ハリー・ポッターと黄金の君   作:◯のような赤子

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今回は軽い閑話のようなものです
ホグワーツの休日となっています

他者目線から見たウィラを主題においた話をお楽しみください




黄金がいる風景

ダフネ・グリーングラス

その名はイギリス魔法界において、『聖28一族』として有名であり、ダフネ自身もまた社交界では家名関係無く有名だ

 

あどけない少女でありながら、洗練された仕草は男を惑わすまさに魔女

数多の男に言い寄られても、決して首を縦に振らず、逆に相手をフることに悦を感じていた

思わずといった顔を見るのが楽しくて、彼女はどんどん我儘に、表には出さずとも高飛車な性格になっていくのは仕方なかった

 

ダフネ・グリーングラスは自分こそが世界で最も幸せで美しく、手に入らぬものなど無いと感じていた。事実手に入らぬものや、彼女のお願いを聞かぬ者などいなかったのだ___あの日までは

 

 

ヨーロッパ魔法界の王族エル・ドラド家。その中で自分と同じ歳でありながら王位を受け継いだ、現国王“黄金の君”がホグワーツに入学した

 

初めは「だからどうした?」と思った。所詮は他国の王、自分より綺麗な女など存在しないし、もしそんな者がいれば、少しお願いして痛い目(・・・)にあってもらおうとさえ考えていた

だがそれは、一目彼女を見た瞬間から消え去った

 

 

 

「___ん」

 

 

懐かしい夢を見た。起床してまず最初に思ったことがそれだ

 

 

「おはようございます、ダフネ様」

 

 

ルームメイト・・・まぁ、半純血ですらない『穢れた血』だと知り、自分の立場を教え込んだ後召使いにした彼女に朝の挨拶をされる

 

 

「おはよう、今何時?」

 

「朝の10時ですダフネ様」

 

 

聞きながらも返事はせず、身体を起こし髪を梳かせる

初めは『穢れた血』などと同じ部屋にしたホグワーツの教師を恨んだが、そもそもこのホグワーツには召使いを連れてくることができず、自分で身の支度など貴族として恥だと思っていたダフネは嫌々我慢しながら、初めは彼女に手入れをさせていた。だが今では調教したかいあって、そこそこ上手に奉仕できるようになっていた

 

 

(そう考えると・・・やはりあの方は特別ですわ)

 

 

創設者達自らが用意した部屋、騎士を連れ、あの今世紀最大の魔法使いでさえ、おいそれと話しかけることが出来ない相手

 

 

「もう結構。これから私、用事がありますので」

 

「用事・・・ですか?」

 

「えぇ、お茶会(・・・)にお呼ばれしたの」

 

 

“お茶会に呼ばれた”__その言葉を聞いた瞬間、この『穢れた血』の表情に憧れと憧憬、嫉妬が浮かんだのを見てダフネはほくそ笑む。「あぁそうだ、やはり自分は特別なのだ」と再認識して

 

 

「何?その顔、まだ足りないのかしら・・・」

 

「っ!?お、お許しください!!」

 

 

床に頭を付けた彼女を、ダフネは見降ろしその頭を踏みつける

 

 

「分かればいいの、分かれば」ニッコリ

 

 

「戻るまでに片付けよろしく」と言って、ダフネは庭園を目指す

 

 

 

 

 

 

 

(かぐわ)しい匂いが鼻孔を刺激する。一口飲めば「あぁ、今まで自分が飲んでいた茶葉は腐っていたのか」とつい感じてしまう。それはこの場に呼ばれた他のスリザリン、つまり貴族の出の者もそうだ、皆一様に物思いにふけこんでいる___彼女、このお茶会の主賓にして、“黄金の中の黄金”と名高いウィラを除いて

 

 

「くはは!たかだか紅茶ではないか、それに淹れ手は三流・・・おい獣、不味いぞこれ」

 

 

