ハリー・ポッターと黄金の君   作:◯のような赤子

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前回、前々回の感想
アンブリッジアレルギーの方多すぎません?

感想を読んでいる時の作者
「・・・酒の味とは変わるものだ」

おかげ様で愉悦成分補給できました
ありがとうございます

これにてアズカバン終了です


それとお詫びを
以前から言っていた「くっ殺ウィラ」と下書きのみしていた絵ですが
下書きを消去し、もう一枚の方も描くの止めました

理由は二つ
一つは下書きそのものが消え、かなり良い出来だった為に気力がなくなったこと
もう一つは投稿した下書きを見直して、気に食わないと感じたからです
それとああいう場面の絵はしかるべき時にと思ったというのもあります
(全部で3つですね、すみません)


ただ円卓は下書きも納得の出来なので・・・敢えて言おう
期待してくれと・・・ッ!!(自分で自分を追い詰めます)



黄金と手紙

クリスマスが近くなってきた

この辺になるともう私は大忙しだ!

私宛の招待状や、逆にこちらが招待する人間の厳選・・・マジ無理、パーティーなんか滅びればいいのに

しかし現実はそうはいかず、私はこうしてペンを走らせる音と共にSan値も削らしていた

 

 

「___何?“守護霊呪文”のコツが知りたい?」ガリガリガリ!

 

「うん・・・てかホントに毎年凄い量だね、全部招待状の返事?」

 

「ハリー、いくらリーマスが言ったからって今のウィラにお願いするのは止めとこうよ」

 

 

どういうことだと視線を紙とペンにやったまま話を聞くと、なんでもハリーは吸魂鬼に襲われやすい(まぁ絶望とかに染まりやすいだろうし)ので、ダンブルドアがリーマスとシリウスに習うよう言ったんだとか

確か原作では幸せを想像しにくいとかで中々出来ないんだっけ?でも今はシリウスがいる。それでも私の所に来たのは歳が近く、感覚が近くて使えるであろう人間が他にいなかったのだとか

 

軽い休憩も兼ねて聞いていたが、しかし・・・“守護霊呪文”か・・・うーん・・・

 

 

「え、貴女でも使えないの?」

 

「ハリー、こりゃ無理だぜ?ウィラに使えない呪文なんか僕達庶民にできっこないよ」

 

「いや、使えるのは使えるんだが・・・ハリー、卿は確か一度だけ“守護霊呪文(エクセペクト・パトローナム)”が成功したんだよな?」

 

 

たった一度、しかし私はそれを見た

あの後再び吸魂鬼がホグワーツに入って・・・いや、あの時の撃ち漏らしだな。ボロボロで今まで何とか生き延びていたのだろう、それがやり直しとなったグリフィンドール対ハッフルパフの時に出たのだ。再びアレ等からしたら襲いやすい類であろうハリーに向かい、見事ハリーは“守護霊”を召喚した

 

 

「美しい牡鹿であったな。ハリー、それとハーマイオニーなら分かるだろうが、“守護霊”とは本来何かしらの獣の姿をしていることがほとんどだ」

 

「うん、確かリーマスのは狼だったよ」

 

「シリウスも私達見せてもらったけど、彼はブラックドッグだったわ」

 

「そう、つまり己の在り方が“守護霊”を形作る。・・・だから私は使えるが使うワケにいかん」

 

「え、何で?」

 

「私の根本に刻まれた在り方は“黄金”だぞ?私だけでない、父や祖先も呪文を使った際の守護霊は決まっている」

 

 

そこまで言うと流石ハー子。しばし手を顎に当てて考えるとすぐさま答えを出して来た

 

 

「__ッ!?まさか・・・嘘でしょう!?」

 

「おいハーマイオニー、一人納得してないで僕達にも教えてよ」

 

「ウィラ、貴女の守護霊ってもしかして・・・」

 

「そう、ヴァンシエル陛下だ。死してなお子孫を守ろうとは、流石私が唯一敬愛してやまない存在だ」

 

 

あれは確か魔法を習ったばかりの頃だったかな?転生して、習う内にこの世界が『ハリポタ』だと気づき、まずまっ先に使ったのが“守護霊呪文(エクセペクト・パトローナム)”だ

 

降臨された陛下の姿に、私は初めて感動の涙を流した覚えがある

 

 

