死ぬ気で楽して勝ってやる   作:聪明猴子

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一度事故って書き上げた文章を消してしまい、萎え萎えしておりました。
これからも頑張っていくので応援よろしくお願いします。

ランキングに挙がったのも、モチベ回復にはなりました。


お宅訪問

回りを広大な自然に囲まれた巨大ビル。

 

二十階以上ありそうな高級マンションをぐるりと取り囲む塀の入り口。

 

そこにエレク君御一行は佇んでいた。

 

「わぁ~大きいですねぇ~」

 

「先輩がお金持ちなのは知ってたけどやっぱり大きいです」

 

「これ丸ごと先輩のラボなんですよね」

 

「あぁ、土地までな」

 

「聞かれてないことまで言わなくて良いですよ先輩」

 

「コロナ、貴様は目上の者に対する礼儀を身に付けろ」

 

「歳が上なだけでは目上の者とは言えないと思いますけど」

 

「上等だ教育してやろうか?あっ、まだ門の内側に入ろうとすんな」

 

その時門をペタペタと触っていたリオをエレクが止める。

 

「え?何でですか?」

 

「俺特製の警備ロボがわんさか集まって来るし、管理局にも連絡が行くから面倒臭い」

 

「ん~リオ入ってみて」

 

「入らないよ‼最近コロナ黒いよ」

 

そんな漫才の横でエレクが四人のゲスト登録を行う。

 

「管理者権限。ゲスト認証。高町ヴィヴィオ、リオ・ウェズリー、コロナ・ティミル、アインハルト・ストラトスを攻撃対象外認定。入館を許可」

 

《了解。タカマチ・ヴィヴィオ、リオ・ウェズリー、コロナ・ティミル、アインハルト・ストラトスを攻撃対象外認定。入館を許可。ゲスト権限の発行を完了しました。ようこそいらっしゃいました皆様。お帰りなさいませエレク様》

 

ガコンと三重の扉が開き、エレク達を迎え入れる。

 

「凄いね悪の組織みたい」

 

「エレク先輩はある意味独り悪の組織だと思うよ」

 

「これは凄いですね」

 

 

 

 

 

所変わってラボ内部。

至るところに怪しい機械や部品が散乱している。

 

「先輩あれって何ですか?」

 

「メカフリードMk-2。人間を遥かに超えた魔力量と既存の生命体ではできない駆動を行える魔導兵器だ。お前の魔力変換資質を再現しているから電撃、炎熱に特化した戦闘スタイルで、魔力収束機構も搭載。ミッドでも三時間程の待機状態で戦闘も行える魔導師ランクAA+相当のぶっ壊れ性能の兵器だ。まあ敵味方識別装置が正常に作動しないんだけどな」

 

「本当に壊れてる」

 

「意味無っ‼」

 

「一応俺とキャロだけは認識できるんだがな」

 

「さすキャロ!!」

 

「あの、あそこにある人型の機械は何ですか?」

 

そこにあるのは人間大の傀儡兵。

 

地獄の模擬戦で最後のだめ押しに使われた物に似ているが、その時の物よりも全体的にスリムで全長も二メートル程しかない。

 

スッキリした必要最低限の装甲と、脚部に付いたブースターから機動力を重視したことが見てとれる。

 

武装もなく、素手での戦闘を想定しているらしい。

 

しかも翠と白でアインハルトのバリアジャケットと同じ覇王カラーだ。

 

そんな理由からかアインハルトはウズウズと身体を揺らしている。

 

「あれか。あれは覇王サマ5号だ。俺がお前の戦闘技術の完全模倣を目指して作成した徒手空拳型の傀儡兵だ。機動力の関係から魔力収束機構は搭載できなかったが、素の身体能力が桁違いだからお前と同程度かそれ以上の戦闘能力を持ってる。つまりそれなりに強いけど機動力重視の機体な為継続戦闘力に欠ける」

 

「ははぁ、是非一度闘ってみたいですね」

 

「お前は武器持ちを想定した訓練をするんだろぉが。まぁ殺りたいなら後日来い。こいつも今伸び悩んでるからな」

 

「ええ。後日また訪問させて頂きます」

 

「せっ、先輩あれ!あれは何!?」

 

コロナが強引に割り込んで来て疑問をぶつける。

 

アインハルトを半ば突飛ばしたことにも気付いていない興奮っぷりだ。

 

コロナの指差す先には八メートル程の人型の機械。

掌にある魔法の射出口と重厚な装甲、肩に搭載された二基の砲台が特徴的だ。

 

先の傀儡兵とは対称的に機動力を捨て、装甲と遠距離砲撃に秀でた機体である。

 

真っ白な装甲に赤と青のストライプが映える、とても強そうな機械だ。

 

「これは俺がどこまで大きいデバイスを作れるのかというコンセプトで開発した、デバイス自律戦闘補助機器。強化外装‐NOHANA。中央に存在する機関部にインテリジェントデバイスのコアを接続することでデバイス単体での戦闘が行えるのだ。しかも魔力でも電力でも、はたまた原子力でもエネルギー源に変換できるからAMF下でも十分な戦力が期待できる」

 

「凄い‼天才‼巨大ロボだぁ‼」

 

「す、凄い‼コロナが素直に褒めてる」

 

「どうしました?ヴィヴィオさん」

 

「アインハルトさん…何か既視感が………」

 

「ははははは‼少し調節すればブランゼルでも動かせる筈だぁ‼」

 

「凄い‼凄い‼」

 

「……………先輩あの夜天の書にそっくりなあれは?」

 