一口飲んで、すぐ捨てたウィラを見て「何ともったいない!」と声をかけた者はしょうがないだろう。その茶葉は彼のイギリス王室が好んで飲み、貴族ですら入手困難なソレを不味いとウィラは捨てたのだ

 

 

「も、申し訳ありません黄金の君!今一度、チャンスをなにとぞ・・・!」

 

 

絶世の美男子と言う言葉すら(ぬる)く、これまた“黄金”としか言いようがない男性が冷や汗を掻きながら彼女に謝る

彼こそは彼のエル・ドラド家が代々築く『黄金円卓』。その中で最強の者だけが名乗ることが許される『黄金の獣』

紅茶を淹れる為に、真剣な表情はこの場の淑女を皆ウットリとさせ、まだ少女であるダフネですら、その腕に抱かれたいと夢見てしまう

 

 

「___やはり不味い、シャドウをこの場に連れてくればよかった」

 

 

これほど美味しい紅茶を飲んだのは初めてなのに、彼女はこれですら不味いと断ずる

 

 

(あぁ・・・やはり貴族といえど、王族こそが特別なのですわ・・・)

 

 

そう思い、自分はまだこの場で何も発言していないとダフネは軽く焦る

こういう場__つまり上流階級集まる場では、いかに発言し、どれほど力を見せつけるかどうかこそが重要だ

 

 

「まぁ!シャドウ様はこれ以上に?」

 

 

ダフネのその一言に、この場に呼ばれた者はようやくダフネの考えに気づいたのだろう。急いで続こうとするが、すでに遅い

 

 

「あぁ、私が言うのも何だが、彼の淹れた紅茶はエリー、つまり卿等のイギリス女王ですら絶賛するものでな。困ったことにシャドウが淹れた物を飲んでしまっては、もはやその他は飲めなくなる」

 

 

饒舌に語り出すウィラを見て、ダフネは内心笑みを溢す

貴族も王族も、上に立つ者は自分の所有物の自慢が好きだと彼女は知っていたのだ。その証拠にウィラは機嫌良くシャドウの自慢話を始める

 

 

「我がエル・ドラド家の歴史書にも書いてある。シャドウこそが我等エル・ドラド家の真の宝であると。同意見だ、彼には今も世話になりっぱなしだ」

 

「流石は最古の屋敷僕ですわ、イギリスでもシャドウさんは有名ですのよ?」

 

 

シャドウ__その名は事実、イギリスのみではなく、ヨーロッパ全土にウィラと同じく名を轟かせている

1500年以上の時を生き、あの初代よりエル・ドラド家に仕える生き字引。唯一初代黄金を知る彼は、しかしそれで有名なのではない

欲しいのだ誰もが。珍しい物を欲しがる上流階級にとって、シャドウはまさにエル・ドラド家が所有する宝・・・奪うことはそれ即ち、エル・ドラド家の上に立つことと同意

 

 

「いいなぁ・・・ねぇウィラさん、私のとこの屋敷僕と少しの間交換しない(・・・・・)?」

 

 

身の程を弁えぬ馬鹿が。とダフネは内心罵倒する。折角自分が温めた空気をこの馬鹿はぶち壊したのだ、その証拠に

 

 

「おい、キサマ今シャドウを物扱い(・・・)したな?この私でさえ彼には敬意を持って接するというのに・・・何様だ?キサマ」

 

 

先程喋った生徒に氷点下の表情を浴びせかけていた。された女生徒は先程と打って変わりカタカタと震えている

ゴクリ__とダフネは喉を鳴らす。ここが正念場だと

 

 

「ウィラ様、この者も少々浮かれていたのですわ。それも仕方ありません。だって貴女様にこうして呼ばれる機会をワタクシ達、ずっと待っていましたもの」

 

 

黄金の双眸がダフネを睨む。それだけでダフネの心臓は生きて来た中で最大限の警鐘を鳴らし、手は汗でベッタリと濡れていた

 

だが彼女は勝った

 

 

「・・・次は無い。まぁ許せ、それほどシャドウが我がエル・ドラド家にとって大切であるということだ」

 

 

他から見れば、こう見えるだろう。“ダフネの陳謝でウィラは許したのだ”と

この話は噂好きの社交界でも有名となり、しいてはグリーングラス家・・・ダフネに逆らう愚者は更に減ることを意味していた

 

 

(ありがとう馬鹿!おかげ様でこの方に更に顔と名を売る事ができましたわ!)

