死ぬ気で楽して勝ってやる   作:聪明猴子

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お気に入りが減ってる。
多分DASS編をキングクリムゾンしたからだよなぁ。
と思う今日この頃。
仕方なかったんや。
作者には道具無しでオリジナル技とか作れんから。


無限書庫の救世主(前編)

無限書庫。

 

それは時空管理局本局内にある、あらゆる書籍やデータを収めた超巨大データベース。

 

そこを正しく運用すれば得られない情報など無いとまで言われる次元世界最大規模の書庫。

 

「まあヴィヴィオ達が無限書庫の司書資格を持っているのは良い。オレもまあ納得する。…………でも絶対に‼絶対にお前だけは駄目だろ‼」

 

「私も管理局の危機管理能力を疑います」

 

「あたしはいよいよ第二のドクターにならないか最近不安だ」

 

「エレク先輩、偽造は駄目ですよ」

 

ハリーの指摘に追従するように口々に騒ぎ出す。

 

それをどこ吹く風と受け流し、どや顔で司書資格を見せるエレク。

 

「はははは、これが今世紀最高クラスの天才の力よ‼」

 

「そうだった………こいつ普段はデバイス技能だけの馬鹿なのに勉強できるんだ……」

 

「学年首席だが?」

 

『何か質問ある?』みたいな声が聞こえそうなどや顔である。

 

「えっ、本当ですか!?」

 

「うん……」

 

ヴィヴィオの『そんな馬鹿な!!』みたいな顔を見てハリーが疲れた顔で頷く。

 

「同じ学校でもハリーとは違って俺は天才さぁ~」

 

「うぐぐ、中学退学になってる癖に……」

 

「馬鹿め‼俺はもう開発者として生計立ててるから学歴とか必要ねぇのさ」

 

ビシリと指を突き付けて見下す。

 

「ぬぐぐ」

 

「大丈夫です。ハリー選手の方がよっぽどモラルがありますから」

 

「すまねぇチビッ子。ナカジマジムはおかしい奴ばかりだと思っててごめんなぁ」

 

「ひどいです!!キチガイはエレク先輩だけです………あと最近コロナとか……」

 

段々と小さくなる声が多分に心当たりが存在することを示している。

 

「辞めろ‼ナカジマジムがキチガイを量産してるみたいな表現は慎め‼姉貴に顔向けできねぇ‼」

 

「そういえば何で退学になったんですか?」

 

アインハルトが純粋な疑問をぶつける。

 

「学校の警備システムや備品を改造しまくった」

 

「………………………………………」

 

皆何も言えなかったが、らしいなとは思った。

 

そのまま暫く沈黙が続くが、それを打ち切って最後に付け加える。

 

「最後にひとつだけ言いたいんですけど、ミカヤさんどうにかしてください……」

 

そこには晴嵐片手にいつでも抜刀できる姿勢でエレクを睨むミカヤ。

 

完全にいつもの上位選手の余裕がない。

 

ナカジマジムのメンバー以外はあまりの様子に声も出ない様子だ。

 

「いやぁ、あんな負け犬には何もできんよ。なぁミウラちゃん?」

 

「ええええええええええええ!?」

 

キラーパスを受けて本気で驚くミウラ。

 

完全にエレクの玩具扱いである。

 

「あまりミウラさんを虐めないで下さい」

 

「馬鹿を言え。ミウラが潰れて一番嬉しいのはお前だろ?」

 

「エレク先輩、あんまり酷いと聖王教会の全力で潰すよ」

 

「やってみろ」

 

そんな騒ぎから少し離れた場所で都市本選上位選手が語り合う。

 

「なぁオレらで今のうちにエレクを潰すのがDSAAの延いては世界の為なんじゃないか」

 

「ええ。あの手の輩は時間が経てば経つほど厄介ですし。今のうちに倒しておくのには賛成ですわ」

 

「勿論私と晴嵐も全力を尽くそう」

 

「ナチュラルに横でリンチの計画立てるの辞めてくれへん?」

 

「胃が痛い……折角チャンピオンのセコンドになれたのに……………」

 

