ハリー・ポッターと黄金の君   作:◯のような赤子

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ちょうどいい所で区切ろうとしたら9000文字超えに・・・orz

それと今回の終盤から数話程シリアスな展開に入ります
(それと同時に某コズミック変質者もどきも頑張ります)



黄金と不吉な預言

__黄金の獣の朝は早い。誰よりも早く起き、主を起こすまでの間に自らの支度と彼女が読む新聞のアイロンがけを行うのだ

それが終われば風呂を沸かし、紅茶の準備をする。そしてようやく彼女が眠る『黄金の間』へと赴く

毎度のことながら緊張すると黄金の獣は思う。あの方に侍る者として身だしなみはキチンとしているだろうか?しっかりと人化の術はできているだろうか?犬臭くないだろうか?等々__30分程時間をかけ、ここでようやく断りをいれると共に部屋に入室する

 

キングサイズの天蓋付きベッドの中央に彼女はいた

布団を蹴飛ばし、大の字で寝る様は子供らしくて愛くるしい。だがその身は幼さの残る少女と成熟していく女性の間にある者特有の禁断の果実を思わせる色気を放っていた。薄いネグリジェから覗く肌の何と艶めかしいことか

普通の男ならばこの場で彼女に襲い掛かっていたところだろう、だが黄金の獣の心にそのような下賤な気持ちは一切沸かず、あるのはただひたすらに歓喜のみだった。このようなお姿を見せていただける程、自分は信頼されているのだと

 

 

「黄金の君、朝でございます。黄金の君」

 

 

軽く身体を揺らすも彼女は起きない、そもそも彼女が揺すっただけで起きたことなど数えるくらいしかない

なのでもう一度だけ声をかけ、軽く揺らす。だがやはり彼女は起きる気配がない。そこまでし終えると、黄金の獣は薄く笑みを浮かべ__

 

 

「黄金の君・・・ごめんっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハリー達が朝食を食べていると、大広間に黄金色の声が響く

 

 

「お前なぁ!毎回毎回叩いて起こしやがって!!私が馬鹿になったらどうしてくれるんだ!?」

 

「ご安心ください。例え御身が馬鹿や阿呆になろうとも、私が貴女様から離れることはございませんので」

 

「そういうことじゃないんだよ!いつも良い笑顔で殴りやがって!!児童虐待で訴えてやる!」

 

 

話を聴いていた者全員が思う。「それ以前に不敬罪じゃないの!?」と

そんな中、ウィラの姿が見えるとともにドラコがウィラに近づく

 

 

「やぁウィラ、休みの間遊びに行けなくてゴメンよ?一緒に朝食でもどうかな?」

 

「やぁドラコ、別に構わんさ。私も急遽クリスマスの予定を変えてスマンな。それと忘れたか?今から私は朝の公務の時間。その後でよければ一緒に食べよう」

 

「あ、ゴメン・・・じゃあ先にこれだけ渡しておくよ」

 

「__?これは?」

 

 

ドラコがウィラに渡そうとし、横からそれを黄金の獣が受け取りウィラに渡す。その様子を見てドラコがしまったという顔をする。王であるウィラに手渡しなど貴族らしくないと気づいたのだ

 

 

「すまない獣殿、それは父上からさ。ウィラに渡してほしいと言われたんだ」

 

「ルシウスから?そうか、ご苦労ドラコ。ではまた後で」

 

 

 

 

 

 

手紙の内容は簡単に言えば謝罪だった。クリスマスに他の聖28一族と共に行こうとしていたが、彼等の足並みが揃わず結局どっちにしろ行けそうになかったと。それと今年はすでに動き始めているため、私にも恥をかかせることは無いといった感じだった。律儀なやっちゃな~

 

終わったのでドラコを呼ぶ、すると他のスリザリン生も私の周りに集まって来た

別に構わないのでそのまま食事を始める

 

 

(そういえばドラコ、髪下ろしてるじゃん。イメチェン?それともデコが広くなったとか・・・w?)

