死ぬ気で楽して勝ってやる   作:聪明猴子

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DSAAへ向けて

「嫌だ‼絶対に嫌だ‼」

 

「何でですか!?先輩が私の特訓を見たいって言うから先方にも話を通したんですよ」

 

「そこがシェベルの所とは聞いてない」

 

天瞳流の道場前の階段で二人の男女が騒ぎ立てる。

 

「何でそんなに嫌がるんですか」

 

「おめぇには関係ねぇだろ」

 

「相手方にも話を通したんですから関係はあります‼嫌だと言うのなら理由を話して下さい‼」

 

「嫌だね。シェベルと会うと絶対に戦うことになるし、俺は行かない。帰るわ」

 

「ちょっとは自分の発言に責任を持って下さい‼」

 

「嫌だ‼大体何でこんな所で訓練してんだ。ここは只の古臭い道場だぞ。武器持ち相手にしてぇなら俺が相手になってやるよ」

 

「ほう、興味深い話をしているね」

 

「ミカヤさん!?何故ここに!?」

 

「ミカヤ・シェベル!?」

 

「天月・霞‼」

 

「ええっ!?」

 

《Round Shield》

 

いきなりの居合斬りをデバイスの発動したシールドで防ぐ。

 

「危ねぇ!!いきなり斬りかかるとかキチガイかよ」

 

「ふふふ、君に会えるとは思っていなかったよ」

 

「俺だって会うつもりなんかなかったわ」

 

「なななな何でミカヤさんが先輩に斬りかかるんですか!?」

 

「アインハルトちゃん‼コイツは天瞳流の技だけ奪って逃げたんだよ」

 

「人聞きの悪いこと言うなよ‼もう天瞳流の技は再現できるようになったから門下生辞めたってだけじゃねぇか」

 

「ほう。君は『まあそれなりに有意義でした。でもこれ以上は時間の無駄なんで今月で辞めます。月謝には色を付けとくのでそれで門下生の皆と美味しい物でも食べて下さい』ってメールを送ったことを忘れてるのかな?」

 

「ひっ‼先輩そんなこと言ったんですか!?」

 

「ああ。気遣いまでしてたのに何かそれからシェベルの奴襲い掛かってくんだよ」

 

「ほ、本気で言ってるんですか!?」

 

「?」

 

「ほらね、コイツは人の心が分からないんだよ」

 

「これはひどい」

 

「何が何だか分からんが、罵倒されてることだけは分かった」

 

「分からないまま膾斬りになりな」

 

「たかが都市本戦レベルのシェベルさんが言うじゃないか」

 

「来いよエレク!傀儡兵なんか捨ててかかって来い!!」

 

「ぶっ殺してやる!傀儡兵なんて必要ねぇ!ガジェットだっていらねぇ!てめぇなんて怖かねぇ!!ぶちのめしてやらぁ!!」

 

「それでもデバイスと魔力炉は使うんですね」

 

アインハルトの冷静なツッコミは熱くなった二人には焼け石に水だった。

 

「エレク・クレイヴェル‼私は貴様を殺すのを二千年余り待ったぞ‼今宵の晴嵐は血に飢えている」

 

「対魔法装甲鎧セット・アップ‼武装展開、大太刀‼てめぇの技で死になミカヤ・シェベル‼」

 

いつもの黒い鎧のバリアジャケット姿で、展開した大太刀を構える。

 

二メートル程の鎧兜が刀というには大き過ぎる刃物を持つ姿はあまりにも威圧的で圧倒される。

 

「先輩も居合斬りを使えるのですか!?」

 

「まあ見てな。伊達に三ヶ月も一万三千の月謝払って興味ない剣道道場に通ってはねぇんだよ」

 

「殺して(バラ)して並べて揃えて晒してやる」

 

「やってみろ!!但しその時にはお前は八つ裂きになってるだろうけどな」

 

「生身では刀も録に握れん癖によく言うよ‼」

 

「おめぇは大会で『剣術なら勝ってた』とでも言いながら負けるんだよぉ!!」

 

「天瞳流を愚弄するか!!」

 

「天瞳流はしてねぇよ。お前を馬鹿にしてんだよ‼」

 

「御二人とも辞めてくださいよ~」

 

「安心しろ、アインハルト‼コイツをぶった斬ったら俺が特訓には付き合ってやっから」

 

「大丈夫だよ、アインハルトちゃん‼このクズを斬り捨てたら今日の特訓をしようね」

 

瞬間同時に二人の刃が激突する。

 

そして一度後ろに退き、再び刀を構える。

 

「模倣水月」

 