 

 

他の者はそんなダフネを羨み、同時に妬んだ。恨み妬みは貴族の間ではごく当たり前のこと。しかし王は何も気にせず再び紅茶を含み__

 

 

「あぁ・・・やはり不味いな(・・・)

 

 

貴族達の貶め合いはまだ続く___

 

 

 

 

 

 

突然だった

 

 

「陛下から軽く話は聞いていましたが・・・これはこれは、才ある者が勿体無い」

 

 

声のした方を振り向けば、そこにいたのは世の女性全てが放っておけるハズがない色気を放つ男性がいた。続けてあの人はこう言った

 

__自分がどこまでいけるか試してみないか?____それが僕、セドリック・ディゴリーの人生を変えた師、ニーゲンベルグ先生との出会いだった

 

 

 

 

「よ、よろしくお願いしますッ!!」

 

「おう、チャチャっとやろうか」

 

 

初めは魔法すら使わせてもらえなかった。今の実力を見てやると模擬戦をした時、僕は文字通り手も足も出なかった。先生が杖を抜いた瞬間気絶したからね

だから去年の初めはひたすら身体を鍛えさせられた。先生曰く「何故イギリスの魔法使いは武器である杖を無くした場合を考えないのか・・・戦いの基本は格闘です」とのこと

杖を使い出しても厳しかった。「振るのが遅い、それでは殺してくれと言っているようなものだ」「嫌なら今すぐ言いなさい。やる気の無い者に手ほどきなど、これほど意味の無いことはない」と

何度も疑問に思った、何故僕なんだ?と

きっと先生は僕がもう嫌だと言っても止めもしないし、理由を聞いても答えてくれない(それくらいは分かるようになった)

実際僕がされた仕打ちを聞かれれば、父は間違いなく彼女の国に抗議するだろうし、友達も皆止めろと言ってくれるだろう。でも・・・

 

__大切な者はいますか?世界は優しく、そして残酷です。正義を謳う為に必要なのは折れない精神と力____

 

 

だから僕も聞いた。「貴方にもあるのですか?」と

 

 

 

去年、エルドラド王国に先生が帰ったあとも言われたことはし続けた(勿論父と母には黙って)今日はそのお披露目だ。相手は先生・・・ではなく

 

 

魔法を放つ__斬られる

防御魔法を張る__斬られる

 

だがそれはしょうがない、相手はニーゲンベルグ先生をして“理不尽の権化”と言われたトグサさんだ(その証拠にトグサさんが握ってるのはその辺で拾った木の棒だ)

 

 

「ハァ・・・ハァ・・・!」

 

「おいおいおい、何だこの(ぬる)い魔法は。どうして本気を出さないんだぁ?アイツみたいに輝けよ」

 

 

本気だと言い返した、これが今の僕が出来る本気だと

 

 

「そうじゃねぇよタコ、限界なんて誰が決めて良いっつった?本気だよ本気。本気を出せば人間に不可能なんざねぇんだよ」

 

 

その気になれば俺のようなマグルだって魔法を斬れるし、本気になれば誰だってドラゴンの1匹や2匹殺せると聞いて僕は思う。「いやその考えはおかしい」と

 

仰向けに倒れ、荒く息を吐いていると__聞き逃せない発言を聞いた

 

 

「ニールの弟子っつうから期待したが・・・興ざめだな。手前みたいなモンが弟子じゃアイツの価値も下がるってモンだ」

 

 

僕は他人(ひと)からよく温厚な人間だと言われる。僕自身、身を焦がすような怒りなど抱いたことがなかった

でも・・・今の発言だけは許せない・・・っ!!

