ハリー・ポッターと黄金の君   作:◯のような赤子

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※注意
今回かなりウィラを追い詰めます

というのも“アズカバン”編はほぼウィラの完全覚醒の為の章だからです
そして今回から数話、転生者であるウィラの悩みを解決していくので
ほぼハリー・ポッターとは関係なくなります

それでもよければどうぞ



黄金の落日

__幼い少女が一人膝をかかえ泣いている。部屋には彼女しかいない、幼子が泣いているというのに

だが、それは彼女が望んだことだった。誰にもこの姿を見られたくないからと、父と母ですら少女が日々苦悩し、泣いていることを知らない

ゆえに彼女はただただ泣き続けるのみ

 

 

__ヒッグ、グス・・・ごめんなさい、ごめんなさい・・・っ!私は・・・ウィラは・・・っ!!

 

 

 

 

 

__生まれるべきじゃなかった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・懐かしい夢を見た

幼い頃の私、前世を持ってしまったがゆえに、今の(ウィラ)と知らない(誰か)の狭間で揺れて日々父と母に謝り続け、本当にここに居て良いのだろうかと悩み続けた私・・・

 

今更あんなもの悪夢ですらない。現に汗の一つもかかず、静かに身体を起こすだけだ。だが何故・・・今更あんなものを・・・あれはすでに乗り越えたハズ、なのに・・・

 

 

ズクリ__と眼が痛む。それだけじゃない。『覚醒した黄金の瞳』を抑えつけるために魔力を消費し続けているせいか身体がすごくダルイ

 

 

(駄目だなこれじゃ・・・もう二度と、あんな無様を彼等に晒すわけにはいかない)

 

きっと彼等は私がどれほど無様を晒し、泣き叫ぼうとも私と共にあってくれるだろう。だが駄目だ、それは私が許さない

 

コンコンコン__とノックの音が部屋に響く。まったく、普段なら私はまだ寝ているだろうに。ホント律儀な奴だ

 

 

「失礼します__・・・黄金の君・・・?」

 

「おはよう。なんだ、私だってたまには早起きするさ」

 

 

気付かれないよう、なるべくいつも通りに接する

 

ズクリ__と眼がまるで鼓動を刻むかのように再び疼いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホグワーツに戻って数日、朝食をとるため大広間へ向かう

着いて最近、顔を見ていないドラコを探そうとスリザリンを見るがどこにもいない。いつまで保健室にいるつもりなのだ?

仕方ないので今日はグリフィンドールの席で食べることにした

 

 

「ウィラの言う通りだったね!リーマス・ルーピンは今までで一番マトモな防衛術の教師だよ!授業は面白いし、先生も面白いし!」

 

「ほう?そうかロン、私の授業はつまり面白くなかったと?」

 

「あ、ち、違うよ!?今のはその・・・」

 

「酷いなー(チラ)何かショックで魔法省に圧力かけたくなるなー(チラ)」

 

「ちょ!ウィラが言ったら冗談じゃすまなくなるから止めてよ!!」

 

「そういえば、ウィラって今日が防衛術の授業だっけ?」

 

 

そう、ハリーの言う通り私の3年目初の防衛術の授業は今日これから

本来ならば数日前、ハッフルパフとレイブンクローの2寮合同の際、私も行くはずだったのだがそれは急に中止となった

朝食を食べながらハリーを見やる。恐らくはその前にあったハリー達グリフィンドールのせいだろう

『物真似妖怪ボガート』__名前とは裏腹にこれはかなり厄介な妖怪だ。“一番怖いと思う存在に化ける”。ゆえに大の大人ですら退治するのは意外と困難を極める

 

原作ではハリーにとって、この時期最も怖い存在は『吸魂鬼』となっていた。今話を聞いていてもやはり吸魂鬼にボガートは化けたそうだ

だから私は一人で防衛術の授業を行うこととなった。吸魂鬼ですら恐れずドラゴンすら使役する私の恐怖するものなど、普通の生徒では精神が耐えられないと判断したのだろう。・・・心外だな、この私に恐怖などあるはずも無いのに

 

 

「・・・ねぇウィラ?最近何だか元気が無いように見えるけど・・・大丈夫?何か忙しいの?」

 

