この作品は、小説家になろう、エブリスタ、カクヨム にも投稿している。 

座敷牢には二十人の子供達の死体と、どす黒い血の海が広がっていた。その光景は、まさに地獄絵図だった。
 ゴボゴボと口から血を出し続けている子供。喉を突かれて、いまだに動き回って、寸前に死を迎えているのにもかかわらず、鮮血をあちこちにまき散らしている子供。
 死の饗宴が始まった最初の頃に、村正でけさがけされて、既に死亡している子供。
 腹を斬られ、体の内部にある臓物≪ぞうもつ≫を飛び出させ、血の海の中で死んでいる子供。
 スパッと首をはねられていたが、いまだに、胴体から鮮血を噴き出させている子供。
 両目をえぐられ、自分が出した血の中で暴れまわった痕跡があり、眼窩をむき出しにして亡くなっている子供……など、悲惨な死に方をした子供達は、まるで、鮮血の海で溺れたかのような姿だった。
 殿は悪魔その者だ。いや、邪悪な魔王のような存在だ、と言えるだろう。
 私の全身の毛が逆立ち、激甚な恐怖心と殿への嫌悪感とで、震えは止まらなかったのだった。
 殿の顔が醜く歪んで、般若≪はんにゃ≫のような恐ろしい顔になり、嫌悪感を辺りに振りまいて、ワハハハ、ワハハハ、ワハハハ、ワハハハ……と、長い間、笑っていたのだ。   
 その後、家臣に命じ、屋敷内の庭を深く掘って子供達の遺体を埋めさせた。遺体をかぶせた土に、四寸位の桜の苗木を四本植えさせたのだ。勿論、家臣達には緘口令≪かんこうれい≫をしいた。
 一部始終を見届け恐怖に震えていたが、何とか恐怖心を押さえて、私は、嫁いで初めて殿をいさめた。その時、嫌な予感が脳裏を走った。
 その予感は的中したのだ。
殿は、いきなり小刀で私の口を切り裂き、屋敷内に昔からあった古井戸に放り込んだ。上部にフタをされたので、井戸の中は真っ暗な闇になった。
 私は、井戸の壁面を爪で引っかいて、何度も何度も登ろうと試みた。爪が剥がれ、血だらけになっても登ろうとしたが、とうとう冷たい井戸の底に沈んでしまった。多分、私の力が尽きてしまって、絶命したのだろう。
 何刻経た時だろうか? 肉体から、怨念でいっぱいに膨らんだ意識だけが、抜け出るのを感じた瞬間、私の体はまるで風船のように軽くなった。そう思った刹那、私は、フワ、フワ、フワ、フワ……と上昇し、何の苦もなく井戸のフタの間をすり抜けたのだ。


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、フワ、フワ、フワ、フワ……と上昇し、何の苦もなく井戸のフタの間をすり抜けた私が、夫である殿へのおぞましい復讐とは?。



祖母の恐ろしい前世

 ある朝の事だった。

 なんの脈絡もなく急に祖母が言い出したように、勉には思えた。

 だが、祖母にとって十分な理由があったのだ。

「そうじゃのう。美の精霊に両手を合わさなきゃ、とんでもない罰があたるぞ。イヒヒヒヒ、イヒヒヒヒヒヒヒ……」 

 祖母は、総入れ歯をキッチンで洗いながら笑っているのに、いやにはっきりした言葉で言った。常人なら総入れ歯を外すと、その言葉は理解できない。祖母の口周辺にはシワが多く、笑うと口は異様に大きく感じ、勉は今やもう都市伝説になっている「口裂け女」を連想した。

