頑張って更新再開します。
「
《Fake Silhouette》
《Transporter》
エレクは逃げだした。
「うわぁああああ!!また、また空だぁあああ!!」
「大丈夫ですか、ヴィヴィオさん」
先程転移した上空に再び転移する。
アインハルトがヴィヴィオを掴んで、もう片方の腕で俺の自律砲台に手を掛けて何とか落下を阻止する。
「馬鹿か、俺のデバイス使え」
「あっ」
変形したジェットパックが直ぐに推進力を生み、何とか高度からの紐なしバンジーを防ぐアインハルト達。
「ふぅ、何とかなりましたね」
「あれはマジで肝が冷えた」
「未来が変わってしまいますからね」
「今度はあそこから少し離れたとこに降りんぞ。安全なとこに降りたらとりあえず行動方針決める」
――と思ったが先程とはバリアジャケットのカラーリングを変更したなのはさんが前にいた。
赤と紫色でいつもの色合いと真逆の印象を受ける。
「ヴィヴィオ、なのはさんに双子の姉妹はいるか?」
「いえ、いません……」
「それではあれは……………」
「大魔王からは逃げられない。なのはさんがユニゾンでもしたのかなぁ」
「なのはママのユニゾンとか………なにそれ怖い…」
「第二形態だろうか………自分で言ってて絶望感がすごいな……」
「貴方達は一体何を言って…」
なのはさん(仮)がこちらを警戒し、デバイスを向ける。
「何やってるんですか!?なのはママですよ!逃げましょう!」
「逃げられんのか?転移で魔力を消費し続けるのは痛過ぎるぞ」
「うぐ…」
「今ならヴィヴィオさんのお母様も九歳。私でも頑張れば勝てるのでは?」
「ばっか!!傀儡兵をゴミみたいに片付けたり、守護騎士とタイマンしたりするような奴にお前が勝てるか!!」
「むむむ、それは確かに……」
「まぁお前では無理でも俺なら倒せるとは思うんだよ」
「確かにエレク先輩だったら十四年前のヴィヴィオさんのお母様にも勝てそうですね」
「でもなのはさんは倒せてもそれをすると闇の書を消滅させられるメンバーが報復に来るんだよなぁ」
「た、確かに絶望的。なのはママが敵の時の恐ろしさは異常」
「どうするかなぁ?とりまアクセルシュートでも撃ってから考えるか?」
「いえいえ、それは明らかな敵対行動です。思考放棄というより即断即決と言うべき行いでしょう」
「もうやだなぁ。なのはママに敵としてエンカウントした時点で絶望的ですし。あぁ、もう降伏しましょうよぉ~」
「でもここで連れてかれるってのは一番避けたいとこなんだが……」
「じゃあ――
「あぁ、ぶちのめす。希望は前に進むんだ」
「それって本人の目の前で相談することじゃないと思うんですけど」
「ささっ始めましょうか。なのはさん」
「何か勘違いしてるようですが私は――
「ショートバスター」
六歳も下の少女に、相手より優れた質と数の兵装で容赦なく不意討ちで砲撃を叩きつける外道がいた。
微塵の容赦もない全力の潰し方だった。
しかしそんなものは相手にはあっさりと防がれる。
多少後方に弾かれたようだがプロテクションでしっかりと身を守っている。
「ちょっ――」
「フルバースト、追撃」
《Divine Buster》
それを確認するなり何事か言わんとしていた少女に更にピンクの暴威が襲い掛かる。
起動鎧内部の魔力炉が生成した膨大な魔力が浮遊する自律砲台の全てから砲撃として迸る。
五本のビームが空を駆け、少女の防御にぶつかり爆る。
追撃されることを予想して予め行われたカートリッジロードに、瞬時に通常より強化なプロテクション・パワードを張る技量。
受けきれないと見ればバリアを爆発させ、爆風で距離をとる。
正に超反応と呼ぶに値する天才的な対応だった。
今行える最善の対応。
誰もが感嘆する天才の所業だった。
それでも彼はそれに感心しながらも追撃の手を緩めない。
「拡散射撃」
《Sacred Cluster》
拡散した魔力弾が吹き飛ぶなのはを周囲の地形ごと抉りながら上から叩きつける。
一言発するだけで周囲の自律砲台からほぼノータイムで魔法が放たれる。
三十五分しか保たないと言っていたがそんなものが問題にならないくらいの圧倒的な蹂躙劇だった。
勿論同じSランク魔導師でもこのような魔法行使なんてできる筈がない。
リンカーコアによらない魔力供給と膨大な魔力に耐えうる出力兵装。
完全に魔力を操作して術式構築を其々行える優秀なデバイスがあってこそ行える多重魔法展開。
一人で数の暴力を成す息も吐かせぬ波状攻撃。
《高速接近反応三、魔導師と思われます。推定到達時間一分、一分三十、二分三十五》
「おっと、お早い対応で。敵対指定。迎撃を」
《Divine Buster Extension》
それだけ言うと周囲に浮かぶブラスタービット大型二機、小型一機が反転して夜空に魔方陣を描く。
そして一度明滅し、直後ピンクの閃光がが闇を切り裂き疾駆する。