 

 

 

 

「こんにちはー」

 

「こんにちは。いらっしゃい、ヴィヴィオちゃん。未整理区画の調査だよね? お友逹がいるってことだったけどそちらの…………救世主!?」

 

「ふぁっ!?」

 

「えっ!?」

 

いつもの様に受付に挨拶をしたらいきなり訳の分からない事を言われ困惑するヴィヴィオ。

 

そんなヴィヴィオに追い討ちをかけるかの如く受付の女性は続ける。

 

「本当にエレク技師だぁ‼無限書庫の救世主‼守り神‼本当に感激です!!」

 

「「「は?」」」

 

あまりにもエレクから縁遠い言葉が目の前で交わされ思考が凍りつく。

 

「あーもー!!ご迷惑じゃなければサイン下さい!!」

 

「ああ、全然大丈夫ですよ」

 

「嬉しいです‼あぁ本当に会えるなんて………」

 

「あっ、本当に救世主だ‼おっ、俺もサインお願いします‼」

 

「エレク技師‼お陰さまで本当に助かりました‼いくら感謝してもし足りないです‼」

 

「貴方のお陰で我々は救われました。無限書庫の司書で貴方に感謝していない者等いませんよ」

 

「本日はどういったご用件で?何かお手伝いできることがあれば仰って下さい。できる限りお力添えさせて頂きます」

 

その騒ぎを聞きつけ次々と職員が現れる。

 

そしてヴィヴィオ達はエレクに感謝する人達という普通では考えられない事柄を確認し、自分達の頭がおかしくなったのかと割と本気で考えていた。

 

しきりに眼を擦ったり、頬をつねったり、頭を振ったりと目の前の光景を否定する。

 

「あ、あのぉエレくんが何をしたのか教えてもらえます?」

 

「救世主ってどういう事でしょうか?」

 

その中でも比較的症状の軽かったジークとアインハルトが躊躇いがちに職員達に質問する。

 

「ん?エレク技師は無限書庫というブラック企業よりなお黒いとまで言われていた職場を一新して下さったのだ‼職場環境の改善‼私達が有給休暇、定時退社なんて言葉を実感できたのは救世主のお陰だよ‼」

 

「そうそう‼昔は高給料取りの死人、余裕の墓場なんて言われてたけど今では超エリート扱い‼俺らは今までの有給を使い倒して趣味も再開できてるよ‼ここに就職した時から趣味なんて続ける気力がなくなってたから本当に新鮮だよ‼」

 

「あぁ今では管理局でも一、二を争うホワイトカラーの職場‼倍率だって私らの時とは比べ物にならないんです‼」

 

「ちょっ、ちょっと待って下さい。そのエレク技師ってこの先輩ですか?このエレク・クレイヴェル?」

 

漸くヴィヴィオが再起動したのか質問する。

 

余程彼等の話す人物像と目の前の外道が重ならないのだろう。

 

エレクを指差して確認する。

 

「ええ」

 

「同性同名とかじゃなくて?」

 

「はい」

 

「嘘だぁ!!エレク先輩は頭か性能がおかしい兵器は作れてもそんなことはしないよぉ‼」

 

「ばぁか‼お前が使ってるセグウェイを俺が作った事忘れてねぇか?あと管理局は金払いが良いから多少面倒でもやるんだよ」

 

「うぐぐぐ、確かにあれは最早生活用品。無い生活など考えられない」

 

「言っとくけどそれお前が借りパクしてんだからな!!お前にあげてないからな?」

 

「何?何を作ったの?」

 

「無視すんな」

 

「多分洗脳装置とかじゃないかな」

 

「ディバインバスターかプラズマスマッシャーどちらがお望みか選べ」

 

「外道‼遠慮も躊躇も常識もない‼」

 

「ソルフェージュ改造でも良いけど?」

 

「プラズマスマッシャーでお願いします」

 

「そうか、そうか」

 

「初めてだから優しくして下さい」

 

「安心しろ俺も初めてだ」

 

そんな騒ぎから少し離れた場所で都市本選上位選手が語り合う。

 

