聖遺物の適合者と禁断の果実(リメイク版 10話から最新)   作:百合に挟まる男を切るエルフの剣士

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「人の気持ちも知らないまま人の夢を潰す!そんなあんたがやっている事は偽善よ!」

 

その言葉に鎧武は動きを止め俯く。

 

「偽善‥偽善か」

 

「そう、偽善」

 

オーバーマリスの言葉に俯いていた顔を思いっきり上げ言い切る。

 

「それでも、善だ!」

 

「なに?」

 

「確かに!俺のやっている事は偽善かも知れない。でも!その偽善で救われる人がいるなら!俺は偽善だって言われても構わない!それが師匠から貰った『思うがままに守る!』それが俺の覚悟!それに、お前らの夢は夢と言えない!そんな夢で誰かを救えないし自分だって救われない!」

 

「勝手な事ォ!」

 

そして、二人は激突する。互いが守るべきものの為に。

 

翼は苦戦していた。相手であるネフィシタンの少女が強く自分の戦いが出来ていないのであった。武器の相性もある。ネフィシタンの少女が鞭に対して翼は剣。相性的不利はやむを得ない。そこで翼はネフィシタンの少女がチラチラと横目で誰かを見ているのに気が付いた。

 

「ハッ!余所見とは余裕だな」

 

「のぼせ上がるんじゃねぇ!人気者!何時でも自分を見てくれると思うんじゃねぇ!」

 

そこでネフィシタンの少女は新たにノイズを召喚する。召喚されたノイズは響の方へと向かう。

 

「あぁ!なんで!こっちばっかり!」

 

ノイズは響を囲み口から拘束液を吐き出す。

 

「キャァァァァァ!」

 

響はノイズの出した粘液に捕まる。その光景に鎧武は思わずとどまる。其れを隙と見たオーバーマリスが突っ込んでくるが、鎧武はそちらを見もせず迎撃する。

 

「なんか‥エロい」

 

「じゃなくて!助けてくださいよ!」

 

ネフィシタンの少女が拘束された響を見ながら

 

「私の目的は其奴だ!そいつを攫ってくることだ!」

 

そう言うと、響をみた他のオーバーマリス達が嘲る。

 

「攫うのかよ‥どうせ体が残っていたらいいんだろ。殺して攫う方が簡単だろwww」

 

「確かにその方が簡単だし人間(ゴミ)に生きる価値はないなwww」

 

「「その通りwww」」

 

その瞬間、彼らは決して触れてはいけない優しき神の逆鱗に触れた。鎧武が放ちだした膨大な殺気にオーバーマリス達とノイズは動けなくなる。その殺気に味方であるオーバーロード達すら戦慄する。ネフィシタンの少女と翼は殺気による重圧に立つどころか呼吸さえ困難になる。それに対して響は飄々としている。

 

「‥覚悟しろ‥てめぇら。ぜってーに生きて返さない‥」

 

そこで鎧武はカチドキとはまた違う、沢山の果物が描かれたロックシードを取り出す。それは禁断の力を開く鍵。最強の力を得るための鍵。極ロックシードを。それを見たオーバーマリス達は慌てる。

 

「あれは‥まさか!」

 

「へぇ、あれ使うのか‥マズイな 」

 

「どうする?」

 

「どうすると言われても‥」

 

それに対してオーバーロード達は他には聞こえない声で

 

「遂に‥遂に使うのか‥」

 

「見れるぞ!王の本気を」

 

「俺達が惚れたあの強さを!」

 

翼は騒つく両陣営に不審に思う。

 

「なんだ?あれがそんなに凄いものなのか?」

 

ネフィシタンの少女は同じことを考えていた。

 

(あれが‥そんなに警戒するものなのか?お見舞いの果物が描かれただけだろうが。お見舞いしたこと無いけど)

 

響は興奮する。

 

(久しぶりに見る!憐さんの本気の姿!)

 

周りが騒然としている事には一切反応せず鎧武は極ロックシードを起動させる。

 

〈フルーツバスケット!〉

 

その音声と共に鍵部・ロックルートがせり出し、上空に大量のクラックが開きその中から、オレンジ・バナナ・ブドウ・ドングリ・マツボックリ・ドリアン・クルミ・メロンエナジー・レモンエナジー・チェリーエナジー・ピーチエナジーのアームズが出現する。そして、極ロックシードを起動した事によってカチドキロックシードの横に出現した鍵穴のような部分に差し込み回す。

 

〈ロックオープン!〉

 

極ロックシードとカチドキロックシードが開く。そして、11個のアームズが鎧武の周りを回転し始める。

 

〈極アームズ!大!大!大!大!大将軍!〉

 

すると、周りを回転していたアームズが鎧武向けて一斉に集まる。鎧武にアームズが集まるとカチドキの装甲が弾け飛ぶ。中から出てきたのは全身を南蛮風を模した鎧で包み、背部には防御に使用可能な内側は赤で外側が黒のマントを纏う。胸部にはオレンジ・イチゴ・スイカ・バナナ・ブドウ・メロンといった6種類の果物が描かれている。兜は前立てが鎧武の紋章を模した形状へと変化し、瞳は虹色に染まる。極ロックシードとカチドキロックシードのシードインジゲーターにはカチドキロックシードの方にオレンジ・パイン・イチゴ・スイカ・夕張メロン・レモン・ピーチ・チェリーの断面(基部側)と左側を向くカチドキアームズの顔(カバー側)が表示され、極ロックシードの方にはオレンジ(カチドキ)・バナナ・ブドウ・マンゴー・キウイ・ドングリ・マツボックリ・クルミ・ドリアンの断面(基部側)と、右側を向く極アームズの顔(カバー側)が表示されている。鎧武の持つ最終最強形態『仮面ライダー鎧武 極アームズ』だ。