「勉、今、わしを口裂け女だと思ったのではないかえ?」

「う、う、うん。おばあちゃんには、昔から俺の考えを読める超能力あったなぁ。おばあちゃんの悪口は言えないなあぁ!」

 優しそうな表情をして、祖母は言葉をつむいだ。

「まあ、そんなことぐらい許してやるよ。ある意味では当たっているからのう。確か、江戸時代じゃ。大雨の夜、わしは、ずぶぬれになりながら歩いていると、大黒屋長助の下人の権助≪ごんすけ≫が傘をさしてくれた。傘を持っていないのを気の毒に思ったのじゃ。相合傘≪あいあいがさ≫に、わしは一瞬、心をゆるませてしまったのじゃ。わしの口角が、思わずつり上がってしまった。不幸にも、権助は、わしの口が耳まで裂けているのを、ハッキリと見てしまったのだ。可哀そうに、権助は、その後精神に異常を来たして、一カ月も経たないうちに死んでしまったのじゃ。南無阿弥陀仏≪なんまんだぶ≫、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀……」

 だが、祖母が言っている事に、勉は矛盾を感じて祖母に尋ねた。

「でも、おばあちゃんは、明治生まれの筈だよねー。今の話は、江戸時代でしょう。時代が全く違うよ!」

 祖母は、口を尖らせて不機嫌そうに言った。

「でも、事実だから仕方ないわい!」

「もう、認知症になったのかよー。おばあちゃん、しっかりしてくれよ!」

「馬鹿だねえ、お前は。わしの前世に経験した話だよ。お前の期待に反して、わしはまだボケとらんわい!」

 勉、母と祖母の三人は、腹をよじらせ、畳を叩きながら大笑いをした。

「アハハハハ、アハハハハ、アハハハハ、アハハハハ、アハハハハ、アハハハハ……」

一家は、団欒≪だんらん≫の至福に酔っている。そんな些細な事が積もり積もって、勉、母、祖母の三人の目に見えない強い絆を、更に強めていくのだ。

「ところで、おばあちゃんの前世はどんな人だったの? 俺は、ホラー小説が大好きだけれど、口語調で話してよ。映画で観るような、時代がかったセリフで言われるのは、どうも苦手だなぁ。まるで、歌舞伎を鑑賞しているみたいだからだよ。お願い! 口語調で話してよ。頼むよ!」

 勉は、まるで、神様にお願い事をしているかのように、祖母の目を見ながら両手を合わせたのだ。

「全く、しょうがないのう。お前の望みに従うよ!」

「ありがとう。無理言って、ごめんな!」

祖母は、おもむろに、一つ可愛い咳払いをしてから、とても若くて張りのある声で語りだした。今年で七十九歳になるのに……。

「良子には、とっくの昔に話をしたのだがのう。えーと……お前には、まだ話していなかったかのう。参勤交代で、殿とともに江戸屋敷にいた時の事だよ。また、例の殿の残酷な気まぐれが、始まったのだ。

 当時は、江戸時代後期の天保八年であり、寛永・享保・天明に続く江戸四大飢饉の一つ天保の大飢饉≪だいききん≫の真っただ中であった為、徳川幕府より付与されていた石高≪こくだか≫の三ぶんの一しか農民より年貢米を得られなかった。天保の大飢饉は、江戸時代後期の千八百三十三年(天保四年)に始まり、千八百三十五年から千八百三十七年にかけて、最大規模化した飢饉であった。

殿の領地が、米作に偏った政策を行っていたので、被害が甚大であったのだ。各地で百姓一揆や打ちこわしが頻発していたからだった。その主たる原因は、洪水や冷害であり、その結果、各地で餓死者は多数出た。天保七年には、幕府直轄領である甲斐国で、一国規模の百姓一揆が起きた。天保騒動や、天保八年に大坂で起こった大塩平八郎の乱の原因にもなった。特に大阪では、毎日約百五十から二百人を超える餓死者を出していた。

 当然、殿は、家臣達を飢えさせる訳にはいかない。そこで、今まで貯めて来た在庫を取り崩さざるを得なかったのだ。それらが起因して苛立ち、今後の見通しは真っ暗なので、とうてい未来に対して期待なぞ出来ないので、殿はかなりあせっていた。