「だから使えん。特に卿等ヨーロッパ人の魂にはあの方の恐ろしさが刻まれている。ゆえに国際法で私達エル・ドラド家は守護霊呪文(エクセペクト・パトローナム)”を使うことを禁止されている」

 

「国際法って・・・そんなのどこの教科書や本にも載ってないじゃないか!」

 

「ロン、そりゃそうだ。だってこれ裏で決まったこと・・・ヤベ、言っちゃいけないんだっけ?今のオフレコで」

 

 

だから力になれないと言ったら目に見えてハリーが落ち込んだ。そこまで使いたかったのか?と聞くと、何でもシリウスに褒めてもらいたいんだとか。思わず可愛いと頭を撫でた私は悪くない

 

 

「ちょ、止めてよ!その・・・恥ずかしいから」

 

「くはは!良いではないか、努力する者に褒美を与えるのは王の務めである!」

 

 

それとどうやら一度だけ成功した時シリウスとリーマスも見ていたようで、「父親のジェームズを同じ守護霊」だったそうな。だからか・・・そうだな、父君にはいつも近くでいてほしい。それは私も同じだ(今更だけど、私ってファザコン・マザコンだよな?今でも一緒にお風呂入りたいし)

 

 

 

軽くではあるが、私なりの呪文に対するアプローチの仕方を伝え、それで満足したらしく「今すぐ試してみる!」と防衛術の教室へと走っていった。ボガートでも使うのだろう

 

 

ハリー達に手を振り見送ると、今度はドラコがやってきた

 

 

「ウィラ!君の招待状届いたよ!」

 

 

そう、今年は我がクレーリア城にてイギリス“聖28一族”を誘ったパーティーを行うのだ!去年はバジリスク騒動のせいで出来なかったが、今年は無問題!・・・まぁ本当ならば私が“偉大なる黄金”となった記念すべき年。国はおろか国外からも多数の王侯貴族を招待して盛大なパーティーを行わねばいけないのだが、友であるルシウスがせっかく今回の為に走り回って“聖28一族”をかき集めたと聞く。ならば彼の徒労に報いねば

それをドラコも理解したのだろう。今度は打って変わってこちらの様子を伺ってきた

 

 

「でも・・・大丈夫かい?今年は君にとって大切な年じゃないの?」

 

「なぁに、己の息子を私に紹介してくるしか能が無い連中集まるパーティーなどよりも、卿等朋友親子と語らう時の方が遥かに大事。そら、問題などどこにある?」

 

 

心配など無いと笑顔を浮かべるが・・・うん、ゴメン

 

(お願いです今すぐこの返事書かないとマジ色々遅れて城のメイドや特にシャドウから「今年の返事が遅れたら・・・分かっておりますね?準備がどれだけ大変か一度体験させてさしあげましょうか?」って脅されてるんです!だからお願い!!大切なことは全部招待状に書いたじゃん!!お願いですから集中させてください何でもしますから)

 

 

詳しい内容は招待状に書いてあるから、そちらを見るようにと会話を打ち切り再び紙とペンに顔をやるが・・・休憩したいお

 

 

「獣―、尻尾出せ。モフりながら書くから」

 

「ダメです。途中で飽きて投げ出すか、寝てしまうではないですか。今年は特に招待状も招待客も多いので、決して甘やかすなとシャドウ殿から言われております」ニッコリ

 

「・・・ケチ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クリスマス休暇が来た。今年もいつの間にか部屋に入れられた大量のプレゼントのリストを作りながらの開封の儀式だ

 

 

「えーとこれは・・・え、婚約指輪?キモっイラネ(ポイ)お!これはハー子か、毎年腱鞘炎用の軟膏くれるけど、結構助かるんだよな~。これは・・・ヴぇあ!?え・・・『ウィラ様に踏んでもらいたい大勢の書状』・・・だと!?」

 

 

・・・まぁとにかく色々凄かったとだけは言おう

それとセブルスからも送られてきた!なんでも日頃の礼だとか。どうせならセブルスの子供が欲しいな~・・・な、なんて・・・ッ///!

