説明回って難しい。語彙力のなさに持ち前の説明下手が相まって、時間が思ったより掛かってしまいました_(._.)_
書いていて、台詞の割合が少なすぎると思うこの頃、読みづらくないでしょうか? 私、気になります。
評価バーに色がつきました、ありがとうございます(・∀・)
これからも更新頑張ります!
それでは、どうぞ!
『皆さんは鷲逗研究都市をご存じでしょうか? 鷲逗市の東に位置する若い街。アストラルについての最先端研究を行う為に造られた新しい都市です』
中身はどうやら街の紹介映像のようだ。
でも、映し出されるこの街についての説明は動画を見なくてもある程度は親父から事前に聞かされている。そう、文句を言いに顔を出したあの日に。
なのにもう一度見とけってことは、再確認ってとこか。まぁ、分からなくもない、説明が必要な人もいるかもだし、序盤だから必須の展開だろうしな。
二十世紀末期に発見されたアストラル粒子。
その粒子を研究していくことにより、超常的な力とされていたものが、科学的に解明されていった。
そして解明された力、技術を様々な分野で普及させる為、日々研究している施設が存在するということは耳にしている。以前に特班のメンバーがそんな話をしていたことがあったから。
だが、研究所がある――というよりも街として大規模に存在しているとは予想外だった。
少女の説明は進んでいく。
『そして、そんな都市の中にあるのがこの建物、橘花学院。この学院では一般課程だけではなく、アストラルについての教育も可能となっています』
『その為、アストラル能力を持つ生徒だけが通う学院と思われてしまうかも知れませんが、勿論、能力を持たない生徒も一緒に学ぶことが可能です』
この学院で基礎学力を身に着けながら、身近でアストラルに触れることで理解を深めることが出来る。
これからの時代、アストラル技術が発展し、生活の支えになっていくかも知れない。そして必要となってくる人々、次世代を担う人を育てるという方針を取っているのが、この橘花学院となっている。
『それでは早速、学園内を歩いて見ましょう』
少女の背景が次々に変わっていく。並び建つ大きな寮。その寮に備え付けられた大浴場に学生が利用する食堂。豪華だ、その一言に尽きる。ここまで立派な学生寮はまずないと思う。
学園の中には授業の為、そして研究データを取る役割も兼ねた大型の屋内プール。一体、予算はどこから回ってくるのだろうか。
少しでいいから是非特班へ下さい、何でもしますから。あ、やっぱり嘘です。
そんな冗談の最中、画面に映る場所は敷地内から隣接している施設に移動していた。
『この建物が橘花学園に併設されたアストラルの研究施設となります』
外張りが全面ガラス張り。何処かの中学校を彷彿とさせるが……関係はないはずだ、うん。俺の思い過ごしだな、きっとね。
というか、最新技術の研究施設なのにあんな透け透けでいいのだろうか? デザインの都合上とかなのか? 気にしたらいけない気がする。
その後は生徒たちの生活風景の紹介がされていった。
寮生活ともなると、門限や外出をする際には手続きなど、細かい決まりが多々あるそう。面倒かも知れないが、必要なこと。
画面は最初に映った背景に戻る。
『まだ歴史の浅い鷲逗研究都市、それに橘花学院。その未来を共に築いていくのは皆さんです。協力して頂けると私も嬉しいです。ここまでのご視聴ありがとうございました。では、最後にこの歌でお別れとしましょう』
締めの台詞の後、曲が流れ始めた。すると、画面に映る少女が歌い始める。この子はアイドルか何かなのだろうか?
あれ、でもこの歌……どっかで聞いたことがある気が――。
「この子の歌、あたしも知っているよ」
大江さんが隣から画面を覗いてくる。不意の出来事に少し驚いてしまった。
伊吹はイヤホンを外し、視線を画面から大江さんに移す。可笑しいな、音、漏れて無かったよな?
