聖遺物の適合者と禁断の果実(リメイク版 10話から最新)   作:百合に挟まる男を切るエルフの剣士

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過去 そして、今

「説明するといったな‥俺の過去だ‥」

 

 

ーーーーー憐回想ーーーーー

 

俺は子供の頃はただの人間だったんだ。神の力なんで持たないどこにでもいる普通の子供。父さんがいて母さんがいて俺がいる。普通の家族。そんな俺には自慢できる幼馴染がいた。名前は風鳴翼。そう、お前の相棒である翼だよ。小さい頃から一緒にいてずっと一緒にいると思ってた。よく家に遊びに来てたんだよ。でも、小学生高学年頃から翼は俺と居る時間が少なくなった。今思えば奏者としての役目を果たそうとしてんだろう。そんな時俺の親が亡くなった。ノイズによる自然災害だよ。その時には翼ん家にお世話になりだしたんだ。翼って家事全然ダメだろ。ハッハッハ、やっぱりまだ治ってないのか。で、あいつの飯俺が作ったりとかな。洗濯とか自分でしろよな男の俺に何させてんだか。‥‥そして、中学生になった時決定的な事が起こった。久し振りに翼も一緒に旅行に行ったんだ。

 

 

「楽しみだな!翼!」

 

「そうね。憐」

 

「今回はアイドルとしての仕事もないんだろ。めいいっぱい遊ぼうな!」

 

「勿論よ!」

 

そこで翼の叔父である風鳴源十郎が二人に声を掛けたんだ。

 

「憐君。翼。森で枯れ木を拾って来てくれないか」

 

俺たちは快諾して探しに行ったんだ。森の中でもう十分だ。さて、帰ろうとした時の事だった。

 

「そろそろ帰ろうか」

 

「そうね。もう十分だと思うわ」

 

その瞬間俺の目の前の木が炭化した。

 

「っ!」

 

「ノイズか!」

 

そこで俺は翼だけでも生きて返そうと思った。もし、あの時シンフォギアという存在を知っていたとしても、女の子には戦わせない。そう思うよ。まぁ、その時はシンフォギアなんて知らなかったけど。

 

「逃げろ!翼!」

 

「なんで憐は!」

 

「後で行くから!‥ありがとう‥翼‥」

 

「一人にしないで!憐!憐!行かないでよ!」

 

その言葉を無視して俺はノイズが引きつけて走る。

 

「アァアアア!」

 

俺の後ろでノイズが木に当たり炭化していく音が聞こえていた。その時に俺の右腕をノイズが掠っていったんだ。勿論、俺の右腕は炭化し始める。そして、俺は走る限界になった。木の幹にもたれ掛かり後ろから忍び寄るノイズを待っていたんだ。最後に俺は祈った。

 

「神様‥もし、生まれ変わる事ができたら今度は幼馴染の事を守れるくらいの力をください‥」

 

でも、その時俺はその幼馴染のことを思い出した。その幼馴染とした約束も。

 

「翼‥助かったかな‥翼‥そうだ‥そうだ!俺は翼に帰るって生きて帰るって約束したんだ!こんな所で死んでたまるか!神様!さっきの祈りは無しだ!俺は生きなきゃならない!生きて翼に言うんだ『ただいま』って!だから!そのための力を寄越せぇぇぇぇぇ!」

 

『ああ!よく言った!』

 

そんな時に声が聞こえたんだ。それがこの果実の先代の保持者『葛葉絋太』さんだ。彼はノイズを一掃すると俺の方を向きこう言った。

 

「力を欲したな‥なんでだ?」

 

俺は炭化していく腕を押さえながら言ってやる。

 

「翼との約束を守るためだをその為なら人間だって捨ててやる!俺は帰るんだ!」

 

「よく言った!上等だ。来いよ。力を渡してやる」

 

その事共に絋太さんは俺の人形を作り炭化させていく。

 

「これで人間のお前は死んだ‥お前の名前は?」

 

「葛葉憐‥」

 

その言葉に絋太さんは一番驚き言う。

 

「ハッハハハハ。同じ名前だな。俺は葛葉絋太。宜しくな」

 