エレクの再現された斬撃が、オリジナルと寸分違わぬ精度でミカヤを襲う。

 

「水月‼」

 

それに負けじとミカヤも同じ技で応戦する。

 

刃と刃が交錯し、幾筋もの剣先が身体に届く。

 

そうなると鎧型のバリアジャケットを形成しているエレクの方が断然有利だ。

 

ミカヤはバリアジャケットに殆ど魔力を回さず、只速さと鋭さを求めたが故にエレクの一撃が致命的になっていた。

 

「相変わらずその機動鎧は狡いだろ‼」

 

「どんな手をつかおうが…………最終的に…勝てばよかろうなのだァァァァッ!!」

 

しかしその圧倒的優位性を保ちながらも倒せない。

 

倒し切れない。

 

圧倒的機動性とパワー、堅牢なる装甲を持ってしてもミカヤを倒すには至らない。

 

エレクの剣筋を読みきり、威力が乗り切る前に刀の軌道を逸らす。

 

まともに受けずに、逸らし、叩き、弾く。

 

「くそっ‼ちょこまかと逃げやがって」

 

「当たらないね。確かにその技のコピーは驚く程の精度だが、ここまで近接してしまえば技量の地力が出てくるのさ。現に君は逸らしや弾くなんて技とも言えない技術に負けているのだからね」

 

「ぐっ‼魔力変換資質再現‼Type-Rio」

 

その音声トリガーでエレクの機動鎧が炎雷に包まれる。

 

鎧を外部から守る様に炎を纏いエレクは呵呵大笑する。

 

「はははははははは!これでどぉだぁ!これでお前をこのままじっくりきっちりローストビーフにしてやんよ」

 

「ひ――

 

「卑怯者かな?どこがだ?対策してないお前が悪い」

 

「コイツ……」

 

「これで貴様のアドバンテージは無くなった。近接戦ではお前が焼け死ぬか感電死するしな」

 

「ぐぬぬ」

 

「死に晒せぇ!!」

 

その後の一方的な戦闘は最早いじめと呼ぶべきものだった。

 

 

 

 

 

「やっと倒れたな‼ふう、大変だったなアインハルト」

 

「辞めて下さい‼私を共犯にカウントしないで下さい」

 

「とりあえずシェベルの晴嵐に自爆機能でも付けとくか。ここぞという時の為にな」

 

「辞めましょうよ……」

 

「ん、そうか。確かにシェベルに付き合ってる暇は無いな」

 

「え!?」

 

「急ぐんだろ。行くぞ」

 

「えっ!?どこにですか!?」

 

「はぁ?ボケてんのか?シェベルをぶった斬ったら俺が特訓には付き合うって言っただろ」

 

「うえっ!?あれって本気だったんですか!?」

 

「俺が嘘なんて吐くかよ。俺は今まで一度も嘘を吐いたことがねぇのが自慢なんだぜ」

 

「はぁ……それでどこに行くんですか?」

 

「測定器もねぇし、近接武器も二、三種類しかねぇから………俺の家に行こう。あそこは実験場もジムもラボもあるから」

 

「へっ!?」

 

 

 

 

 

「ハリー選手が脅すからビックリして防犯ブザー鳴らす所でしたよ」

 

「うぉい‼洒落にならんから辞めろ‼オレを社会的に殺す気か!?」

 

「コロナ抑えて‼エレク先輩じゃないから抑えて‼」

 

「エレク!?エレクって言ったよな?それってもしかしてエレク・クレイヴェルのことか?」

 

「ええ。ハリー選手は知ってるんですか?」

 

「まあ一応クラスメイトだ。それでお前ら本当に大丈夫か?あいつに脅されてるとか強制されてるなら言えよ。俺が責任持ってあいつを止めてやるからな」

 

「先輩が嫌われ過ぎてて草生えるwww」

 

「コロナが壊れたこと以外は大丈夫だと思えたら良いです」

 

「全然大丈夫じゃねぇええぇええ」

 

「そういえば先程ハリー選手は社会的に死ぬって言ってましたけど、多分これ押したら物理的に死にますよ」

 

「え、何それ怖い……」

 

「あれ!?それもしかして――

 

「そうこれはエレク先輩の発明品のひとつ防犯ブザー1号‼またの名を袋叩きスイッチ‼これを押すと最寄りのエレク先輩のラボから傀儡兵15体とAMFガジェット三機が転送されてくる優れものです‼」

 

「もうそんなの防犯ブザーじゃねぇだろうが!!」




活動報告以外でアンケートの方法をとる方法を知っている方がいらっしゃいましたら教えて下さい。
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