シスコンな兄は過保護なのです。   作:奈々歌

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すみません、もう一話この章を続けます。センターヒロインとの初対面はそこそこに文字数を多くしたいので……(._.)

それでは、どうぞ!


Chapter.0ー12

「け、警報!? ななななんで!? わたし何かミスしちゃった!? どどどどうしよう暁君! どうしよう! 助けて伊吹お兄ちゃーん!」

 

「まず落ち着け、この警報は俺らじゃない。……外からだ」

 

「そ、そうなの? よ、よかった。……でも、どうして警報が鳴ったんだろ?」

 

 突然のことで慌てふためくレヴィ9と冷静なレヴィ6。個人差はあるのだろうが、これは経験の違いだと思う。現場でのイレギュラーは別にそんな珍しくはないからな。

 校舎内、建物からでは状況が把握できない為、レヴィ6は通信を送る。

 

『こちらレヴィ6。この警報は?』

 

 この事態を把握していると思われる人物。周囲の様子に敷地内の警戒を行っているレヴィ0なら、警報に対して既に何らかの行動を起こしているはず。

 

『ああ、どうやら“お客さん”が来店したみたいだね、俺たち以外のがな。今、カメラで追ってるところだ。もう巡回の警備員たちも集まって来てるよ』

 

『どこかの組織か?』

 

『うーん、まだ分からん。見た感じ、動きは素人っぽいし……。またどっかの誰かに唆された金目的の輩かも知れないな』

 

 この間のファン侵入の件もある。今回も何者かによる仕業の可能性も捨てきれない。捨て駒として利用し、何かを探っているのか?

 

『とにかく俺は現場に向かってみる。校舎周辺と撤収ルートに問題はないから、お前はレヴィ9を連れて一先ず寮に戻れ。レヴィ9の安全が最優先、いいな? 送り届けた後、可能ならお前はこっちに来い』

 

『ああ、分かった。気をつけろよ』

 

 どちらからともなく通信を切ると、レヴィ9がデータのコピーを終えていた。慌てながらでもしっかりと仕事はする。レヴィ0が言う通り優秀なのは間違いない。

 

「兄さん――レヴィ0はどうするって?」

 

「現場に向かうって。俺たちはその間に撤収するぞ、目的も達成したしな」

 

「うん、分かった。あ、でも、もうちょっとだけ待って。痕跡が残ってないか確認するから。ちゃんと消えてると思うけど、念のためにね」

 

 操作し、パソコンの画面が数度切り替わる。正直、何を確認しているのかさっぱりだったが、何も問題はなかったのだろう、殆ど時間を掛けずに電源を切っていた。

 

 部屋を後にする前に、レヴィ9が再び警報装置を誤魔化す。その隙に校舎内から出ると、寮への撤収ルートを急いだ。

 

 

 

 †

 

 

 

 警戒に最適だった所定の位置を離れ、カメラを操り、目標の姿を捉えながら、敷地内の建物の上を次々に移動していくレヴィ0。

 数分もかからずに現場付近の建物に到着すると、気付かれないようにカメラを近づけていき、状況を窺うことに。

 

「(えーっと……どうなってんのかな?)」

 

 映像を確認。二人組の男が昼間に見た守衛たちと対峙していた。どうやら“お客さん”は二人。顔を隠すように深々と被った帽子に、上下を黒い服装で身を包む連中。

 

 目的は分からない。だけど、ここに侵入して来たということを考えると、アストラル関連のことだろうと予想は出来た。だが、奴らはその“何か”をする前に守衛に取り囲まれた。その時点で手練れではないことは確かだ。動きが雑過ぎる。

 

 その程度の相手のはず。なのに守衛は構えているわりには確保へ動かない。互いに一定の距離を維持したまま。渋っているのは何故だろうか? 

 そんな疑問を映像越しに抱くが、カメラをもう少し潜り込ませ、映像を拡大させると、その答えに気が付いた。それはとても簡単なこと。

 

「(この感じ……アイツら、アストラル使いか)」

 

 それは特有の匂い。経験から感じ取れるもの。それに対し、ここの守衛たちはアストラル使いではない。下手に対処すれば、逃走されてしまう恐れもある。それに負傷者も。

 

 確認を終えたカメラを手元に戻す。そして、レヴィ0は迷彩機能を起動させると、屋上から現場に降り立った。

 次はカメラではなく、自分自身が守衛たちの間を縫いながら相手に近づいていく。認識系統のアストラル使いでもない限り、この暗がりでは視認は容易ではない。

 

 アストラル使いの対処はアストラル使いが。手元に戻していたカメラを近くの茂みに放ると、能力で操作。ガザガザと草を掻き分ける音を立て始める。

 その場の全員の注意が一瞬そちらに逸れた。一瞬、それで十分。

 

 レヴィ0は、簡単に相手の懐へと潜り込むと、強めに掌底を鳩尾に一線。一人目が苦痛の声を漏らし、その場に崩れ落ちた。

 

 何が起きたのか理解できていないもう一人と取り囲む警備員たち。その硬直した隙に間合いを一気に詰めると、鋭い蹴りを上部へと食らわせる。不意打ちの一撃、残った方も昏倒し、地面に倒れた。

 

 一瞬の間に制圧された侵入者を前に、守衛たちは動けないでいたが、その中の一人が「確保っ!」と声を上げる。それを皮切りに全員が動き出し、二人は取り押さえられたのだった。

 

 守衛が動き出した頃にはレヴィ0は退避済み。戻ってきた屋上で通信を開く。

 

『レヴィ6、聞こえるか?』

 

『ああ、無事に寮にレヴィ9は帰したよ。問題ないと思うが、一応そっちに向かってる所だ』

 

『もうこっちは片付いたよ。まぁ、念のため周囲を俺たちで調べておこうか』

 

『分かった』

 

 レヴィ6の現在地を確認しようと、端末の画面をつける。他のカメラも回収しないといけないからな。一方的な戦闘があったとはいえ、カメラは警戒に当たらせたまま。それぞれが捉えている映像を最後に確認しておく。

 

『……ッ!? 不味い。レヴィ6、緊急だ、その道を急げ!』

 

 突然声を荒げたレヴィ0。珍しいことに驚き、レヴィ6は息を呑む。

 

 画面に映る中の一つ。あの子に固定していたカメラが“異常”を捉えていた。杞憂ではすまなかった。犯人はアストラル関連の何かを狙っていた。それは研究資料や技術ではなく――。

 

『お前の言ってたあの女の子に危険が迫っている』

 




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戦闘シーンは長く書くのが難しい。

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