「やっぱり今ここで潰しません?これ以上の被害拡大を防ぐ為にも」

 

「ヴィクター!?ヴィクターちょっとおかしいで!!」

 

「私は今すぐにでもエレクの首を落としたいんだけど」

 

「ミカヤちゃん!?殺人は駄目だよ!!」

 

「おいエルス、お前のバインドならどれくらい時間稼げる?」

 

「ちょっ、暴力沙汰なんて私絶対嫌ですよ!!」

 

「………ししぉ帰りたいです」

 

司書達から見てもミウラちゃんはいたたまれなかった。

 

 

 

 

 

「わっ!う、浮いてる!」

 

無限書庫の職員を何とか切り抜け未整理区画に突入するエレク達一行。

 

無限書庫内部の無重力空間で全員がプカプカと浮かび上がる。

 

慣れていないのかインターミドル上位選手でも思うように動けずバランスを崩している。 

 

「大丈夫ですか?」

 

「すみませんっ」

 

「大丈夫です‼慣れてないと無重力空間はキツいですよね」

 

不安定に同じ場所をグルグル回るミウラをヴィヴィオちゃんが支え、引っ張っる。

 

「ここは広いから別々に探しましょう‼」

 

「さんせ~!!私はエレク先輩以外だったら誰でも良いよ」

 

「私も」

 

「オレもエレクとだけは嫌だ。絶対に碌でもないことになる」

 

ヴィヴィオの提案に一気に閑散としていた未整理区画が騒がしくなる。

 

「お前ら検索魔法とか使える?読書魔法でも良いけど」

 

そんな悪口をものともせずにエレクは問いかける。

 

「私達は使えます!!」

 

「あっ、私も使えます」

 

「ふむふむ。ヴィヴィオ達とエルス、俺しか使えねぇとなると………十一人だから三人組と二人組で四組にしよう」

 

「ええ、エレク先輩にしてはマトモな案です」

 

「問題は誰がエレク先輩と三人組ないしは二人組になるかですね」

 

「じゃあこうしよう。特に俺と組むことに反対しなかったアインハルトとジークリンデが

 

「させないよ!?」

 

「だがそれ以外ないだろ?」

 

「ぐっ」

 

「仕方がないだろ」

 

「くっ………私エレク先輩と周りたいな~ねぇ、ミウラさん?」

 

「えっ!?僕ですか!?」

 

周りは確信した。

 

これはエレクの影響だと。

 

この強引さはエレクのものだと。

 

次に哀れんだ。

 

ミウラの犠牲を。

 

そして感謝した。

 

エレクの野望を阻止しようと動いていることに。

 

エレクと周るなんていう貧乏くじをどちらも持って行ってくれることに。

 

「エレク先輩と周りたいよね? 」

 

「えと…」

 

「周りたいよね?」

 

「……う……………僕は…」

 

「ねっ?」

 

「…………はい」

 

「おいミウラ、別に無理しなくとも良いんだぞ?所詮ヴィヴィオはお前より格下。脅されることなんてないんだぞ?」

 

「違うよねミウラさん?ミウラさんは自分でエレク先輩と周るって決めたんだもんね?」

 

エレクは諭す様にゆっくりと、ヴィヴィオは動かない笑顔でミウラに話しかける。

 

「……………はい…自分で決めました……」

 

「はい、そういうことなので三人で探しましょう」




おまけ

「そういえばその手記はどうやって探すんだ?オレは古代ベルカ語とか分からないぞ」

「あら?不良娘、貴女分からないの?」

「あっ、それなら問題ねぇぞ」

「え?」

「ほらお前ら特製の翻訳AI入れたからコイツら持ってけ。ちゃんと人数分あるから。今時道具とか使えばあんなの猿でも読めるから」

「………………」

「寧ろそんな所で自慢するような奴は多分性格が悪いんだよ」

「絶対に先輩には言われたくない」

「ソルフェージュ?」

「すいません‼」

「あの、その、何だ?オレは古代ベルカ語が分かるのは凄いと思うぜ」

「…………………やっぱりエレク殺しません?」
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