 

・・・ハー子にまで心配される程、今の私は疲れきっているのだろうか。後ろを軽く見れば獣達が私を見据え頷いてきた・・・もう少しうまく隠せていると思ったのに

 

 

「あぁ、大丈夫さハーマイオニー。少し・・・最近、眠りが浅くてな」

 

「そうなの?無理だけはしないでね?」

 

「ありがとう。さ、もうすぐ授業だ」

 

 

 

 

 

ハリー達と別れ、いったん私はトイレに行き、顔を洗おうと思った

 

洗面台の蛇口をひねれば勢いよく水が流れ、手で受け顔を洗い流す

 

 

「・・・酷い顔だ・・・」

 

 

鏡を見れば私がいた。肌の色は前よりも白く、眼もどこか虚ろに見える・・・これじゃあ心配されて当然だな

早く戻ろう、あの心配性な犬っコロが待っていると思い、一度目を瞑り鏡を見ると____

 

 

__“もう少しでそこに・・・”

 

「っ!?」

 

 

ナニカが映った・・・ここには私しかいないのに、私じゃない・・・まるで影法師のようなナニカが私を見て笑ったような気がした

 

もう一度鏡を見るも・・・やはりそこには私しか映っていなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

教室の中では一人の男性__リーマス・ルーピンがガタガタと揺れるタンスの前で緊張していた

 

数日前、ハリーが“物真似妖怪ボガート”を“吸魂鬼”に変えてしまったのを見て、もし彼女が何か恐れるものがあれば、それはもはや生徒を助けながら対処できる代物ではないだろうと思ったのだ

その証拠に、ダンブルドアにウィラのことを聞き出してみれば、まぁ何と恐ろしいことか

 

 

(・・・黄金の君が代々円卓を作り出すことは知っているが・・・彼女の円卓はあまりにも異常だ)

 

 

“世界最古の屋敷僕”“ブリテンの白き龍”“史上最悪の吸血鬼”“鬼人の王”__他にもあのエルドラド王国で最強の名を勝ち取った“魔法剣士”・・・そんな化け物共を差し置いて4席にいる日本人・・・彼など吸魂鬼を切り捨てた

その更に上にいるまだ連れて来たことがないという第3席・・・そして“黄金の獣”

 

そんな連中が心底心酔する彼女が想像する『恐ろしいもの』?

 

 

「・・・本来なら彼女にこの授業を受けさせないほうがいいのだろう。だが・・・」

 

 

それでは彼女だけを特別扱いしてしまう。確かに彼女は特別だ、それは間違いない

しかしそれでも彼女は生徒(・・)なのだ。自分の時のように何の罪も無いのに受けられない授業などあってはならない___これがリーマスの考えだ

 

 

コンコンコン_とノックの音が聴こえると同時にドアが開く

リーマスが顔を上げると彼女がいた

 

 

「では先生、今日はよろしくお願いします」

 

 

 

 

 

 

顔色が悪いと言われた、だがそれを無視する

何かあったのかと聞かれた、だから何も無いと言ってドアを開けるように言う

 

珍しく私の命令に渋々といった感じで獣がドアを開け、その中に入り

 

 

「では先生、今日はよろしくお願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「__今日はすまないねウィラ陛下、ちょっとこちらで問題があったんだ」

 

 

一つポツンとある席に座るとリーマスが私にまず謝ってきた

 

 

「構いませんよ、それと陛下はいりません。今の私はただの生徒ですから」

 

「・・・分かったよウィラ。さて、先程からガタガタ煩いこのタンスの中には何が入っているかな?」

 

「“物真似妖怪ボガート”。人がもっとも恐怖する存在に化け、誰もボガート自身の姿を知らず、また見たこともない」

 

「流石だね、君に点をあげれないのが残念でならないよ。では撃退する呪文は?」

 

「『リディクラウス』(馬鹿馬鹿しい)」

 

「素晴らしい!ハーマイオニーでも呪文までは知らなかったよ!」

 

 

恐らくハー子なら知ってはいたが先生に花をあげたと言った感じだろう。幼い頃、私の教師をした者に習い終わった後、教科書の間違いとその教師の説明の間違った箇所を10個程上げたら泣いて次の日から来なくなった事もあったからな、きっとそんな感じだろう