 

 

まぁそれは流石に聞かないでおこう、似合ってはいることだし

色々な話を周りの取り巻きも含め話していると、内容は私の後ろにいるアランとトグサの話になった

 

 

「__じゃあアラン殿があの伝説の鬼人の王!?鬼人なんて初めて見た・・・」

 

「おう坊主、あまりジロジロ見るでないわ。いくらキサマが黄金の君の友とはいえ、礼儀のなっておらんものに余は容赦せん」

 

「まぁまぁ旦那、落ち着けって」

 

「トグサ殿は・・・アジア系かな」

 

「あぁ、日本人だ」

 

「ついでに言えばコイツはマグルだ」

 

 

私の言葉に純血主義が多いスリザリン生達は信じられない顔でトグサを睨んでいた、だがトグサが軽く殺気を放てば誰もが一瞬で冷や汗を浮かべ、顔を逸らし出した

 

 

「ハン、ケンカ売る相手くらい選べやガキ共」

 

「・・・なんかさ、今年の円卓の人っておっかなさすぎない?」

 

「気にするな、むしろコイツ等に目を付けられたらお終いだと思いながら接しろ」

 

 

そこから話題は今イギリスを騒がせているシリウス・ブラックの件になった。彼はもう『叫びの屋敷』にいるのだろうか?

更にそこから汽車での話となり、私を楽しませようとしたのだろうか、ドラコが吸魂鬼に襲われたハリーの真似をし出した。周りのスリザリン生はそれを見て大爆笑しているが・・・何が面白いのだろうか?アレかな、イギリス流のブラックジョークと言うヤツかな?

 

グリフィンドールの席を見てみると、双子やロンがハリーを宥めているようだった。するとハー子と目が合い、口パクで「早く止めなさい!」と言われた。まぁ私も別に面白くもなんともないし、さっさと止めさせるか

 

 

「つまらんぞドラコ、いつから卿は芸人を目指すようになったのだ」

 

「あっ、ゴメン!」

 

「謝る相手が違うだろう?まぁ構わんが、忘れるなよドラコ?人の失態など笑うものではない」

 

 

席を立ちながらドラコにそう言い、今度はグリフィンドール、正確にはハリー達の下へ歩いていった。というのも私の3年生最初の授業は選択科目である『占い学』をグリフィンドールと一緒にするためだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウィラからもハーマイオニーに言ってやってよ!絶対この時間割おかしいって!」

 

 

ロンがそう言いながら私にハー子の時間割を見せてくる。そこには今から、つまり9時から『占い学』『マグル学』『数占い』と計3つもの教科が同じ時間に並べられていた

本来ならロンの言う通り、こんな時間割不可能だ。だがここは魔法界

ハー子の胸元には銀の鎖で繋がれた『逆転時計』(タイムターナー)が見えた

 

『逆転時計』(タイムターナー)__恐らく魔法界でもっとも便利な道具だろう、一度ひっくり返せば一時間、時間を巻き戻したり進めることができる。マグルの世界、つまり科学の世界では今だ『親殺しの理論』すら確立されてないのに、ホントに魔法ってすごい

 

 

「ロン、不可能ではないよ。私はそれを可能にする方法を知っている」

 

 

ロンが聞いてくるがアレはそもそも普通、手に入る物ではない(私?あるけど興味ないし、私の矜持に反するから使うつもりすらない)なのでテキトーに濁す。説明するのが面倒なのだ

 

(だがこれだけはハー子に言わねば)

「ハーマイオニー」

 

「な、なに?」ビクっ

 

「時間など巻き戻すものではないよ、人は前にしか進めない。狂った時の流れの中では正気を保つことすら不可能だ。ソレは早めにマクゴガナルに返せ、身を亡ぼすぞ?」

 

 

ハー子は考えるように俯き「少し考えておくわ」と言って先に歩いていった、あの様子じゃ痛い目にあわないと分からないな

 

 

「・・・あれ?そういえばウィラも確か『マグル学』取ってなかったっけ?」

 

 

そうなのだ。ハリーの言う通り、私は『マグル学』も取ってある。だが私の場合はハー子と事情が違う

 

 

「あぁ、だが私が『占い学』に出るのは今日一回きりだ」

 

「へ?」

 

「怖いもの見たさと言うべきか、そもそも私は占いなどと言う下らん妄想に付き合う主義はない。未来とは私が定め、歩んだ先こそが未来なのだからな」

 

 

 

話しながら教室へ向かう、場所は北塔の一番上

教室は異様な空気・・・というか、何だコレ、臭い。かつてのニンニクターバン野郎(名前?忘れたよ)と比べても良い勝負並みに臭い。獣もなるべく顔に出さないようにしてはいるが辛そうだ

