架空の財閥を歴史に落とし込んでみる   作:あさかぜ

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番外編:この世界の航空関係①(東アジア)

〈東アジア(旧西側)〉

・韓国

 経済発展が遅れている為、大韓航空以外の航空会社が存在しない。同様に、国内の空港整備も遅れており、仁川・務安・襄陽の各国際空港、蔚珍・金提の各空港は建設されていない。一方で、それ故に史実では旅客運用が終了した木浦・束草・江陵の各空港は存続した。

 

 保有している機材はボーイング737とボーイング747、フォッカーF28とその改良型のフォッカー100の4機種だが、資金不足や極東危機による日米からの経済制裁などで機体の更新が進んでおらず老朽化が著しい。ボーイング737は737クラシック(300、400、500)で、ボーイング747も747クラシック(100、200、300)とどちらも2世代前の機体となっている。その為、老朽化が著しいだけでなく、燃費の悪さや騒音、環境配慮などに適応出来ていない。

 その為、新機材導入の計画が立っているが、資金不足や経済制裁の影響でアメリカ製航空機(ボーイング、マクドネル・ダグラス)及びヨーロッパ製航空機(エアバス)の新品購入はほぼ不可能となっている。ロシアも同様の措置を採っており、新機材導入はほぼ絶望的となっている。

 しかし、中古機の導入についてはアメリカは認めている為、世界中から737と747を買い漁って備品供給体制を構築して、何とか飛ばしている状況にある。

 

 国内の高速鉄道網が整備されていない為、国内線はそこそこの頻度がある。これは、整備性が高く運用コストが低いフォッカーで運用している為である。737は、幹線(ソウル釜山線)以外の運用は少ない。

 一方、国際線は前述の機体の古さから乗り入れが年々困難な状況となっている。日本便とアメリカ便は経済制裁や国家間の関係からソウルと成田・関空・ニューヨーク便以外を飛ばせていない。それ以外の西側諸国と東側諸国の便も少ないが、例外的に中華人民共和国(大陸)と中華民国(海南島)だけはそこそこ飛ばしている。

 

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・中華民国(海南島)

 こちらも経済発展が遅れているが、航空会社は中華航空(チャイナエアライン)とマンダリン航空の2社存在する。

 このマンダリン航空は史実のとは異なり(史実のはチャイナエアラインの子会社)、民航空運公司(CAT)が改編したものとなる。史実のCATは、1968年の事故や脱税、外資色の払拭(CIAの支援で存続していた)などから1975年に会社を清算して消滅した(実際には、1968年の事故で唯一保有していた国際線用の機体を失った事で国際線を運航出来なくなり、収入減も無くなって順次縮小していった)。

 この世界では、外資色の払拭の際に、新興民族資本(=国民党との繋がりが弱いか比較的新しく構築したもの)を受け入れ、中小国内航空会社を統合して存続した。その際、CATの名前を消して「マンダリン航空」に改称した。「マンダリン」の由来は、CAT時代によく使っていたフレーズからである。

 

 海南島はアメリカの影響力が強い為(というより、日米に枷を嵌められて自由に動けない状況)、保有機材は全てアメリカ製(一部日本製)となっている。しかし、比較的新しい機体の購入は許可されている為、韓国程酷い状況にはなっていない。

 チャイナエアラインは、ボーイング747とボーイング777、ボーイング737、ボーイングMC-2を保有している。だが、747(400)は老朽化や運用コストの関係から廃棄が進んでおり、代わりに777を増やしている。

 マンダリン航空は、大型機としてMD-11とMD-12、小型機としてMD-14とMD-15の4機種を保有している(ボーイングMC-2及びこの世界でのMDシリーズについては『番外編:この世界の日本製旅客機の開発事情』参照)。主力はMD-11とMD-14であり、前者は中長距離国際線用、後者は近距離国際線及び国内線(海口湛江線、海口三亜線)で使用されている。MD-12は長距離国際線(北米、ヨーロッパ方面)、MD-15は国内線専用となっている。

