番取り! ~これはときめきエクスペリエンスですか? いいえゴールドエクスペリエンスです~   作:ふたやじまこなみ

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第30話「学校テロリスト」

「今度はマサキとリョータがやられましたよ。今週に入ってこれで4人っす」

 

ツインズの本拠地ーー廃工場の奥で幹部の1人が神崎にそう報告する。

 

「……そうか」

「いいんすか? 神崎さん! なめられてんすっよ、ツインズがっ!!」

 

幹部がそうまくし立てると、そうだそうだと周囲にいた取り巻きが迎合の声を上げた。

神崎はしばらく黙った後、口を開く。

 

「……やったのは是清か」

「そうです。御谷中の奴っすよ。例によって俺たちが仕事をしてるときに襲い掛かってきやがるんです。街を守るだのわけのわからんことを言って」

「……」

 

神崎は目をつぶって黙考する。

 

もう一人の幹部はこの神崎の様子を不思議に思っていた。

神崎は容赦のない男だ。普段ならば最初の被害報告で、真っ先に報復を考えていてもおかしくない。

だが相手が是清とわかると神崎の反応は鈍く、これまで沈黙を保ってきた。

 

だが先日から続く是清たちによるツインズへの襲撃は、これで7件である。

ツインズのメンバーが多いとはいえ、いつも全員がまとまっているわけではない。

特に仕事については手分けして行っているため、どうしても1グループあたりの人数は手薄になる。

 

是清たちはそこを狙って、襲撃をしてくるのだった。

そのためここ最近は仕事の効率も落ちてしまっている。このままでは山内組に任されたノルマの達成も危うい。

 

それにやられっぱなしでは、面目が立たない。

特にツインズは、その過剰なまでの報復でここまで大きくなってきた組織だ。

生半可な対応では、全員納得しないだろう。

 

「……頃合いか。是清たちをヤるぞ」

「おおっ」

 

ようやく重い腰を上げた神崎に、周囲は歓喜の声を上げた。

 

「呼び出しますか? 使いならすぐに出せますよ。でも素直に来ますかね?」

 

是清は強い。生半可な勢力でこちらから襲い掛かっても太刀打ちできないだろう。

なので呼び出すというのは自然な発想だった。

しかし相手が素直にそれに応じるかというのも、微妙なところだった。

 

「いや、そんな生ぬるい方法は取らねェ」

 

なので神崎はそれを否定する。

やるとなれば徹底的に覚悟を決めるのが、神崎という男だった。

 

「是清ォ。守るってことがどんなに大変なことなのか、教えてやるぜ」

 

 

プロロロロロ……

 

その日、よく晴れた月曜日。お昼を食べた後の気だるい午後の授業。

俺はその日の天気と同様、非常に晴れやかに国語の授業を受けていた。

 

気分がいい理由は明白だ。目下最大の懸念事項につき、解決のめどが立ったためである。

 

最大の懸念事項。いうまでもなく再開発計画のことである。

そう、あの再開発がなんとかなりそうなのである。

 

助けてこころえもん!……をしたわけではない。

 

星見の丘で考えたように、この方法も検討はした。

こころえもんとは、もちろん原作の大人気キャラ、弦巻こころに助けを求めることだね。

 

彼女の家はお金持ちの設定で、作中ではその資本力を生かし、それこそドラえもんのような傍若無人ぶりを発揮していた。

なのでこの世界でもそのお金を使って、なんとか再開発をストップできないかってわけ。

 

そう思ってぐるぐる先生で「弦巻」と検索したら、衝撃の単語が出てきたわ。

 

三井、住友、弦巻財閥。

 

弦巻財閥!!

 

あ、これ触れちゃいけないやつだ!

 

そっ閉じ余裕でしたね。

三菱どこいったんだよ。弦巻に乗っ取られてんじゃねーか。

 

俺の記憶によると彼女は公式で、裕福な家庭の一人娘と紹介されていたはずだ。裕福とは財閥のことなのか。ためになったわ。

アプリのシナリオ見てても思ってたんだけど、これを単なる裕福な家庭呼ばわりは無理ない?

