本編の方でももちろん、ネギ争奪戦に彼は参加します。
「兄貴! ここは急ぎやしょう!」
夜。
京都修学旅行で本山が襲われ、このかが浚われてしまった。
目の前に立ち塞がるのはショタ郎。
「大丈夫だよカモ君。40秒で片付ける」
箒から下りて拳を握り締めるネギ。
(くそ! こんな時に兄貴の悪い癖が出ちまった!)
箒で飛んで迂回なりなんなりすれば良いのに。
このか救出よりも目の前のライバルを倒すことで頭がいっぱいになったネギ。
カモは説得を続けるが、ネギは聞く耳を持たず、小太郎へ向かっていってしまう。
「よっしゃ! やっぱ男はそうこんとな!」
「はぁぁぁ!」
「うおおお!」
ズドン。
突然の爆発。
土煙が巻き上がり、視界を塞いだ。
「な、なんつう威力だ……」
カモがごくりと喉を鳴らす。
土煙の中から出てきたのは、小さなクレーターの中で横向きに倒れている小太郎だった。
そこへ、スタ、と高畑が空から降ってくる。
「タ、タカミチ?」
「やあ、遅れてすまないネギ君。僕が来たからにはもう大丈夫だ。早くこのか君を助けよう」
「いや、悪いがここで足止めさせてもらうよ」
「君は!」
半袖半ズボンのフェイトが小太郎の横に現れる。
高畑がピクッと眉を動かした。
「ネギ君! ここは僕に任せてイクんだ!」
「でも」
高畑は心配するネギに赤い布を取り出して見せた。
「それは僕とパクティオーした時に出たアーティファクト? でも、使い方分からなかったんじゃ……」
高畑はにっこりと微笑む。
「大丈夫だよネギ君。答えは得た」
「え?」
高畑は赤い布を左腕にグルグル巻いていく。
「さあ、彼は僕が食い止める。ネギ君はこのか君を!」
「わ、分かった! タカミチも早く来てね!」
「ああ、必ずイクとも」
頭の冷えたネギは箒に乗って飛んでいく。
フェイトは追おうとするが、高畑の無音拳に阻まれる。
「さて……このアーティファクトの説明をしておこうか。これは装備者の心象風景を具現化する魔法を使えるようになるものでね。人によってはさして殺傷能力のない、思い出に浸るためのような能力らしい」
「そんなもので、この僕とやり合おうというのかい?」
「フフ。それはこれからのお楽しみさ……」
高畑は大きく息を吸って、ゆっくりと吐いた。
――
シュボ!
シュボ!
フェイトと高畑を炎の円が取り囲んだ。
高畑が紡ぐ詠唱は、直訳すれば見れたものではなかったが、何故か心に響き、耳を反らすことができない。
――
「くっ、石の槍!」
フェイトは詠唱を中断させようと魔法を飛ばす。
しかし、そのことごとくが無音拳によって砕かれる。
接近戦に持ち込めば。
そう思うのだが、頭の奥で警報が鳴って近づくことが出来ない。
そうこうしているうちに、高畑の詠唱が山場を迎える。
――
フェイトの視界を光が塞ぐ。
目を開けると、そこは砂が吹きすさぶ、どこまでも荒地が続く場所だった。
いや、よく見ると棒か何かが何本も地面から飛び出ている。
「ここには、今まで僕が出会った全ての男性がいる。オリジナルとは言えないけれど、それに迫るクオリティーだ」
高畑が手をかざすと、それに応えるように地面からガトウが起き上がった。
下半身は丸出しで、股間には自前の剣を高々と掲げている。
「さぁフェイト。今日こそ僕のものになってもらうよ」
「く……うああああ!」
ラカンが、詠春が、ガトウが襲い掛かってくる。
フェイトは防御結界を全力で展開し、触られまいとする。
だが、詠春の剣閃が無残にもフェイトの服を破っていってしまう。
「馬鹿な、僕の防御結界をすり抜けてくるなんて……」
ポロリンした乳首とゾウさんをさっと手で隠す。
その仕草はちょっとエッチくて、ラカン達の剣はさらに元気になった。
「フェイトよぉ」
ラカンがベチンベチンと剣を叩きつける。
「もっと楽しめよぉ」
「うるさい! あっちいけ!」
「ラカン・インパクトぉぉぉお!」
びゅるぅぅううう。
べったりと白く染め上げられてしまうフェイトの防御結界。
「もうやだぁああ!」
四方八方から責められ、防御結界はどこもかしこもドロドロ。
ガトウがタバコを吸いながら1言、
「まるで精子に集られた卵子だな」
と言った。
「さすが師匠。フェイト、観念して僕らに孕まされるんだ」
「絶対ヤダ!」
フェイトは調査不足だったことを痛感した。
高畑はてっきり大人の男が好きなのかと思っていた。
まさか、ショタもいけたなんて。
シュゥゥゥと音を立てて無限のショタホモ世界が崩れていく。
アヒル座りになってえぐえぐと涙ぐんでいたフェイトはこれ幸いと逃げ出した。
高畑は追いかけながら、プリプリ揺れるフェイトのお尻を凝視する。
「……今度、詠春さんに弐の太刀教えてもらおうかな」
出来るようになったら、脱がし放題じゃないか。
高畑の欲望は尽きない。
ちょっとフェイトが可愛く思えてしまいました。
キャラ崩壊してすみません。