シスコンな兄は過保護なのです。   作:奈々歌

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朝までにもう一話更新したいなぁ、月曜日からの現実逃避ってな(笑

感想の返信で皆さんから伝統挨拶をして頂き、返していた為、サブタイトルを打つ時、ちゃろーが一番最初に出てくるようになりました(^^;)

これからも感想を貰えると嬉しいです(・∀・)
それでは、どうぞ!


Chapter.0ー6

「もう一人ここに来るから待っていてくれ、お前の知っている人だから、見れば分かると思う。じゃあ、暁と七海によろしくな。頑張れよ」

 

 駅に着き、車から降りると、荷物を下ろす。

 助手席の窓が開けられ、親父はメモリーカードに入った任務の詳細確認をしっかりするように。と、そう言い残して車を走らせていった。

 

「せめて、誰が合流するかくらい言ってけよ……」

 

 その後ろを見送りながら伊吹は一人呟く。

 親父の車が交差点を曲がり、姿が見えなくなると、体を反転させて駅の方へと歩き出していた。

 

 近くの自販機で買った缶を開け、駅前に備え付けられていたベンチに腰を下ろす。

 他に人が来るというのなら、改札を通って駅中に入っている訳にはいかない。まぁ、乗る電車がこの駅に到着するまで時間はまだある……とは言っても三十分程だけど。

 

 時間が時間なだけにこちらに歩いてくる人は疎らだ。学生による最初の下校時間は過ぎているし、社会人の帰宅時間にはまだ早い中間の時間。

 待ち人を探すには丁度いいかな。

 

 何気なく駅前の景色を眺めながら、時折飲み進めること数十分。

 空になりかけた頃、中央に建っている時計台に目を向けた。

 

「(そろそろ時間だよなぁ……)」

 

 時間を確認しながら残りを一気に飲み干すと、隣に置く。

 時間になっても来ないのであれば仕方がないこと。こちらも都合というのもあるしな。これが本日最後の電車、逃す訳にはいかない。それに、任務が関係しているとなると尚更だ。

 

 伊吹は切符を取り出しながら、もう一度だけ時間を確認する。

 

「限り限りまでは改札口で待ってみるか……」

 

 もしかしたら、何かしらの理由で遅れているのかも知れない。俺の姿を見つけられず、改札口で待っているかも知れない。

 後は……あれだ、道に迷っている人を助けているとかね。

 

 先を決めた伊吹がベンチから立ち上がろうとした丁度その時。

 背後から伸びてきた手に切符を一枚持っていかれた。振り返ると、そこには久しくも見知った人が。

 

「……大江さん、驚かせないで下さいよ」

 

「そんなつもりはなかったんだけどね、あはは」

 

 手に取った切符をヒラヒラさせながら、笑みを見せる背の高い女性。

 この人は大江さんだ。

 俺や暁たちと同じく特班に所属するメンバー。多分……一年ぶりくらい? に会った気がするな。

 

「大江さんもこの任務に参加するんですか?」

 

「いや、しないよ。君たち三兄妹があたるって室長からは聞いているけどね」

 

「じゃあ、どうしてここへ?」

 

「伊吹君の乗る電車、あたしと向かう方向が一緒だったってだけだよ」

 

 ああ、それで二枚もあった訳か。納得、納得。――っと、それよりも時間だ。「話の続きは電車の中で」と大江さんと共に改札口に向かことに。

 

 駅のホームでは既にアナウンスが流れ始めていた、危ない危ない。

 線路と車輪が擦れ合い、少し耳に刺さる高い音が鳴り響く。

 ホームに敷かれた白線に揃うよう乗降口が綺麗に停止し、この駅を目的とした人々が降りてくる。その後、大江さんと乗り込んだ。

 

 

 

 †

 

 

 

「えーっと、席はどこだろうか……」

 

 手に持つ半分の切符を頼りに指定された席を探す。大江さんの席は座席番号的に俺の隣、探さなくてもいずれ見つかるので後ろを付いてくる。

 

 一列目、二列目、三列目と進み……。

 

「……。ああ、この席か」

 

 乗った車両の一番後ろの席。

 前から乗ったものだから探すのに苦労したぞ、おい。

 

 俺が窓側で、大江さんが通路側か。上にある荷物置きにバックを置いて、席に座る。

 そして目の前の座席に取り付けられた小さいテーブルを下ろすと、特別製タブレットを立て置いていた。

 

 親父から渡された例のメモリーカードを差し込み、暗号化されているデータをタブレットが自動的に解析し、読み込みを開始する。

 完了するまでほんの数秒程度、流石の性能だな。画面に表示されたのは、動画が一本といくつかの資料が入ったフォルダ。

 

 親父が自由席ではなく、指定席で切符を購入した理由。それは背後を気にしないで閲覧可能にする為なのだろうな。

 まぁ、この国でそこまで心配する必要な無いと思うけどね。

 

 動画データの再生を先に見ろとメッセージが出たので、イヤホンの準備をする。

 ちなみにだが、これも特班特製。音漏れを完全に防ぐ、超高音質という性能。

 市販でもすれば、予算確保も出来るだろうに……めっちゃ売れそうだけどな、これ。

 

 予算が出来ればあの制服の半袖タイプの制作も夢ではないはず、そうすれば、暁も七海も喜ぶんだけどなぁ。

 まぁ、世間には流せない技術が使われているから無理なんだろうけどさ。

 

 準備を済ませ、これからという時。

 

「ねぇ、伊吹君。何か買う?」

 

 不意に大江さんに声を掛けられる。反応して通路に目を向けると、車内販売が来ていた。

 ああ、と選ぶが結局は大江さんと同じ物を、お茶を買うことに。勿論、大江さんの分は奢ったよ、別に高い買い物という訳ではないしな。

 

 折角なので、お茶を一口。それからイヤホンを耳に付けると、動画ファイルを再生する。画面には街の景色を背景にした美少女が映し出されていた。

 




評価、感想頂けるとモチベ上がります。

9nineの発売まで後少し(^^)/
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