 

財閥ですよ。財閥。

 

利用するしない以前の問題だったね。財閥とか前世でも真っ黒な組織だったのに、この世界の財閥とかすごく黒い波動を感じるよ。こがね注意報が必死でアラート鳴らしてるわ。

 

再開発をストップするために力を貸してくれるどころか、主体となって動かしていてもおかしくない側になってる。

というわけで、弦巻こころ利用計画を諦めた俺は、別の方法をとることを余儀なくされた。

 

それからだいぶ頭を悩ませたが、つい先日ようやくこれならという方法を思いついたのである。

ただしこの方法、そこそこ時間がかかりそうなので、今はちょっとした見守りタイムというわけだ。

 

昼下がりの、のどかな時間が流れる。

 

プロロロロロ……プロロロロロ……

 

「……はい。ここで主人公の李徴は旧友と再会し、自らの姿を恥じて茂みに隠れてしまうわけですが……」

 

授業では「さんげつき」の解説を行っていた。

さんげつきーーたしか、「さんざんな俺にも月曜がきた」というタイトルの昭和時代のラノベだと、とある活動記録で見た気がする。

 

内容は、役人にも詩人にもなれなくてさんざんな主人公が、宿に泊まった次の日が月曜であることに発狂してトラになってしまうという話だったはずだ。トラ転生だね、うん。

 

主人公は、臆病な自尊心と尊大な羞恥心とやらが肥大化し、トラとなってしまったようだ。哀れなやつ。

 

賢しらで偉ぶり、他人を見下すゲスい精神。力を振りかざし自らをトラと名乗る転生者……いったい誰のことを指しているんだ!?

う、頭がっ!?

 

いや、俺が見下しているのはクズだからセーフのはず……セーフだよね?

 

ブロロロロロロロロッ!

 

ちなみにゴールドエクスペリエンスでも、俺の体をトラにすることはできない。他人の体も同様である。

ゴールドエクスペリエンスは殴ったものを動植物に変化させることができるが、対象は無機物に限る。

生命ある存在を殴っても、感覚暴走を引き起こせるだけだ。

 

一応、俺の体は例外で、一部分を別の生き物に変えることはできる。それでも全身をトラにすることはできない。

あくまで一部分だけだ。原作でジョルノがやっていたように、歯をクラゲに変えたりだとかな。

 

なので「牙の鋭い方が勝つ!」とか言いながら獣化したり、人類の到達点を名乗りながらゴキブリ退治したりまではできない。残念。

いやでもゴールドエクスペリエンスの成長性はAだし、ひょっとするとこれからワンチャン……

夢がひろがりんぐって奴だね。

 

しかしこんなくだらん妄想ができるのも、ゴールドエクスペリエンス様様だからな。

やはり再開発解決のめどが立ったのが大きい。心のストレス値が違うわ。

 

今の俺はRPGの聖女キャラより心が広い状態だ。なんでも許せそう。

世界を恐怖のどん底に落とした魔王だって、懺悔すれば独断で許しちゃうよ。

 

ブロロロロロロロロッブロロロロロロロロッブロロロロロロロロッ!!!!

 

ちっうっせーな!! さっきから、なんなんだよ!!

反省してまーすとかいっても許さねーぞ!!!

 

こりゃバイクのエンジン音である。

それもマフラーを外したあのうっさいやつ。

魔王は許してもバイクは許さん! なぜバイクの爆音はこんなにも人を苛立たせるのか。特にスズキ。

 

最初は遠くに聞こえて、昼間っからまた珍走団どもが騒音ふりまいてやがるな。今度一発締めるかとか思っていたのだが、何やらちょっと様子が変である。

音がだんだん大きくなる。つまり、こちらに近づいて来ているようなのだ。

 

それに音の重なり方から考えて、1台や2台ではない。おそらくだが10台以上はありそうである。

 

「え、なになに?」

「なんか近づいて来てない?」

「なんなの?」

 

流石にクラスのみんなも気がついたようで、しきりに疑問符を飛ばし合っている。

その中には香澄とたえの姿もあり、二人も首を傾げている。

クラス中騒然としだしたので授業にならない。先生も対処に困りオロオロしだした。

 

「あ! 見ろよ! 校庭っ!!」

 

クラスに一人はいるお調子者の武田が、興奮した様子で開いた窓から校庭を指差した。

 

音が近付いていたというのは正しかったようだ。

奴らの目的地はこの学校。

バイクの集団は開いた校門から校庭にバイクに乗ったまま侵入し、その場でグルグルとまわりだした。

 

全部で12台。生半可な数ではない。

 

これはひょっとして……学校テロリスト!?