 

 国内線は、海口湛江線と海口三亜線が幹線となっている。それ以外にも東沙線や西沙線が存在するが、週2本程度しか運行されていない。「自国の領土である」という証明以上の目的が無いのである。

 国際線は、北米線やヨーロッパ線、東南アジア線は比較的多いが、日本線と台湾線は主要国際空港以外には就航していない。また、国交を結んでいない事から、中国線と満州線は運行していない。

 

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・台湾

 FSC(フルサービスキャリア)として台湾航空とエバー航空、LCCとしてタイガーエア台湾とVエアが存在する。この内、タイガーエア台湾は台湾航空系の、Vエアはエバー航空系となっている。

 台湾航空は1956年に設立された元国営航空会社だが、1990年代に民営化した。その後、近距離国際線と北米線を中心に拡大し、2010年にタイガーエアと合弁で「タイガーエア台湾」を設立して翌年に就航した。

 エバー航空は、1984年に国内の中小航空会社を長栄海運グループが買収、統合して設立された。その後、台湾第2の航空会社として発展し、2012年にLCC用に設立したのが「Vエア」だった。

 

 日米との繋がりが強い為、保有機材も大型機はアメリカ製、小型機は日本製となっている。この内、台湾航空はボーイング機が、エバー航空はマクドネル・ダグラス機が主力となっている。

 台湾航空は、ボーイング737とボーイング767、ボーイング777、ボーイング787、ボーイングMC-2、ボーイングBM-1を保有している。MC-2とBM-1は国内線及び近距離国際線に投入され、残りは国際線に投入されている(737は近距離線、767、777、787は近距離高需要線及び中長距離線)。

 エバー航空は、MD-95、MD-14、MD-15、MD-11、MC-2を保有している。MD-15とMC-2が国内線に、残りが国際線に投入されている(95と14が近距離、11が近距離高需要線及び中長距離線)。

 

 領土が台湾と澎湖列島であり、既に新幹線が開通している事から、国内線の需要は大きく減少した。実際、かつては国内最大の幹線である台北高雄線を2社で40往復飛ばしていたが、2005年の台湾新幹線の開業で5年後には全便消滅した。それ以外の台湾西岸を飛行する便(台北台南線、台北台中線など)も数年で消滅した。残っているのは、澎湖列島を結ぶ線と東岸への路線、南部の恒春への路線程度であり、それらもMC-2やBM-1、MD-15などリージョナル機で間に合う需要でしかない(繁忙期でも737程度の需要)。

 一方、国際線については多数飛ばしている。日本には主要都市だけでなく、地方都市にも多く飛来している。特に、近年の観光需要の高まりから、LCCが地方路線を多数開設している。

 他にも、東南アジア線や北東アジア線(特に満州線)、北米線を多く飛ばしている。近距離かつ発展著しい東南アジア線と北東アジア線はLCCも多く開設しているが、北東アジア線は中国が台湾の存在を認めていない事から中国上空を飛行出来ず、東シナ海・黄海上空を飛行するルートとなっており若干遠回りとなる為、LCCは満州線以外は運行していない。

 

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・他の東アジアの国(チベット、香港)

 首都・ラサや第二の都市・シガツェ、西部の要衝・ガリに空港が置かれている。これらの空港は、米軍やインド軍も駐留している。

 航空会社はチベット航空のみで、保有機材はボーイング737やMC-2である。国内の空港と近隣諸国(中国を除く)を結ぶ路線のみ存在し、中長距離国際線は海外の航空会社に一任している。

 

 香港は、キャセイグループについては史実通りだが、中国線が少ない。

 

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〈東アジア(旧東側)〉

・中国

 中国民航(民航)が6社に分割しないで、単独で民営化する(尤も、株式は100%政府保有の為、実質変わらない)。その為、中国国際航空、中国東方航空、中国南方航空は存在しない。また、民航総局による新規参入の認可も下りなかった為、上海航空や海南航空などの航空会社も存在しない。

