架空の財閥を歴史に落とし込んでみる   作:あさかぜ

89 / 112
番外編:この世界でのプロ野球の状況(2010年代~:別の世界)③

 DeNAとプラネットにとって最初のシーズンが終了し、早速課題の解消に取り組んだ。

 DeNAは、主砲不在によって点が取れない事、エース不在によって抑えきれない事を早急に解消する必要があった。その為、早くもトレードで他球団の主砲とエースの獲得に乗り出し、それでも不足する分は海外から獲得するなど精力的に動いた。だが、資金面の問題がある為、他球団の2軍で燻っているスラッガーや、マイナーリーグで好成績を上げている選手が中心となった。

 プラネットは、選手間の意識改革を行い、勝負所で負けない気持ちを持たせる事、生え抜き組の技術・体力の両面での向上が重要になった。その為、座学や練習量の増加だけでなく、スポーツ科学に則った後方支援体制の構築、各種設備の拡充など多くが行われた。全ては、資金力のある親会社があってこそだった。

 一方で、主戦力の拡充も抜かり無く行われ、自由契約やトレードで積極的な補強が行われ、それでも不足する分は海外から引っ張ってきた。

 

 そして、2014年シーズンだが、この年の両球団は対照的な結果となった。

 DeNAは、開幕から7連勝するなど好調なスタートとなった。その後、順調に勝ち星を増やしていき、オールスター前には首位と8ゲーム差ながら3位と過去最高の順位となった。オールスター後も若干勢いは落ちたものの好調は続き、最終的には首位と11ゲーム差の4位となった。トレードで獲得した選手と若手の当たり年であった事が、この年の好調の要因だった。

 一方、大々的な補強を行ったプラネットは、開幕1か月こそ好調だったものの、大型補強した選手が軒並み不調に陥りズルズルと調子を落としていき8位となった。それでも、後期に入ってからは調子を戻したが、前期での不調が響いたのか今一つ波に乗れず、6位に終わった。通年でも7位と、大型補強を行った割にはかなり低い順位となった。

 

 今まで好調が続いていた新潟と北陸だが、今年は一転して不調となった。新潟は、開幕から8連敗して、これ以外にも8連敗を2回、7連敗も2回するなど大型連敗が続き、終わってみれば初めての最下位となった。北陸も、開幕こそ勝利したものの、その後は10連敗して、それ以降も調子が上がらず前期最下位となった。後期も同様となり、初めて前期・後期・通年の全てで最下位となった。投打が全く噛み合わなかった事に加え、今まで好調だった時に無理をし過ぎた反動がここに来た為であった。

 

●新規参入組の2014年ペナントレースの成績

(球団名:通年順位(前期順位/後期順位):勝ち/負け/引き分け(前期勝敗内容:後期勝敗内容):通年勝率(前期勝率/後期勝率))

〈ジャ・リーグ〉

・埼玉DeNAカブス:4:74/70/0:.514

・新潟アルビレックス:10:54/89/1:.378

 

〈ナ・リーグ〉

・北陸サンダーバーズ:10(10/10):53/82/9(26/41/5:27/41/4):.399(.396/.403)

・熊本プラネット・フェニックス:7(8/6):65/76/3(30/41/1:35/35/2):.462(.424/.500)

 

____________________________________________

 

 球団として戦える様になってきたDeNAとプラネットだが、この様な結果で満足する筈が無かった。球団の親会社となったからには、リーグ優勝からの日本一を望んでいた。その為、シーズン後半から来シーズンに向けた強化計画が立てられていた。

 特に、補強が事実上失敗したプラネットは、親会社の資金力を活用して補強と育成能力の強化の両方が同時に行われた。

 

 DeNAは、前年同様に2軍やマイナーリーグからの補強を強化した。昨シーズンにスカウトを増員した事で、獲得候補を多数確認した。これにより、トレードで6人(投手2、捕手1、内野手2、外野手1)、新外国人を3人(投手1、内野手1、外野手1)獲得した。

 昨年のドラフトでも、大卒と社会人から多くの即戦力級の選手を獲得した。それらをドラフトで外しても、有望と見られた高卒で対応した。最終的に、ドラフトで9人指名し(大卒投手1、大卒内野手1、大卒外野手1、社会人投手2、社会人捕手1、社会人外野手1、高卒投手1、高卒捕手1)、全員の入団が決定した。全ては、数年以内の優勝を目指している為である。

 

 プラネットの方は、大型補強が失敗した経験から、育成重視に変更した。これは、この2~3年は選手の育成に力を注ぎ、4~5年後に優勝を目指す計画の為である。

 ドラフトや補強もその計画に沿って行われた。ドラフトでは、育成前提から高卒をメインに獲得した。実際、2014年から3年間のドラフトで毎年10人指名したが、高卒以外を指名したのは5人だけである(内訳は、2015年に大卒捕手1、社会人内野手1。2016年に大卒内野手1、社会人捕手1、社会人内野手1)。

 また、補強の方も、主に自由契約となっている選手や、金銭トレードで1軍と2軍を行ったり来たりしている選手を中心に獲得した。新外国人も、AAAを中心に3年間で9人獲得した。

 尚、新規入団や補強で支配下登録を超す選手を抱える事となった為、一部を育成選手と共に3軍に移して、育成に特化した組織となった。

 

 今までの好調から一転、最下位に転落した新潟と北陸だが、路線変更は行わなかった。資金力でDeNA、プラネットに勝てない両球団は積極的な補強を行えない以上、地道な育成の強化を行う以外に方法が無い為である。