憧れたんだあの人に。ただ相手を倒すのではなく、目的無き力などただの暴力と教えてくれた。本当の騎士である・・・僕が初めて尊敬し、憧れた先生を___ッ!!

 

 

「馬鹿にするなぁぁあああ!!!」

 

 

杖__ではない

身体を起こし、そのままの勢いでタックルをかます

 

 

「合格だ。ンだよ、本気出せんじゃねぇか」

 

 

その言葉を聞いた次の瞬間、鈍痛が頭部を襲い、僕は気絶した___

 

 

 

 

 

初めはただカッコイイと思った

優雅な振舞いや佇まい、大切な者をただひたすら守ろうとするその生き様に憧れた

 

次第に憧れは変わり、あの人に教えてもらえることが嬉しくなった

言葉には決して出してくれないが、出された課題をクリアした時の優しい眼差しを間違えたりしない

 

だから僕は____

 

 

「・・・つつ・・・」

 

 

再び仰向けに倒れていた。今更ながら、生徒から教師まで、誰一人僕が倒れていたことには気付いていなかった。それは何故か?

 

 

「当たり前だ。卿が相手したのはこの私の円卓の騎士だぞ?」

 

 

彼女__ウィラさんが『認識阻害魔法』をずっと張っていてくれていたのだ

 

まだ動けない僕の隣にウィラさんが座り込む。王族が地べたに座るなど、これは意外にもトンデモ無いことでは?と頭が変な方向に回り出す

 

 

「・・・本当に強いねトグサさん。魔法を斬るだなんて理解できないや」

 

「だろうな。この私とてそれをやられた口だ」

 

 

だからアレは今の席次にいる。と聞いて顔だけを、今はアランさんと軽い殺し合いをしている先生曰く「理解できたらその瞬間トンチキの仲間入り決定」とまで言わせたトグサさんへ向ける

 

 

「あれが・・・先生でも勝てない相手・・・“人間の極致”かぁ・・・」

 

「あぁ、アレ以上に強い人間なんぞ私は知らん。アルヴィーと席次をかけた決闘など凄かったぞ?ドラゴンのブレスを真っ二つにしたからな」

 

「・・・本当に人間なの?まだ剣の妖精のほうが納得できるけど」

 

「魔法のまの字も使えん正真正銘のマグルだ。もしジャパンに行ってもアイツの名前だけは出すな。鬼使いや陰陽師などの化け物連中がアイツの居場所を今だに探してるからな」

 

「・・・今の聞かなかったことに」

 

 

風が軽く吹き、互いに気持ち良さに目を細め無言になる

風を浴び、その金の髪を靡かせるウィラさんはそれだけで絵画になるくらい綺麗だった

 

 

「突然ニールが卿を鍛えたいと言った時はビックリしたぞ?アレは才を見る目だけは確かだからな、だが驚いたのはそこではない」

 

「・・・」

 

「クディッチの練習に、ニールの言いつけ・・・大変だなセドリック。何故卿はそこまで頑張る?何が卿をそこまで振るい立たせる?」

 

 

その言葉は純粋な疑問だった、上流階級特有の嘲りや上から目線ではなく

 

 

「・・・憧れたんだ、先生に。だって・・・カッコイイじゃないか」

 

「・・・それだけ?」

 

「うん。僕だって男なんだ。これだけの理由でも、こうしてキズだらけになる理由には充分だよ」

 

 

それに・・・知りたい

 

 

__私にとって大切な者、それは陛下をおいて他なりません。あの方の傍にいられることこそ我が望み、その全て。死してなお、陛下に仕える為に・・・私はこうして剣を取るのですよ___

 

 

誰かの為に。正義の為ではなく、たった一人の為に

先生の名を調べたら驚いた。だってあの人、イギリスのみならずオーストリアから至る王族のロイヤルガードに誘われてた人だったんだ!

