キャラが若干原作とのブレがあるかもですがご了承ください。
いつものようにリクエスト随時募集中です。感想、コメント等に書いていただければ頑張ります。
私の日常は眼鏡をかける所から始まる。眼鏡は戦場の遠くまで見るのに欠かせないものだった。そんないつもと変わらない日常。私は秘書官として仕事中、日常の景色に違いが出たのはその日の会話だった。
「休暇で遊びにですか?」
「そう。久々に上から休暇貰えたしどうかなって」
そういってデートに誘ってきたのは私の想い人の閣下だった。しかし周りを見渡してみると終わってない仕事の資料が山ほどある。この人は少々自分のやりたいことを見つけると他を疎かにしてしまう節があるのだ。私も想い人である閣下とのデートは是非とも行きたいが、それとこれは別。仕事は仕事でしっかりやってもらわないと困る。
「そうですねぇ...なら休暇までの仕事を上手くやり遂げたら約束してあげなくもないですよ?どうです?」
「よっしゃ!絶対だぞ!約束だからな!」
「ふふっ、頑張ってください。閣下」
閣下が猛然と仕事に取り組む。私はいつもは少し怠けたりもするけど、やる気になった時に見せる真剣な瞳が好きだった。とても真っ直ぐに物事を見ていて、その瞳はどんなものよりも私を強く惹き寄せた。
(閣下の格好いい姿も見れて、デートも出来るなんて...私幸せだなぁ...ふふっ)
あまりにも自分に都合が良い取り引きで思わず私はニヤけそうになるが、いつまでも幸せ気分に浸ってるわけにもいかない。仕事をする閣下を尻目に私も秘書艦としての仕事に戻ることにした。
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「っはぁ〜...仕事終わったぁ...」
「お疲れ様です。閣下」
もう夜はすっかり更けて、月明かりとこの部屋の明かりだけが煌々と照っていた。デートの約束をして3日間は経つが、閣下の仕事ぶりは相当なものだった。それだけ私とデートしたいという想いが伝わってきて、私は少しこそばゆい気分になった。
「で!約束!!!いいよね?」
「はい。閣下も頑張ってましたし」
「よっしゃ!明日が楽しみだ!」
「浮かれて寝れないなんて事にならないでくださいよ?今日はもう遅いですしゆっくりお休みになってください。」
「それもそうだな。じゃ、俺は部屋に戻るから」
「はい、おやすみなさい」
私も最後に軽く整理だけして部屋に戻ろう。閣下は明日、どんな景色を私に見せてくれるんだろう。色々な想像しつつつ早速片付けに取り掛かる。
(閣下...上着忘れてる...)
閣下の脱いだ上着が椅子にかけっぱなしだった。やっぱり閣下はどこか抜けている。でもそこが可愛らしく、ほっとけないと感じてしまうのだが。この上着は後で閣下の部屋に届けておこう。そう思い上着を手に取る。
(あっ、これ...閣下の匂い...)
仕事中ずっと閣下の近くに置いてあったそれは閣下の匂いが存分に染み付いていた。私は咄嗟に周りを確認し、こっそりそれを嗅いでしまう。
(ふふっ...この匂い...安心する...)