 殿は、家来に命じ、貧しい農民達に大金を握らせて、幼い子供達を二十人買ってこさせた。

その頃、殿の領地にも、飢饉≪ききん≫が農家を襲っている真最中だった。食料が欠乏して、全国のいたる村で、おびただしい数の餓死者を出していた時期だった。くちべらしの為、次男以下の幼い子供達を、自らの手で殺害していた時代だ。農家の跡を継ぐ長男だけを、生かしていたのだ。

銘をすりつぶした「妖刀村正」の試し切りをするために……。

怒気と絶望に覆われて自暴自棄になっていた殿は、家来に命じて、屋敷内にある座敷牢に二十人の幼い子供達を、無理矢理に閉じ込めさせていた。

殿は、妖刀村正をうやうやしく持ち、座敷牢に単身入って行ったのだ。

そして、殿は、座敷牢の中でギヤー、ギヤー、ギヤー、ギヤー……と、悲鳴を上げて逃げ惑う子供達を、村正で手当たり次第に切りつけた。私は牢のすぐ側で見ていた。しかし、とうてい正視出来ず、胃がむかついてきて何度も何度も吐いてしまった。

だが、殿は、うっとりとした表情を浮かべて、ヨダレをたらしながら、喜びに満たされたようなゆがんだ笑顔さえしていたのだ。あちこちで噴き出す真っ赤な鮮血が、天井までをも染めていたのだ。血にまみれた畳の上で、首のない死にかけの子供が、全身をケイレンさせている。その子供の上を、腹を切られ腸を引きずった子が、フラフラ左右に動きヨタヨタした足取りで踏みつける。身の毛もよだつ、とてつもなく恐ろしい光景だった。その時初めて知った事がある。

そ、そ、それは――首を切断されても、しばらく、目と口をわずかに動かしていた事だ。

私は、その光景を見て、大粒の涙が出て止まらなかった。

いかな名刀であっても十人も切ると、刃がこぼれ、脂肪がベットリと刃に絡まっていたらしい。やむを得ず、殿は刀の先で、子供達の顔面や喉を突きだしたのだ。両目をえぐられ大量出血した子が、悲痛な大声を出して泣きながら右往左往している。結局、殿は子供達全員を、無残にも殺害したのだ。

座敷牢には二十人の子供達の死体と、どす黒い血の海が広がっていた。その光景は、まさに地獄絵図だった。

ゴボゴボと口から血を出し続けている子供。喉を突かれて、いまだに動き回って、寸前に死を迎えているのにもかかわらず、鮮血をあちこちにまき散らしている子供。死の饗宴が始まった最初の頃に、村正でけさがけされて、既に死亡している子供。腹を斬られ、体の内部にある臓物≪ぞうもつ≫を飛び出させ、血の海の中で死んでいる子供。スパッと首をはねられていたが、いまだに、胴体から鮮血を噴き出させている子供。両目をえぐられ、自分が出した血の中で暴れまわった痕跡があり、眼窩≪がんか≫をむき出しにして亡くなっている子供……など、悲惨な死に方をした子供達は、まるで、鮮血の海で溺れたかのような姿だった。

殿は悪魔その者だ。いや、邪悪な魔王のような存在だ、と言えるだろう。

私の全身の毛が逆立ち、激甚≪げきじん≫な恐怖心と殿への嫌悪感とで、震えは止まらなかったのだった。

殿の顔が醜く歪んで、般若≪はんにゃ≫のような恐ろしい顔になり、嫌悪感を辺りに振りまいて、ワハハハ、ワハハハ、ワハハハ、ワハハハ……と、長い間、笑っていたのだ。   

その後、家臣に命じ、屋敷内の庭を深く掘って子供達の遺体を埋めさせた。遺体をかぶせた土に、四寸位の桜の苗木を四本植えさせたのだ。勿論、家臣達には緘口令≪かんこうれい≫をしいた。