適当な席に座り足を組みながら待っていると、部屋の奥からまぁ人とはここまで胡散臭くなれるのかと問いたくなるほど胡散臭い恰好をした痩せ細った女性、シビル・トロレーニーが現れた

いったん、私の方を見るとその目をギラギラさせたと思ったら視線を外し、生徒達を見渡し始めた

 

 

「占い学へようこそ。あたくしがトレローニー教授です。たぶん、あたくしの姿を見たことがある生徒は少ないでしょうね。学校の俗世の騒がしさの中にしばしば降りて参りますと、あたくしの心眼が曇ってしまいますの」

 

 

まるで自分に酔っているかのような語り口だった。去年の詐欺師と良い勝負だな。そういえばアレはもう死んだかな?できればもっと苦しみ悶えておいてほしいが

 

 

「皆様がお選びになった教科は占い学・・・そう、魔法の学問の中でも一番難しいものですわ・・・初めに、お断りしておきましょう・・・眼力の備わってない方には、あたくしがお教えできる事は殆どありませんのよ。この学問では書物はあるところまでしか教えてくれませんの・・・」

 

 

じゃあ授業しなくて同好会でいいじゃんと思った私は悪くない。ハー子も信じられないと言いたげにこの胡散臭い教師を見ていることだし

 

 

「いかに優れた魔法使いや魔女であっても、派手な音や匂いに優れ、雲隠れに長けていても、未来の神秘の帳を見透かすことはできません。限られた者だけに与えられる天分とも言えましょう。あなた、・・・そう、そこの男の子」

 

 

胡散臭い教師(この時点で私の頭にこの教師の名前は無かった)がネビルを指名した。急に話しかけられた為か、ネビルが驚き、椅子から落ちそうになっている。

 

 

「おばあ様元気?」

 

「え、えぇ、元気だと思います」

 

「そう・・・私が貴方の立場だったら、私はそんなに自信ありげに言えません事よ」

 

 

トレローニーは鼻で笑いながら、首を左右に振った。

 

その後トレローニーは何かを見つけては、「お前はもう死んでいる」「儞已經死了」など宣告をしていった(何故中国語?)本当にコイツはあのトレローニーの曾孫なのか?私は今ある理由で『黄金の瞳』が使えない(・・・・)。だがそれでも分かる、これは無能の類だと

 

生徒達の間を回り、そしてとうとう私の下へやって来た。先程のように目をギラギラと・・・まるで同類をようやく見つけたとでも言わんばかりに

 

 

「お、おぉぉお!お初にお目見えします偉大なる祖を持つ王よ!貴方様は素晴らしい!掛け値無しに素晴らしい!!その瞳はあたくしと同じく全てを見通す瞳!あぁ・・・もっと近くで・・・」

 

 

感涙したかのように目に涙を浮かべ、私の頬に教師が手を添えようとしてくる

だが私はその手を思い切り弾いた、するとまるで何も分かっていないかのように教師がポカーンと私を見て来る

 

 

「触れるな下郎、誰の許しを得てこの私に触れる?そもそもキサマと同じ?同じだと?不愉快だ、帰る」

 

 

“私と同じ”?不愉快だ、あぁ不愉快だ。王である私と自らを比べようなど何たる傲慢か

 

 

「おっ、お待ちを!!」

 

 

必死の声で胡散臭い教師が引き留めてくるので、振り向いて何だと問う

教師は私が飲み干したカップ(獣が淹れてくれたが茶葉が最悪だった)を手に取りワナワナと震え

 

 

「“真の黄金は他に在り”・・・これはどういう意味ですの・・・?」

 

「・・・知らんよ。何だキサマ、我が父が不倫でもしているとでも言いたいのか?二度と私に話しかけるな」

 

 

そう言い捨てて今度こそ教室を後にする。どこまでも私を不快な気持ちにするのが上手い奴だ

 

(あぁそうさ、“真の黄金”など・・・存在しない、必要無い。ウィラ(・・・)は私だ、私だけだ)

 

 

ズクリ__と疼く眼に気づかないかのように私は円卓を引き連れ『マグル学』が行われている教室へと歩いて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午後になったので、グリフィンドールとスリザリン合同の『魔法生物育成学』のある森の入り口にあるハグリッドの小屋へと行く。『マグル学』は中々だったな。今回は最初の授業と言うことで当たり前に話ばかりだったが、教師がちゃんとしていると分かった時点で万々歳だ