その匂いは汗臭さも多少は含んでいたが嫌な思いはしなかった。むしろそれは閣下の匂いをより強く際立ていた。閣下の匂いは何処か温かいような安心感に包まれるような、そんな匂いだった。
「(ガチャ)ごめん、俺そこら辺に上着忘れなかったか?」
「かかかっ、かっ、閣下!?」
途端に心臓が跳ね上がる。もしかして今の動作を見られてしまったのだろうか。
「あっ、それそれ。さんきゅ」
「はっ、はい閣下。ダメですよ忘れ物しちゃ」
「すまんすまん。ところで...」
「?」
「さっき、その...匂い嗅いでたみたいだけど...汗臭かった?」
「...っ!///」
やっぱり先程の私の動作を見られてしまってたらしい。私は恥ずかしくなった。顔が熱くなり真っ赤なのが自分でも分かる。
「やっぱりな...いやすまんな、次からはちゃんと気を付ける」
「い、いえ...汗臭かったですけど嫌いではなかったというか閣下らしくてというか気を付けないでほしいというか(ゴニョゴニョ」
「ん?なんて?」
「なっ、何でもないです!///」
「おっ、おう...とりあえずおやすみ」
「はっ、はい。おやすみなさい」
今度こそ閣下が居なくなった部屋で1人恥ずかしさに悶える。そこから私が落ち着き、眠りについたのは朝日が上り始めた頃だった。
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デート当日待ち合わせ場所に向かうと、まだ誰もいなかった。私はぼーっと空を見上げながら、閣下を待っていた。5分くらい待っただろうか、閣下が走ってきた。
「すまんっ!待ったか?」
「おはようございます閣下。私もちょうど今来たところです」
にしても、待ち合わせ時間に対して結構ギリギリで来た閣下は焦っていたのか服は乱れ、髪も寝癖がちょんと付いていた。
「じっとしててください。もう襟はちゃんととしててくださいって何回も言ったでしょう。あと髪も整えて…閣下そういうところは本当に大雑把なんですから...もう」
「すっ、すまん。ありがとう。」
でも、髪や服装を整えないを整えないお陰で私が整えることが出来る。表面上は怒ってる風だが、私は少しだけ嬉しくもあった。
「…はい、これで大丈夫です。じゃあデートはどこに行きます?」
「ロンドンの行ったこと無さそうなとこ」
「...?」
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「ここは...」
ショッピングモールの中にあるスペース。光の粒が目の中いっぱいに溢れだし、様々な音が奏でるは楽しげな雰囲気が広がる景色。目が少しチカチカするくらい眩しいその世界は所謂ゲームセンターとよばれる場所だった。
「ロンドンって秘書艦としての仕事に就いてからずっと働き詰めだったからさ。もしかしたらこういうところで遊んだこと無いんじゃないかなって」
「確かに...買い出しの時に見たことはありますが実際に来たことは無かったです」
「よし!じゃあ今日は遊びつくそう!」
張り切った様子で色んなゲームを見る閣下はとても楽しそうで私はその顔を横から見て微笑ましいと思った。
「ロンドンロンドン!最初はどれから行く?」
子供みたいにはしゃぐ指揮官は正直凄くらしいなと思った。
「そうですね...あっ、じゃあ私あれが欲しいです」
「あれっていうと...」
私が指差した先にあるのは大きめのくまのぬいぐるみがガラスの中に入った、所謂UFOキャッチャーと呼ばれるものだった。
「よっしゃ、任せとけ」
張り切ってUFOキャッチャーの前に立ち100円を投入する。軽快なBGMと共にゲームがスタートした。
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「ぐぅぅぅ...!」
悔しそうな呻き声を上げる。総額が3桁から4桁に変わっても一向に動く気配を見せなかった。これには大きく2つの理由があった。一つ目はゲームセンターのUFOキャッチャーなだけあって、アームの力調整が持ち上げることは出来ないような絶妙な調整がされていること。もう一つは指揮官のボタンを離すタイミングが微妙にズレてしまってることだ。この二つが相まってくまのぬいぐるみは全く動じない構えを見せていた。
私はこの状態を打開する一つの方法を思いつき、それを実践することにした。
「指揮官、私も一緒にボタン押します」
指揮官の背後に付きボタンに手を添える。
「ろっ!?ロンドン!?」
「いきますよ、集中してください」
「おっ、おう」
くまのぬいぐるみのアームが通過してもボタンを押し続ける。少し待って私たちがボタンを離したところでアームが落ちる。アームの落ちた先にはくまのぬいぐるみに付けられているタグがあった。
見事、タグにアームが引っかかり穴にくまのぬいぐるみが落ちた。
「おぉ!」
「やりましたね閣下!」
私たちは手を取りあい喜ぶ。
「でも俺が取ったわけじゃないからな...」
自分の力で取れたわけではないので、閣下は酷く落ち込んでいた。
「私は嬉しいですよ、閣下が取ってくれたぬいぐるみというのも良いですけどそれ以上に私と閣下が一緒に取ったぬいぐるみの方が。これ宝物にしますね」
そうやって私は閣下に微笑んだ。