 

学校テロリストとは中学生の男子ならば、半数以上がしたことがあると言われる妄想イベントである。

 

それは、なぜか平凡な中学校を、なぜか国際的テロリストたちが襲ってクラスの生徒を人質にとり、なぜか自分が抜群の運動神経を発揮し、なぜか銃で武装したテロリストを撃退し、なぜか気になるあの子にモテモテになってしまうという、なぜなぜ尽くしの妄想である。

 

それがまさか現実になってしまったというのか。

この世界ならありえ……ないわ。あいつら持ってるの鉄パイプだし。こんなレベルの低いテロリストは妄想でも登場せんわ。

 

あー、ひょっとしてお礼参りとかかな?

 

隣のクラスもその隣も、校庭側に窓を有する教室ではみんなが窓際にへばりつき、なんだなんだと身を乗り出している。

 

それにしてもすごい音だ。

 

マフラーを外し違法改造された単車12台の出す爆音は、凄まじい。

生理的嫌悪感を引き立てるその音は不安感をあおり、中には泣き出しそうになった生徒も出て来た。

 

しかしどこの不良かしれんが、真昼間から中学校にバイクで来たぜってか。なんの用だよ。

二人乗りした後部座席の中には手にした得物を振り回している姿もある。やっぱお礼参り?

 

しかし今は夏。暑さに当てられて不良の頭がよくおかしくなる時期ではあるがーーまぁ、あいつらいつもおかしいけど、お礼参りの時期からはだいぶ外れている。

 

じゃあ、別の目的か。

 

あ、ひょっとして。

 

「おらぁ!! 是清ぉ!! 出てこいいいいぃぃ!!! 是清ぉぉぉぉ!!!」

 

「あちゃーっ」

 

思わず変な声を出してしまった。

 

そうきたか。

そうきましたか。

こいつらアレだよ、ツインズ。

よく見ると単車に描かれている絵柄は蛇が多い。

 

そういや是清たち止めるの、すっかり忘れてたわ。

 

たぶん俺が是清たちに命じたツインズへの敵対行動に、業を煮やして報復としてきたんだろうな。

再開発計画はストップするんだから、ほっときゃツインズの蛮行も自然鎮火したってのに、めんどくさいことになったな。

 

しかし敵の守るべき場所に乗り込んで恫喝。急所への一撃か、ヤクザの手口に近い。

俺ならそうするって一手でもある。ツインズのトップの思考って俺に似てるのかもな。

 

「是清ぉぉ!! 出てこないとどうなる分かってんだろうなぁ!!」

「出てこねぇなら、他のやつブン殴るぞオラァ!!」

 

二人乗りした連中は手にした釘バットや鉄パイプを、ブンブンと振り回した。

あれで殴られたらとっても痛そうです(こがね感

 

「え、あの人たちなんなの……?」

「是清って、うちの学校の番長だよね?」

「やだ……どうなっちゃうんだろう」

 

高みの見物である俺とは違って、他の生徒は心配そうな顔してる。

それは是清が心配というよりも、もし是清が出てこなかった時どうなるんだろうという、自分たちの心配が大きいのだろう。

 

たぶん俺にゴールドエクスペリエンスの力がなかったら、同じこと思ってたと思う。

ここにいるのは本物の厨二……中一だらけとはいえ、妄想の中では学校テロリストに対して機転を利かせて立ち向かうことができても、実際の脅威を前にすれば、ウサギみたいに震えるしかない。

 

しかしこのケース、想定済みだ。

 

だから面倒くさいって感想はあっても、恐れは全くない。

なんせ香澄とたえがいる学校である。こんな事態を想定しない方がおかしい。

 

本物のテロリストがやってきても対処できるようにしてるもん。だから俺が暇な時に、学校テロリストの妄想してたとしても全然おかしくない。いいね?