 

それじゃあ始めようと言ってリーマスがタンスの蓋に手をかける。私はいつものようにとくに構えもせず、ただ見据える

 

 

「準備はいいかい?」と少し緊張した面持ちでリーマスがこちらを見て来るので

 

 

「問題ない、そもそも卿は一つ勘違いしている」

 

「__?勘違い?」

 

「この黄金に恐怖など存在せん。卿は幸運だ、なにせボガートの真の姿を初めて見る魔法使いとなるのだから」

 

「それは確かに幸運だね、では・・・っ!」

 

 

__ギィ・・・___

 

 

 

 

 

 

 

リーマスがタンスの鍵を開けると同時に・・・

 

 

 

__パシャっ____

 

 

 

 

タンスの中からドス黒い水や泥水のようなものが溢れ出る

 

 

「・・・これは・・・?」

 

「ハン、何だこれは?これがボガートの正体__・・・っ!?」

 

 

ウィラがまさに馬鹿馬鹿しいと言った感じで杖を振るおうとした瞬間、ボコボコとその黒い泥水が泡を立てながらナニカの形を作って行く

そのまま泥を撒き散らして浮上、腐臭に似た匂いと共に・・・ソレ(・・)はとうとう彼女の前に現れた

 

 

「・・・ぁ・・・あぁっ・・・!」

 

 

その場の誰もが言葉が出なかった、そのボガートが化けた存在があまりにあり得ないがゆえに

 

まるで黄金比率(・・・・)に彩られた四肢を見せつけるように、その身には何も纏わず局部をただ泥のような何かで隠しているだけ

ボタボタと落ちる泥の間からは眩しすぎる程に輝く黄金色の髪(・・・・・)が見え隠れする

そして・・・ソレが閉じていた瞼を開ければそこには__

 

___黄金色に輝く瞳(・・・・・・・)が____間違いない

 

ボガートが化けた存在(モノ)・・・それはウィラそのものだった

 

 

まるで汚泥の中に咲く美しき蓮の花のような印象を受けながらも優秀なリーマスの頭は目の前の光景に疑問を持つ。何故ウィラが自分(ウィラ)を恐れるのかと

だが__その疑問はソレが口を開いた瞬間に解消される

 

 

『・・・あぁ・・・ようやく会えたわ・・・このドロボウ』

 

 

何故ソレがウィラをドロボウと言ったのか・・・だが、今のリーマスにそんな考えをする余裕はない

 

 

(な・・・んだこれは・・・何なんだ!?)__ゾクゾクゾク

 

 

ただひたすらに不快だった、その声を聴いた耳を今すぐ切り落としたくなるほどに気持ち悪かった

 

それは部屋の隅で待機していた獣達も同じだ、まるで頭の中を鋸で削られるかのような印象を与える声だった

そんな存在に話しかけられるウィラはというと__

 

 

「あ・・・りえない・・・ありえない・・・っ!」

 

 

顔は更に白くなり、もはや死人のようだった。滂沱の汗を流し、唇はカタカタと震えている

 

 

『ありえない?ありえないのは貴女の方でしょう?異物のクセして、要らない存在のクセして・・・ねぇ、私から奪ったそこ(・・)(ウィラ)はそんなに良かった?』

 

 

クスクスと眼を細めながら口元に手をやる様のなんと妖艶なことだろうか

ズチュリ__と一歩、また一歩とウィラに近づく

その歩みを見たウィラは・・・

 

 

『取り戻しにきたの、奪われたモノ全てを!パパとママに愛されて良いのは私!お前の居場所なんか初めから無いの!!』

 

「ぅぁ・・・ちが・・・」

 

 

一歩、また一歩・・・後ろへ下がっていた(・・・・・・)。どんな相手にも不遜な態度を崩さず、ドラゴンにすら勇猛果敢に挑んだ彼女が、目の前の存在にただの少女のように怯え、その目には涙さえ浮かべ自身の身体を抱きしめていた

その様子がただ事では無く、この存在こそが最近のウィラを苦しめていた元凶だと察する円卓は__しかし、この場を支配する形容し難い雰囲気に動けないでいた。それはリーマスも同じだ

