シスコンな兄は過保護なのです。   作:奈々歌

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徹夜でお仕事(・∀・)
現実逃避で七海ちゃん。

バンドリでロゼリアの曲が連続追加は嬉しかった。
MVを解放し、視聴し、かっこよすぎて、びっくりするほどユートピアしてたね、はい。どこかの幼刀ちゃんが成仏しない程度で。

修正する場所があるかも知れませんが、この章を終わらせたらまとめて行います(笑 
それでは、どうぞ!



Chapter.0ー11

 橘花学院に通じる中庭の道を進む。

 隠れ、立ち止まり、隠れて、止まり。様子を見つつ、突破していく。

 

 監視カメラや赤外線センサー類いの回避は苦ではない、慣れたもの。だが、レヴィ9はあまり慣れていない。姿勢を低く屈んだり、その体勢のまま小走りしたりと、カメラの可動範囲に入らないよう移動する為、腰が痛いと呟いてはいたが。

 

 中庭に校舎の周辺。巡回する警備員の姿が見えたが、特班の制服による迷彩効果により、これは大した問題とはならない。ここまでは俺の領分だ。けど――。

 

「……」

 

 最初の目的の建物である学院の校舎へと無事に到着した。

 巡回の警備員は他の場所へ。暫くは戻ってはこないだろう。それに、この周辺はレヴィ0が見張っている。何か予定外のことが起きたとしても、レヴィ9が一緒にいるのだ、本気で何とか対処してくれるに違いない。

 

「……あと少し……」

 

 レヴィ6の前でレヴィ9は、手に持つタブレットの青白い光に顔を照らされながら、慣れた手つきで手早く操作していく。接続されている先は内部の警報装置に繋がる操作盤。

 正直、レヴィ6にはレヴィ9が何をしているのかは分かっていない。電子機器関係はさっぱりだ。パソコンも報告書を書くことと、たまに動画を見ることしかしないし、ゲームもあまりしないからな……。

 

「――うん、これで大丈夫だよ。そんなに厳重なセキュリティじゃないけど、念のため。三分間だけ誤魔化してる。もう少し必要だったかな?」

 

 作業を開始して一分にも満たない。操作を止めたレヴィ9が振り向き、声を掛けてきた。

 

「いや、それだけあれば十分だ。よし、中に入るぞ」

 

 周囲を警戒しつつ、ドアを開けて二人は侵入する。通ったことのある道のはずなのに、登校する時とは違う感覚。

 ドアを閉め、怪しまれないようにレヴィ9がロックを掛ける。レヴィ6はその間に自身の能力を発動。感覚を研ぎ澄ましていく。

 自分たちが出す音以外がしないか、建物内部の様子を把握。……問題は無さそうだった。

 

『レヴィ6、レヴィ9、共に侵入成功。校舎内に人の気配はなし。これより目標へ向かう』

 

 レヴィ0へ通信を送るレヴィ6。手短に二言三言と言葉を交わすと、何を言われたのか、苦笑いを浮かべ、次には無言で通信を切っていた。

 

「……どうかしたの? レヴィ0が何か言ってた?」

 

「ああ、あんまり時間を掛けるなよってさ。それとレヴィ9は優秀、可愛いって連呼してた」

 

「ふ、ふぇっ!? ななな、なんで!?」

 

「いや、俺は知らないけど……。それよりもほら、時間が惜しい。さっさと行くぞ」

 

「う、うん」

 

 何故か頬を赤らめているレヴィ9を抱えると、レヴィ6は走り出した。

 レヴィ6は自身の能力の効力を変更。次は感覚ではなく身体能力、筋力を上昇させる。

 階段を飛ばして登り、廊下を音を立てずに素早く駆けていく。

 昼間に経路は記憶済み、迷うことはない。最短経路で向かい、一分程で目的の部屋に到着していた。

 

「さてと、ここからが重要だな」

 

 レヴィ6はシートを取り出した。それを目の前の部屋の開閉装置となっているセンサーにかざす。特殊な鍵を開ける為に作られた特殊なシート。

 

 今回の目的となっているこの部屋は、アストラルに関する研究室。その為か、使用されている鍵はアストラル技術を組み込んだ最新技術を採用している。

 

 初めてこの部屋に訪れたのは編入した日だった。その際に部屋を使用している人から聞いた話。この鍵は登録した本人のアストラル能力に反応し、開く仕様になっているとのこと。それを知らなかったら、この作戦を思いつくことはなかっただろう。

 

「……反応しないな、失敗したのか?」

 

 待っても解錠されない。記憶させる条件は満たしていたはずだが……。

 

「ちゃんと記憶出来なかったのかな? もし、そうだとしたらわたしの苦労が……思い出しただけでも、ううっ……」

 

 諦めにも似た声が出てしまう。まぁ、レヴィ9の苦労を考えると仕方がないのかも知れないが。何があったかは、後々に。レヴィ0に怒られなきゃいいけどな。

 

 鍵が開かないのあれば、これ以上作戦を継続することは不可能。校舎内の警報装置を誤魔化せていられる時間も数分しか残されていない。

 

「一旦、出直すか」

 

 レヴィ6の提案にレヴィ9も頷く。そして、二人が踵を返そうとした時。

 