「この子って、有名なんですか?」
「いや、別に有名という程ではないと思うよ? でもねぇ、この女の子っていつだったか……うーん、忘れちゃったけど、一度ニュースで取り上げられたことがあるんだよ。多分、調べてみれば動画くらいネットに上がっていると思うよ?」
「そうなんですか……知らなかったです。これからのこと、参考までに後で調べて見ますね。今は先にこれの確認をしておきたいので――」
紹介動画が終了し、再生画面が自動で閉じる。続いて伊吹は資料データの閲覧を開始。
内容としては今回の任務に関してのもの。こちらも事前に聞いていた情報の再確認が主だった。
長期に渡る潜入任務となったこの案件。暁に七海、そして俺の三人が潜入する先は動画でも紹介された場所、橘花学園。あの動画を見せられたのはその関係だ。
資料に目を通していると、再び大江さんの顔が近づく。子供相手だからか、大人の余裕なのか、遠慮のない。この人は自分が美人だって自覚しているのだろうか……。
「この任務の内容、鷲逗市内に犯人がいるんだっけ?」
「ええ、まぁ。事件が起きたのがこの都市ですからね。しかも情報によると、学生ときたものですから、この街に暮らす子でほぼ決まりだと思いますよ」
観光目的でこの街を訪れる人は少ない方。それは世の中の偏見もあると考えられる。
アストラル技術は便利、有名な物を挙げると車や電車か。粒子をエネルギーとして動くことから従来の燃料などが不要となる、十分な成果だ。
だが、その力を人が扱える、アストラル使いは普通の人間とは違う、不気味な存在だと好まない人がいるのが現実。
けれど、皆が全員そういう訳ではない。アストラル使いは徐々に社会に受け入れられつつある。
後どれくらい時間が掛かるかは分からない。でも、いつかきっと受け入れて貰えるはずだ。その未来を守る為に活動するのが特班の仕事の一つでもある。
だから、この案件などは見過ごせないと上は判断したのだろう。
「それにしても“偽札”とはねぇ、相手の能力はもう判明しているの?」
「それがまだなんですよね、判明したら暁たちに連絡がいくはずですし……」
大江さんがこの件にアストラル使いが関わっていると簡単に判断できたのは、俺の見ている資料に書いているからだけではない。
この事件が発覚した原因となる“偽札”。写真も当然これに載っている。これを見れば誰だってそうだと判断出来てしまうさ。
だって――。
「このただの“紙切れ”、伊吹君はどう見る?」
「普通に考えれば認識系統とか催眠系統じゃないですかね、でも、アストラル能力には種類が多いですから、断定は不可能ですけど」
偽札とされた物は、白い紙に走り書きで雑に一万円と書かれただけの物。
だが、これを持っていた男は「本物だ」と主張しているらしい。他の人には紙にしか見えない――現に俺や大江さんには落書きされた紙にしか見えていない。
となると、直接犯人と接触した男に限定で能力が使用された可能性が大きい。
そして、伊吹が断定が出来ないと言ったのには理由があった。
人にはそれぞれ個性があるように、アストラル能力にも似て違いが存在することが分かっている。全く同じという能力を見つけることは不可能に近いとされているのだ。
例えば、空を飛ぶという能力があったとしよう。だがそれは重力を操り浮遊するのと、念動力で体を浮かすのでは、“結果”は同じでも“過程”が全く違うことになる。
だから、使われた能力を断定することは難しいのだ。
「偽札を入手した経緯が持っていた男のカツアゲですし……相手が学生なのも男の証言から確定してます。顔は同じように能力を掛けられていて朧気にしか思い出せないらしいですが、制服まで気が回らなかったのでしょうね」
犯人と思われる人物は一人、それも証言から。
制服を着用していたとなれば相手は学生。更に、学生がいる場所は街の一カ所に絞られる――そう、橘花学院だ。
だからこその潜入任務。
生徒として編入し、犯人を捜し出す。それが俺ら兄妹に任された仕事。特班のメンバーであり、学生でもある三人には適任なのだ。
最後の資料まで一通り確認し終えた頃。
一時間ほど経ったか、車内にアナウンスが流れた。鷲逗研究都市に間もなく到着するとのこと。
タブレットの電源を消し、降車の準備を始める。
数分もすれば、電車は減速していき、やがて停車した。
「じゃあね、あたしはこっちだから。頑張るんだよ」
大江さんと降りた駅で別れる。大江さんの用事は俺とは反対方向だそうだ。特に大きな荷物もない所を見るに、俺たちのような長期的な任務ではないのかな。
改札口に歩いていく大江さんを見送りながら、伊吹は新たな切符を買いに向かうことに。
この駅から橘花学園に行くには乗り換えをしなければならない。
ここからライトレールに乗り移動する。路面電車と言えば分かりやすいかな?
目的となる駅は既に確認済み。なんと学園の真ん前に駅があるんだと、驚きだった。
だが、俺の編入予定は明日からになっている。何をする為に向かうのか? 理由は単純、潜入済みの弟へ素敵なお届け物をする為さ。
さて、また電車に揺られますかな。
評価、感想貰えるとモチベ上がります。
一瞬ですが、日間にも載れました。
これからもよろしくお願い致します。