 

 

『苦しかった・・・いくら叫んでもパパとママは私に気づかずお前を“ウィラ”と呼んで・・・ずっとお前に閉じ込められて・・・でもそれも今日でお終い!』

 

 

嬉しそうに声を上げるソレを、しかしウィラは相変わらず怯えた眼で見るだけ

だが、それも次の言葉を聞くまでは

 

 

『仮初とはいえ、こうして身体を手に入れた!声を手に入れた!!これでパパとママに抱きしめてもらえる!愛してもらえる!もう・・・お前みたいな偽物はいらない!!』

 

 

クルクルと嬉しそうに回りながらバシャバシャと腐臭漂う汚泥を撒き散らすソレ

回る度に局部が見え隠れするが、この場の誰もがただ嫌悪の表情を浮かべ、顔をしかめ、逸らす

 

途中、ピチャリと跳ねた汚泥がウィラの美しすぎる顔に着き、ツーっと垂れる

するとピクリ__とウィラの身体が動き

 

 

「・・・今・・・何と言った・・・」

 

『うん?だからぁ~パパとママに会って愛してる!って伝えて・・・』

 

「っ!!ふざけるなぁぁあああ!!!」

 

 

杖を振り抜き、唱えるは最悪にして不可避の死

 

 

「『アバダケダバラァァアアア!!!』」

 

 

金色の光が杖より放たれ、その泥に塗れた妖艶な身体に当たる

 

 

「ウィラは私だ!!ウィラの父と母だ!!お前のような生まれることすら無かった存在が!ウィラの存在を否定するなぁ!!」

 

 

肩で息をしながらも、杖を力強く握り、泥だらけのソレを今度はウィラが否定する

『アバダケダバラ』__それの与える効果は“死”

だが・・・

 

 

『・・・あはっ!あははは!!効くわけないじゃない!この身は『黄金』!!偽物風情の呪文がこの『黄金の血の守り』を突破できるわけがないじゃない!』

 

 

その言葉を聞いて今度はウィラが駆け出す。左手に杖を持ち替え、右手を前へと出し

 

 

「我が声を聴け!!この身は騎士の頂点たる騎士団長なり!!我が身こそが真なる黄金である証をここに!!」

 

 

黄金に輝く波紋の中から、金色に輝く剣を召喚。そのままソレに斬りかかる

 

 

『っ!?グァっ!?』

 

 

ズパリと切り裂かれ、しかしその身から流れ出るは血では無く泥。黒く粘りつく泥を巻き上げ、苦悶の表情を晒す

 

 

「消えろ消えろ!!私の前から!私の中から!!ここはウィラの居場所だ!!ここが・・・ここがぁァァアアア!!」

 

 

そのままソレを押し倒し、馬乗りになりながら、泥を何度も何度もその身に浴びながら切り付けウィラはただひたすら慟哭する

「ここが私の場所だ」「消えろ」と__

 

 

『グッ、ギィ!?・・・キヒっ、キャハハハハハ!!!おバカさん!今の私はお前の恐怖そのもの!!いくら斬ろうが殺そうが、お前が自分を異物(・・)と認めている限り私が消えるわけがない!!』

 

 

肩から切り裂かれる__が、泥が溢れ元に戻る

腹を、心臓に突き立てられる__が、相も変わらずソレはただ嗤うだけ

 

 

「ア゛ァァアアアア゛!!!!」

 

 

 

 

 

黄金の獣は、いや、黄金の獣だからこそ、それに気づいた

泥に塗れたソレに、ウィラが剣を突き立てる度にウィラの魂がまるで泥に飲まれていくかの如く、汚れていく様に

 

 

(馬鹿な・・・あり得ない・・・!?)

