聖遺物の適合者と禁断の果実(リメイク版 10話から最新) 作:百合に挟まる男を切るエルフの剣士
「ようこそ!ヘルヘイムの森へ!」
クラッカーの音と共に頭に降り掛かる紙吹雪を取ろうともせず立ち尽くす。愛歌は立ち尽くす奏の背中を押し憐のそばに行く事を伝える。奏が歩き出すと5体の最上級インベス達が横に並び膝を付く。奏が憐の横に行くと純は移動して遺跡の一番高い所へ行き、下に見える大量のインベスを見て手を広げヘルヘイムの森の果実がなる蔓をインベスの上に伸ばしていき宣言する。
「今!果実の選定者が蘇った!今夜は無礼講だ!皆の者!最上級から下級まで全ての者の上下関係などない!思う存分喰らえ!楽しめ!ただし!争いごとは無しだ!いいな!」
すると、下の全インベスから歓声が上がる。その光景に奏は圧倒される。何せこの下には何万とインベスがいるのだ。初めて見たものには圧巻だろう。
「俺達は中で食べようか」
そう言って憐は手を差し出す。奏は差し出された手を取り中へ入って行く。中では最上級インベス達が一斉に食事をしていた。下級や上級とは違いキチンと食べていた。その内の一体が憐と奏に気付き近くにやってくる。
「@/@#@/#@#&」
「そうか。だが、今夜は無礼講だぞ」
「#/@_#」
その一体は奏の方を向き話し掛ける。
「#/&a/##&@/」
しかし、奏には何を言っているかが分からない。憐の方を向き聞く。
「こいつは何を言っているんだ?」
そうすると、憐は頭を掻き
「あれ?分からない?んー私には分かると思って聞いてみな。すまない。もう一度言ってやってくれるか?」
憐の言葉にインベスは頷き繰り返す。
「#/&a/##&@/」
奏は何を言っているか分からないはずだった。だが、分かると思って聞くと確かにこう言っていた。
「#/&a/##&@/(お目覚めお祝いいたします。姫様)」
「あっ‥ああ。ありがとう」
一度分かると思ったら後は簡単だった。
「私だけではありませんよ。ほら、次々ときますよ。姫様の目覚めをみんな待っていたんですから」
見ると、こちらに気付いたインベス達が一斉に奏に向かって来ていた。
「姫様!」
「お目覚めおめでとうございます!姫様!」
「おめでとうございます!姫様!」
「おめでとう!お姫様!」
そこで憐が最上級インベスを見て奏に話す。
「こいつらはインベスの中でも高度な知恵のある最上級インベス『オーバーロード』だ。ちゃんと名前もあるぞ。右から『シェスザム』『ローズ』『アリゼンド』『マキシム』。後一人いるんだが下の奴らの面倒見に行ってくれてる」
「なるほど‥」
奏は異形のオーバーロード達を見ながら恐る恐る聞く。
「お前らは、王に力で従っているのか?」
すると、オーバーロード達は笑って答える。
「いいえ、私達は王に純粋な気持ちで従っております」
そう、シェスザムが答え
「誰かは最初は認めるかーって怒って勝負挑んでボコボコにされたけどね」
ローズが笑い
「古い傷だ。掘り返すな」
マキシムが苦笑し
「まぁ、あれがあったからオレ達も王に従うことにしたがな」
アリゼンドが答える。
「人望があるんだな」
奏がそう言うと
「まさか!絋太さんが凄かっただけだよ」
憐が笑って答える。
「それより、選定者は戦闘能力は皆無なんだからちゃんと守護すること。いいね」
「「「「「はい。王よ」」」」」
そこで扉が開かれ一体のオーバーロードが駆け込んでくる。
「王様!」
「ん、どうした?サクラ」
「下の者達が王様も一緒に騒ごうって煩くて‥」
そこでサクラは奏に気付き膝を付く。
「姫様!お目覚めおめでとうございます!」
「ありがとう」
ここまでいくと流石になれたのか淀みなく返す。
「で、サクラ。下級インベス達が俺も一緒にって言ってるのか?」
「はい。ですが行く必要はないかと‥」
「何言ってんだ。下の言うことも聞けなくて上に立てるか」
「ハッ!」
そこまで言うと奏をお姫様抱っこすると駆け出す。
「お前らもついて来い!」
「「「「「「ハッ!」」」」」」
「ちょ!下ろせ!」
