聖遺物の適合者と禁断の果実(リメイク版 10話から最新) 作:百合に挟まる男を切るエルフの剣士
「今日は♪翼さんのCD発売日♪特典♪特典♪」
響は今大人気歌手の『風鳴翼』さんのNEWシングルを買いに憐さんと奏さんの分も一緒に買いにCDショップまで走っていた。憐が聞いていたのを聞かせてもらって以来すっかりハマって今では1ファンになっていたのだ。因みに奏があのツヴァイウィングの『天羽奏』であることも知っており‥ちゃっかりとサインは貰ってある。サインは今は人間界に移した響の家の中に飾ってある。
「CD特典♪CD特典♪CD特典‥ッ!」
響は楽しみ過ぎて気付かなかったがこの道は明らかに人がいなく、辺りには灰が漂っていた。そんなことができる奴と言えば‥
「ノイズか‼︎」
響の後ろから色とりどりの生物的な外観を持ち、各々が奇声を発している。だが、外見上の共通点として、どのノイズにも液晶ディスプレイのように輝く部位が見えていた。ノイズ達は体を弾丸の様に打ち出し響に迫る。それを見た響は体を捻り避ける。
「師匠の拳より全然遅い!」
それもそのはず、最上級の戦闘の達人であるオーバーロード達に教えを請うていたのだ。これぐらい出来なければ師匠達に殺される!
「あれは!」
響の目の前では小さな女の子泣いていた。響はそのまま走り流れる様に女の子を抱えて逃げる。そして、目の前には川がある。ただ‥ただ一言だけ言わせて欲しい。
「不幸だぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
響はそのまま川を飛び越え階段を駆け上がりビルの屋上まで逃げる。そこで女の子を下ろし一息つく。
「ここまでくれば安全‥な訳ないですよねぇ!」
そう、巻いたと思っていたが世の中そんなに甘くない。ビルの階段側からノイズがぞろぞろとやってくる。対して響は屋上の端に追い詰められていく。
「お姉ちゃん‥しんじゃうの?‥」
その言葉に響は女の子の方を向き言う。
「そんなことない!神様は絶対に助けてくれる!だから、生きるのを諦めないで!」
響は自分が最も信じる神に祈る。自分が信じる大切な神様に。
(そうだよね。憐さん!)
そして、その願いは聞き届けられた。クラックが開きその中から憐が姿を現した。
「何してるんだ?響?」
「憐さん!」
「ああ、ノイズか。下がってろ」
「はい!」
そこて、ノイズ達の方を向き戦国ドライバーを取り出して腰に当てる。すると、ベルトが巻き付いて腰に固定される。そこからオレンジロックシードを取り出す。それを見た響は憐に聞く。
「今回はオレンジなんですか?」
「ああ、禁断がバレるとマズイからな。取り調べ受けても組織には俺のことは言うなよ」
「了解です!」
その言葉に頷くと、憐はオレンジロックシードを構えて人々を守ってきた英雄達が叫んだあの言葉を、弱き者達を守る為の力に手を伸ばすための言葉を叫ぶ。
「変身‼︎」
そして、憐はオレンジロックシードを解錠する。
〈オレンジ!〉
憐の上にクラックが円型に開き中からオレンジが出てくる。
「うぁ!オレンジだ!」
憐は体を捻ってからロックシードを高く掲げ、ベルトに嵌め込む。そして、ロックシードの掛け金を叩いて閉めベルトにロックする。
「オラァ!」
〈ロック!オン!〉
すると、ベルトから法螺貝のような音声が流れベルトの横に付いているブレード、カッティングブレードでロックシードを切る。
〈ソイヤッ!〉
ロックシードが開き上からオレンジが被さりアンダースーツを纏いオレンジの中では兜が装着される。
「オレンジを被ったぁ!」
女の子がその様子に声を上げ響は知っているので何も言わないが何処か悔しそうに見ているだけだった。そして、オレンジがだんだんと展開されていく。
〈オレンジアームズ!花道!オンステージ!〉
水の様なものが飛び散り変身が完了する。憐は手に持っていたオレンジの切り身の様な剣『大橙丸』を担ぎ名乗る。
「仮面ライダー鎧武!ここからは俺のステージだ!」
そして、ノイズの大軍の中に突っ込んでいく。それを見た響は心の中で思う。
(私も戦いたい!憐さんの横に立っていたい!守られてばかりはもう嫌だ!)
