハリーや双子をしっかり見据えながらそう言う。だが生徒達の視線は私に集中しており、ダンブルドアもまた私の方を見て来た
「先に一年生の為に言っておくが、彼女は皆も知っておる通り、彼のエルドラド王国第79代国王、ウィラ殿じゃ」
紹介されたので立ち上がり、軽く見渡して席に戻る。何人かの生徒がヒソヒソと話しているが・・・まぁこれも汽車でのことだろう
「言い訳やお願いを聞いてもらおうとしても、吸魂鬼は聞く耳を持たん。それじゃから一人ひとりに注意しておくのじゃ。あの者たちが皆に危害を加える口実を与えるでないぞ。絶対に自分から近づいて行ってはいかん。例えどれだけ嫌っていてもじゃ、アレ等は一応イギリスの所有物じゃからのう」
(この野郎・・・完全に私のみに向けての言葉だよな!?ルーピンの奴め、さては話したな?あんなのに頼るから最後の方で裏切られるんだよ)
手をヒラヒラと煽り、早く話を進めろと促す
ダンブルドアがそれを見て、楽しい話に移ろうと話題を変える
「今学期から新任の先生を2人もお迎えすることとなった。まず、ルーピン先生。有り難いことに空席になっている闇の魔術に対する防衛術の担当を引き受けてくださった」
すると至る所から「えぇー」と声が上がった、中には私に続けてやってほしいという声まで上がり、ルーピンは少し苦笑いをしていた
「皆の意見はもっともじゃ、確かにウィラ殿の授業は儂から見ても素晴らしいものじゃった!じゃが彼女もまた皆と同じ生徒、何より去年しかしないとウィラ殿に断言されたからのう」
それでも軽いブーイングが起こる、仕方ないな
「彼の腕は私が保証しよう、汽車で吸魂鬼を追い払うのに彼も一躍担った。何より私はまだ卿等と同じ子供、教えを乞う立場なのだ。ゆえに納得してほしい。なぁに、極東には『三度目の正直』というコトワザがある。校長も3年連続で変な者をいれるわけがなかろう?」
お返しとばかりにダンブルドアを見ながらルーピンを援護する。ダンブルドアは少し苦虫を潰したような顔をしたが、パチパチとまばらな拍手が起こりルーピンは受け入れられたようだ。まぁこれからではあるが、彼が優秀なのは本当だ。もしかしたら『ハリポタシリーズ』の防衛術の教師で一番なのではなかろうか?(あ、てんてーもそういや防衛術の教師やったんだっけ?じゃあてんてーが一番です!!)
そのてんてーもまた、気に食わないという顔でリーマスを睨んでいた。うん・・・流石にこれは彼等の問題だ、私が変に間に入ることもないだろう
そしてもう一人の新任教師はハグリッドだった。魔法生物飼育学の担当であったケトルバーン先生が引退した後を継いだ形らしい
前世の知識で知ってはいたが、つい嬉しくて大きな拍手を贈ってしまう。グリフィンドールや他の寮(スリザリン以外)からも盛大な拍手が彼に贈られた
(でも何人か顔色が悪かったけど、何でだろ?教科書も名前は『怪物の本』と仰々しかったが
そこで話が終わり、食事の時間となった。後ろでアランが欲しそうに見つめて来るのが少しうっとおしかった
「説明してもらうぞウィラ殿」
食事を終え、てんてーに言われた通り校長室に入るとこの一言。相変わらず礼儀をしらないクソジジィだ
「さて、どれのことかなダンブルドア?絶滅したハズの鬼人の王か?吸魂鬼を殺したことか?それとも・・・何故マグルがここにいるのか・・・かな?」
「一つ抜けておる。何故先程“マグル避け”だけでなく全ての防衛結界を破壊したのじゃ?咄嗟に自動修復をかけねば様々な弊害が生まれておった所じゃったぞ」
(あぁそれか、私じゃないのに・・・何だ、何か変なことがあったら全部私の所為か?あぁん?)
取りあえず全部まとめて説明することにした、途中トグサが結界を斬ったと説明すると信じられない顔でダンブルドアがトグサを見ていた
「・・・まさか、トグサ殿の席次は・・・」
「あぁ?第4席次だ。何だ?アルヴィーの姉さんより、ドラゴンより人間が強くちゃいけねぇのか?」
「じゃが・・・いや、リーマスの言っておったことはホントじゃったのか」
少し考えるそぶりをするダンブルドア、そういえば私もアレの件を聞かねば
「ダンブルドア、約束を覚えているか?」
「__?約束とな?」
「『私は
「う・・・む、覚えておる。じゃが・・・あり得んよ、アレ等には決してホグワーツに入らぬよう、儂も魔法省も言っておるからな」
「くはは!卿等風情があり得んとは!良いな、これで今年の楽しみが一つ増えた」
少しズルだが、私はアレ等が必ずホグワーツに入って来ることを知っている
「分かってはいる。だが念のため確認したい。ダンブルドア、この私がいる汽車に吸魂鬼などと言うクソを解き放ったのは・・・」
「儂では無い、今回の件は儂も全てに反対したのじゃ。それもこれも全て・・・」
(おや?シリウス・ブラックの真実を知らないのかな?)
「部屋に戻る前に二つヒントをやろう。お前の知る真実こそが正しいとは限らん、それと太ったハゲ鼠をさっさと捕まえることだ。でなければイギリスの信頼が落ちることになるぞ?」
「どういうことじゃ・・・?」
「くはは、教えを乞うだけでは人は成長せん。ハリーに問いを投げかける前に卿も今一度悩み、苦悩してみるといい」
最後にそう言い放ち、私は久方ぶりのホグワーツの自室へと戻って行った
「なぁ先生、俺、先生の国行ってみたい!」
「いやはやゴドリック、すまないがそれはできんのだよ。私は彼等からすれば裏切り者だ」
「それは・・・何故ですか?」
「おぉ、賢き姫君、ロウェナ。お前でも分からないのかね?私は自ら家族と国を捨て、妹に何の説明も無く王位を継がせ、そして自分はこうして好き勝手にしている」
「・・・もしかしてそれは・・・っ!」
「違うと断言しよう。サラザール、我が愛弟子よ。以前言ったろう?視てしまった、視えてしまった・・・私はこうするしかなかったのだよ。ゆえに私の決定は正しいと言わせてもらおう」
「むに、相変わらず先生の言いたいことよく分からない。舞台役者みたいな言い回しして」
「はは、面白い例えだねヘルガ。まぁ、確かに世界とは一つの舞台とも言えるが」
__あぁ、だからこそ待ってほしい我が女神。私はそう願うことしかできないのだから
(何度も繰り返した、まるで永劫の如くに・・・だが、それも終わりが見えて来た)
「はてさて・・・」
__この世界は当たりかな?ハズレかな?