 

今年はシリウスもいるからハリーも彼の家に行くのかと思いきや、ホグワーツで過ごすらしい。シリウスもハリーと一緒にいるということで、ハー子とロンは家に帰るのだとか、義理とはいえ家族の時間を邪魔したくないのは私も同感だ、だから彼には招待状を出してない。それはウィーズリー家やロングボトム家もだ。まぁ、呼んだ連中が連中だからな、いい加減立場を決めてもらわねば

 

 

「凄いッすね、これとか何スか?ブラジャー・・・?アランの旦那ァ、はいコレ」ポイ

 

「おぉ!これが人間が着けるという『大胸筋サポーター』か!!欲しいとは思っていたが__」

 

「ちがぁう!!ヤメロォ!!気持ち悪い!!二重の意味で気持ち悪いから捨てろぉ!!」

 

「黄金の君、準備は整いましたか?そろそろアルヴィー殿がホグズミート駅に到着する予定です」

 

「もうそんな時間か?では帰るか、我が愛しの王国へ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__クレーリア城に数ある一つの大広間

魔法使いにとっての死地と昔から噂されるエルドラド王国。ここに足を踏み入れるのはイギリスを代表する貴族達、“聖28一族”でもあまりいない

 

 

「ルシウス殿、この度は我々に貴重な一夜を感謝します」 「まさか生きてる内にこの国に足を踏み入れることになるとは」   

 

 

イギリス魔法界貴族筆頭。つい最近王家であったブラック家が地に落ちてその地位が更に盤石となったルシウス・マルフォイに大勢の人間が羨望の目を向ける

それぞれの家の当主、更には親戚等々__それを涼しい顔で捌くルシウスの隣で、次期当主として目を輝かせ学ぶドラコ

 

 

「いえ、この度は全て“偉大なる黄金”、ウィラトリア様の計らいのおかげ。感謝を伝えるべきはあのお方であり、私に言うのはお門違いというもの」

 

次々と挨拶を言いに来ては離れて行く

全員__とまでは言わないものの、これほどまでの貴族が集まることは筆頭たるマルフォイ家で行われるパーティーでもそうは無い

全員ではない理由はそのままだ

このような場所を好まず、また他の“聖28一族”と折り合いが悪いウィーズリー家(ルシウスも一切声をかけなかった)

ロングボトム家はまだ当主と言えるネビルが夜会に一度も出席したことがなく、またオリバンダー家は仕事を優先しゴーント家などそもそも呼べるはずがない。それでも100を超える魔法使い___闇の陣営に所属する者が一堂に会するこの場は一言で荘厳と言えよう

 

 

「__ドラコ、他の子供達とも話してきなさい。お前もいずれは私に代わり当主となる男だ、動かぬ者に人は着いてこないと知りなさい。まぁ、あのお方を見ているお前なら分かると思うが」

 

「っはい!では行ってきます!」

 

 

 

 

__息子であるドラコがいなくなり、今だけはしばしの休息を妻であるナルシッサと共にとっていた

これ程の人間を集めたのは初めてだ。しかし手を抜くという選択肢だけはあり得ない

去年から彼女は言っていたではないか、立場をいい加減決めろと・・・あの時は何故か己に叱責があると待ってくれたが・・・それももう限界だろう

 

 

「・・・貴方」

 

「あぁ・・・分かってる(・・・・・)。だが・・・」

 

 

ドラコから全て聞いているし、魔法省の自分に手のかかった者からも聞いた。“偉大なる黄金”__闇の帝王ならば、彼の吸魂鬼を手下として使役するだろう。それは事実十数年前にも計画されていた、しかし・・・あの方でもソレを滅ぼすことが出来るだろうか・・・?

 

ルシウスは悩んでいた、もう彼女との付き合いも6年近くになる

 

 

___ふぅん・・・卿が・・・私を試すか?良いぞ、許す。ヴォルデモートが滅びても、その身に刻まれた恐怖と忠誠心だけは認めてやろう

 

 

初めからあの方は全てを分かっていた。その上で己を友として迎え入れてくれたのだ。それだけではない、何度も行ってくれたではないか__「卿等を迎える準備はすでにできている」__と

 

 

「・・・シシー、私は・・・」

 

「えぇ、分かってるわ。・・・あの子が生きてくれれば、マルフォイ家は潰えない。ただ幸せになってくれれば・・・」

 

 

恐怖は消えてない、闇の帝王の覇気、そのカリスマも__あの方はまさに闇だ。泥のように渦巻く汚れた黒ではない

暗く・・・どこまでも暗い闇の象徴。鴉の塗れ羽のように艶のある黒。あれを知れば夜を歩くことに憧れない魔法使いはいないと断言できる

 