 

着くとそこにはすでに伝統の2寮による一触即発の空気が生まれていた。本当に良くコイツ等飽きないな

 

ハリー達が私を見つけ、話しかけようとするが、それよりも早くドラコが話しかけてきた

 

 

「ウィラと授業なんて久しぶりだね、今日はこれだけで良い日になったよ」

 

「クス、何だ急に、口説いているのかドラコ?」

 

「っ!いや!・・・うん、あぁ口説いてるさ。綺麗だよウィラ」

 

(ほぉ、男らしくなったなドラコ!だが・・・甘いな)

「私が美しいのは当たり前だろ?30点。もっと情熱的に・・・愛を耳元で囁いてくれ」

 

 

こんな風にとドラコに近づく。するとそれだけでドラコが顔を真っ赤にして逃げようとするが、それよりも早くドラコの頭に手を添え、唇が耳に触れるか触れないかくらいの距離で囁く

 

 

「何故逃げる?何故恥じるのだ?この程度で何故・・・あぁ卿よ、お前の腕に抱いておくれ・・・私の腰に手を這わせ、折れんばかりに激しく・・・さぁ・・・」

 

「うっ///あっ・・・///」

 

 

身体に力が入らぬとばかりにドラコが倒れ込む。そんな彼のネクタイを掴みグイっと顔を近づける

 

 

「くはは!まだまだだな!私を口説きたければもっと男を磨いてこい、その程度では靡かんよ」

 

 

周りでは女子がキャーキャー言いながら跳ね回って、男子も顔を真っ赤にしながら何人か「踏んでください!!」と言ってきたが・・・なんで?

 

 

「うわぁ、ウィラって結構大胆?」

 

「当たり前だハリー、エルドラドの女を舐めるな」

 

 

ガチャリと小屋のドアが開き、ハグリッドが出て来た。何だかよく分からないと言った感じで私達を見渡し、自分に着いてくるように言ってきた

言われた通りにすると五分くらいだろうか、歩いた先には柵があり、軽い放牧場といった感じの場所があった

 

 

「みんな、ここの柵の周りに集まれ。そーだ、ちゃんと見えるようにな。さーて、イッチ番最初にやるこたぁ、教科書を開くこったな」

 

 

ハンカチを地面に広げ、言われた通り教科書をパラパラとめくる。だが私以外の生徒は誰一人教科書を開いていなかった、すると

 

 

「どうやるんだ?」

 

「あ?」

 

マルフォイが冷ややかな声でハグリッドに問いかけた。

 

「どうやって開ければいいんですかと聞いている」

 

紐でグルグルに縛られた教科書を取り出し、杖で数回叩いている

生徒の中には紐や縄、ベルトなどで雁字搦めにしている者までいた

 

 

「なんだ?誰も教科書を開いてないのか?」

 

 

ハグリッドは落胆したように肩を落とした、何で皆教科書を開くくらいで質問してるんだ?

 

 

「私は開きましたよ先生」

 

「っおぉ!流石ウィラだ!ほれ見ろお前達!ちゃーんと開いとる生徒がいるぞ!」

 

 

ザワっと皆驚いているが・・・え、どゆこと?

 

 

「君、どうやって?その本暴れたり、噛み付いたりしてきたろう!?」

 

「__?何の話だドラコ?買った時からごく普通の本だろ?」

 

 

ちょっと待って!とドラコが本の紐を外し出した。すると「ガウガウ!」と本が急に暴れ出した!

だが私が触ろうとした瞬間、すぐさま大人しくなった

 

 

「・・・えぇー・・・何か久しぶりにウィラの凄さを見たよ」

 

「まぁ私だからな、だから誰も開かなかったのか」

 

 

ドラコと話しながら軽く表紙を撫でていると

 

 

「ウィラが正解だ、あぁして撫でてやりゃよかったんだ」

 

 

私の場合はそれ以前だったのだが・・・

他の皆も私の真似をして撫でる。すると一斉に大人しくなったようだ

 

 

「ハン!本当に愉快な本だな!背表紙を撫でるのか、思いつかなかったよ」

 

「お、俺はこいつらが愉快なやつらだと思ったんだが。」

 

 