 

 

もし魂の色を見ることができる者がいれば、普段のウィラのその魂に驚愕することだろう

その色は“黄金”。メッキのような張り付けたモノではなく、ウィラの魂はその芯までもが黄金色なのだ

その身はいつか老い果てることは分かっている。だがその魂は未来永劫色あせることだけは断じてない

 

その魂が黒ずんでいく・・・どんな魔法や呪いさえ決して受け付けないその至高の魂が

 

 

「トグサ!!アラン!!」

 

 

恐れが獣の身体を動かし、その言葉が今まで動けないでいたトグサとアランを動かす

 

 

「っ!おう!!」 「うむ!!」

 

 

獣の言葉に動き出すトグサとアラン

獣も動こうと主君を見た時____獣の封印の一つが悲鳴を上げた

 

 

そこには今だ剣を心臓に突き立てられながらも嗤うナニカ・・・そしてそのナニカに首を絞められ苦悶の表情を漏らすウィラ

 

 

「か・・・カハっ!?」__ギリギリ

 

『死ね!死んでしまえ!!ここには私だけあればいい!!』__ググッ

 

 

 

「__うぉぉおおお!!」

 

 

そんな泥にアランはその剛腕を突き立てる

主君と同じ・・・しかし違う顔を思い切り殴りつける

 

壁にバチャリと不快な音を立てながら

 

 

『__不愉快ね、ホントの主は私。この私なの。ねぇ、何故そんなモノを・・・』

 

 

泥に塗れたソレの言葉は続かない、目の前にソレ以上の狂気がすでに刀を抜いて構えていたからだ

 

 

「不斬流__斬り斬り舞!!」ヒュボ!!

 

 

一度で何度も切り付けるという矛盾を渡草はその狂気をもっていとも簡単に行ってみせる

“どんなものも全て斬りたい”__その思いと共に

 

 

『__あぁ、もう!邪魔、邪魔なのよ!!それを殺した後でいくらでも付き合ってあげるし、私の円卓に加えてあげるから!』

 

 

だが死なない、ソレはウィラが恐れる限り消えない、永久不滅の存在・・・その様はまるで神の如く

ゆえに・・・(黄金の獣)がついに動く

 

 

「邪魔なのはキサマだ!!よくも私のウィラ様に・・・ッ!!ウィラトリア様の肌に触れたなぁぁあ!!」

 

 

ザワザワと毛が逆立ち、その黄金とまで形容される美男子の顔が変化し、まるで狼男が如くになる

そしてそのまま__

 

 

『ガルァ!!』

 

 

ソレの喉元に“神殺し”の力が宿った牙を突き立てる、どんな毒よりもどんな呪いよりも強力な主神ですら耐えられない牙は__確かにソレにも効果を及ぼした

 

 

『ア゛ァァァア゛!?な・・・ぜ・・・私が・・・本物・・・なのに・・・っ!!』

 

『消え失せろ!!我が主の下から、我等の前から!!我が身、我が魂まで全ては至高の君たるウィラトリア様の物!!断じてキサマのような穢れた存在がウィラトリア様であるものか!!』

 

『ガ・・・ハ・・・いいわ・・・どうせもうソレはお終い!もう駄目、耐えられない!その時こそ・・・私は(ウィラ)にn・・・』

 

 

聞くに堪えないといった感じで更に牙を深く突き立て、そのままゴキリと頸椎を捻り砕く

するとソレは姿を消し、そのままタンスの中へと消えていった

 

それを見届けると今まで動けず、息をすることすら忘れていたリーマスが

 

 

「ハァ、ハァ・・・何なんだ今のは・・・獣殿は『狼男』なのか・・・?」

 

「キサマ風情と一緒にするな、そんなことよりウィラトリア様は・・・っ!?」

 

 

黄金の獣の獣が振り向こうとすると、ゴトリ__と何かが崩れ落ちる音が聴こえた

 

 

「ッ!黄金の君ィ!!」

 

 

ウィラはその身を縮こませ、その場で蹲っていた

カタカタと手で口元を抑え、瞬きすらせず瞳孔を開き、涙を流していた

コヒュー、ヒュー、と過呼吸になりながらも__

 

 

「ちがう・・・ウィラはウィラ・・・ウィラなんだから・・・私がウィラなの、ウィラじゃないといけないの・・・」ブツブツ__カタカタ

 

 

 

まるで自分に言い聞かせるように、ただひたすら自らの名を呼んでいた

 




何故ウィラがこれほどまでに精神的にボロボロに
そして何故ここまで自分という存在に拘るのかは次回詳しく
説明したいと思います
(ちょっとイジメ過ぎたかな・・・)
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