 

(しかし・・・太陽そのものには勝てない・・・か)

 

 

それと比べて彼女はどうか

 

まさに黄金。エルドラド王国に入国する度ルシウスは思う

誰もが彼女の傍に、彼女の為にその命を燃やすことに躊躇わず、日々その安寧を願う

もし・・・もし自分がこの国に生まれていて、あの方に初めから仕えていればどれだけの栄誉であったことか

イカロスのように、まるで炎に誘われその身を焦がす蛾のように・・・光そのものである彼女に近づいては網膜を焼かれて行く

 

 

「シシー、恐ろしいな。夜は寒く、しかし上に立って良いと印を与えられ・・・太陽はあまねく全てに恩恵を与え、かつ隷属することに何の躊躇いも持たせてくれない・・・仕方無いな。彼女は生まれながらの王だ」

 

「あの方の前では誰もが傅き跪くしかない・・・人の上に立つ為に生まれたような方ですもの。“偉大なる黄金”となられたことも、全ては運命」

 

「ふっ、ウィラトリア様が聞かれれば怒られそうだ。きっとこう言うぞ?「私は私の意志を持って卿等を導くのだ」と・・・決めたぞシシー、私は・・・」

 

 

そこから先は続かない

まだこの場の者は闇の帝王がいないとは言え、“死食い人”ばかり

何よりこの場にいる儀仗兵が、ついに彼の王族が来たことを告げたのだ

 

 

「前国王陛下ジブニール様、及び王妃オレンシア様ご入場!!」

 

 

以前ルシウスが見た時と変わらず、ジブニールは白髪のままだ。しかしそこには老いを感じさせない生命力、黄金に輝く鋭い双眸がこの場の全員を捕らえ目を離させない

オレンシアもまた、いつものようにジブニールに腰を抱かれその胸板にしな垂れかかっていた。子供のように花開いた笑顔を浮かべ、夫の隣に侍る様はまさに良妻賢母を彷彿とさせる 

 

彼等が入った瞬間、一斉に人が群がる。それは滅多に会うことができないヨーロッパ魔法界真の王族への自己紹介、または今だに姿を見せないウィラへのお見合いの紹介等々__

 

この時ルシウスは彼等のように、ジブニール達も下へは赴かなかった

彼等がこのように媚を売って来る相手を心底嫌っているのは付き合いで知っているし、それはまたウィラの朋友たるドラコも同じだ。そんなマルフォイ家を見て賢い者は彼等の真似をして、しばらく待つ

 

少しして、マルフォイ家が挨拶に向かう

 

 

「まっ先に向かわねばならぬ所をお許しください。壮健そうで何よりですお二方」

 

「いや、こちらを気遣っての事であろう?嬉しく思うよルシウス殿」

 

「夫の言う通りですわ、ナルシッサさんもお元気そうで」

 

「ありがとうございますオレンシア様」

 

「あの、ウィラ・・・陛下はまだ来られないのですか?」

 

「あら、良いのよドラコ君ウィラで!あの子から聞いたわ、これからもよろしくね」

 

 

給仕から受け取ったグラスを手に談笑を始める。そこに他の者が入り込む隙間などない、入ろうとしてもそれは礼儀を知らぬ者として今後扱われるだろう

なので彼等はジブニール達の観察に入る。少しでも自らの利益になるよう

 

ジブニールの存在、そしてオレンシアもまた有名だ

互いに一目惚れからの身分や歳の差など関係ない大恋愛。当時フランスから妃をエルドラド王国が突如迎え入れたというのはヨーロッパ貴族の間で噂になったものだ。最近彼等の出会いまでの軌跡が舞台になったとも聞く

白髪となり、もはやジブニールは“黄金”としての継承権を失っている。しかしウィラと同じく後ろに撫でつけられた髪はまるで星々の輝きのように見え、先程も言った黄金色の双眸はまるで銀河に浮かぶ、恒星のように見える

オレンシアもまだ30代という事で、この場の結婚した女性陣の中でもかなり若い部類に入る。それでも今だに学生にしか見えない容姿は流石王家に嫁入りした女性と言えるだろう。華奢な身体にしては大きい胸がジブニールに押し付けられる度、男性陣は釘づけとなり、女性陣から冷ややかな目が送られる