しかし、憐は先程からの扉から飛び降りる。
「キァァァァァァァ!」
奏は悲鳴をあげるが純は落ち着いてインベスのいない所へ轟音を上げて着地する。その轟音にインベス達はこちらを見る。その後ろにオーバーロード達も着地していく。
「来たぞ!お前ら!」
憐の言葉にインベス達が一斉に歓声を上げて迎える。憐は奏を下ろし手を引きながらインベス達の方へ行く。インベス達は果実を憐達に差し出しながら声を上げる。それはそれは嬉しそうに。憐は貰った果実を食べながらインベス達に声を掛け歩く。それを見た奏はある欲求が浮かび上がってくる。それは、
「なぁ、憐」
その言葉に憐は振り返り嬉しそうに笑いながら
「やっと名前で呼んでくれたな。それで?何かしたいのか?」
「歌が‥歌が歌いたい。こんなに大勢の人っていって良いのか分からないけど人が居るんだから私の歌を聴いて欲しい‥」
「おう!良いぜ!聞いてたな!お前ら!」
「はい!」
「オーバーロード達はマイクなどの設備、インベス達の列などを整えろ!1時間でだ」
「「「「「「ハッ!」」」」」」
ーーーー1時間後ーーーー
そこにはライブ会場が出来上がっていた。ライブ衣装に着替えた奏は(えっ?どうやって着替えたかって?やだなぁ、そんなの神様の力に決まってるじゃないですか)ライブの裏側で出番を待っていた。そこに憐がやって来た。
「緊張してるのか?」
奏は憐の方を見ると何故か憐もライブ衣装に着替えていた。
「なんで憐まで着替えているんだ?」
「俺も出るんだと」
「本当に⁉︎でも、ライブ出来るのか?」
そこで憐はニタリと笑って言い放つ。
「宇宙の神様舐めんなよ」
「王様!姫様!準備ができました!」
サクラがそう言いに来る。
「「おう(ああ)!今行く!」」
ステージに立った二人は歌い始める。一曲目は『逆光のフリューゲル』
「「♫〜」」
歌い終えると彼方此方から歓声が轟く。
「次は俺だ!Rise up your flag!」
憐は手を打ち鳴らせ叫ぶ。
「ここからは俺のステージだ!」
それを聞いた奏は叫び返す。
「いいや!私たちのステージだ!」
ライブ終了後
「やるじゃん」
「当たり前だ。こちらとて神様だぞ」
「神様関係ない気がするけど‥まぁいい。説明してもらえるよな」
「ああ、その為には愛歌呼ばないと」
「誰かいるか?」
憐が聞くとサクラがでてきた。
「ここに」
「サクラ。愛歌を1時間後俺の部屋に呼んでくれ。頼んだ」
「御意に」
「奏は付いてきて」
「ああ」
そう言って二人は一つの方向へ向かっていく。
自分の部屋に着いた二人は部屋にある椅子に座り話し始める。
「改めて自己紹介だ。俺は葛葉憐」
そこで手から手の平サイズの光り輝く金の果実を出現させる。
「この黄金の果実の保持者で宇宙の神様だ」
「私は天羽奏。ツヴァイウィングの片翼でシンフォギア『ガングニール』の適合者だ」
そこで憐は奏に聞く。
「ツヴァイウィング?」
その問いに奏は驚く。
「知らないのか⁉︎自分で言うのもなんだけど結構有名だったぞ。私達」
「ごめん。その頃は恐らくこの世界で禁断の果実の適合してる最中だったと思う。それより私達?」
「ツヴァイウィングは両翼揃ってツヴァイウィングだからな。もう一人の相棒の名前は『風鳴翼』」
「!!」
その名前に憐は驚く。そして、奏に一つだけ聞く。
「奏‥その子は笑ってたか?」
奏はその質問に怪訝になりながらも答える。
「ああ、笑ってたと思うよ」
「そうか‥」
それを聞いた憐はホッとした顔をする。奏はそういえばと、一つのことを思い出す。
「でも、一年で2日だけ仕事を一切しない日があったな。聞くと大切な日とだけ言っていたけど‥」
その言葉に明らかに憐は狼狽する。
「何日だ!その日はいつだ?まさかとは思うけど‥4月2日と9月23日じゃないだろうな‥」
その言葉に奏は疑問を抱きながら答える。
「そうだけど‥なんで知ってるんだ?」
「この日は俺の誕生日と人である俺が死んだ日だ‥」
「どういうことだ?」
「説明するといったな‥俺の過去だ‥」