 

特殊部隊が来ても秘密に掘った地下道があるし、ミサイルが落ちてきても中庭に作った温室に避難すればいい。

バイオハザードがパンデミックでゾンビパニックになっても、屋上に作った菜園があるから、がっこうぐらしできるようにもしてある。備えは万全だ。

だから不良の突撃ごとき、余裕で見守ることができる。

 

そして是清は出てきた。

まぁ、番長だから当然ではある。ここで恐れて頭が引っ込んでいたら、番長って何なの? 亀なの? って話になるからな。正義の不良とやらの悲しい宿命だよ。

 

しかし一人で出てくるとは大したもんだ。

普通はバイクに乗った不良十数人を前にすれば、多少なりとも足がすくむもんだよ。

 

深夜歩いている時、横の道を大量のバイクが通過したり、高速で車の運転してる時にバイクに囲まれると、多少なりとも不安になった覚えがあるだろ?

バイクの出す威圧的な音というのは、それだけ心にくる。

 

でも、何一つ臆するところのない堂々とした佇まい。

やっぱスペックはあるんだよな。

それにしても一人って……取り巻きはどうしたよ。トイレか?

誰も出てこないやんけ。ま、俺も出るつもりないが。

 

集団から代表格とみられる男が是清の前に立ちはだかり、メンチを切った。

残りのメンバーが、是清の周りをバイクでぐるぐると周りだす。

そのまま両方バターになんないかな。あれ。あれって発禁になったんだっけ?

 

「こがねん……是清さん大丈夫かな?」

 

一緒に校庭を見つめる香澄とたえは、純粋に是清を心配しているようだった。

大丈夫だよ。こんな筋肉ダルマが肉団子になっても、物語に影響ないから。

 

とはいえ本当にこの後殴り合うなりするなら、この人数は流石の是清でもキツイだろうな。相手は得物も担いでいる。いいとこ半分倒したあたりでKOされるのではないだろうか。本当にこのままやり合うのだとしたらだけど。

 

「大丈夫だよ。あれはたぶん是清さんの友達が、是清さんに会いに来ただけだから」

「えっ! そうなの!?」

「そうだよ。ほら、たぶん、こんな会話してる」

 

代表格「見てよ是清くん。新しいバイク買ったんだ。すごいでしょ」

是清 「へぇ。ほんとだ。バイクがいっぱいですごいや」

代表格「そういう是清くんもいい学ラン着てるね。ちょっと見せてよ?」

是清 「おいおい、そんなにカラーを引っ張らないでよ。あとバイクで学校に来るのやめてね」

 

「はへー。そうなんだ。こがねんよくわかるね! てっきり喧嘩でも始まっちゃうのかと思ったよ」

「……なんかそんなに友好的な空気じゃなさそうだけど、ホント?」

「そんなことないよ、たえちゃん。是清さんの顔みて! 笑ってる!! みんな仲良し!

 あ、ほら。是清さんの説得でみんな帰って行くよ」

 

是清と対話し、しばらくにらみつけていた代表格だったが、つばを吐き捨てると爆音をあとに残して去っていった。

是清は何を握りしめているようだ。おそらく何か手渡されたな。

 

案の定、ここで喧嘩というかリンチが始まることはなかった。当たり前だな。

教師か誰かが通報したのだろう。遠くからパトカーのサイレンが聞こえる。

いくらこの世界の警察が不良漫画よろしく無能であったとしても、さすがに公立中学の校庭で全校生徒を観客にして暴行が始まったら、動かないわけがない。

 

だから本日ツインズの奴らが来たのは、脅すためだ。いつでも学校を襲えるんだぞという。

さらに言えばその脅しが全てではなく、制裁的なものは今夜にでも始まるのだろう。是清が握らされたのはその招待状というわけだな。

番長の守るべき学校を人質に取られたとあっては、是清もこれに応じざるをえない。

 

しかしそれならば好都合。

どっちにせよ再開発は抜きにしても、ツインズは潰そうとは思ってたのだ。

面倒くさいことになったと思ったが、これを転じて福となすような柔軟さが求められる。

 

「香澄ちゃん! たえちゃん! ちょっと持病のシャクが疼くので、今日は帰ります!」

「あ、こがねん!? ……いっちゃった」

 

さぁて、今夜はきっとやることだらけだ。

いろいろ準備もしなくては!