一部始終を見届け恐怖に震えていたが、何とか恐怖心を押さえて、私は、嫁いで初めて殿をいさめた。その時、嫌な予感が脳裏を走った。

その予感は的中したのだ。

殿は、いきなり小刀で私の口を切り裂き、屋敷内に昔からあった古井戸に放り込んだ。上部にフタをされたので、井戸の中は真っ暗な闇になった。その時、井戸の中の暗い一角に、コケに渡したクモの巣が見えた。ぼんやりと見えたのは、私の目が暗闇に慣れたからだろう。私は、井戸の壁面を爪で引っかいて、何度も何度も登ろうと試みた。爪が剥がれ、血だらけになっても登ろうとしたが、とうとう冷たい井戸の底に沈んでしまった。多分、私の力が尽きてしまって、絶命したのだろう。

何刻経た時だろうか? 肉体から、怨念でいっぱいに膨らんだ意識だけが、抜け出るのを感じた瞬間、私の体はまるで風船のように軽くなった。そう思った刹那、私は、フワ、フワ、フワ、フワ……と上昇し、何の苦もなく井戸のフタの間をすり抜けたのだ。

自分の座敷に向い、わずかに開いているふすまの間を通って座敷の中に入り、普段から使っていた裁縫箱から、タコ糸と太い針を持ち出した。その頃には、もう暗闇が屋敷を覆っていたのだった。私は、殿の寝屋≪ねや≫の天井近くに、フワ、フワと浮かんだ。安らかにイビキをかいている殿の寝顔を、見下げた。その瞬間、恨みと復讐心が、メラメラと音を立てて燃えてきた。私は、その時、既に、激しくて恐ろしい怨念を背負う死霊となっていたのだ。

私は、素早く殿の口を縫い合わせた。これで、外で寝ずの番をしている者にも、助けを呼べないだろう。激痛にみまわれた殿は、布団の上ばかりか畳の上でも暴れまわったが、行灯≪あんどん≫のロウソクの炎を、かすかに揺らしただけだった。

殿の眼は、キヨロ、キヨロ、キヨロ、キヨロ……と、宙を彷徨っていたのは、私の変わり果てた姿が見えていないからなのだろう。もともと、殿は、霊感なぞ少しも持ち合わせていない凡人だ。そこで、恐怖を味あわせてやろうと思って、私は、顔を殿に見せてやったのだ。大島紬≪おおしまつむぎ≫から冷たい井戸水をポタリ、ポタリと、したたらせ、どす黒い血を流している耳まで裂けた口も……。

すると、怨念極まる私の恐ろしい顔に耐え切れず、殿は、ガタ、ガタと全身を震え出させたのだ。その姿は、道化師以上に滑稽≪こっけい≫だった。暗い情熱に燃えていた私は、真黒なお歯黒を塗った歯で、殿の頭にかみ付いて、頭蓋骨を砕いて灰色の脳味噌を露わにしてやったのだ。そして、脳味噌を、ゆっくりとすすってやった。すると、まるでゼンマイを巻き過ぎて、こわれたカラクリ人形のように、殿は激しく痙攣≪けいれん≫し、充血した両眼は、不規則にグルグルと激しく回っていたのだ。次に、喉をかんでやると、バリ、バリ、バリ、バリ……と、大きな音をたてて骨が砕け、鮮血がいかにも噴水のようになって、天井にまで達した。

殿の「妖刀村正」の試し斬り――実際は、絶望に襲われ自暴自棄になっていた――によって、座敷牢の中で、無残に殺された農家の幼い子供達のように……。

水ではなくドス黒い血という違いはあったが、演者の体やセンスから、水を飛ばせる噴水術さながらだ。

私は、殿の寝間着を引きちぎり、いい食事ばかりを食べていた為に、たるんでしまった腹から内臓を素手で取り出し、そのけがらわしい内臓を布団の上にぶちまけた。更に、腸を引きずり出し、首にグルグル巻きにしてやったのだ。