 

話が区切りをつけたのだろうか、ジブニールがグラスを片手に周りを見回し

 

 

「此度は我が娘、ウィラトリアの誘いに来てもらって嬉しく思う。しかし今言ったように今宵の主賓はあの子だ、私ではない」

 

 

それは己はもはや王でも何者でもなく、ただあの子の親であると言っていた。その喋りにルシウスは彼が少し不機嫌になっていることが見て取れた

 

 

(どれだけ・・・ッ!?一体この場に呼んだ者達は何を勘違いしているのだ!?少女だから・・・自分達より幼いからと侮っているのか!?)

 

 

懸念は当たっていた。まだしっかりとウィラに会っていない彼等はごく普通に親に話をつけるのは当たり前と、現当主(・・・)であるウィラではなくジブニールへと群がった

しかしそれもこの瞬間まで。儀仗兵が先程以上に慌ただしくなり、ついに“偉大なる黄金”はイギリス貴族の前に姿を現す

 

まだ姿を現していないにも関わらず、儀仗兵達や給仕がその場で一斉に胸に手をあて跪く

 

 

「第79代現国王にして“偉大なる黄金”“黄昏の君”__ウィラトリア陛下御入場!!」

 

 

カツリ__と足音が広い会場に響く。誰も声を、ヒソヒソ話すらできない。そのカリスマ性は会場全域を飲み込んでいた

 

黄金の鬣が如き髪をたなびかせ、大勢の大人がいようと関係無くその歩みを進める

 

紅いドレスの上に豪華なローブを軽く羽織り、誘うように見せている肩と深いスリットから覗く足が何とも色っぽい

流し目で一人一人を捉え、たった一言__

 

 

「ふむ、思ったよりも多いな」

 

 

集まった者達の殆どが“死食い人”だ。ゆえに彼等はカリスマの頂点とも言える闇の帝王__ヴォルデモートを見て話したこともある

しかし・・・今のウィラはヴォルデモートですら生温いカリスマ性で持ってこの場を支配していた。声を聞いた途端震えが止まらない、それは恐れからではない。魂に刻まれた“黄金”その威光、天上の調べとは斯くありと、彼女の美声に酔いしれていた

 

 

「ふふっ、ウィラ凄く綺麗だわ!」

 

 

誰も動けない中、親であるオレンシアがウィラに抱き着く。ジブニールも更にその上から軽く二人を抱きしめる

 

 

「母上にだけは言われたくないです__何故私はここまで胸が大きくならんのだ(ボソ)コホン。父上も父上ですよ?私の中の理想の男性像が跳ね上がっているのは父上のせいです」

 

「ふはは!まさか娘から告白あれる日が来るとは!__綺麗だよウィラ、婿を取るのが惜しいくらいにな?」

 

 

眩しい__王家が、“黄金”の血筋が一堂に会するとここまで存在感を放つものなのかと誰もが考えていると、いつの間にかウィラの手元にもグラスがあり

 

 

「集まってくれた卿等にまずは感謝を。楽しまれよ、それとある程度時間が立ったらこの場にいるそれぞれの当主殿達と話がしたい(・・・・・・・・・・・・・・)。グラスは持ったかな?では___iubentium(乾杯)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__時が立つのは早い。もうすぐ今年度のホグワーツも終わり、また長い長い夏休みに入る

 

獣が淹れてくれた紅茶を一口飲み、今年あった事に思いを馳せる。ホントに色々あったものだ

 

 

(“偉大なる黄金”から始まり、私という転生者への折り合いをつけた)

 

 

前半は兎に角大変で、後半はシリウス関係・・・待てよ?

