シスコンな兄は過保護なのです。   作:奈々歌

2 / 19
文字数というより、場面切り替えの切りが良い部分で更新していきます。

それと体験版で思ったのですが、お風呂で七海が頑張ってシートを回収するシーンで、女子Dの声優さんが芦花姉に聞こえたんですが、自分だけでしょうかね?(笑

まぁ、似ているだけかも知れませんね。

それではどうぞ!



Chapter.0ー2

 場所は街外れの港。

 そこに建ち並ぶ倉庫の内の一つ。

 

 静かな夜には似合わない、金属同士が弾け合う特有の高音――“銃声”。

 途切れることなく、音は鳴り続けていた。

 

 そんな喧騒の中を黒い服装に身を包んだ少年が駆けていた。

 足下を数多の銃弾が擦れていく。

 

「(“あれ”をどうにかしないとな……)」

 

 だが、奥まで追い詰められてしまい、倉庫内に積まれた人一人が隠れることの出来るコンテナの裏に転がり込むことで一時的に逃れる。

 

 銃弾の光が横を数発通り過ぎていく。

 対面に着弾して激しく耳を劈く。

 

「おい、今の内に積み込めっ! 他の奴らが来る前に撤収するぞ!」

 

 少年が抵抗出来ないと判断したリーダー格と思われる男が声を上げる。

 

「不味い、このままだと逃げられてしまう」

 

 今回の“仕事”。

 任務で少年――レヴィ6はここに襲撃していた。

 

 内容は二つ。

 一つは違法物の裏取引現場を押さえること。

 もう一つは相手を無力化し、警察の到着まで時間を稼ぐこと。

 

 目的対象の物は確認した。

 二グループいる相手の数を合わせても二桁には達しない。

 

 普段通りに行動すれば、まず問題のない任務だったはず。

 だから“上”も俺たち二人で問題ないと向かわせたのだろう。

 まぁ、誤算があったとしたら情報の不備ってところか――。

 

 それは敵の中に“アストラル使い”がいたこと。

 それも視認系統の相性が悪い能力だ。

 

『レヴィ6、聞こえる!?』

 

 耳に付けている小型の通信機から声が流れてきた。

 同じく任務にあたる相棒、レヴィ9の声。

 

 通信機に手を当てて覆うと、周囲の雑音をなるべく取り除くようにする。

 

『こちらレヴィ6。どうした、あまり余裕はないんだが――』

 

『音を聞けばそんなこと分かってる! すぐにレヴィ0が応援に来てくれるから、到着と同時に避難して。巻き込むかも知れないからって』

 

 レヴィ6の言葉を遮り、レヴィ9が次行動の指示を出す。

 

『レヴィ0が? 了解した』

 

 通信を終了すると、丁度銃声が止んだ。

 

 僅かに顔を覗かせて様子を窺うと、警戒に二人だけを残して他の連中はそれぞれがトラックと船に荷物を運んでいた。

 

「(レヴィ0が到着するまで、時間を稼ぐか)」

 

 レヴィ0が来るということは、レヴィ9の連絡から時間差を考えて、後……一、二分ってところか。それなら容易い。

 

 レヴィ6はコンテナから飛び出す。

 警戒に当たっていた男の一人が反応し発砲する。

 

 隣の男は反応出来ていない。

 それもその筈、反応した方は“アストラル使い”。

 だから“俺の姿は見えている”のだ。

 

「(一人ならいける)」

 

 地を蹴り、銃撃を掻い潜って接近していく。

 拳銃を持つ腕を手で弾くと、胴体に体当たりを食らわせた。

 

「ぐっ……。くそ、が……」

 

 男は呻くと昏倒し倒れる。

 これで面倒な奴は対処した。

 これで俺の姿は再び相手に“見えなくなる”。

 

 少しは安心か、そう気を緩めたのがミスだった。

 

「こっちだ、全員で囲め! 姿が見えなくても囲んでしまえば関係ない」

 

 積み荷に割いていた連中が騒ぎを聞きつけ戻って来てしまった。

 全員武装している。

 

 やはりか……。この情報で一番重要な部分は当たりだったようだな。

 

 再度、追い詰められた状況に陥っているにも関わらず、頭にそんな思考が通れるのは、ほぼ確実にこの状況を打開できるという安心からか。

 

 相手はその間にもジリジリと隙間を埋めながら間合いを詰めて来ている。

 

「実体はあるんだ、何としても掴め」

 

 包囲された円が縮まる。

 後、数歩で退路は完全に断たれる。

 

 だが――。

 

『こちらレヴィ0。突っ込むぞー。タイミングで退避しろよ?』

 

 突然、通信が入った。

 

 次の瞬間、銅板製の屋根に穴が八つ一斉に開くと、大きな輪っか状に点々と月明かりが差し込む。

 一人を除き、この場の全員が視線を集める中。その部分を蹴破って、一人の男が乱入して来た。

 

「レヴィ0、現場に到着。これより無力化行動に移行する」

 

 立ち上がると、腰に提げた入れ物から鎮圧用ゴム球を取り出す。その数、八つ。

 大きさとしては指の間に限り限り挟まるほどの物。

 

『レヴィ6、退避完了』

 

『あいよー』

 

 先の除いた一名。

 レヴィ6はレヴィ0の派手な登場により、敵の注意が逸れたことで倉庫外に避難を済ませていた。

 

「さてさて、これで心置きなく暴れられますな」

 

 レヴィ0は通信に軽く返すと、周囲に対して神経を尖らせていた。

 既に全ての銃口はこちらに向いている。

 

 まぁ、流石に狙われるよな……それが狙いなんだけども。

 

「おいお前、あの“透明野郎”の仲間だろ? 大人しくそいつを引き渡せば、アンタは見逃してやってもいいぞ、少しの猶予をくれてやる。選びな」

 

 連中の一人がそんな提案してくるが、その台詞を吐く奴は大体嘘つきと相場が決まっている。

 

 銃を持ち、一人を相手に包囲している状況。

 自分たちが優勢だとでも思っているから、そんな悠長にできるんだろうな。

 

 例え、目の前の人物が“アストラル使い”だとしても。

 

 悪いが、元々取引する気なんてないし、そもそも時間も少ないので猶予もいらないです。

 

「さっさとこいよ、その手に持ってるのは脅し用の小道具なのかい?」

 

 人差し指を数度曲げ伸ばし挑発する。

 

 それが戦闘開始の合図となった。

 




感想、評価貰えると嬉しいです。
タイトルだけの状態でお気に入りして頂けたのはとても嬉しかったですね(^^)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。