 その代わり、中国聯合航空(聯航)が上海航空や海南航空など地方航空会社の代わりに拡大している。この会社は1986年の年末に設立された会社だが、母体が人民解放軍空軍であった。人民解放軍は「自力更生」の下、軍による経済活動が行われており、これもその一環だった。

 史実では、人民解放軍の経済活動に制限が加えられて2002年に運行停止の後、2005年に上海航空の傘下に入りLCC化して存続している。この世界では、人民解放軍の人脈や伝手で拡大し、史実の上海航空グループ、海南航空グループなど民航系の流れを汲まない航空グループを合わせた程度の規模となっている。

 LCCは存在しない。中国そのものの経済発展が遅れ気味で、航空移動が一般的でない為である。

 同様に、国内の空港整備も遅れ気味で、上海浦東や北京大興など20世紀末以降に開港した空港は軒並み存在しない。また、既存の空港の設備の拡張もそれ程進んでいない。

 

 台湾関係から日本との関係は悪く、アメリカとの関係も良くない。一方で、イギリスやフランスなどヨーロッパとの関係は比較的良い為、民航・聯航共にヨーロッパ製が多い。かつてはソ連機や自国製を使用していたが、現在は小型機に残る程度となっている。

 共に、国内線及び近距離国際線用にBAe146とエアバスA320シリーズ、中長距離用にエアバスA300とA330、A340を保有してる。しかし、資金不足から新型機の導入は遅れ気味であり、A330とA340の導入は進んでいない。また、A320とA300は初期型の為、そろそろ新型に替える必要がある。

 

 国内線は、領土の広さと高速鉄道網の未整備から本数は多い。特に、北京、上海、広州、西安、成都を結ぶ幹線の需要は高い。地方路線はそこまで多くないが、路線数自体が多い為、保有機材も多い。

 国際線は、北京、上海、広州、西安、成都からのみ離発着している。日本及び周辺国との関係が悪い事から、日本線、北東アジア線、東南アジア線、インド線の運航は少ない。北米線や旧ソ連線はアジア線よりは運行されているが、それでも多いとは言えない。一方で、繋がりが強い西ヨーロッパ線は多数運行され、ベルリン、ローマ、パリ、ロンドンなどに毎日運航している。

 

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・満州

 元国営会社の満州航空、元チャーター便専門会社兼軍関係の輸送会社のトランスアジア航空(旧名・遠東航空)、民主化前の1988年に設立された満州初の純民間航空会社のアシアナ航空の3社がFSCとなる。LCCは21世紀に入ってから設立され、ティーウェイ航空、イースター航空、ジェットスター・マンチュリア(満州航空との合弁)が存在する。また、コミューター会社として満州コミューター航空(MCA)が存在する。

 首都・新京には中心部に近い新京大屯空港と新京大房身空港、郊外の新京龍嘉空港の3つが存在する。この内、大屯は国内線専用、大房身は龍嘉開港前までは国際線が発着していたが、現在は国内線専用となっている。龍嘉は大屯と大房身の混雑緩和を目的に建設され、1994年に開港した。規模は3500m級2本であり、更に2本の滑走路を追加する予定となっている。因みに、大屯は2500m級1本、大房身は2800m級1本と2500m級1本となっている。

 

 ソ連の衛星国であり、現在もロシアの影響力が強い事から、満州航空とトランスアジア航空はロシア製の機体が多い(この世界のロシア製航空機は、史実よりも性能が高い)。一方、アシアナ航空は民主化を見越して設立された為、当初から西側製の機体を採用している。

 満州航空とトランスアジア航空は、近距離国際線及び国内線用にTu-204とTu-214、国際線用にIl-86、Il-96、An-218などを保有している。1990年代後半にアメリカに接近した事からボーイング機の導入が計画されたが、その後の極東危機や政変、ロシアによる衛星国化の強化などで計画は頓挫、以降もロシア機・ウクライナ機以外は導入していない(自国製の旅客機はライセンス生産のみ)。