片手間どころか、デバイスのみの魔法行使とは思えない超遠距離狙撃。
「ほら、お前らも加勢しろ。さっさと片付けるぞ」
「ひぇ~人の母親の幼女時代をフルボッコにしてる人の言葉とは思えないよ~」
「そんなことッ――
「ディザスターヒート」
《Protection》
「――ホラな。やっぱりこれじゃあやられん」
炎の濁流をプロテクションで防ぎながらも笑う。
「嘘……」
「物量でやられてくれんならお前の母親はエースとか呼ばれてねぇよ。てか今の魔法は初めて見たぞ。なのはさん隠してやがったな。未来でお話決定だ」
「……対話による説得は諦めました。実力行使でいかせてもらいます」
「やってみろ、貴女の戦術なんざ遠くの未来に解析し終わってんだよ」
「………あれ?」
「どうしましたヴィヴィオさん?」
「いえ、あっ、やっぱり……ちょ、ちょっと待って下さいエレク先輩!あれもしかしてなのはママじゃ――
「パイロシューター」
十五発もの燃え盛る誘導弾がエレクに殺到する。
人一人を容易に殺傷できる暴力が炎という形をもって夜空を照らし――
「潰せ」
《Sacred Cluster》
倍以上の数の魔力弾で圧殺される。
迎撃に使用し先程よりも弾幕が薄くはなっているがそれでも世紀のキチガイが仕上げた最高品質の兵装である。
エレクにシールドを張ることもさせられず、なのはさん(仮)は自身を侮るエレクの態度を崩せない。
しかもその魔法の破壊力は驚異的で、シールドの上からでも容赦なく衝撃を伝える。
こうなればいくら天才のなのはさん(仮)であっても防御しながらの砲撃はできないし、上から落とされるように撃ち込まれるのでにシールドを解いての回避も選べない。
「
幻覚魔法で作成した虚像と本体を入れ換えたエレクが後ろから蹴りつける。
砲撃を対処している際に行ったオプティックハイドとフェイク・シルエットの同時使用は、収束魔法のチャージという最大の弱点を完璧に消し去る。
エレクがばら蒔いた魔力の多くを威力に変えた魔力収束打撃はなのはさん(仮)の身体ををピンポン玉みたいにぶっ飛ばす。
大きくバウンドして、フェンスがなければ屋上から落下していたかもしれない。
「モード・リリース」
慎重にサーチャーを飛ばして意識の有無を確認していたエレクは漸くヴィヴィオとアインハルトの待つ上空に再度浮上する。
「結構魔力使ったが勝ったな」
「………エレク先輩…」
「何だ?」
「…………ええっと…あの…」
「?」
「ちょっと話したいことが………」
「あ?だから聞いてんじゃねーか。何だよ」
「…………ぶっちゃけさっきの人なのはママじゃないかも……」
「あ?…………………は?…えっ?」
「さっき先輩に話そうと思ったんだけどね。な、なのはママは魔力変換資質持ってなかった筈です」
「……………………………」
「しかも今考えたらなのはママがユニゾンしていたなんて聞いたことありません」
「…………………」
「更に言うとユニゾンしても髪型は変わらないと思います……」
「………」
「……………………あの……大丈夫ですか?」
「うん、ヴィヴィオ。ひとつ言いたいことがあるんだ」
「嫌です!絶対に嫌です!!」
「殺す!」
何とかセイクリッドハート内部の記録や、実験のテスター、聖王の鎧の情報等を提供することでエレクの制裁を退けたヴィヴィオはエレク達と共に今はなのはさん(偽)の倒れるビルに着陸していた。
「じゃあこいつは誰なんだよ」
「知らないです」
「じゃあとりあえずこのデバイスでも弄ってみるか」
「あぁなのはママのそっくりさんごめんなさい」
「ここに残るのも面倒だしデバイスにある俺らの記録を消したらデータコピーして移動するぞ」
「うん」
「でも近くで見れば見るほど先程会ったヴィヴィオさんのお母様に似ていますね」
「まぁ多分俺らの事件に無関係ではあるまい。とりあえずデータを解析してから考えればいいさ」
「そうですね…」
「んっと、終わったぞ。さぁ離れる――
《敵対反応交戦圏に浸入》
「時空管理局所属、フェイト・T・ハラオウンです。 この場にいる全員は速やかにデバイスを収めて下さい」
「見つけた!!さっきの鎧の人!ってシュテルちゃん!?」
「ちょっとなのちゃん!?今フェイトちゃんが――
それ以上は聞こえなかったし、聞きたくなかった。
未来のエースオブエース、最強クラスの執務官、機動六課部隊長がそこにいた。
大魔王からは逃げられない。
メンタルは何とか整えたから更新はなるべく早くする所存。でも次回も戦闘シーンありなので更新速度は期待しないでください。
これまでのお話をほんの少し追記しました。でも別に伏線とかの追加はないんで見なくても大丈夫です。
最近エレク書いてなかったからヴィヴィオとアインハルトがセグウェイで爆走する夢見た。
誰かイラスト化してくれないかなぁ。