ドクン!
それに応えるかの様に心臓が脈打った。心の底から浮かび上がる歌を口にする。
「Balwisyall Nescell gungnir tron」
その瞬間光の柱が立ち、体の全てを作り変えられる様な激痛が襲ってきた。体の隅から隅までそれこそ一つ一つの細胞まで作り変えられる様だ。それを見た鎧武は呟く。
「目覚めたか‥」
一方何も知らされていないヘルヘイムの森の中にある奏がトップを務めるノイズや聖遺物を発見するための施設の液晶に文字が映し出される。それを見た奏は思わず叫ぶ!
もう一つの人間界での対ノイズ用の組織の液晶にもある文字が警告音と共に赤いアルファベットの文字で表示されていた。それを見たガタイのいい赤髪の司令官ぽそうなおっさんが叫ぶ!
それは、同時だった。表示される文字は
『GUNGNIR』
「「ガングニールだとぉ‼︎」」
その文字を見た青髪の少女と奏はは呟く。
「「どうして、奏(私)のギアが‥」」
体が作り変えられる感覚が終わり光が収まると四つん這いになった響にアーマーが装着されていく。
「お姉ちゃん!お兄ちゃん!カッコいい!」
「ええ⁉︎これ何ィィ⁉︎」
響の問いにはノイズをなぎ倒していく鎧武が答える。
「それはガングニールの欠片で!人が作ったノイズの戦うための武器!人を助ける為の力だ!そして、それの名前はシンフォギア!」
その言葉を聞きながら響は思う。
(シンフォギア‥人を助ける為の力‥これで憐さんの横に立てる!守ってもらってばっかりの恩を返せる!)
そこで鎧武が叫ぶ。
「響!その子を連れたまま逃げろ!シンフォギアを纏っている今ならここからは降りても大丈夫だ!」
響はその言葉を聞き女の子を抱えて躊躇なく飛び降りる。それを見た鎧武も屋上に残っていたノイズを腰に差していた無双セイバーを抜き、大橙丸と接続しナギナタモードに変化させる。響を追おうとするノイズの前に立ち宣言する。
「悪いな。ここから先は一方通行だ!」
そのまま、ノイズを一瞬で殲滅する。そして、先に降りた響を追って鎧武も飛び降りる。降りた先では響がノイズ相手に辿々しく戦っていた。
「響!シンフォギアを纏っているとノイズに触れても大丈夫だ!だから、迎え撃て!」
それを聞き、響は回避を優先する戦いから飛んできたノイズに合わせて拳を繰り出し潰していく戦いに変えた。鎧武もその横でノイズを倒していく。ある程度数が減ったと思ったらノイズが集まり巨大化した。
「デカイな」
「デカイですね‥やりますか?」
「いや良いだろう。あとは翼に任せよう」
「はい!」
そう、戦う二人の後ろからバイクに乗った翼が突っ込んできていたのだ。翼は乗っていたバイクを乗り捨てジャンプし、大型ノイズを一瞬で倒す。そして、残っていたノイズを駆逐していく。それを見た響は翼に聞こえない様に感嘆の声を上げる。
「おー!凄い!あれなら、上級なら倒せるけど、師匠達ならフルボッコにされる位の強さかな。まさか、一人でその領域まで行くなんて‥」
因みに響は師匠達と生身で渡り合える強さである。もはや、人外とかしている。すると、鎧武が小声で響に
「これ、盗聴器だから。持っておいて」
そう言って1ミリ位の物を渡す。
「了解です!あのー因みにばれた場合は‥」
「うまく誤魔化しといて」
「うぅぅ、私ってやっぱり呪われてるかも‥」
「帰ってきたら、ご褒美あげるから」
「不肖!この立花響におまかせ下さい!」
そんな話をしていると鎧武達の周りを黒服の人たちが囲んでいる。
「あなた達には我々に同行してもらいます」
「は‥はい!」
「断る」
(あっ‥声変えてる‥)
黒服の人たちの問いかけに響は頷くが鎧武は断る。
「そういう訳にはいかないんですよ」
「じゃぁ、逃げます」
「逃げれると思いですか?」
「やってみるか?」