 

 

学校の裏門。

鉄門扉に腕を組んで寄りかかり、目を閉じて待っていると外へ向かう誰かの足音が聞こえた。

この重量級。目を開かなくてもわかる。是清だ。

 

「行くのか……?」

 

俺はニヒルに問いかける。

是清は一瞬、変なものを食ったみたいに顔を歪ませると、俺の頭をペンペンと紙で叩いた。

 

「あっ、何するんですか! 髪が乱れる!」

「何を馬鹿なことをいっている。ほら、これを見ろ」

 

花飾りの位置を正しながら紙片を受け取る。

さっき是清が代表格から手渡されたやつだな。汚い字でどこかの住所が記載されている。

 

「3丁目廃工場……ツインズのたまり場の一つですね」

「ほう、よく知っているな。そうだ。奴らのたまり場は幾つかあるが、その中でも最大の場所だ。本拠地といってもいいだろう」

 

そらまぁこの街の不良事情というのは、香澄とたえの安全保障に直結する重要事項だ。

俺も普段ただ食っちゃ寝しているわけではない。日々駆けずり回って色々調べている。

マリア様の代わりに、ゴールドエクスペリエンスさんが見てるからね。その必死さは他の追随を許さないよ。

 

3丁目廃工場は、旧市街地の一角にある工場跡地だ。

もともと金属加工を主体とする町工場であり、割と経営はうまくいっていたらしい。

が、設備更新と業務拡大のため隣の敷地を買収して新しい工場を建てるぞ! という段階で親会社が不法行為で倒産してしまった。

 

そのあおりを受けて、新工場建設計画は頓挫。本工場側も新工場のために借金のかたに入れていたため、あえなく没収されてしまった。

銀行も抵当を実行したはいいものの買い手がなく、その後不況に突入してしまい塩付け案件となってしまった。だから建築資材等が雨ざらしになって、そのまま。

 

結果残ったのが、人目につかない町外れの広いスクエアスペース。

今ではツインズという不良チームの、恰好のたまり場になってしまっている。

 

「そうだ。今夜あそこに全員でこいとのことだ」

「全員ねぇ……相手の戦力はどれくらいになると思います?」

「奴らの手口は見せしめも兼ねている。あいつらに逆らったらどうなるか、というな。

 おそらく待ち構えているのは、ほぼ全員だろう」

「ツインズの全員……100人くらいですか」

 

対してこちらの手駒は、是清と愉快な仲間たち8人。宮田中に赤紙出して30人。SKBとKで9人。最大で47人といったところか。全員くるかしんねーし。

敵が多いと戦うのって大変だよっていうランチェスターの法則を持ち出すまでもなく、惨敗必死だな。数の上ではだけど。

だが、見せしめをしたいというのは、こちらも同じことだ。

 

「面白くなってきましたね」

「だろう?」

 

これだけの規模の抗争は、過去なかったしな。

楽しい観戦が期待できそうだ。

 

「そういえばあなたの愉快な仲間たちはどうしたんですか? さっきも姿が見えませんでしたけど」

「ああ、あいつらは道具を取りに行かせてる。あとで合流する予定だ」

 

見越して使いを出していたのか。用意がいいな。

 

しかしよかった。あいつらは足手まといだからおいてきたとか言われたらどうしようかと思ったよ。

ま、あいつらの強さなんてチャオズみたいなもんだけど。

賑やかしが必要だ。見せしめはツインズだけの専売特許ではない。

 

「では私も他の連中に招集かけたり、色々準備がありますので、とりあえずこれで失礼しますね。

 皆さんの合流場所は、後で指定します。

 ああ、私自身は別口から参加しますので、先に合流できたら是清さんたちは始めちゃっててください」

 

そう言い残し、俺はその場を後にした。

 

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