 

求めたものは地位や名誉ではなく騎士道__それはどんな生き方で、どんな景色が見えるのか・・・僕はそれが知りたくなった

 

 

「くっ、くはは!そうか、男か!」

 

 

突然ウィラさんが笑いだした。だがそれは馬鹿にしたようなものではなく、愉快で愉快で仕方ないといった風に

 

一通り笑った後、突如ウィラさんは立ち上がり___

 

 

「もう立てるな?『認識阻害』を解除するぞ」

 

 

その言葉に急いで立ち上がろうとすると

 

 

__カラァン___

 

 

目の前に突如、短剣が落ちて来た

 

 

「褒美だ、受け取れ。中々良いものを見せてもらったからな」

 

 

続けて彼女が言った言葉に、僕はどう反応していいのか分からなくなった

 

 

「それは我が国で、“騎士見習い”に渡す合格の証でもある。騎士ではないぞ?ひとまず様子を見るだけの値はあると認めただけだ」

 

 

「これからも精進しろ」と言い残し、ウィラさんは暴れていたトグサさんとアランさんを一瞬で止め(やっぱウィラさんも人間止めt・・・何でもないや)そのまま歩いていった

僕はそれをただ茫然と眺めているだけしかできなくて・・・先生ほどの人間が何故彼女に仕えているのか少し分かったような気がした___

 

 

 

 

 

 

 

皆が僕のことを「グズ」だの「のろま」だのと言う

それに対し、僕が思うことはただ一つ。「まさにそのとおり」

 

ネビル・ロングボトム__それが僕の名だ

これでも栄えある『聖28一族』に名を連ね、父さんと母さんは最後まで“例のあの人”率いる闇の陣営と戦い続けた英雄

ではその息子である僕はどうなのか?

 

答えは___

 

 

「ねぇネビル、君の方はもう『魔法薬学』の宿題終わった?」

 

「う、ううん全然・・・ぼ、僕だけ何故か宿題多いんだよね・・・」アハハ

 

 

ハリーの問いかけに僕は力無く項垂れる。「アイツ、きっと君のことが好きで好きでしょうがなんだぜ?オェっ、自分で言って気持ち悪くなってきた」と吐きそうな仕草で場を盛り上げてくれるのは大切な友達の一人であるロンだ

 

 

「日頃からやっておかないからよ、ネビル?良かったら手伝いましょうか?」

 

 

そう言ってくれるのは二人と仲が良く、だいたい3人でいることから“グリフィンドールのトリオ”で最近通じるハーマイオニー。3人共、僕の自慢の友達だ

 

 

ハリーは“例のあの人”を倒した魔法界の英雄

ロンはその持前の明るさとトークのうまさで時々リーダーシップを発揮してくれる

ハーマイオニーは天才だ、ただその一言に尽きる

 

(それに比べて僕は・・・)

 

 

色んな人から言われる。「もっと堂々としなさい」と。でもそれができないから・・・僕には自信になるようなものなど何一つも無いから、こうしてオドオドしているのに

ホントはもっと堂々としたい。ホントはもっと皆に頼られるような存在になりたいといつも思う

そして彼女に憧れるのだ____

 

 

「同感だな、だがセブルスには私から言っておこう。生徒を虐めて楽しいですか?と」

 

 

宿題があろうと、テストがどれだけ近かろうと僕はウィラが焦ったり、宿題をしている所を見たことがない。だからと言って教師と裏取引しているわけではないのは知っている。宿題を提出したり、その場で課題を読み上げる際のウィラの内容はホントに生徒なの?と聞きたくなるくらい専門的だ

 

 

「そりゃ良い!君から言えばあの高慢チキな野郎の鼻も折れるってt「ただしロン、お前は駄目だ」・・・何でさ!?」

 

「卿の母君から頼まれてな?甘やかさず厳しくしてほしいと。どうやら私が教師をしていたことを噂に聞いたらしい」

 

 

そう、ウィラはただの生徒ではない。様々な特例が許された本当に特別に存在だ。でもそれはしょうがない、だって___ウィラは王族にして、現国王なのだから

 