 

 

「後半シリウス・・・クソ(吸魂鬼)とクソ(ハゲデブ鼠)・・・全部アイツが連れて来てんじゃねぇか!!ふざけんなオイ!私の楽しい学生生活を返せ!私がどんだけ先生達に怒られたと思ってんだ!!」

 

ビクゥっ!「え・・・私?」

 

 

グリフィンドールで当たり前のように最後の朝食をハリーの隣で食べるこのオッサンに文句を言う(え、私は何故いるって?だって私だもん。うん)

 

シリウスは意外とイケメンで紳士的(らしい。私にはよく分からないが)で寮問わず彼等の“防衛術”の授業は大好評のまま終わった。リーマスも今年に引き続き、来年も教師をすることが決まった

そう、彼はなんと“一年ごとに変わる防衛術の教師”、その呪いを見事に跳ね除けたのだ!これには生徒も教師も喜んだ、毎年変わられては内容や教え方が変わって分かりにくいし正直助かる

 

他にもなんと、今年の寮杯はハッフルパフ!セドリック達が取った。あまりにビックリで一年の時の『レイブンクロー杖洗脳事件』を思い出した私は悪くない(またこの煩いヴァカが何かやらかしたのではとハラハラした)

何でも少しでもセドリックがニールに近づくよう、寮の仲間に「たまには本気を出さないか」って・・・セドリックェ・・・トグサが混じってるぞ

でもまぁ、それで皆をまとめて引っ張った手腕は流石の一言に尽きる。今年の夏休みはエルドラド王国に行ってみたいと言ってたし、ニールも呼びたいと言っていたから褒美として招待しようかな?

 

 

「ウィラは夏休みどうするの?」

 

「また招待してよ!双子がさ、あの綺麗なお姉さんに会いたいって正直煩いんだよ」

 

「・・・ふん、どうせ貴方もでしょ?男っていっつもそうなんだから」

 

「夫婦喧嘩は他所d「「夫婦じゃない!!」」はいはい。済まないが、今年はかなり忙しいんだ。呼ばれてるからな」

 

「__?呼ばれてる?どこに?」

 

「内緒、まぁすぐに卿等にも分かる」

 

 

なら教えてくれとロンが迫って来るがそうはいかない。私はこれでも諸人の象徴たる王、約束事は守らねばならない

何より今回は世界中の国々が関係しているのだ、絶対に成功させねば___『世界クディッチワールドカップ』を

 

 

席を後に立ち、それぞれに最後の挨拶をして回る。途中あの場にいた“聖28一族”の子供達にあの後何を話したのか聞かれたが、まだ話すわけにいかない。と言うよりは彼等の親が話してないなら言うワケにいかない__彼等のこれからの人生を決めることなのだから

 

 

 

 

「___ん?ヘルメス?」

 

 

最後にセドリックに夏休みエルドラド王国に来ないかと話をし終えたあと、ヘルメスが甲高い鳴き声と共にやって来た

私に代わり、獣が彼を肩に乗せ、その足に付いている暗号文の入った管を手に取る

 

 

「・・・黄金の君」

 

「分かった。アラン、トグサ、見張れ」

 

「「御意」」

 

 

誰にも読めないことは分かっているが、念には念をと言ったところだ

宛先は私、更に送り主は何とヨーロッパ魔法協会!魔法界の総本山からの手紙だった

 

 

「ふむ、ふむ・・・はぁ!?」

 

 

驚きのあまり何度も目を通すが内容は不変のまま変わらない

 

 

(・・・最悪だ・・・わ、私の学生生活が・・・セブルスとの二人っきりの逢瀬がっ!!)

 

 

 

後の話になるが__私はこの一枚の手紙のせいで、ホグワーツを退学(・・・・・・・・)せねばならなくなった。内容はこうだ

 

 

 

 

 

__100年ぶりの三大魔法学校対抗試合(トライ・ウィザード・トーナメント)を開催したく、つきましてはヨーロッパ魔法界の王。第79代エルドラド王国国王ウィラトリア・エル・ドラド・ゴルドーン・クレーリア陛下を最高責任者に任命したい所存でございます

 

良き返事をお待ちしております__

 

            ~~ヨーロッパ魔法協会より~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホグワーツの地下、セブルス・スネイプの研究室では夏休みとなった後もスネイプが日夜魔法薬の研究に励んでいた

 

かつてこれほどまでに何かに没頭した日々があっただろうか。いや、今でも“防衛術”の教師になりたい気持ちは変わりない。しかし最近は新たな発見が日々ある__誰にも邪魔されないウィラとの二人っきりの会話が楽しくてしょうがない

 

 

「・・・吾輩も、毒されたものだ」グツグツ

 

 

思えば己には友と呼べる存在が少なかった。いてもそれは先輩であるルシウスや後輩で今は亡きレギュラスくらいか

だが彼等でも、ここまで話が弾んだことはあったかと問われれば疑問も出る

 

 