 アシアナ航空は設立当初、西側諸国の機体の導入を積極的に行った。最初に導入した機体はA310であり、国内線(新京大連線、新京奉天線)からスタートした。その後、国内幹線や国内準幹線、近距離国際線に進出し、機体もA310やA300、A320、A330などと増やしていった。現在、国内線及び近距離国際線用にA320グループとボーイング737、国内幹線及び国際線用にA330とボーイング777を導入している。

 LCCの方は概ね1機種だが、会社毎に採用機種が異なる。ティーウェイはTu-204、イースター航空はボーイング737、ジェットスターはA320をそれぞれ使用している。

 MCAは、満州航空とトランスアジア航空が保有していたコミューター路線の受け皿として設立された。その為、保有機材はAn-32、An-38、Yak-40、Yak-42、An-74、SSJ-100(スホーイ・スーパージェット)などリージョナル機を保有している。

 

 国内線は、新京を中心に各都市を結ぶ路線が多い。特に、新京大連線と新京奉天線が幹線に指定されており、国内有数の本数と輸送量を誇る。それ以外にも、哈爾浜線や斉斉哈爾線、佳木斯線なども本数が多い。近年では高速鉄道網の整備が行われているが、それ以上に経済発展による移動者の増加が見込まれる為、利用者は増加すると見られている(例外的に、直線距離で約250㎞しかない哈爾浜線は大きく減ると見られている)。また、国際線の運航も増加している為、国内の多くの空港で機能強化の為の工事が行われている。

 その国際線は、歴史的経緯から旧ソ連や東欧、北東アジア、東南アジア(ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー)、アフリカへの路線が多い。近年では、西ヨーロッパや東アジア(日本、台湾)、北米、他の東南アジアへの路線も増やしている。

 一方で、中国と韓国への路線は設定されておらず(共にロシアを経由する必要がある)、中華民国線も21世紀になって漸く運行が開始された(新京海口線、週4便)。

 

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・他の北東アジア諸国(北朝鮮、モンゴル、プリモンゴル、ウイグル)

 北朝鮮は、高麗航空以外の航空会社が存在しないのは史実通り。だが、保有機材はAn-148、Tu-204、Tu-214、Il-86など比較的新しいものを使用しているが、Yak-40やTu-154、Il-62など旧式な機体も残っている。

 国内線は、平壌清津線が幹線だが本数が多くない。それ以外の路線も存在するが、近距離である事や就航先の都市の人口の少なさから、本数が少ない。その為、国内線はYak-40やAn-148などリージョナル機で運行されている。

 国際線は、近隣の満州やロシア極東部への路線が多い。特に新京線や奉天線、ウラジオストク線の本数が多い。それ以外の旧ソ連線や北東アジア線、東欧線、東側の東南アジア線なども運行している。21世紀に入ってから、日本線や中国線の就航が進んでいる。

 

 モンゴルはほぼ史実通りだが、保有機材がロシア製・ウクライナ製で固められている。また、中国線が存在しない代わりに、満州線や北東アジア線が充実している。

 

 プリモンゴルは、元国営のプリモンゴル国際航空(PMIA)と民主化後に設立されたウブル航空の2社が存在する。保有機材は、前者がTu-204、Tu-214、An-214、後者がAn-32とAn-38となっている。An-32とAn-38はターボプロップ機であり、国内の小規模空港向けに運用されている。

 そもそも、ウブル航空が設立された経緯は、PMIAの国際線特化に伴う国内線縮小に対応する為、国内線の受け皿として設立されたのである。

 その為、PMIAは国際線、ウブル航空は国内線と分けられている。尤も、ウブル航空は近隣の国際線も存在し、モンゴル線や満州線を運航している。

 

 ウイグルも、プリモンゴルとほぼ同じ状況となっている。元国営で国際線を運航するウイグル国際航空(UIA)、民主化後に設立され国内線と周辺国との近距離国際線を運航する崑崙航空と天山航空が存在する。