教師ですら舌を巻くほどに優秀で、すごく綺麗な女の子。最近あの“偉大なる黄金”になったというのに、僕達みたいな庶民に平等に接してくれる彼女に惹かれない生徒などこの学校にはいないと断言できる

 

 

「それにしてもウィラってホントにいつ勉強してるの?僕、ウィラが宿題してるとこ見たことないんだけど」

 

「私もそれ気になってたの。いい加減、学年一位の座を渡しなさいよ」

 

 

今、談話室は宿題に追われる僕達3年生が集まりそれぞれ分からない箇所を教え合っている状況だ。そんな中、突然ウィラが来て紅茶を飲み始めた。曰く「NDK?NDK?」らしい(NDK?)

勉強を軽くこなすウィラのコツを聞こうと、皆手を止めてウィラに注目している。でもそれは意味がなかった

 

 

「虎は何故強いと思う?元々強いからよ。っとまぁそういうことだ」

 

「・・・え、どういうこと?」

 

「分からんか?私だから(・・・・)。以上」

 

 

『はぁ!?』と談話室で声が重なる

 

 

「まぁ真面目な話をすれば、やはり普段からの積み重ねだな。あまり言いたくはないが、私は王族・・・それも次期国王として育てられてきた。卿等とは積み重ねが違う」

 

 

そう言われてはグゥの音も出ない

『帝王学』を筆頭に、ウィラが小さい頃からしてきた科目の多さを聞いた時、あのハーマイオニーですらドン引きしていたくらいだ

 

再びカリカリと羊皮紙に羽ペンを走らせる音が談話室の至る所から聴こえ出す。ウィラもこれ以上は邪魔しないと決めたのか、目を閉じカップに口をつけ始めた

 

でも僕は宿題どころではなかった__見惚れたのだ

僕だけではない、次第にペンを走らせる音が消え、皆一様にウィラの方を見ていた

足を組み直すだけで、その仕草は優雅の一言に尽きる。カップから口を離した時の唇に目を奪われ、女子ですら感嘆の声を漏らしていた。失礼かもしれないが、女子ですら魅了する彼女はまさしく魔女と言って過言ではなかった

 

 

 

 

 

途中からウィラは僕達も宿題の手助けをしてくれるようになった。宿題は?と聞くと、「舐めてんのかと言いたいくらい簡単だった」とのこと(ハーマイオニーの鬼のような顔は忘れることにしよう)

 

 

「ラベンダー、そこは違うぞ?マクゴガナルは惜しい間違いは言ってこないが、それは酷い。もう一度教科書17ページを見直せ」

 

「え・・・(パラパラ)うわホント、てかウィラさん教科書全部覚えてるの!?ウソォ!?」

 

 

ウィラの指摘は凄く分かりやすい。その証拠に今だに去年、ウィラの『防衛術』を学んだ生徒はルーピン先生よりウィラの方が良いと声が上がるほどだ

 

ウィラが皆の間を通り、指摘していく度に驚愕の声と惚けた顔が上がりまくる(その・・・すごく・・・良い匂いです)

 

 

 

順番に見て行き(途中ハーマイオニーが間違っているといい、ウィラが違うと議論が上がったが、結果教科書の方が間違っていたという結果になり、ウィラがすごいドヤ顔してた)とうとう僕の所へ彼女が来た

 

 

「(ペラペラ)違う(ペラペラ)違う・・・(ペラペラ)・・・違う・・・おいネビル、これではセブルスのことを悪く言えんぞ」

 

「ご、ごめんよウィラ・・・」オドオド

 

 

軽く頭を抱える彼女を見て、僕は酷く悪いことをした気分になった。ただでさえ忙しであろう彼女の時間を無駄にさせているのだ。でも・・・

 

 

「いいか?ここはこう、唱える呪文は『いあいあくとぅるふ』だ。『ぐたん』は入れるな、ナニカされるハメになるぞ」

 

 

隣に座り、ウィラはすごく丁寧に教えてくれた(ただ正直緊張してそれどころじゃなかった)

 

 