「しかし・・・彼女も変わっている。何故吾輩に良くしてくれるのだ」

 

 

己は嫌われ者だ。自覚はあるし、そうなるよう誘導もしている__いざという時誰も悲しまないように・・・誰の記憶にも残らぬよう

 

そう考えると自虐の笑みが出て来た

結局己もまた、憎きピーター・ペテュグリューと同じ夢の中でしか生きていない。初恋という夢の中でしか・・・

 

考えながらも薬を作る手は止まらない。ウィラのおかげでその腕前はもはやイギリスに並ぶ者などいなくなっていた

 

 

「・・・ん?鰓昆布が足りんか」

 

 

買いに行こうとしたが、今目を離せば全て失敗となる

 

 

「__エクセペクト・パトローナム」ヒュっ!

 

 

ゆえにスネイプは守護霊を用いて、店の者に持ってくるよう命じようとするが

 

 

 

 

 

「__ッ!?馬鹿な・・・っ!?」

 

 

ガタリ__と身体が大鍋に当たり、中身が全て零れたが今のスネイプがそれに気づくことはない。それほどのショックが彼の目に入っていた

 

あり得ない(・・・・・)あり得てはいけない(・・・・・・・・・)。守護霊とは即ち己の心の在り方を映し出す鏡のようなもの。ゆえにその時の心象がダイレクトに影響する

しかし・・・これだけはあってはならない

 

 

「・・・ふざけるな・・・っ!吾輩がどれだけ・・・今更変われるワケないだろう!?」

 

 

目元を覆うように、両手で抑えスネイプは認めない

 

 

(何年彼女を思ってきたと・・・っ!あの男が、ジェームズ・ポッターが彼女に目を付ける前から何年この気持ちを抱えてきたと・・・!?子供の頃から彼女を・・・リリーのことだけを思って身を引き、何度あの夜を後悔してきたと思っている!!)

 

 

何より__

 

 

あの子(・・・)は生徒だぞ!?いつからセブルス・スネイプ、キサマは畜生以下の外道になったのだ!?」

 

 

その声は己が憎くてたまらないと万感の憎悪を込め、自らを呪っていた

 

しばらく立ち、フゥっと息を整えもう一度スネイプは己が呼び出した守護霊__雌鹿へと目をやる。これ以上現実から遊離してなるものかと

 

 

 

しかし何度見ても結果は変わらず__

 

 

 

 

 

 

 

___彼の呼び出した雌鹿は、身体の所々を黄金色に輝かせ(・・・・・・・)_スネイプの瞳を見て離さず

 

 

そんな雌鹿の目をスネイプが合わせることは一度も無かった

 




フハハ!誰も予想できなかっただろう!?ウチのウィラが試合や名誉とやらの為に動くワケないではないかヴァカめっ!!

・・・はい、すみません調子乗りました
以前から「炎のゴブレットってウィラ出た瞬間マジ終わるじゃん・・・」と考えこういう展開に
※例__「開幕ぶっぱ(Dies irae)超気持ちいいれす(*´▽`*)」

我等がウィラ様には最高責任者として関わってもらうことにしました


今作では全くでなかった『逆転時計』
ハーマイオニーは早めにマクゴガナルに返してます

バッグビークに関してもドラコが徐々に男になりつつあるので
処刑などは無し。適当に生きてます


アルヴィーが到着したホグズミート駅では
何故かガンランスや大太刀を構えた村人が「一狩りしようぜ!」と構えていたとかなんとか


ハッキリ言っておきますがこれまでは序章、そしてここからが本番です
更にウィラと周りの家臣団がイギリスホグワーツを舞台に大暴れします

他にも『Dies irae』要素(と言うかLight作品要素ですね)が更に強くなります
次の章の為に今まで詠唱も何も言わせなかったと言っても過言ではないです


そして徐々に自覚しつつあるスネイプ
彼がどのように苦悩し、どのような答えを出していくかも楽しんでもらえれば幸いです
(終わり方だけは決めてます。ハリポタss史上見たことがない終わり方と自負しています)



次回予告





「抱きしめてと・・・卿等が言ったのだ。安心しろ・・・壊れてもなお、我が抱擁が卿等を離すことなど__あり得んよ」

黄昏の異名を持つ偉大なる君__ウィラトリア・エル・ドラド・ゴルドーン・クレーリア
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