殿と私との結婚は、敵対する勢力同士の和睦≪わぼく≫が目的で、無理やりにさせられた政略結婚だった。十六歳で嫁入りして以来、「おなごの喜び」を教えた――いまだに、かすかに愛着を感じている――殿の【一物】をかみちぎった。もう粘りついていた血が重く淀んでいる畳の上に、いったん、【一物】を転がしてやった。そして、殿の鼻をかみちぎり、そこに無理やり【一物】を押し込んだ。殿は、虫の息だったがまだ生きていたのだ。死ぬ間際には、雄の【一物】が

怒張する、と草双紙≪くさぞうし≫――江戸時代中頃から、江戸で出版された絵入り娯楽本――で読んでいたが、今まであれ程だとは想像すらできなかった。

更に、刃こぼれした「妖刀村正」をノコギリのように使って、殿の首をガリ、ガリ、ガリ、ガリ……と、音をたてて切った。すると、まるで貴族がけって遊ぶケマリのように、生首が畳の上に転がり落ち二~三回飛び跳ねて、まるで畳の上に生えたような殿の顔が、こちらを向いていた。頭と脳のない顔を力いっぱい踏むと、鼻や、アゴなどが砕ける、バキ、バキ、バキ、バキ……という音がした。女は、愛が深ければ深い程、裏切られた憎しみも深く、殺されれば、なお一層恨みも計り知れない位に深いのだ。

屋敷を後にした私は、四十四年間、江戸の町を彷徨い続けた。――俗に言う、浮幽霊になってしまった。浮かばれない霊になってしまう程、辛い事はなかった。その後、仏様のはからいであろうか、やっと地獄に落ちて行ったのだった」

祖母は、余程話し疲れたのだろう。フーと長い溜息をもらした。

(いや、話し疲れたのではない。忌まわしい前世の記憶をよみがえらせたのが、原因だろう!) 

 悲しくて忌まわしい前世だったが、復讐出来たのだからある意味では救われていた、とも言えるだろう。

祖母の目のまわりには、いつの間にかドス黒いクマができていた。しばらく、気まずい沈黙が三人の上に訪れた。十五分程、充血した眼を左右バラバラに回転させ続けた後、祖母の菊はまた語り始めた。

「当然ながら、お家とりつぶしの命が江戸幕府より下った。我が大名家は、お家断絶の憂き目に遭ったのだ。家臣は浪人になりチリジリに離散した。お家大事の武家の世界では最大の罰だよ。こうして、我が外様大名家は消滅してしまった。

春に里にやってくる稲(サ)の神が、憑依≪ひょうい≫する座(クラ)だから、サクラと呼ぶのだ。

四本の桜の苗は、その後も順調に成長を続けて立派な桜の樹木に育った。たが、それらの樹木は、どんな方法を使っても伐採できなかった。作業員が、桜の木に触れただけでも、はやり病等に罹患して尊い命を落とした。これらの桜の樹木は、皆から恐れられていたのだ。今でも【たたりの木】だと呼ばれ続けている。

その下には、多く子供達が埋葬されていたので、【たたりの木】は、肉体、特に脳味噌を養分として育ったのだ。今では大きく成長して、樹齢は軽く二百年を超えているだろう。昭和初期には、桜の樹木の真下に、神社が建立されて御神木として祭られた。なぜか、長寿のシンボルとなり、

「ありがたや、ありがたや、ありがたや、ありがたや……」

神主を初めとして、信徒達が口々に礼賛して拝んだ。だが、いつの間にか、その神社も存在しなくなった。

今では、四本の桜の木を避けて県道が通っており、伐採しようとする者に祟るから、誰も切り倒しはしない。まあ、勉が、それらの四本の桜の樹木を、目にする事はないと思うよ。お前が、東北地方を訪れん限りはのう!」 

祖母は、フーと長い溜息を何度もついた。疲労の色が、祖母の顔に浮かんでいる。

(長く話したので、かなり疲れたのだろう)

祖母に、勉は心配そうな表情を向けた。

 

 

 

                    ―完―

 




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