「生物の召喚には契約が用いられるが、とある6足6節6羽の眷属は呪文だけで呼べるらしい・・・聞いてるか?」

 

「うぇ!?う、うん!聞いてる!聞いてるよ!」

 

「嘘つけ。じゃあ今言った眷属召喚の呪文を言ってみろ」

 

「え、えぇと・・・ケマド・ケラ・・・ごめん」

 

 

ハァっと溜息をつきながら頬杖をするウィラを見て、僕は更に身を縮める

 

 

「僕・・・何やっても駄目なんだ、ウィラも知ってるだろう?グズで、臆病で・・・何しても失敗ばかりで・・・」

 

 

どうして僕は貶すことしかできないのだろう。どうして僕は皆やウィラみたいにもっと堂々とできないのだろうか・・・

 

 

「違うな、間違ってるぞネビル」

 

 

突然何かを否定され、思わず顔を上げてしまった

 

 

「卿の考えくらい分かる。どうせ「ぼぼぼーぼ、ぼーぼ僕なんか何やっても駄目だ」とか思ったんだろう?」

 

「そ、そこまで“ぼ”を連呼はしてないよ!?」

 

 

「まぁいいではないか」と改めてこちらを見て来る

 

 

「卿は何故そこまで自信を持てん?ウチの円卓連中なんか見てみろ、自分こそが私に相応しく最強だと本気で考えてる馬鹿ばっかだぞ?」

 

「で、でも・・・みんな凄い人ばかりだし」

 

「まぁ大半は人間ではないがな。大切なのは信じることだ。『我思ふ、故に我在り』という言葉を知らんのか?自己を作り出すのは自分自身・・・まぁ最近私もそれがようやく分かったのだがな」

 

「で、でも・・・でもっ」

 

 

できないか?と聞かれ、僕は力無く頷く

すると少し考えるように口元に手をやり___ウィラは信じられない・・・でも、すごく嬉しいことを言ってくれた

 

 

「ではこう考えると良い___“私の信じるお前を信じろ”」

 

「__?ウィラが信じる僕?」

 

「そうだ、卿は自分が臆病だと言ったな?何をしても成せないと」

 

「うん・・・」

 

「たわけが。臆病者が1年生の時に友の為に、友に立ち向かうものか」

 

「っ!でもっ、あれは・・・」

 

「何も成せないだと?でも卿は今こうしてそれを克服しようと努力しておるではないか。見ろ、ロンを」

 

「ほえ?何か言ったウィラ?」

 

「あぁしてアホ面晒して勉強もせずにお菓子ばかり。おいロン、母君にはちゃんと伝えるから感謝しろ」

 

 

「出来るかぁ!!?」とロンが大声を上げるが、僕は目の前の王の言葉を聞くとこに忙しかった

 

今まで黙ってウィラの後ろに控えていた黄金の獣さんが「そろそろ時間です」と耳打ちし、ウィラは最後に・・・僕の生涯に渡り、心に秘めた言葉を贈ってくれた

 

 

「ネビル。あぁネビルよ。確かに卿は臆病者だろうさ、だが____卿は男の中の男(・・・・・)だ。しかと我が言葉を刻め」

 

 

友達でありながら王である彼女に言葉は、ただひたすらに心に響き___僕は少しだけ、自分に自信が持てた感じがした

 




ダフネ  

ウィラはダフネの魂胆に気づいています

ウィラ「偶にはこういうのも面白いかと思ったら、予想以上にこの子達、歳の割りにドロドロだったでゴザル(流石エリーの国)」



セドリック

セドリックの稽古はまだ誰にもバレてません
理由?

ウィラ「バレたら面倒だから顔は止めな。ボディーにしなボディー」



ネビル


ウィラ「英国無双とネビルってどこか似てるよね?体格とか性格とか」

ちなみにウィラ曰く、エルドラド王国に英国無双さんが来たら勝てる気がしないとのとこです


次回からアズカバンを終わらせにいきます(おいたんとハゲ鼠覚悟せぇよ?)
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