聖遺物の適合者と禁断の果実(リメイク版 10話から最新) 作:百合に挟まる男を切るエルフの剣士
それではどうぞ
「はぁはぁはぁ」
荒く息をついている少女が居た。その少女がいた場所は何処かのドームだった。そして少女の回りには異形のものが大量に群がっていた。
「ちぃ、キリがねぇ」
「奏!」
奏と呼ばれた少女は返事をして呼んだ少女の方へ駆けていく。
「翼!大丈夫か?」
「私は大丈夫だ。だが、あまりにもノイズの数が多すぎる」
すると、奏が纏っている物が光を失っていく。
「クソッ!時限式だとここまでかよ!」
「どうする?奏?」
「そうだな。さてどう…!」
ふと横を見ると逃げ遅れたと思われる少女がノイズに狙われていた。
「マズイッ!」
「奏!?」
奏は、少女の前に飛び出して手に持っていた槍を高速で回転させ、砲弾の様に飛んでくるノイズを防いでいく。が、ノイズの猛攻を受けていた槍が破損し欠片が守っていた少女の胸に突き刺された。
「おい!大丈夫か!」
奏は驚き、倒れた少女の方に駆け寄っていく。
「しっかりしろ!目を開けてくれ!生きるのを諦めるな!」
だが、無情にもノイズは次から次へと出てくる。そのうえ、少女の方も限界が近づいていた。
ジィィィィィィィ
不意に、チャックが開くような音が響いた。奏が音の発生源を探すとそれは正面にあった。正面に空中にチャックが開いている。そこから見えるのは不気味な森だった。森の木には見たこともない果実が生っており、奏はその果実に対して猛烈な食欲が沸き出てきた。
(旨そうだ。旨そうだ。あれを食いたい。あれを食いたい。食いたい!)
その耐えがたい気持ちを気力で無理やり押さえ込む。
(ダメだ。ダメだ。ダメだ!)
すると、チャックの中の森から蔓がこちら側へと伸びてきた。
(なんだ?)
伸びてきた蔓に先ほど見た果実が生った。すると、ずっとこちらを狙っていたノイズ達が一斉に果実の方へと走っていく。そして、その果実を我先にと食べ始めた。この光景には見ていた奏と翼を含めてモニターで監視をしていた人達も驚いた。見ているとその内の一体が突然体を震わせたかと思うと、その姿が大きく変化した。その変化したノイズ達や森、チャックの名前は後にこう呼ばれる。
変化したノイズ達は『マリス』。森は『ディストピアの森』と。
因みに果実の名前は『ディストピアの実』チャックの名前は『クラック』と言う名前がつくことになる。
また、マリスにも位があり黒い体に赤い眼をして大きな手には爪がついている物は『初級マリス』
色とりどりの『初級マリス』と比べても圧倒的に力が強いものには『上級マリス』となる。
奏はそんな怪物共を見て震えそうになる足を堪えて覚悟を決めて立ち上がる。
すると、背後から翼に向かってマリスが襲いかかろうとしていた。
「翼!」
奏は走り翼に振り下ろされた爪を受け止める。が、上級マリスが口から撃った弾が奏の背中に直撃する。
「クッ!」
「奏!!」
その攻撃は確かにかすり傷程度のものだった。だが、
「大丈夫だ。これくらい‥。グッ‥グアぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
奏は叫び声をあげる。その攻撃を受けたところから植物が生えてきたのだ。壮絶な痛みと共に。その痛みに必死に耐えて奏は歌った。今に状況を打破するために。自らの命を犠牲にして。
「Gatrandis babel ziggurat‥」
「奏!歌ってはダメェェェェェェェェェェェェェェェェェ!」
歌い終えた奏は持っていたガングニールの武装である槍を天高く掲げる。そして奏は笑った。口からは血が溢れる。
「じゃあな」
奏の命の歌は確かに凄まじいものだった。何百匹いたマリスを半分ほど減らすことができた。だが、まだマリスは残っている。そこで、奏は倒れる。翼は、急いで倒れた奏の元に駆け寄る。
「奏‥」
「なぁ、知ってるか?全力で歌を歌うとすっげー眠くなるみたいだぜ。」
「奏‥いやだよ‥
「私は父親と母親をノイズに殺された‥ノイズ達に復讐しようとこの力を手に入れた‥けど、それも道半ば‥私の人生に意味なんてなかったのかな‥」
奏が力尽きるその瞬間にもマリス達は迫って来る。だが、神は見捨てなかった。
『そんな事ねぇよ‥お前‥すげぇ頑張ったじゃねぇか』
「誰⁉︎」
奏は、もう言葉を発する事ができないがそれでも目を動かして声のした方を見る。その声の方には光の果実が浮いていた。形を表現するなら金の林檎であろうか。マリス達はその光の果実に怯えるように向かって来ていた足を止める。その光の果実は奏と翼の前にゆっくりと降り立つ。翼がその光の果実をよく見ると中に薄っすらと人がいるように見えた。輪郭だけ見えるその人は、手をこちらに突き出す。すると、翼は物凄い勢いで後ろに飛んで行き壁に激突して止まった。
「グハッ‥」
その光の果実は翼を飛ばした後、奏を浮かせて光の球の中に取り込んでいく。
「何を‥」
翼は叫ぼうとするがダメージが大きすぎて話す事さえできない。奏を完全に取り込んだ後、光の果実はゆっくりと回転しマリス達に向けて光を放つ。すると、その光を浴びたマリス達は次々と爆発していく。やがて全てのマリスが居なくなったのを見届けると光の果実は、浮き空へと飛んで行った。それを見届けた翼は飛んで行った空へと手を伸ばしながら
「奏‥」
そう呟くと気を失っていった。
この『聖遺物の奏者と禁断の果実(改)』無印編は
「俺はある人からこの力を受け継いたんだ」
「それは、人が持ってていい力じゃない」
「ガングニールだと‼︎」
「あの光はあの時の‥」
「よくも奏をぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
「ここからは俺たちのステージだ!」
「この命も!拳も!シンフォギアだ!」
お楽しみに