最初の自信はどこへやら、少し残念そうにそう言いながらハグリッドは「少し待っちょれ」と言って森の中に入って行き、 しばらくすると十数頭の鷲のような頭と鉤爪と翼に馬のような体をした生物__ヒッポグリフを片手で従えながら帰って来た

 

 

「ヒッポグリフだ!すごいだろ!」

 

 

再び自信満々と言った感じでハグリッドが生徒にヒッポグリフの近くに来るように言う

確かに全員ヒッポグリフの雄々しさと美しさに魅入られているが・・・

 

 

「あー・・・スマンなぁ、お前さんにはちとつまらんかウィラ?」

 

 

そう、私からしてみれば「ふーん」って感じだ。もっと美しいドラゴンや狐を私は知っている。だがこれは『魔法生物』の授業。興味を持ってもらうにはヒッポグリフは最適だ

 

 

「いや、素晴らしい生き物だよハグリッド。卿の授業を受けて正解だった」

 

「っ!おぉそうだろう!そうだろう!じゃあちっと皆、近づいてみぃ」

 

 

ハグリッドがそういうが、その場に居るほとんどの生徒が動こうとはしない。ヒッポグリフの巨大な嘴と鉤爪が怖いのだろう

 

だが私は知らんとばかりに柵へと近付くと、ハリー達も恐る恐る柵へと近づいた

それに釣られるように、複数の生徒も近付いて行った

 

 

「えぇか?まずいっちゃん最初にヒッポグリフについて知らにゃならんことは、コイツ等は誇り高いっちゅうこった。ヒッポグリフは怒りっぽい。絶対侮辱しちゃなんねぇぞ?そんなことしてみろ、それがお前さんたちの最後になるかもしんねぇからな?」

 

 

じゃあ誰か触ってみたいやつは?とハグリッドが言うが誰も挙手しようとしない、しょうがないと私は手も上げずにヒッポグリフに近づくと横から獣が止めようとしてきた、トグサも同じだ(アランだけは平気でニヤニヤしているが)

邪魔だと手を振り、下がらせる。ったく、心配しすぎだ

 

 

「おぉ!じゃあウィラ!えぇか?まずは礼儀正しくお辞儀を・・・」

 

「いらん。おいキサマ等、跪け(・・)

 

 

私がそう言う前に、ヒッポグリフ達が一斉に膝を折り、頭を下げてきた

 

 

「ふぅん、流石にどちらが格上かくらい分かるか」

 

 

全員唖然としている中、一匹のヒッポグリフの嘴と喉を撫でてやる。気持ちよさそうに喉をグルグルと鳴らしている

 

(と言うかコイツ等凄いな、普通の生き物だったら私が近づいたとたん、逃げるか気絶するのに・・・ヤベ、自分で言って悲しくなってきた・・・)

 

 

「あー・・・まぁウィラだからな、うん。背中に乗ってみるか?」

 

「いや、いい。帰った時にどこぞの白トカゲと犬っコロが嫉妬でヒッポグリフを滅ぼしそうだからな」

 

 

チラリと獣を見れば今にも殺さんばかりの嫉妬をヒッポグリフに向けている。おい止めろ!ヒッポグリフが今にも泣きそうだから!!

 

 

私が離れるとハリーがヒッポグリフに近づいていった。しっかりとお辞儀をし、ヒッポグリフもまたお辞儀を返していた

そのまま空を飛ぶハリーを見ながらいったん、獣達の傍に行く

 

 

「おい馬鹿野郎、昨日もちゃんと撫でてやっただろうが」

 

「ですが・・・御身に触れていただけるなど・・・!!」ギリィ!

 

「なぁ旦那ぁ、何で動かなかったんだ?」

 

「そりゃアレ等風情に黄金の君をキズつける度胸など無いからな!どうだトグサ、後で一狩りせんか?ヒッポグリフの肉は美味いぞぉ?」

 

「美味いぞぉ、じゃない。狩りなど許さん」

 

 

急に悲鳴のようなものが聴こえた為、振り向くとドラコが今にもヒッポグリフ(さっきハリーが乗ってたのと同じようだしビッグパークかな)に襲われそうになっていた

 

軽く爪が掠ったようでドラコが何やら喚いている。そこに更にビッグパークが追撃をかけようとしたので一声かける

 

 

「下がれ、命である」

 