 

鎧武は極ロックシードを一回捻る。

 

〈大橙丸!〉

 

手元にオレンジの切り身のような刀。大橙丸を召喚する。これは鎧武、極アームズの持つ能力の一つ。全てのアームズの力を集結させた為に極アームズは全てのアームズの武器を使用出来るのだ。

 

そして、極ロックシードをもう一度捻る。

 

〈メロンディフェンダー!〉

 

次に召喚したのはメロンを模した盾だ。鎧武はそれらを構える。それを見たオーバーロード達は鎧武の後ろに下がる。響もノイズを振り払い下がる。

 

「かかって来いよ。雑魚ども」

 

「なめるなぁ!」

 

鎧武の挑発に突っ込んでくるオーバーマリス達。だが、鎧武は全員相手にしているにもかかわらず余裕で立ち回る。例と言えば、

 

「くらえ!」

 

剣を振り下ろしてくるオーバーマリスには半身でよけ大橙丸で切り裂き、避け切り裂いたところを狙ったオーバーマリスにはメロンディフェンダーで防ぎ、腹を蹴り飛ばす。さらに、近づいてきたやつには切り裂いて怯ませ相手の体を駆け上がり肩を両足で踏み顔に右足で蹴りを叩き込む。

 

「…北斗昇雷脚(ボソッ)」

 

やってみたかったのだ!主に作者()達が!最近北斗の拳にはまったからなぁ!

 

そして、武器を両方投げ捨て手を交差するように回転させる。すると、身体から金色のオーラが立ち昇る。そして手に金の光が集まるのを感じると手をそろえ突き出す。光は金色の光の奔流としてノイズに向かって撃ち出された。

「…天将奔烈」

 

それをくらったノイズ達はチリも残さずに消滅する。そして、その余波をくらったオーバーマリス達は吹き飛ぶ。

 

「凄い‥」

 

それを見た翼は驚く。大量に居たノイズ達を一撃でチリも残さずに消しとばしたのだ。普通に出来ることではない。しかし、憐はそれを呼吸するようにおこなった。惚けている翼にネフィシタンの少女は攻撃し吹き飛ばす。

 

「グゥゥ!」

 

ネフィシタンの少女はオーバーマリス達に声をかける。

 

「お姉ちゃん!」

 

声をかけられたオーバーマリスは鎧武の攻撃をギリギリで避ける。

 

「クリス!一旦退くわよ!」

 

「どうして!」

 

「極には全員でも勝てない!対抗するには主でないと!」

 

「そんなに強いのかよ‥」

 

「ええ!極は『はじまり』。世界最強の力よ!」

 

そう言いながらオーバーマリス達は逃げようとするがそれを逃す鎧武ではない。

 

「先にクリスは逃げなさい!」

 

「そんなことできるわけないだろ!」

 

「逃げなさい!ネフィシタンの鎧は必要な物よ!」

 

「クッ!分かったよ!帰って来いよ!」

 

クリスと呼ばれたネフィシタンの少女は背を向けて逃げようとするが、

 

「動かない!」

 

動かなかった。クリスの影には一つの小太刀が刺さっていた。

 

《影縫い》

 

「逃すわけないだろう」

 

「出来損ないが!」

 

「確かに私は出来損ないだ」

 

「この身を一振りの剣として鍛えてきたはずなのにあの日無様に生き残り、憐の時も力を手に入れ調子に乗っていたから大切な人を憐を失ないかけた」

 

「出来損ないの剣として恥を晒してきた」

 

「だが、それも今日までの事!そのネフィシタンの鎧が大切だと言うのならそれを取り戻す事でこの身の汚名を雪がさせてもらう!」

 

「そうかい!脱がせるものなら脱がさせてみろ!」

 

「ええ…月が出ているうちに、決着をつけましょう」

 

クリスは翼の目を見て気付く。

 

「まさか、歌うつもりか!『絶唱』を!」

 

その言葉に鎧武も響も叫ぶ。

 

「翼ァ!」

 

「翼さん!」

 

「防人の覚悟…生き様を見せてあげる!貴女の胸に刻みつけなさい!」

 

「やらせるかよ!好き勝手に!」

 

だが、クリスは影縫いの影響で動けない。翼は剣を掲げて地面に突き刺す。

 

「Gatrandis babel ziggurat‥」

 

すると、周りが紫色に染まる。翼は歌いながらクリスに近付く。

 

「退けェ!テメェら!」

 

鎧武は近付こうとするがオーバーマリス達によって阻まれる。翼はクリスに抱きついて歌い終える。

 

「Emustolronzen fine el zizzl…」

 

クリスが見た翼の目は哀愁に満ちた目だったと言う。

 

『絶唱』それは、奏者が持つ最強最大の技。その代償は奏者の命。

 

命の()が今、発動した。

 

 

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