俺はその差し出された手を取り立ち上がる。絋太さんはクラックを開き中に入っていく。俺はその後を追いかける。その時俺は一度も振り返らなかった。振り返ると決意が揺るぎそうだったからな。

 

そうして、俺は禁断の果実の継承候補者となった。

 

クラックが閉まった後シンフォギアを纏った翼がこの場にやってきた。そこには炭化しきり残りは徐々に炭化していく腕だけだった。翼はその腕を持ち上げ炭化していくのを見つめていた。炭化しきり跡形も無くなった炭だった。その腕だった炭を抱き留めると泣いた。大きな声をあげ森中に響き渡る慟哭をあげた。翼は力を求めて行動した。奏と出会うまでは。

 

 

 

「それで、その絋太さんに連れられてからは何があったんだ?」

 

「んー色々あったな。行った先でこれを渡されて」

 

そう言って取り出したのはベルトのバックルのようなものだった。

 

「それは?」

 

「これは戦国ドライバー。絋太さん達が元居た世界であったアーマードライダーが使ってた変身道具だそうだ。もっとも、これは俺ら果実の保持者用に変化しているけどな。で、これがロックシード。この森に生える果実を人間が安全に使用できる為に変化させたものだ」

 

そう言って次に取り出したのは果物の絵が施された大量の南京錠だった。外観は本体部・シーリングボディに、種類問わず形状・機構が同一の掛け金・スライドシャックルを持っている。

 

「これがD級ロックシード。ヒマワリロックシードがそれにあたるな」

 

そう言ってヒマワリの種の様な柄のロックシードを指差す。

 

「次にC級ロックシード。これはマツボックリとクルミ。まぁ、クルミはC+だけど」

 

「B級ロックシード。ドングリだな」

 

「そして、A級ロックシード。俺が変身に使えるロックシードだな。オレンジを筆頭にバナナ、ブドウ、メロン、スイカにイチゴその他もろもろがA級ロックシードだ」

 

「これは?」

 

そう言って奏は一番端に置かれた堅牢そうな本体部・シーリングドラムと掛け金・リファインシャックルが水色のクリアパーツとなっている外観が特徴のロックシードを指差す。

 

「それはエナジーロックシード。クラスはS級で、他のロックシードより数段上の力を秘めているロックシードだ」

 

「ふーん。で、最後の二つは?」

 

奏が指差したのはロックシードの中で最も異質な形をした二つだった。

 

「それはカチドキロックシードと極ロックシード。極ロックシードは果実の力の一部で精製されたロックシードだ」

 

「成る程‥なぁ絋太さんはどんな人だったんだ?」

 

奏がそう聞くと憐は少し顔を俯かせ答える。

 

「誰も優しい人だよ。そして‥俺が殺した(・・・・・)‥」

 

「エッ⁉︎」

 

「着いて行ったあとの事だ‥」

 

 

着いて行った後

 

「憐にはこれを渡そう」

 

そう言って俺には渡したのが戦国ドライバーだった。その時一緒に貰ったのがオレンジロックシードだった。

 

「これを使って人間界を襲おうとするインベスやマリスを倒して欲しい」

 

「分かった」

 

そうして俺はこの世界の旅に出た。この地球を回っているうちにオーバーロードにも出会った。

 

「呼んだ?憐」

 

現実では部屋に愛歌が入ってきた。

 

「来たか。愛歌」

 

「憐。何の用?」

 

「愛歌。あれを奏に話してあげて」

 

「了解♪」

 

そこで愛歌は奏の方を向き膝を付き言う。

 

「私は姫様の直属の配下になります。カミキリインベスで‥姫様の所有物であるガングニールです」

 

その言葉に奏は驚く。

 

「ガングニールだと!」

 

「ええ、姫様。ガングニールの聖詠を歌ってみてください」

 

「ああ‥Croitzal ronzell gungnir zizzl」

 

そこで愛歌の身体が光り輝き始め一瞬の内に奏に装着される。いつもの様なガングニールの衣装ではなく、XDモードのガングニールにオレンジ色の陣羽織を羽織り頭には鎧武と同じ冠が付いていた。

 

「どうして‥LiNKERもないのに‥」

 

その疑問には憐が答える。

 

「それはガングニールと愛歌が融合して二人が奏を認めているからだよ。適合係数は90%位か‥絶唱連発可能な領域だな」

 

