楽しみにして下さった方がいたらすみません。
そういえば無限書庫編はシャンテいないけど何故ハブなんでしょうか。
「どんまいコロナ。これは地力の差だな」
「くそっ‼アインハルトさんがあそこで避けてればトラップが発動したのに」
「残念だったね」
「正直コロナさんが強過ぎてもう一度闘ったら勝てる自信がありません。しかも眼が据わってて凄い怖かったです」
エレクが煽りに煽り、散々に強化したアインハルトとコロナの闘いは寸でのところでアインハルトに軍配が上がっていた。
「畜生‼こんなに悔しいなら先輩のデバイスを使えば良かった‼アインハルトさんをフルボッコにすれば良かった‼」
「しっかりしてコロナ‼ここは人がいるから‼抑えて‼」
コロナ・ティミルVSアインハルト・ストラトス
アインハルト・ストラトスの勝利‼
「うーん。順当な結果だ。まさかハリーの奴が遠隔砲撃を修得していたのか。……… このエレクの目をもってしても見抜けぬとは!!天才のエレク一生の不覚!!」
「これはあれです。先輩のシュミレーターが悪いです。 あんな隠し玉があったなんて聞いてませんでした」
「はぁ?俺がハリー対策してやったから序盤有利に闘えたんだろ‼それを生かせず慢心したお前が悪い」
「知ってるんですよ‼そもそも先輩がハリー選手がこれまでの成長具合から遠隔砲撃を修得する可能性が高かったのに、面白いからって理由で嘘教えたの‼ヴィヴィオから『やはりハリーは遠隔砲撃を修得していたか……』って呟いていたって教えてくれたんですから‼」
「それは言わない約束じゃ……」
ヴィヴィオが慌てて口を塞ぐ。
「とりまヴィヴィオは断空拳ね」
「いやぁあぁああ」
拳を握るエレクを見て恐怖に戦くヴィヴィオ。
「まぁ。うん、あれだ。嘘ではないな。言わなかっただけだ」
「これで完璧にハリー選手に勝てるって言ってましたよね」
「敗北の責任を他人に押し付ける奴に未来はない」
「クズなのにすっげぇ良い台詞!!」
ヴィヴィオが台詞のチョイスに先程とは異なる意味で身を震わせた。
ハリー・トライベッカVSリオ・ウェズリー
ハリー・トライベッカの勝利‼
「言ったよなぁ‼相手はメンタルが貧弱なんだからそこを攻めろって。折角の作戦を無視しやがってよぉ」
「エレク先輩の作戦ってアレですよね?」
「分かってること聞くのは愚か者だ」
「エレク先輩もよくやりますよね。流石愚か者の代表格‼」
「ディバインバスター」
「コロナァァァアアァアア」
おもむろに隣のコロナに砲撃魔法を放つ。
些かの躊躇いもない行動だった。
「ブチのめす」と心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているんだッ!
という感じである。
エレク君はギャングの様な観念をお持ちだった。
ヴィヴィオの魂の叫びが哀愁を誘う。
「いつも言ってるだろ、勝てばいい。どんな手を使おうとって」
「私も言ってますよね。私は勝ち方を選ぶって。汚い手は使わないって」
「汚い手?」
「何本気で困惑した様な顔してるんですか!!」
「俺の作戦のどこが気に入らんのだ」
「いくら勝ちたいからってミウラさんに剃刀レターや脅迫電話なんてありえません!!」
「そこまでいかんでも明確に敵意をぶつけるだけでも効果は抜群だぞ」
「そんなの格闘競技選手の闘いじゃありません!!」
「メンタルが弱い奴の弱点を突くのが何故いけない‼」
「もうやだぁ、この先輩」
ミウラ・リナルディVS高町ヴィヴィオ
ミウラ・リナルディの勝利‼
「やはりチャンピオンは強かった」
「そういう事淡々と言えるのはやっぱりエレク先輩のせいだよね~」
KOされたアインハルトがベットの上で上半身を持ち上げながら放った言葉にヴィヴィオが呑気に返す。
そんな返事こそエレクに会う以前のヴィヴィオには信じられない発言ではあるのだが。
エレクの被害を受けて鍛え上げられたメンタルは先日の敗北を引き摺る事を許さなかったのだ。
「おい、寝てねぇで立ち上がれ。速やかに」
選手用の保健室にエレクが飛び込む様に入室する。
後ろにもリオとコロナ、ノーヴェと続く。
「ちょっとエレク先輩‼配慮が足りませんよ‼」
「そうだ。アインハルトにだって事情があるんだぞ」
「八神はやてが俺達を呼んでんだ。ささっと支度しろ。チャンピオンも来てんだ」
リオとノーヴェの叱責を完全スルーして更に続ける。
「あっ、わかりました」
そんな暴挙にもまるで動じずアインハルトが返事をする。
「あるぇすんごい軽い」
「エレク先輩………」
「こ、これは喜んで良いのか………?」
後輩二人はエレクの影響力を強く感じ、コーチはアインハルトの勝敗を引き摺らない性格への変移を成長と呼んで良いのか迷っていた。