 ――カチャリ

 ドアが解錠された音が聞こえてきた。

 一度二人は顔を見合わせる。その後、レヴィ6がドアにゆっくりと触れてみると、すんなりと開いた。

 

「しっかりと機能していたみたいだな、よかった」

 

「うん、そうみたいだね。よかったー、わたしの苦労が無駄にならなくて」

 

 部屋に入ると、当たり前に人の気配はなかった。閉めたドアにも鍵を掛ける。一応部屋の窓から外を確認するが、周囲にも人の姿は見えない。

 

「問題はないな、データを回収してさっさと撤収しよう」

 

「もうやってる。ツールを走らせてるから焦ったって早くなる訳じゃないよ。……よし、入れた。えーっと……これはどこから検索すればいいのかな……」

 

 レヴィ9は既に部屋に備え付けられたパソコンの前にいた。

 手元にはいつものタブレット。そこからパソコンに掛けられたロックを外すツールというものを使っているらしい。

 

 問題なくロックを外したレヴィ9は、パソコンを操作していく。そして、目的のサーバーへの道を見つけるとアクセスする。そこが“AIMS”だ。

 

 AIMS――Ability・Information・Management・System。

 その名の通り、アストラル使いの情報を管理している場所。

 

 この鷲逗研究都市に暮らす者はこのAIMSに登録することになっている。勿論、編入してきた俺や七海も登録の手続きをした。この部屋に入ったもの、その手続きがあったからだ。

 

 鷲逗研究都市のアストラル使いが全員登録されている。つまりは、追っている事件の犯人も登録されているということ。

 

 アストラル技術の研究に必要な能力を持つ人物を探しやすくする為、能力別に検索をかけると、カテゴリが分かれ、知りたい情報を絞ることが可能だった。本来の使い方でも、便利なもの。今回はこちらの用で有り難く利用させて貰うとしよう。

 

「調べる能力は認識阻害でいいんだよね?」

 

 レヴィ9の問い掛けに頷くレヴィ6。

 これは事前に室長から連絡を受けていた。偽札の事件、最初は催眠能力か認識系の能力なのか判断を決めかねていた。

 だが、所持していた人物のみが本物と認識し、相手の特徴も一部だが記憶していたことから、犯人の能力は認識阻害でほぼ確定となった。

 

「どうだ、いたか?」

 

「うん、二人いたよ。これからデータのコピーを始めるからもう少し待ってて」

 

 事件に関係のありそうな二人の人物のデータをコピーしていく。レヴィ9の話では、数分も掛からないらしい。

 完了するまでは特にやることもないので、警戒も兼ねて窓から外を眺めることにした。

 

「……ねぇ、暁君」

 

「作戦中はダメだぞ。……どうかしたか?」

 

 タブレットに視線を落としたまま、レヴィ9が少し躊躇うように尋ねてくる。

 

「さ……レヴィ6はレヴィ0に会ってるよね? 編入する前の任務の時も、あのシートを受け取りに行った時にも」

 

「まぁ、そうだな」

 

「その……何か変わってたりってしてたかな? べ、別に気になるとかじゃなくて、い、妹として兄の一人暮らしが心配なだけであって、痩せていたとかそういうことが……ね?」

 

「別に何も変わってなかったと思うけどな。ああ、そっか。最後に直接会ったのって正月に帰ってきた時が最後だったっけ? なら、半年も会ってないことになるのか」

 

 この間もそうだったが、レヴィ9とレヴィ0は、最近では通信で何回か声を交わした程度。姿はお互いに見ていなかった。

 でも、別にレヴィ0は遠くに住んでいる訳ではない。徒歩でも会いに行こうとすれば、行ける距離の範囲。

 

「会いたかったら、家に遊びに行けばよかっただろ?」

 

「だって、忙しそうだったし……。あの時期、レヴィ0は大きな事件を追っていたからね、連絡もなかなか出来なかったよ……」

 

 寂しそうにレヴィ9は答える。レヴィ0は俺らが所属するかなり前から特班で活動していた。現場での経験や実力はトップクラス。任される任務の難度的にも同じ作戦にあたることは少なかった。

 現場で活動する俺よりも後方でサポートをするレヴィ9なら尚更、その機会は減ってしまう。

 

「だから、同じ学校に通えるのが嬉しいんだよね。朝になれば兄さんも編入してくるし、遅くなってもお昼には会えるんだもん。えへへ、楽しみだなぁ」

 

 レヴィ9は気づいているのか分からないが、自然と表情は緩んでいた。

 

「……もう怒ってないのか?」

 

「えっ、どうして? わたし怒ってた?」

 

「いや、だってこの前餃子を――」

 

 そこまでで、レヴィ6の言葉は遮られた。緊張感が薄れてかけていた二人には、気を引き締め直すことに。

 遮った音、それは学院の敷地内で鳴る大きな警報だった。

 




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※ドラクリ、余裕が出来たら投稿始めます。

100年経った。家族を失った。
200年経った。友を失った。
300年経った。恋人を失った。
400年経った。国を追われた。
500年経った。世界を旅した。

噂で聞いた話。数百年程前に知り合った同族が、小さな都市を築いたらしい。色褪せたこの世界で俺は”何か”を見つけたかった。
それは何でもいいんだ。仲間でも、友人でも、自分に向かってくる敵だとしても。特に行く当てもない俺は、その都市に向かうことにする。その”何か”を求めて――。



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