 保有機材は、UIAがTu-204、Tu-214、An-214、崑崙と天山がAn-32、An-38、Yak-40となっている。

 

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〈この世界のソ連・ロシア機について〉

 史実のソ連・ロシア製の機体は西側の機体よりも低性能だが、この世界ではソ連自身の自助努力と満州の存在による東側全体の技術革新のスピードが速まった事で、史実よりも性能が良い。それでいて低価格の為、旧東側とアフリカを中心にそこそこ広まっている。

 また、史実よりも就航時期が早かったり、史実とは異なる機体となったものも存在する。他にも、ロシアとウクライナの関係が良好なままの為(正確には、ウクライナがロシアの影響下から脱しようと動いたが先手を打たれて失敗、再衛星国化された)、ウクライナ製の機体の導入が容易となり、また同じタイプの機体の開発も行われていない(An-178とIl-214など)。

 

 Tu-204は、史実では1989年から生産が開始されたが、この世界では1985年から生産が開始された。生産時期が早かった事で東欧圏の航空会社もTu-154の後継機として採用しており、旧ソ連・東欧・北東アジアの小型機と言えばこれと言われる程となった。

 現在もエンジンやアビオニクスを改良したタイプの生産が行われており、途上国への売り込みも積極的に行っている。ボーイング737やボーイング757、A320のライバルとなっている。

 

 Tu-214は、史実ではTu-204のマイナーチェンジ版だが、この世界では「ツポレフ版ボーイング767」と言える機体であり、Tu-204をワイドボディ化した機体となる(3-3を2-3-2に拡大)。ライバルとしてはボーイング767やA300だが、1997年就航開始と遅れた為、Tu-204と比較すると商業的にはやや苦戦している。それでも、価格の安さやTu-204と設計が共通な事から旧ソ連や北東アジアでの利用があり、Il-62の後継機としてある程度の地位を得ている。

 

 Il-86は、史実ではエンジンの性能の低さから大型機としては航続距離が短い事で敬遠され、ソ連以外では殆ど採用されなかった。その為、更新予定だったIl-62が残り続け、逆にIl-86は早期に退役となった。

 この世界では、高性能エンジンの開発と生産が早まった事で、当初予定の性能を出す事に成功したこれにより、ソ連や東欧、北東アジアにおける大型機としての地位を確立した。現在は、ストレッチタイプの生産やエンジンの転換、グラスコックピット化などの近代化改装を施したタイプに切り替えられているが、後述のIl-96やAn-218への置き換えが進んでおり、2005年に生産ラインが閉じた。総生産数は約250機だった。

 

 Il-96は、Il-86の改良型として生産されたのは史実と同じだが、この世界では座席配置の変更をした為(3-3-3から3-4-3)、若干幅が広くなっている。この結果、2クラスで400人以上運べる大型機となった。

 就航開始が1990年と遅かったが(これでも史実より2年早い)、ソ連や満州で導入された。現在も改良型の生産が行われており、特に経済発展著しい満州とベトナムからの注文が多い。旧東側での大型機の新たな定番となりつつある。

 

 An-218は「ソ連版ボーイング777」と言うべき機体だったが、提案が出されたのが1991年だったのが拙かった。同年にソ連が崩壊し経済は混乱状態となり、1990年代半ばに計画は破棄された(この時、設計の約8割が完了)。

 この世界では、Il-86の成功による共産圏での航空需要の高まりから大型機の設計を促進する様に支持された。また、ソ連・満州の共同設計で1986年に設計が完了し、1990年に試作機が完成した。その後、ソ連崩壊による混乱で生産が遅れたものの、1993年には量産体制が整い、アエロフロートやウクライナ航空、満州航空などへの納入が開始された。

 現在は、グラスコックピット化やエンジンの転換などの改良型の生産に移行しており、Il-96と共に旧東側での大型機の主流となっている。


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