ジークリンデ・エレミアVSアインハルト・ストラトス
ジークリンデ・エレミアの勝利‼
ホテルの最上階と見える、夜景の綺麗なワンフロア。
そこにインターミドル都市本選の上位選手とチャンピオン二人、期待のルーキに元機動六課の部隊長であり現海上司令というそうそうたる面々が揃っていた。
「リインがいねぇじゃねぇかぁああああぁぁああ」
そしてそんな面々の中で悲しげに慟哭する少年。
「天瞳漣月」
そしてそんな彼の首を刈り取らんと斬撃を放つミカヤ。
《Circle Protection》
しかしそれを余裕綽々に半球形の防御魔法が弾き返す。
《Restrict Lock》《Photon Lancer》
そして刀を弾かれた体勢のまま空間に固定され、エレクの周囲に生成された四基のスフィアから、槍の形をした雷が即座に発射される。
勿論そんな反撃に対処できるわけもなく動けないミカヤに多数の魔力弾が着弾する。
「みっ、ミカヤさーん!!」
もうすっかり定着しつつあるヴィヴィオの叫びが高級感漂うフロアに響く。
「実験台御苦労様。しっかり作動して良かったね」
「いつもの如くエレク先輩は女性にも容赦ないなぁ」
「あれってどう破るのでしょうか。私の断空拳でもあれは………」
「そんなことよりこの海老美味しいね。リオも食べたら?」
「ミカヤちゃん哀れなり。エレクと関わったばっかりに………」
叫んだヴィヴィオや、ミカヤを助け起こしたノーヴェを含めナカジマジムの面々に混乱はない。
「やっぱりナカジマジムヤバいわ」
不良少女は距離を取る。
「……?……………………?」
「えっ?チャンピオン?えっ?」
抜剣少女はフリーズし、生徒会長は現実を認識できない。
「げっ、外道!女性にやる技ではありませんわ!!」
「何でミカヤさん飛び掛かったんや!?」
雷帝お嬢様は素直な感想を溢し、次元世界最強の十代女子は疑問を叫ぶ。
「ちょっとは話させてくれへんかなぁ」
そして元機動六課部隊長は肩を落として項垂れた。
都市本選の上位選手相手に喧嘩を叩き売りながら歩くエレクを自身のストレージデバイスを与えることで沈め、意識がないミカヤを医務室に運び何とか場を治める。
既に疲労困憊のはやてはなんとか全員にアインハルトやエレミアの因縁を説明する。
そして話が終わり、漸くエレクの異変に気付く。
思い返してみればアインハルトやジークが祖先の記憶を不完全ながらも継承しているという話が出た時から全くと言って良い程喋っていない。
不気味な程静かだ。
それに皆が気付いた瞬間、今までの驚きや憐敏が消える。
それを圧倒的に上回る悪寒が全員の思考を断ち切る。
「……………………………………………」
「エレク先輩。普段なら黙るのは大歓迎ですけどこの状況で黙るのはすんごく怖いんですけど………」
リオが恐る恐るエレクに声を掛ける。
それでも全く変わらない。
そして静寂が訪れ、エレクの呟きが聞こえてしまう。
「……記憶…経験……………転写………魔法……ベルカ……憑依………………………………………不老不死…」
考え事をしているのか焦点の定まらない目。
飛ばし飛ばしで全容は分からないが、聞こえる単語だけで今日初めて会った面々にも嫌な予感が襲い掛かる。
時々チラリとアインハルトやジークに眼を向けるのだがそれが人を見る目ではない。
「アウトです!!完全、完璧にアウトです!!」
ヴィヴィオがエレクの視界を遮る為に両手を広げて立ち塞がる。
そんな勇気ある行動を受けてゆっくりと視線の焦点が結ばれる。
「ひぃ!?」
そこにあったのは面倒臭さ。
何としても障害を排除するという確固たる意志。
「総員戦闘準備‼死ぬ気で止めて‼」
ヴィヴィオの号令にナカジマジムの全員がノータイムでセットアップと戦闘準備を済ませる。
《鎮圧用兵装一号から五号まで解放。鎮圧、捕獲行動を開始します》
「アインハルトさんには指一本触れさせんぞ!!」
「頑張りましょうヴィヴィオさん!!」
「リンチしてやる」
「エレク先輩と闘うのはやだなぁ」
「アインハルトとヴィヴィオは右、リオとコロナは左。あたしは正面から。タイミングは合わせろ」
そして高級感漂うホテルの最上階は他の上位選手を巻き込んで戦闘区域になり、後から合流したなのはフェイトに鎮圧されるまで続いた。
拳とバインド、閃光、爆炎、投げ、雷、傀儡兵やガジェットに至るまでありとあらゆる攻撃が飛び交いホテル最上階は無惨にもぶっ壊れた。
しかしホテルへの弁償はエレクが 三千万☆PON☆と払ったことで問題はなかった。
「………………………………………なに…………何これ……?」
それを覗いていた魔女っ娘を大いに混乱させたが。