そこまで言うと鎧武は桜の花の絵柄がはいったロックシード『サクラロックシード』を解錠する。しかし、何も音声は鳴らなかった。鎧武はそれを上に投げる。すると、ロックシードが変形しバイクになる。響を除いた一同が驚いているのに対し鎧武はそのまま乗り込み黒服の人たちに薔薇の絵柄がはいったロックシードを投げる。
「風鳴翼に渡しとけ。バイクぶっ壊しただろ」
そして、走り出す。そのバイクの音に正気に戻った黒服の人たちが慌てるがその中で好青年が車に乗り込み追いかける。
「翼さん!乗ってください!」
「緒川さん!」
呼ばれた翼はそのまま緒川さんの運転する車の上に乗り走る。前にはサクラロックビークルに乗った鎧武が走っていた。だが、少し走ると鎧武の方からサクラの花びらのようなものが流れてきた。
「サクラ?」
すると、鎧武がバイクに乗ったまま宙に浮き回転しだした。
「なっ!」
そのまま鎧武は走る。すると、鎧武の前方に放出状にクラックが開く。そして、その中に入る。そしてすぐにクラックが閉じていくので翼達は入ることができない。
「クッ!」
逃した事を悔やみながら翼達はもう一人のガングニールの奏者の元へ向かう。向かった先ではそのガングニールの少女が役員からコーヒーを貰っていた。
「あったかいものをどうぞ」
「あったかいものどうも‥」
すると、響が纏っていたシンフォギアが解除され響はよろける。それを翼が支えた。
「ありがとうございます!」
しかし、響を眺める翼の目は覚めたものだった。
(あーこれ、奏さんのガングニール纏ってるからか)
奏と仲の良い響は奏からあらかたの事を聞いていたので翼が怒っている理由もわかるのだがそれを口にするほど響も野暮ではない。なので、助けてもらったお礼を言うことにした。
「あの‥翼に助けてもらったのは二度目なんです」
「二度目?‥」
「はい。一度目は二年前の翼さんの片翼だった『天羽奏』さんが亡くなったあのライブです」
「⁉︎」
「私はあの時この胸に何かの欠片が突き刺さり、命が危うくなりました。その欠片がなんなのか今分かりました。奏者だった『天羽奏』のギア、ガングニールの槍の欠片だったんですね」
「⁉︎貴様!何故!シンフォギアを知っている!」
「教えてもらいました」
「誰からだ!」
「それより先に翼さん達の指令に会わせてください。上が分からないのに信頼するほどぬるま湯に浸かっているつもりはありません」
「確かにその通りですね。翼さん。連れて行きましょう。すみませんがこれをはめてもらえますか?」
「いいですよ」
緒川さんに言われて素直に手錠を嵌める響。そのまま車に乗り込み移動される。分かっていたとはいえ響はポツリと呟く。
「不幸だ‥」
そうして響が連れて行かれたのは
「あれ‥リディアン?」
「そうです。私立リディアン音楽学院。その地下に私達の基地があります」
そうして、車を降り歩きながら話す。
「という事は‥都‥いや、国が背負っている組織と見ていいですか?」
「鋭いですね。その通りです。僕らの組織の名前は『特異災害対策機動部二課』ですが、結構の無茶を通すとこもあるのでついたあだ名が‥」
「もしかし『
そうこうする間にエレベーターに着いたので乗り込む。
「本当に鋭いですね。その通りです。あ‥手摺掴んでいてください。危ないので」
「?」
緒川さんの言葉に疑問を抱きながらも言われた通りに手摺を掴む。しかし、その疑問はすぐに氷解する事になる。その身をもって‥。エレベーターが急に速度を上げ落下していっているのだ。
「キァァァァァァァァァ!」
エレベーターの外には絵柄の書かれた広い空間か広がっていた。しかし、響はそんな事を気にする余裕はなかった。そうこうしているうちにエレベーターは止まった。緒川さんが腰が引いている響に声を掛ける。
「大丈夫ですか?」
「あはは、へいき、へっちゃらです」
「そこのあなた、ここから先は愛想笑いなど無用よ」
翼の言葉に響は笑いを止める。そして、何時でも逃げれる準備を誰にもバレない様にして構える。
(さぁ、邪が出るか吉がでるか‥)
エレベーターのドアが開く。その瞬間
パーン!パーン!