 実際、若い選手の実力は年々上がっており、海外のベースボールアカデミーでの成果も着々と上がっていた。ここで急な路線変更を行っては混乱を招くだけだった。

 

____________________________________________

 

 補強の結果、DeNAは2015年から毎年Aクラス入りをしたが、優勝争いに入り込めないかプレーオフ進出条件を満たせない為、リーグ優勝する事は無かった。2015年に4位、2016年に5位、2017年に3位となるものの首位と7ゲーム差ありプレーオフに進出出来ず(ジャ・リーグプレーオフの進出条件は、3位以上かつ首位と5ゲーム差以内)、2018年に首位と4ゲーム差ながら4位と、何れも惜しい所までは行くもののそこから先に中々進めなかった。

 しかし、2019年に開幕で好調なスタートを切ると、その後も順調に勝ちを重ねていった。この年好調の巨人と共に優勝争いを演じ、終わってみれば巨人と2ゲーム差の2位と球団史上最高の順位となった。その後、3位の大日(2.5ゲーム差)とのプレーオフ第1戦にストレート勝ちで下したものの、プレーオフ第2戦の巨人相手に1勝3敗で敗れた為、リーグ優勝とはならなかった。

 

 一方、プラネットの方は、2015年と16年こそBクラスとなったものの(それぞれ7位と6位)、2016年は前期を首位と0.5ゲーム差の2位で終えるなど、優勝争いに入り込む体制が着々と整いつつあった。特に、2016年には開幕後に熊本地震が発生し、本拠地の藤崎台も破損するなどして万全の状態では無かった(ホームゲームをサンマリンスタジアム宮崎と山鹿市民球場で行った)。そんな中で優勝争いに食い込む姿は、県民の励みとなった。2017年には、前期4位、後期3位、通年3位と大健闘したが、広島・楽天・西武を打ち崩す事が出来なかった。

 そして、2018年に遂に前期制覇を果たした。後期は3位とやや落としたものの、初めてプレーオフに進出した。後期制覇の西武とのプレーオフは、通年勝率の関係から西武に1勝のアドバンテージがあったものの、3勝2敗でプラネットが制して球団創設13年目(1軍参入からだと11年目)にしてリーグ優勝を果たした。

 その後、日本シリーズでジャ・リーグ優勝チームの宇都宮大日イーグルスとの戦いは、場数を踏んでいる大日の方に分があると見られていたが、その前評判をひっくり返す結果となった。勝負は7戦まで縺れ込み、第7戦を引き分けに持ち込むと、第8戦を2-0で大日を下して日本一に輝いた。

 翌2019年は、前年に日本一になった影響からか余り調子が上がらず、前期5位・後期4位の通年5位という結果に終わった。この経験から、余裕の付け方や気持ちの持ち方など精神面での教育が行われる様になる。

 

 新潟は、2015年と16年は今一つ調子が上がらず、7位と5位(DeNAと同率)という結果に終わった。

 しかし、2017年は大当たりの年となり、若手陣が大活躍した。その結果、勝率1位でシーズンを終えた。その後のプレーオフも、1ゲーム差の2位の阪急を3アドバンテージの1勝を含む3勝1敗で下し、初めてリーグ優勝した。

 だが、日本シリーズではこの年のナ・リーグ優勝チームの広島に健闘したが2勝4敗でシリーズ敗退となり、日本一の栄冠は惜しくも逃した。

 翌2018年は、前年のリーグ優勝で燃え尽きたのか開幕3連戦を全て落とし、その後も今一つ波に乗れなかった。その為、8位という成績に終わっている。

 

 北陸は、2015年から2018年まで常にBクラスだったが(7位・6位・8位・7位)、2016年は後期制覇を果たしており、プレーオフ進出を果たした。しかし、前期制覇のライブドアにスイープされてリーグ優勝とは成らなかった。

 尤も、この年のナ・リーグは前期はライブドアが、後期は北陸が1位となったものの、通年1位は広島であり、仮にライブドアに勝っても次の広島にも勝つ必要があった。そして、ライブドアも広島に1勝3敗で敗れて、リーグ優勝は広島のものとなった。

 2017年シーズン終了後に監督が辞任となり、新監督の下で2年目の体制となった2019年、遂に北陸の快進撃が始まった。北陸は球団創設以来の快挙となる開幕から8連勝を記録し、前期2位となった。後期も勢いを維持して、球団記録となる12連勝をするなど、破竹の勢いで進んだ。その結果、後期制覇を果たし、通年1位となった。プレーオフも、前期制覇の楽天を寄せ付けずスイープで下し、球団創設14年目にリーグ初優勝を果たした。

 しかし、日本シリーズではペナントレースとプレーオフの勢いに乗る事は出来ず、ジャ・リーグ優勝チームの巨人相手に善戦したものの、2勝4敗で下されて日本一とはならなかった。




この世界の日本シリーズの結果(2016年~2019年)
(西暦:ジャ・リーグ優勝チーム―ナ・リーグ優勝チーム(○は日本一、●は負け):日本一チームの勝ち数/負け数/引き分け数(ある場合))
2016:〇四国日本ハムロビンス―●広島東洋カープ(4/2)
2017:●新潟アルビレックス―〇広島東洋カープ(4/2)
2018:●宇都宮大日イーグルス―〇熊本プラネット・フェニックス(4/3/1)
2019:〇読売ジャイアンツ―●北陸サンダーバーズ(4/2)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。