ヴィヴィオがおずおずと腕を挙げて質問する。

その先には茶色い表紙に金の十字架があしらわれた本。

 

「前八神さんの家行った時にこっそり機材持ち込んで作った夜天の書のレプリカ」

 

「えええぇえぇえぇぇぇえ」

 

「いやあんな宝の山に持ってかない筈ないから」

 

「ど、どうなったんですか?」

 

「全然上手くいかなかった。魔法技術の収集、研究用の収集蓄積型の巨大ストレージとしてなら完璧。転生機能とデバイスによるマスター選定までは苦労はしたが再現できた。だけど管制人格や防衛プログラム、無限再生機能なんかは全然ダメ」

 

「いや。前三つだけでもロストロギア級なんですけど」

 

「はぁ~融合型デバイス完成させてぇ。DSAAで来年くらいに使う予定だったんだけどなぁ~。今の出来じゃ0.2%くらいの確率で融合事故起きるんだよなあ」

 

「融合事故?それに 0.2%って少ないような…… 」

 

「馬鹿かお前‼毎回デバイスをセットアップする度に0.2%のガチャ引いてたまるか!!大当たりでデバイスに使用者の肉体がのっとられたり、勝手に自律行動を行われるんだぞ」

 

「確かにそれは嫌ですねぇ。でも元々ロストロギアの生成なんて無理だと思うよ。失われた技術で作られた物がロストロギアなんだから」

 

「俺の夢のひとつに夜天の書を超えるデバイスの開発があるから却下」

 

「やっぱり先輩って頭がカッ飛んでますね」

 

 

 

 

 

ラボを抜けて実験室に移動する。

 

乱雑な開発室と比べ、シュミレータールームは何もない。

只々白い部屋だ。

 

「ほらアインハルト武器持ちとの模擬戦だ」

 

そこで待っていると、エレクが居合刀やハルバート、双剣、銃剣など多種多様な武器を持つ傀儡兵を連れてやって来る。

 

「これは?」

 

「近接特化の傀儡兵。完璧なのはこの居合の奴。絶対に本家より強い‼他の奴はまあまあだが無いよりはマシだ。このダールグリュンモデルなんかは本家よりも技が少ないが、魔力量と筋力では本家を超える耐久性を持ってる」

 

確かにハルバートを持つ傀儡兵は固そうでヴィヴィオ達では倒せそうもない。

 

「ほ~」

 

「じゃあ適当にやっとけ」

 

「うぇっ!?」

 

「データ収集の為に連れて来たんじゃないんですか!?」

 

「いやこの実験室にいれば機材が勝手にデータ採ってくれるから」

 

「でも私達あの傀儡兵の動かし方わからないよ」

 

「わかる必要はない」

 

「なっ何で?」

 

嫌な予感を感じながらも問う。

 

「ここの訓練プログラムが死なない程度に殺してくれるから」

 

「うわぁ~」

 

「じゃあな」

 

「待って‼ちょっと待って‼」

 

「スイッチオン!!」

 

《訓練プログラムを機動。対称、高町ヴィヴィオ、リオ・ウェズリー、コロナ・ティミル、アインハルト・ストラトスの四名。これより訓練を開始します》

 

「うわぁ~~~」

 

 

 

 

 

死屍累々。

 

そんな言葉が似合う実験室だった。

 

ボロボロになって倒れ伏す十代女子と、スクラップになった幾つかの傀儡兵。

 

皆仰向けになって肩で息をしている。

 

リオやコロナなんかは疲れ果てて気絶している。

 

「………………死ぬかと思いました」

 

「………エレク先輩は何してたの?」

 

「魔力制御の練習だよ」

 

「魔力制御?」

 

「そっ、魔力炉あっても魔力の射出はコツいるし」

 

「コツですか?」

 

「そ、俺みたいなゴミ魔力量じゃ練習なしでS+ランクの魔力使えるわけないでしょ。今まで自転車に乗ってた奴が自転車にブースター付けて速くなったからって、乗りこなせるかどうかは別なんだよ。普通は事故る。だから道具を使うのにも練習期間ってやつが必要なんだよ」

 

そこで一度言葉を切り、滅多に無い真面目な表情で続ける。

 

「だからこそ最後の通告だ。お前達は俺の作成したデバイスを使わないのか?ここが今間に合うギリギリのラインだ。デバイスをお前ら用に調整できる最終ラインだ」

 

「……………………」

 

「今からでも都市本戦五位以内は確約しよう。お前らはどうする?」

 

「……私は強くなりたいです。 大切な人を、好きな人を守れるように。 ……確かに先輩のデバイスを使った方が効率が良いし、簡単かもしれないです。だけど今回のDSAAでは自分の力を試したい‼どこまで行けるのか知りたい‼……………だから今回はエレク先輩のデバイスは使わないと決めました。本当にありがとうございます」

 

「構わねぇよ。………お前みたいに成長性のある奴なら身体が出来上がってからの方が俺の道具を使いこなせるし、強くなれるだろ。それでアインハルトお前はどうするんだ?」

 

「…私は………私は……」

 

「お前は何がしたい?何故闘う?」

 

「……私はベルカで覇王流が最強だと示したかった。………でもそんなことをできない事は分かっていました。私には分かりません。自分が何をしたいのか。何故闘っているのか。………だからこれがわかるまでは使いません。何となく、分からないけれど私の目指したモノではないと思うから」

 

「ふぅん。相変わらず訳わかんねぇ奴だな。お前は」

 

「はい」

 

「が、そこまで言ったんだ。無様な結果見せねぇように精々頑張れや」

 

「「はい」」

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