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「私は嬉しいですよ、閣下が取ってくれたぬいぐるみというのも良いですけどそれ以上に私と閣下が一緒に取ったぬいぐるみの方が。これ宝物にしますね」
そういってロンドンは俺に微笑んだ。その微笑みは本当に嬉しそうな顔で、くまのぬいぐるみを大事そうに胸に抱えながら見つめる姿に俺は思わず見とれてしまった。次にどのゲームにするか、色んなゲームを2人で見て周りつつ俺は先程のUFOキャッチャーでのロンドンの行動を思いだしていた。ロンドンは真面目に取ろうとガラスの先を見つめていたのでおそらく気づかなかったのだろう。柔らかく弾力のある2つのものが背中に当たっていたことを。そのせいでどうアームを動かしたとかはあまり覚えてない。気づいたらくまのぬいぐるみは穴に落ちていた。
背中に感じるロンドンの体は柔らかく暖かさがあって、普段は激しく戦っていてもやはり女の子なんだなと感じた。
そしてロンドンの言葉を聞いて、ロンドンの笑顔を見て、とても不思議な感情を覚えた。自分ではこの感情がなんなのか。なんと呼べば良いのか分からなかった。ただ、ロンドンのゲームをしてる横顔が今までよりも可愛らしく見えて。ロンドンと遊ぶ時間が楽しくて。さっきまで見ていた景色と、今自分が見ている景色がまるで違うようだった。色々なゲームで遊びつつ笑ってるロンドンの横顔はどんなゲーム機の放つ光の粒よりも輝いて見えた。
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「楽しかったなぁ…」
「そうですね閣下。私もはしゃいじゃいました」
満足げな顔をして俺達は、少し涼もうと高台に来ていた。辺りはもうすっかり暗くなってしまい、高台には俺とロンドンの2人だけだった。俺達の上と下で光の粒が散っていて幻想的な雰囲気を醸し出している。
「月が綺麗ですね、閣下。」
「そうだな」
確かに綺麗だ。今日はたまたま満月だったようで俺達2人を鮮明に照らしていた。そこで俺は昔読んだ一つの文学を思い出した。そこでは『月が綺麗』という景色を表す言葉を『恋愛感情』に例えている。それを思い出した俺は一つの引っ掛かりを覚える。ロンドンが女の子だと知って、笑顔を見て、可愛いと思って。確信した。
全てきっとこれは
「ロンドン!」
「何ですか閣下?」
この気持ちこそが
「俺はロンドンが好きだ!」
きっと恋と呼ぶんだと思う。
そう思ったら告白するしかなかった。何も考えない奴と思われるかもしれない。ロンドンは俺のことを好きじゃ無いかもしれない。いつ、どこから好きになったなんて知らない。気づいたキッカケは今日だったけど、好きになってたのはもっともっと前からかもしれない。だからすぐにでも伝えたかった。俺がロンドンのことを好きだって。
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「俺はロンドンが好きだ!」
いきなりだった。多分閣下は恋愛感情に気づいて、すぐにでも言いたくなって言ったのだろう。脈絡が無さすぎて少しだけびっくりした。
それでも。閣下に好きと言ってもらえて。私の見ている景色はただの夜景からいつまでも忘れられない想い出の景色になった。
「閣下...嬉しいです。ありがとうございます///」
月明かりが煌々と私達を照らしているから2人きりなのは分かっていても、流石に少しだけ恥ずかしさもあった。顔が少しだけ熱く感じる。
しかし、閣下に好きと言ってもらえて。閣下がようやく私を秘書官としてではなく女の子として見てくれて。嬉しさの方がやはり上だった。
「でも...明日からはまた仕事に指揮を執らなきゃなんだよな...」
「今日が終わるのが寂しいですか?」
「それもあるけど。それ以上にロンドンを危険な戦場に送り出して、自分はのうのうと安全なところで資料と睨めっこしてるだけなのがな。」
「その考え方はあまり閣下らしくありませんよ?」
「好きな子が心配なんだよ分かってくれ」
「大丈夫ですよ。私はいつまでも閣下のお側にいます...」
そう言って肩にもたれ掛かる。今日は色んなことをして疲れてしまった。寝不足も相まって体重を預けた瞬間疲れが溢れ出し、瞼に重みを感じる。微睡む景色の中で閣下が微笑みながら私の頭を撫でてくれたから私はゆっくりと安心して眠りに落ちた。
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次の日、私は起きたら自分の部屋のベッドに居た。閣下がどうやら運んでくれたようだ。恐らく閣下が置いてくれたのであろうベッドの横にある眼鏡をかける。視界が良好になる中、最初は戦場の遠くまで見る為に掛けていた眼鏡を、今は貴方を見る為に使ってしまっているのだと思うと少しおかしかった。
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「おはようございます閣下」
「おう、おはようロンドン」
「昨日は寝たあと運んでしまってもらってすみません。重くなかったですか?」
「あぁ大丈夫軽かったから」
「それなら良かったです。ところでその、右手で後ろに隠し持ってる結婚指輪ありがとうございます。そこに置いといてください。それより閣下、今日の予定についてですが...」
「っ!?何でバレた?昨日の今日で用意したのに?しかも平然としてるし!」
「……驚かないかって?