『憐。私もいるよ』

 

奏の羽織る陣羽織から声が聞こえてきた。勿論恋歌の声だ。

 

「わ!愛歌か‥」

 

「意識はあると‥愛歌のアームドギアはあるのか?」

 

『いや、私はこのシンフォギアの一部という扱いみたいだね』

 

「ギアの操作はできるか?」

 

『それも無理みたい』

 

「なぁ憐」

 

そこで奏が声を掛けてきた。

 

「どうした?」

 

「アームドギアが出せない‥」

 

「愛歌出せるか?」

 

憐がそう聞くと奏の手の部分のアーマーが合わさりガングニールが飛び出してきた。奏はそれを掴むと一振りする。

 

「私の槍だ‥」

 

「という事は愛歌はガングニールを出せるのか」

 

『あと、背後が見えるから奏に警告することができるかな』

 

「成る程‥って!話は⁉︎」

 

ガングニールを解除して愛歌と分離した奏のその言葉に憐は溜息を吐き

 

「覚えていたか‥話さなきゃダメか?」

 

その言葉に奏は頷く。憐は

 

「簡単にでいいか?‥この森は次の果実の適合者を探し出すのに闘争を望む。ただ受け継ぐ(・・・・・・)のでは力を発揮しない。戦って受け継ぐしか方法がない。あとは分かるな」

 

たったそれだけの言葉だったが言いたい事は分かったので奏はそれ以上は追求しなかった。

 

「さぁ何か聞きたい事はあるか?」

 

奏は少し考え不思議に思っていたことを聞く。

 

「その力はなにが出来るんだ?」

 

「ええっと、森の操作とインベスへの命令にクラックの自由解放、時戻り、統一言語が話せるかな」

 

「ちなみにインベスの総数は?」

 

「六十億」

 

「一人が持っていい力じゃねぇ」

 

「まぁ、過ぎた力だとは思うけど、この力で戦えるのならそれでいい」

 

そこで奏はもう一つ質問をする

 

「二番目って何だ?」

 

「‼︎」

 

憐はその言葉に明らかに反応する。そして、纏っていた雰囲気をガラリと変え話し始めた。

 

「俺の持つ果実の力の本質は『始まり』なんだ。人間が人としての営みを始めた最初の人間。それが俺とおまえだ。始まりがあれば次がある。生まれるはずのなかった『二番目』それが奏達を襲った正体だ。俺はその保有者を探してるんだが全然見つからない」

 

「という事は、このノイズの一件も」

 

「恐らく、二番目の存在を知らしめるためにノイズ達と共闘して襲ったんだろう。或いは‥同一人物か‥」

 

「名前はあるのか?」

 

「名前は二番目の森の名前が『ディストピアの森』俺たちで言うインベスが『マリス』って名前だ」

 

「『マリス』‥悪意か」

 

「それと悪いが奏が生きている事を翼達には伝えられないと言うより伝えてはいけない」

 

「なんでだよ!」

 

「考えてもみろ。俺達が何が出来るのか。やろうと思えば世界を一瞬で廃墟に変えれる上に死んだ人間も生き返らせる事が出来るんだ。そんな力をわざわざ教えてやる必要もない」

 

「でも‥」

 

「だが!夢としてなら可能だ。夢はあくまで夢だからな」

 

「ありがとう」

 

「俺も出来れば関わりたくないんだが無理だな‥」

 

「どうしてだ?」

 

「奏が眠っている間世界のあちこちでノイズ倒したりマリス倒したりしてるから。バレてんだよな。ノイズを倒している人が居るって。まぁ、果実の正体も力もバレてないからなんとかなるだろ」

 

「軽いな。おい!」

 

そこまで話したところでローズが急いで扉を開けて入ってくる。

 

「王様!」

 

「どうした?」

 

「人間がこの森に居ました!」

 

「何⁉︎それでどうしてる⁉︎」

 

「幸い果実を口にする前でしたから人間のままでいまシェムザムが見ています」

 

「すぐに行く!案内しろ!」

 

「ハッ!」

 

そうして、慌てて二人は出て行く。それを見た奏は我に返って追いかけることにした。

 

 

 

 

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