 

私の一言にビッグパークが落ち着きを取り戻し、引き下がった

 

 

「助けてウィラ!死んじゃう!僕死んじゃうよぉ!!」

 

(ハァ、少しは男らしくなったと見直したのに)

「死ぬか阿呆が、どうせお前が彼を侮辱したのだろう?」

 

 

私の言葉に耳も貸さず、相も変わらずドラコが喚いている。この程度で死ぬなら私はとうの昔に死んでるっての

 

その後ハグリッドがドラコを軽々担ぎ上げ、保健室へと連れて行った

他の生徒もショックを受けたようで皆、城へと帰って行ったので私も最後にビッグパークを慰めるように撫で、彼等の後を着いていった

 

 

 

 

 

 

 

夕食の時間になってもドラコは姿を現さなかった、他の生徒もハグリッドが退職になるかもと噂話をしていた

どうせダンブルドアが彼を辞めさせるわけが無いと分かっているので、私は早々に部屋へと戻った。何より・・・

 

 

「ふぁぁ~、ねむ・・・」

 

「・・・黄金の君、あまり言いたくないのですが最近休息は取られておいでですか?何か無理をしていませんか?」

 

 

部屋に戻り、トグサ達を追い出し下着姿になったとたん、獣が私にそう言ってきた

 

 

「・・・何も無い、いいから早く風呂に入れてくれ」

 

「・・・御意」

 

 

 

 

 

 

__すでにウツらウツらと船を漕いでいるウィラを何とか風呂にいれ、ネグリジェを着させ、すでに寝ているウィラをベッドに運び、そっと顔にかかる髪の毛を横にやる

 

獣は思う、最近・・・いや、去年『黄金の瞳』が覚醒したあの日から、目に見えてウィラの膨大すぎる魔力の減りが激しすぎると

間違いなく彼女は何かを隠し、そして抑え込んでいる・・・それが何かは分からないが・・・だが何かを抑え、そして戦っている

 

静かに『黄金の間』を出て、外で待っていたトグサとアランを見やる

 

 

「獣殿、陛下は」

 

「もう寝ています」

 

 

そう聞いて二人は何か考えるように唸る。彼等も最近のウィラが何か隠していると気づいていた

 

 

「コチョウがおらんで良かったわい」

 

「だな、姐さんがいたらややこしい事になってたぜ?きっと」

 

 

彼等は考える。マグルである渡草ですら、その気になれば見えることが出来るほどの莫大な量のウィラの魔力__渡草でも気づけるほどにウィラはその魔力を日々消費していた

 

 

「ですが・・・一体何に?」

 

 

そう、そこなのだ。普段からエルドラド王国に遠く離れたイギリスから魔力を送り、国土全域を覆っても枯渇しない程に彼女の魔力は膨大だ

神話の時代から生きる神獣ですら貫くその魔力は今この瞬間、一体どこに向かい、何に使われているのか・・・そして何故それを隠そうとしているのか・・・

 

ふと、獣の脳裏にあの時のウィラが思い浮かぶ

あの時の姿__怯えるただの少女のようだったウィラの姿を思い出すだけで、獣の心臓は張り裂けそうな気持ちに襲われる

今朝もそうだ。静かに、安心した寝顔を見れてどれほど嬉しかったか、どれほど安堵したことか

 

とにかく今は信じ見守ろうと3人は話し、この日は渡草が部屋の護衛として残り解散となった

しかしウィラを誰よりも良く知る獣は分かっていた。彼女は決して弱音を吐かず、自分達のような存在にすら心配をかけまいとする優しい心の持ち主だと・・・ゆえに心配だった、いつか彼女はその優しすぎる心で自らを押し潰してしまわないかと

 

 

 

そして__その心配は最悪の形で現実のものとなる

 




「真偽とは、善悪とは何か?真実とは偽を排除し残ったもの、善とはすなわち悪を滅ぼし最後に残ったもの・・・ゆえにアレを植えた。貴女様は真か?貴女様は是か?まぁ結果どうなろうと私はただ未知を楽しむだけ」


__種は芽を出し、花を咲かせるだろう


「犯せ種よ、腹を突き破れ芽よ、胎盤より生まれ落ちるがいい花よ。肉を貪り彼女の魂を開放せよ。それこそが・・・」


__女神に捧げる(生贄)なのだから___
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