うふふ、閣下と私の関係ですから、わざわざ言わなくてもわかりますよ♪ふふふ」
閣下は思い切りの良い人だから私をベッドに寝かしたあと、すぐに指輪を買いに行っただろう。
「でも、せっかくですから、今日の夕食は私が代わりに好きなものをいっぱい作ってあげますね~」
私と閣下の関係が少し変わった今日は腕によりをかけて料理を作ろう。たくさんの料理を。閣下はどんな顔をして今日過ごすのだろうか。ワクワクした顔だろうか。ウキウキした顔だろうか。私は今日の秘書官をどんな顔して過ごすだろう。
今日の私達はどんな新しい景色を見るのだろうか。
閣下と見る新しい景色が楽しみで少しだけにやけてしまった。
二人して幸せそうににやけてる、なんとも微笑ましい景色がそこにはあった。
~Fin〜
という訳でいかがだったでしょうか。閣下が気になるロンドンのお話。まずリクエストいただいたアストロさん!ありがとうございます!そしてめちゃくちゃ時間かかってしまって本当に申し訳ないです。話が上手いこと出てこなかったんです...許してください何でも(以下略)
さて、今回のロンドンのお話ですが珍しくゲーセンに行くお話です。理由はいかにもロンドンが行かなそうな場所が良かったから。楽しんでいただければ幸いです。
そして上手いこと話が出てこないというアレに関して、普段ssを書く時は序盤は割と適当にこんなんかなーって進めることが多いのですが中盤辺りで必ず止まります。それはそのssに一つのテーマが欲しいからです。例えばユニコーンなら恋を知るということ。例えばベルファストなら立場的問題を超えて恋をするということ。いわば『恋』や『立場』と一言のテーマを書くようにしてます。そっちの方が物語に深みが出るので。いつもは初めと終わりが見えてるのでそこまで苦戦はしないのですが。今回はあまり書かないタイプのキャラというだけあってめちゃくちゃ苦戦しました。いかんせん赤面フェチなのでちょっと余裕そうなタイプはどう書いたらいいのだろう。可愛さをどう表すのか。かなり迷走して。結局は微笑ましいというかふんわりとした幸せ感を出すように落ち着きました。うーん、リクエストされたのに申し訳ないです...自分では上手いこと書けた方だとは思うのですがもし意にそぐわなかったら申し訳なさで胸がいっぱいです。その時はコメントで文句言ってください全力で土下座するので。
あっ、良いなと思ってくれた方は感想高評価ブクマ是非是非ください(切実)モチベが上がります。
あと関係ないけど今年花粉やばいです。鼻水ドバドバズムです。オルガなみに止まりません。目と喉も痛いし辛い。
次回ですがリクエストが無ければ多分なんか適当に好きなの1個挟んでアズレンです。多分大学に入って(ゆずソフト最新作、メインヒロインがめちゃくちゃ可愛いリドルジョーカーの発売もあり)忙しいので相変わらず月1くらいの不定期になりかねませんが早めの投稿ができるように頑張ります。
それでは次回も読んでくれると嬉しいです
(*´∇`)ノシ ではでは~