「ゲゲゲゲゲ、待ってな。薬を飲ませたらたぁっぷりと可愛がってやるからねぇ。」
椅子に縛り付けられ気絶しているベルから離れ、フリュネは棚を漁り、強力な媚薬と精力剤の入った小ビンを手に振り返る。と、
「フリュネ様。」
「あぁん?春姫、なんでお前がここに居んだい?」
部屋の入り口から声をかけられ目を向けると、そこには俯いた春姫が立っていた。
「どうしてここを知ってるんだい?アタイは誰にもここを教えちゃいない筈だがねぇ。」
「―――――――――――――――。」
ノシノシと歩み寄るフリュネを見ることなく、俯いたまま何かを呟く春姫。
「あぁん?何だって?聞こえないよ。はっきり言いな。」
耳を近付けるフリュネに聞こえてきたのは、
「『
自身の知らない魔法の詠唱、その文から危険を感じ取り、すぐさま避けようとしたが、
「な、なんだい。なんのつもりだい春姫ぇぇぇ!!!」
シュルリと巻き付いた尾によって条件を満たし、フリュネの魂は肉体を離れ、口を開け待ち受けている春姫へ吸い込まれる。
チュルン、と魂を飲み込んだ春姫は、魔法の効果によりレベル1でありながらフリュネのステータスと記憶を手に入れた。正確には、自身のステータスにフリュネの分を上乗せした形に、記憶は他人事として本を読んだように知っている形になる。そして、彼女の尾が一本増え、二尾となった。
同時に、魂の抜けたフリュネの身体は糸が切れた人形のように崩れ落ちた。
「フフ、フフフフフ。フリュネ様、アナタの能力。春姫が活用させて頂きますね。」
ズリズリとフリュネの身体を出来るだけベルから遠ざける為に、より遠くに棄てる為に引きずって行く。
「もう少しお待ちください。クラネル様………いいえ、春姫だけの英雄、旦那様。すぐにこのゴミを片付けてきますから。フフ、お部屋の掃除は良き妻として当然ですから。フフ、フフフ、フフフフフフ。」
「ん、うぅん。あれ?僕はどうしてこんな所に………?」
数時間後、気絶から回復したベル。その目の前には、
「おはようございます♪旦那様♪」
「春姫さん!?どうしてそんな格好…って旦那様!?」
必要な部分しか隠していないと言えるアマゾネス仕様の着物に身を包み、料理を持つ春姫に驚く。
「色々なことは置いておいて、まずは腹拵えをしてください。はい、アーン。」
「うぇえ!?」
手を添え、湯気の立つ料理をフーフーと息を吹きかけ冷ましたモノを口元に持っていく。狼狽しながらも完食したベルに喜色満面の笑みを浮かべて、春姫は未だ縛られたままのベルの両手を椅子の後ろから横へ広げた形で固定する。
「は、春姫さん!?なにを………。」
「何を、ですか?フフフ。お食事でお腹一杯になった後で夫婦がすることと言ったら、子作りに決まってるではありませんか。」
「子作り!?」
頬を染め、イヤンイヤンと恥ずかしげに体を左右によじる姿は大変可愛らしい、が、その目は肉食獣と言うべきか、はたまた獲物を目の当たりにしたモンスターと言うべきか。
情欲に満ちた眼光はかなり怖い。
ギシリ、とベルと向かい合うように太ももを跨いで座り、両手でベルの顔を挟む。
「旦那様、これからたぁっぷりと愛し合いましょう?」
「あうあう。」
「その前に、覗き見をする目は潰しておきましょう。」
ブン、と無造作に投げられた石が画面に当たり、後は砂嵐しか映さない。後には、ひたすら水音と嬌声が響くのみであった。
・今回の春姫の魔法
『
・対象に触れていることで発動可能、また、同性にのみ発動可能
・対象のステータスや技能の利用、記憶の閲覧が可能となる
・一人喰らうことで尾が一本増える、元から有る尾を含め最大で九本まで、それ以上は死ぬ
・一度喰われた魂は使用者の一部となるため転生などは不可能
・一度喰らった魂は死ぬまで保存されるため要選別
魔法の詠唱の流れというか語呂が悪いと感じてしまう。
これの成人指定版、どなたかお願いします。(土下座)